カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

封神演義 外伝という福音および覇穹 封神演義15話目までの感想

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画像:封神演義 外伝を二話目まで読んだ時の筆者の心象風景

封神演義全般のネタバレがあります。

余談

ジャンプ+で少年ジャンプを定期購読し始めて二年くらいが経つ。が、実は今年になってから一度も少年ジャンプを開いていない。

一つは最近のアンドロイドはアプリのデータをSDに移せないものが多く、ジャンプ+も例外ではないのでエクスペリアの容量がいっぱいいっぱいですごく動きがもっさりして、読んでは消しを繰り返さなくてはいけないというのが面倒くさいというのが理由だろう。

連載作品がつまらなくなったということは全くなくて、ドクターストーンはじめ毎週楽しみにしている作品は沢山あったし、ワンピースもこの間表紙でどかんと展開のネタバレを食らったからそろそろ読みたいなあとも思うのだが、しかし、年末年始の合併号で間が空いて、ちょっと読まずにいて、意外と平気な自分にちょっと驚いた。男は死ぬまで少年で自分もそれは例外ではなく、うちの親父の様に30,40,50,60歳喜んでの精神で週刊少年ジャンプを読み続けていくのだ、と何の疑問もなく考えていた。(うちの親父は50歳までジャンプ、マガジン、サンデー全てに目を通していたある意味での化け物である。チャンピオンは時々間違えて買ってきた)けれど半年近く、ジャンプ無しで何とかなっている自分がいる。

多分このまま卒業することも出来るだろう、くらいの手ごたえはある。フェードアウトさせようと思ったら出来る。でも多分、もうちょっとしたらまた溜まった分をガツンと読んで、週刊ペースで連載を追っていくのだろうなとも思う。

実はジャンプ+でジャンプを読み始めた最初の頃もこういう時期があった。鹿児島に住む筆者にとって、流通の関係で長らくジャンプは「火曜日に読むもの」であった。今では、毎週月曜日の朝に今週のジャンプが配信されました! と通知が来る。それがなぜかつらかった。自分の中でジャンプはつらい平日の始まりを何とかやり過ごしたその次の日に、弟と順番を争いながら読むべきものであって、そのリズムを崩されたくなかったからかもしれない。弟の、「ワンピースだけ先に読ませて!」という悲痛な叫びを、そういえばずいぶん聞いていないな、と思う。(筆者がジャンプを、弟初号機がマガジンを、弟弐号機がサンデーを親父が読み終わった次の「ご相伴」にあずかるというシステムがかつて我が家にあった)ともあれその時も、半年分くらい読まなかった気がする。その時は結局転職期間中の暇な時期に一気読みした。今、ジャンプを溜めているのはもう少ししんどくなった時のための安定剤として、最後に残しているのかもしれない。そういった自分を知っているから、溜めていても平気な自分がいるのだろうか……。

とかいいながら、来週辺り今週のジャンプ感想みたいな記事を書いてしまうのが筆者である。いつか子どもを授かり、ジャンプを読み始めた時に「この漫画父さんが○○歳の時からやってるんだぞ~」みたいな話をするためにもやっぱり読むかもしれない。かつて親父が少年漫画を息子たちとのコミュニケーションツールとしてきたように。

本題

そして筆者はヤングジャンプを購入した

封神演義外伝 - 藤崎竜 | 少年ジャンプ+

とりあえずまだもう少し一話は無料で読めるようなのでまだの読者諸賢は是非ご一読いただきたい。

この時点で筆者に一つの予感があり、本日とうとう前述のように少年の気持ちが停滞していたことも後押ししてヤングの階段を登り、初めてヤングジャンプ本誌を買い、はやる気持ちでページを繰って第二話を読んで筆者はやはり一つの推測をさらに固めざるを得なかった。

もしかして、藤崎先生は覇穹 封神演義で省略されたあの場面やこの場面をメインとして外伝を描くのでは、という推測を。

花狐貂の登場だけでは「過去の中でもインパクトのあるシーンだからなあ」と思うにとどめたが、なんと孔宣が登場するではありませんか。

孔宣は藤崎竜先生版封神演義にこそ登場しなかったものの、原典においては周の多くの武将を捉えた殷の将軍(三山関の総兵(総司令官→西伐軍大将)であり、原典作者のオリキャラで一度意識してみるとメアリー・スーぶりが愉快な「陸圧道人」すら一度退けた「もうこいつ一人でいいんじゃないかな」的強敵なのである。その正体は原典では孔雀明王で、正体がばれても倒したり封神したりされるのではなくおうちへおかえり……されるにとどまるという破格の待遇である。

孔雀明王を雉鶏精にアレンジするという手腕ももちろんのこと、こちらが時を飛べるだけではなく、相手も飛べるのでいろんな場面にお邪魔できる……という藤崎先生のストーリーのつくり方には感嘆しきりであるが、ここで重要なのは先ほどの原典での孔宣のポジションである。なんと、あの高継能の上司なのである!

