カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

あなたのストーカーになりたい――私の未来予想図

100記事目になった。

98記事目の時にふと気づき、折角だからと色々と考えていた。そのうちに業務は多忙になり、遠出の日々の記録は旬を逃し、確定申告のテクニックはもはや泥棒見てから縄をなう状態となり、書きたいという気持ちはありながらも今度は日が開きすぎてちょっと気恥ずかしい……という正しくスパイラルに陥ってしまっていた。

そうしているうちに「はてなダイアリー」が終了した。

筆者は決して優秀なダイアラー(たぶんこういう言い方はしない)ではなかったが、しかし手前勝手にサンチマンタリスムに沈んだりもし、ますます更新が遠のいた。

そんな折、ブログのお題が「未来予想図」であると知った。

筆者にとっての未来予想図と言えば被害妄想なナンバーであるのだが。


Creepy Nuts(R-指定&DJ松永) / 未来予想図 【Lyric Video】

 ともあれ折角の区切りの記事、このブログの未来予想図を描いてみるのもいいだろう。ナイスタイミングだ。

ということで筆者は未来予想図として、目標として、標題を掲げるのである。

あなたのストーカーになりたいのである。

後ずさりはしないでほしい。

もしかして、「ストーカー」をご存じないだろうか。

ストーカー (ハヤカワ文庫 SF 504)

原題を「路傍のピクニック」というこの小説は筆者の中で二大SFピクニックであるのだが(もう一つは勿論「火星年代記」最終章の「百万年ピクニック」である)、筆者はこれを「地獄先生ぬ~べ~」のコミックスのおまけコーナーで紹介されて以来ずっと心に残っており、長じて読み、感嘆したものだった。というか、あのおまけコーナー電子書籍でまとめて復刻してくれ、頼む。(ペットの動物霊の回の「動物に温かい寝床と食べ物を与える代わりに何を奪ったか、考えてみるのもいいかもしれない」といったような文は当時の筆者の胸をひどく打ったものだ)

この小説での「ストーカー」は案内人とでもいった側面を持つ。彼らがどうなっていくか、それは是非本文を読んでほしいが、要するに筆者は読者諸賢の案内人になりたい、ということである。

「物語のトンネル」と言う概念を知り、膝を打った。最近の筆者も「物語のトンネル」に囚われている人間であったからだ。その記事のコメントにもいくらか見られたけれど、物語を咀嚼するにも体力がいる。時間がいる。可処分時間が少ないと、「何故貴重な時間を使ってまで嫌な気分にならなくてはいけないのか?」と言った気分になる。筆者が近ごろ優先的にコミックエッセイの類を崩しているのは、そう言った部分にも起因する。

西尾維新先生が書き、日本橋ヨヲコ先生が挿し絵を描いた「ある果実」という作品があって要するに読書論の話なのだけど、高校二年生でそれを読んだ筆者は感嘆した。こいついつも感嘆してんな、邯鄲淳か? といったところであるが、さておきそれは「今まで読んできた本がたまたま面白かっただけで、今後読む本はすべて、ことごとくつまらなかったらどうしよう」という不安の種として筆者の心に沈んでいった。後に、つまらない本などこの世になく、直ぐに面白くなる本と、面白くなるのに時間がかかる本があるだけだという結論の大輪を咲かせるに至るのであるが、しかしこの悩みは長いこと抱え込み続けた。

あるいは「3月のライオン」に将棋の研究を「素潜り」に例える描写がある。初めの頃は浅く潜るだけで沢山のものを見つけられた。しかし、研究を続けていくと、より深く潜らなくてはならず、また手ぶらで帰還しなくてはならないこともある。ひどく消耗する。足がすくむ。若い新進気鋭の者たちは、物おじせず飛び込んでいく――その羨望と嫉妬。

実際のところ、一日は二十四時間しかない。業界関係者によると一時間は六十分しかないし、ここだけの話、一分は六十秒であるらしく、その限られた時間を無駄にしたくないというのは当然の欲求である。

それでも。

やはり平凡な地球の下で平凡な顔をしてる平凡な君のままでいられるのはオーノキヨフミの相方くらいであって、緩急があった方が、カタルシスが得られるというのは事実ではある。


平凡 / オーノキヨフミ / PV / MV

だからこそ、そんな日々を忙しく送る読者諸賢のストーカーになりたいと筆者は願う。

お前、なかなかいいこというじゃねえかよ、といわれる人間になりたい。

そこまでいうならそのコンテンツ、試してみるよ、という記事を書きたい。

なにも、「ま、まああんたほどの実力者がそういうのなら……」までならなくてもいいのである。

暗いトンネルを照らす灯りに、素潜りへ付き添う酸素ボンベに、沼へ引きずり込むマドハンドになりたい。

そして、読者諸賢の目からだけ見える何かを伝えてくれたなら、キャッチボールが返ってきたのなら、こんなに嬉しいことはないのである。


リリカルネッサンス「The Cut」(MV)

 

 

 

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