カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

読書

ポップコーン、MASTERキートン、崑崙山。

夜中から降り続く雨と、夜更けに見た「実写版デビルマン」の余波のせいか、ひどく体調のすぐれない日だった。エアコンをつければ寒く、切ると暑い。そしていずれにせよ頭痛がひどい。こういう時は、娘に着せるものにも迷う。 そういった日々の癒しは帰宅すれ…

お庄屋(の尊厳)殺し――土曜プレミアム・悪魔の手毬唄~金田一耕助、ふたたび~感想

余談 気が付けば前回の加藤シゲアキさんの金田一耕助から一年が経過していた。 kimotokanata.hatenablog.com 配役の妙もありなかなか面白く見させていただいた前回に続き、クリスマス・シーズンに「悪魔の手毬唄」を新作として披露してくれるというまさしく…

迷宮入りだ! あるいはゴールデンカムイ18巻感想

余談 いつか思い出してきっと泣いてしまう恋のDVD化に気が取られてしまい、次は9月か...と漠然と考えていたら先週、その前に今月新刊が出るという嬉しいサプライズに見舞われた。 ということでここからはゴールデンカムイ18巻までのネタバレがあります。 本…

万葉集は「君の名は」からはじまる――新元号「令和」制定に寄せて

余談 新元号、令和だってよとボスが伝えに来てくれた、そんな愉快な職場である。 幸いにも元号がいつ変わろうとさほど影響のない業界におり、なんとなくのお祭り気分で過ごすことが出来たが、それも生前退位のおかげなのだな、と思う。 筆者は平成元年生まれ…

フクースナ&ヒンナ! あるいはゴールデンカムイ17巻感想

余談 時系列に沿ってブログ記事を進めていきたい、いきたいのだがやはりゴールデンカムイ17巻の感想はせめて刊行から一週間経たないまでに記事にしておきたかったのでご容赦願いたい。 今回も限定版と電子書籍版を購入した。電子版では裏表紙の勇作さんが拝…

春立てる霞の空に、下関越えんと――広島帰省&広コミ224&せとうちめぐり参戦について

余談 この間の記事にも書いたのだけれど書きたいことは沢山あって、しかし月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人、その歩みを順番に書き留めようとすると、なかなか時間がかかってしまうのである。 この辺り、瞬時に記事化できれば多くの人の目に留…

オミットされた愛、発掘された愛――犬神家の一族2018年版感想

余談 犬神家の一族は横溝正史先生の作品の中でも最も映像化が多い作品であるという。(映画3本、テレビドラマ6本) 原作の初出は1950(昭和25)年というから驚きで、雑誌に予告が出たころに横溝先生はかの江戸川乱歩氏に「今度、犬神家ってのをやるでしょう …

ミュージアムのアラサー、あるいは晴れた休日の朝鹿児島市立美術館へ行った話

入館まで 丁度一週間前、「ミュージアムの女」を再読した。 ミュージアムの女 作者: 宇佐江みつこ 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2017/09/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る KADOKAWAお得意の「一風変わったお仕事の人の実録4コマ…

書を拾おう、街に出て。

余談 文化の日である。碑である。と変換され、前回触れた「鵺の碑」がフラッシュバックされる。曾祖母の命日でもある。いつの間にか八年も経ってしまった。 八年前の今日、筆者は大阪にて開催されるリクナビ開幕liveに参戦する――と見せかけて海遊館に向かっ…

冬の始まりに夏の摸倣を振り返る

「講談社ノベルス期」というのがある人にはある、と筆者は思う。筆者にはあった。 あのサイズ感に。イヌくんに惹かれてたまらない時期が。 「カバーデザイン=辰巳四郎」 「ブックデザイン=熊谷博人」 この並びだけでご飯がうますぎてふりかけが欲しくなっ…

バーニャ!あるいはゴールデンカムイ15巻感想

ゴールデンカムイ15巻限定版が出るということを知るや否や妻が予約してはや3か月余り、発売日(本日)。何故か筆者は電子版を手にしていた。仕方ないんだ……鹿児島の物流が遅いから…一刻も早く読みたいから…表紙が月島軍曹だから……。こんなことをしたのは戦…

アリアドネの糸の顕現、あるいは「オカルト・クロニクル」書籍版感想―秋の夜長の怖い本その2

余談 今週のお題「おじいちゃん・おばあちゃん」 自治会の敬老会にお呼ばれされ、大正琴から音を出してきた。(演奏と言えるレベルではなかった)思いのほかしっかりステージが設営されており、その一方でリハーサルもなくヨーイドンであったが懐かしソング…

