薩摩サーバーが実装された頃から不精な審神者をやっている。(まだレベル24)
妻の方は昔から一つのことをコツコツやる性格で、このゲームも例に漏れず筆者よりずっと後に始めたがレベル150くらいである。アニメは花丸、活劇共に二人とも全話見た。
西郷どん一話鑑賞の興奮も冷めやらぬうち、我が家は続・花丸待機会場と化していた。途中サカナクションliveがBSであったのでアイデンティティを考えたりしつつ、放映開始=0時であるからおみくじ待機もしつつ。
穏やかなしかし怒涛のような相反する属性を併せ持った30分間が過ぎた。そういえば自分が深夜アニメを見始めたのは「らきすた」だったなと思い出した。空気感が似ているように感じた。絶対にスタッフに博多君が好きな方がいると確信したりした。毎回アバンで今週の安定君があったりするのかもとか。早く数珠丸君に喋ってほしいとか。
放送中に鍛刀したら蛍丸君と長谷部君が一気に出たのでこれは付喪神の思し召しであろう、ということになり、福岡市博物館へ朝一で向かうことにした。六時半出発で、十時前に到着。途中から高速が三車線になり「恐ろしいところに来てしまった」という気分になる。鳥栖JCTって男の子だよな。
警備員さんのにこやかな笑顔に迎えられる。無料駐車場は本当にありがたい。
建物から放たれるアカデミックなオーラに気圧されつつ入館する。雨は大人しくしてくれていた。
入館すると早速出迎えられる。
すぐそばに福岡城基金の募集もあり、金額に応じてグッズがもらえた(200円で家紋ピンバッジをいただいた)土日祝限定だそうである。
階段を上がり、居住まいを正し、まずは「黒田家名宝展示」へ向かう。200円。
安い。安すぎる。100円あったらマックに行くかもしれないが200円あったら福岡市博物館へ行くべきである。
20分ほど待つ。その間、前後では続花丸の話題が文字通り花開いていた。
丁寧に調光された照明の中で戦国の重みが形となって鎮座していた。
日本号はやはり刃の彫りがとても好きである。大正琴で「黒田節」を弾くたびに「日の本一の槍」を思い浮かべていたが、実物は想像よりもはるかにただそこにあるだけで正しく「日本号」という名に相応しい存在感があった。
圧切長谷部のは名前や逸話から想像もできないような優美さがあった。
刻まれた「黒田筑前守」が万の言葉を並べても叶わない説得力を備えている。
まさかここで黒田家の刀剣と甲冑展は我慢なんてするほど筆者は人間が出来ていない。
500円というまたしても恐ろしくリーズナブルな料金を払うと早速あのお椀鎧が目に飛び込んでくる。例の喧嘩の仲直りに交換した空気抵抗がすごそうな兜も。いつみても黒田長政の肖像画は「うわめっちゃ風にもっていかれそうになるやん」という顔に見えてしまう。
あまりに目立ち過ぎて戦場で大砲の的にされたという伝承のある兜。でしょうねとしかかける言葉が見つからない。お嬢さん……男っていうのは馬鹿な生き物なのです
個人的に今回一番心惹かれたのはこの二字国俊。気持ちのいい直刃。黒田長政が戦で愛用したという。
そして圧切長谷部の拵。ゴージャスながら気品がある。近寄ると細かな模様がより分かり、見ていて飽きない。
ミュージアムショップ横で販売されていたどら焼き「日本号」がこれまたその名を冠するのも納得というおいしさ。白あん派です。
しかも追加料金なしで金印まで見ることが出来る。福岡の文化に触れることが出来る。本当にいいんですかと言いたくなる。気が付けば4時間も博物館にいた。
しかし徒然思うのが薩摩の誇る刀「笹貫」(京都博物館所蔵)を刀剣乱舞に実装してほしいなあという気持ちである。筆者になじみがある地域で鍛刀されたということもありひときわ愛着がある。
仮に実装されるとしたらどんな姿になるだろうか……
・古刀
・九州にゆかりがある
・刀工の名前は波平(なみのひら)
???「バッカモーン!」
ということで(論理のアクロバット)福岡市博物館は「サザエさん通り」にあります。
ボリューム満点、近所ならば毎月でも訪れたい素晴らしいスポットでした。