えっ読者諸賢ともあろうものが「ちくしょう……この高継能が……」でおなじみのあの高継能をご存じない? 毎回筆者が「高い継ぐ能力」と入力して余剰部分を消し込んでいる高継能を? きっと蜂木乃伊を操っていた地面に潜っていたおじさんと言えば思い出していただけるんではなかろうか。ちなみに原典ではこの人が黄天化を討ち取っていたりする。へっ……こんな最期は考えてなかったさ……。

ともあれその高継能が登場した場所と言えばそう……クィーン・ジョーカーⅡ世号である。覇穹ではバッサリカットされた趙公明編である。他にも孔宣の同僚には丘引(ほら、あのミミズですよミミズ)や余化(黄天化ファンが蛇蝎のごとく嫌うあいつですよあいつ)がいたりしてもう完全に趙公明編も外伝で舞台にしちゃおうかなあという感じがしませんか?(しかし改めてみてみると、趙公明編は原典の朝歌への道筋の関所破りの大半を登場人物たちを豪華客船に移籍させることでマンネリに陥らせず行っているわけで、やはりこのストーリーの転がしっぷりはさすがである。)ちなみに趙公明編と言えば最初の敵でありまさかのキーマンとなった楊任は原典だと黄一家も竜吉公主も土行孫もガンガン死ぬ中最後の最後までスタメンだったりする。

ともあれまだ神農も完全に信用していいのか? とも思うし、(しかし三皇のうち伏羲、女カは早々に登場しているのに神農はずいぶん遅れて登場、というのはまるで無双シリーズのようである)全て成し終えた後太公望は本当に地球と同化してしまうのか? そもそもなぜ太公望の格好なのか?(ファンサービスなのか、事情があって分離しているのか)など気になる点も多い。が、やはり久々に毎週が待ち遠しい気分である。今後も楽しみに追っていきたい。そして見たい。今の作画で私立アンニュイ学園が!(基本的には昔の画風に寄せていて流石だと思ったが、やはり筆者は妲己ちゃんは昔の方が好きである。ちょっとのっぺりした感じがする。体型は外伝の方が「プリンちゃん」の形容に相応しくなっていると思う)

 

光が強ければまた闇も濃くなる

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画像:覇穹 封神演義を最新話まで鑑賞した後の筆者の心象風景

物事を再構成するときに取捨選択はもちろん大切である。重要なことはより詳しく、そうでないことは端的に編集することが肝要だ。

……楊戩、筆者も好きですよ。仙界大戦においてキーパーソンであるのもわかってますよ。でもそこに注力しすぎではなかろうか。その上で総集編まで楊戩楊戩アンド楊戩…そもそも仙界大戦の合間に「鏡」エピソードを挟むという狂気の沙汰をまあ……回想を総集編的な意味合いで使うというのはありかな……と何とか擁護できようかと思ったら一週はさんで総集編ってなんなんだよ……はじめて「アニメを見て酔う」という体験をした。ところでどうしていきなり鄧蝉玉を回想でしれっと出したのかな? どうして嘘つくのかな? かな?

最新話に関しては、比較的まともだったと思う。少年漫画していたと思う。だが、それまでの負債が余りにも多すぎて……「今何やってるんだっけ」と思っている間に30分が過ぎていく。また、新OPが折角曲(と背景美術)は引き続き素晴らしいのにアニメーションがダサすぎる。お前が歌うのかよ。お前も歌うのかよ。真ん中の丸い部分、いる? 同じような構図の白と黒のモントゥーノは格好いいのになあ……。


「白と黒のモントゥーノ feat.斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)」MV-YouTube Ver.-/東京スカパラダイスオーケストラ

ひっくり返す掌がどうなっているかというと、今は主にヤングジャンプを支えてくれています。ともあれ今後は、かっ飛ばされるたびに「もしかしたら外伝でフォローされるかも……」とポジティブになれるので良かったですね。

完全に、「見るのよ 最後まで お父さま 戦ってらっしゃるわ」の心境で見ているので、せめて戦っていただきたいと思う。

蛇足:原作未読の妻の感想

・さいきん妲己ちゃんあんまりでないね…膝丸君はいっぱいいるね……。

・いつおもしろくなる?