寺生まれのTさんVS事故物件、あるいは「怖い間取り」感想―秋の夜長の怖い本その1

余談 9月になった。冷夏が続こうが猛暑であろうが今年もなんだか時が過ぎるのが早い。相変わらず冷房はほぼつけっぱなしだし(先月の電気代は9000円近かった)日中は30度を超えているが、それでも少しずつ過ごしやすい気温になってきている。豪雨の復興を祈…

私はこの恐ろしいドラマだけは感想を書きたくなかった――「悪魔が来りて笛を吹く」を視聴して

長谷川博己氏が金田一耕助を演じた「獄門島」。そのリブートぶりに度肝を抜かれつつも最後シーンの等々力警部よりの電報「悪魔が来りて笛を吹く」に次作の製作を予感し多くのファンは続報を心待ちにしていたはずである。 果たして、およそ二年後の今年七月末…

青春は自分と夢の間に流れる川、あるいは「バーナード嬢曰く。」4巻までの感想

余談 書きたいことはたくさんあるのだが、どうにも疲弊してしまっている。 一つはこの異常気象で、幸い妻の料理のおかげもあり夏バテには至っていないがそれにしたってこの暑さはどうしようもない。仕事中、別棟に移るその間だけで体力をがりがりに削られる。…

繋がれた箱の中の愛の撃ち殺し方、あるいは封神演義外伝および覇穹 封神演義最終話までの感想

※封神演義全般に対する致命的なネタバレがあります。 封神演義外伝感想 「封神演義外伝」最終話読了後の筆者(イメージ) こ…これだよ読者が求めていたモノは! といった感じであって、外伝ものに期待するお祭り要素が生かされていた。こんな華やかな場には…

かごんま弁警察がやってくる んもすッ! んもすッ! んもすッ! あるいはゴールデンカムイ14巻感想

余談 大迫勇也さんが(おお、変換候補に出て来た)半端ないということで、同郷人のはしくれとしては嬉しく思う。 思い出す、あの鹿児島城西VS広島皆実の決勝戦を。当時筆者はこともあろうに広島皆実高校のすぐそばでアルバイトをしており、休憩時間に小さな…

封神演義 外伝という福音および覇穹 封神演義15話目までの感想

画像:封神演義 外伝を二話目まで読んだ時の筆者の心象風景 封神演義全般のネタバレがあります。 余談 ジャンプ+で少年ジャンプを定期購読し始めて二年くらいが経つ。が、実は今年になってから一度も少年ジャンプを開いていない。 一つは最近のアンドロイド…

いつの間にかkindleで買った本が1555冊になっていた話、あるいはコレクションタグをつけた電子書籍積読本265冊の魂の比重

余談 ブログを開設して五か月ほどが経った。ちょっとしたカップルであればなんとはなしに別れたりするくらいの時間が経ったが、有り難いことに継続できている。基本的には一日100PVほどで、いつの間にか累計で10000PVを超えていた。わーい。 相変わらず天才…

「とうとう来た」よりもお前は一生逃走劇だ、あるいはゴールデンカムイ一気読み

※今回のリンク先は自己責任でクリックをお願いいたします。ご気分を害される恐れがあります。特にお食事前後はおすすめいたしません。 余談 月曜日というやつは四天王の最初の敵みたいなところがあって、週の序盤から我々を苦しめるくせに、いざ祝日になって…

「パンドラの匣」は「匣」の字面のインパクトが7割

今週のお題「カバンの中身」 通勤カバンの中身。以下、順不同。 お菓子(護身用/休憩時間に家に帰れなかった時のための糖分補給用) お菓子(スタッフさんからのお土産など貰い物) 充電器(車のシガーソケットで最近充電しているのでほとんど使わない) 割…

大河ドラマ「西郷どん」第十四回 「慶喜の本気」

余談 「バグダッド日報」という、言われてみれば「侍魂」とか「僕の見た秩序」と並んでいそうな老舗テキストサイト味があるタイトルトピックから、ゼロ年代テキストサイトを彷彿とさせる文章群が出てきて思うのは、人間はどのような状態であっても何かしらに…

木元哉多先生著「閻魔堂沙羅の推理奇譚」を木本仮名太、拝読する。

余談 弟(初號機)が誕生日である。不器用な兄を反面教師として、周囲に気づかいをよくし、順風満帆に人生を送ってくれている。周囲というのは兄である筆者も含まれていて、「兄のおかげで、好きなことが出来たし、出来ている」と言ってくれたことがある。言う…