カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

西郷どん

私の妻は鯉登少尉の女――あるいは冬の仙巌園を満喫し御殿企画展示「明治北海道と島津氏~斉彬公と西郷どんが夢見た北の大地~」とゴールデンカムイパネル展示を堪能した話

余談 その日、鹿児島の気温は二度であった。 前日というかその日の一時まで続いた忘年会の帰り、代行を呼んで乗り込んだ車のフロントガラスは凍っていた。帰り着くと恐らく日が変わる前後までは頑張って起きていてくれたのであろう気配が――例えば居間の暖房…

「西郷どん」とはなんだったのか――大河ドラマ「西郷どん」最終話「敬天愛人」感想

あたしゃキレました、プッツンします。 最低限やらないといかんだろうことを放棄してしまったらさすがに怒るしかない。 kimotokanata.hatenablog.com もはや懐かしい、大体一年前の第一回の感想記事であるが第一回の冒頭を読者諸賢は覚えておられるだろうか…

ミュージアムのアラサー、あるいは晴れた休日の朝鹿児島市立美術館へ行った話

入館まで 丁度一週間前、「ミュージアムの女」を再読した。 ミュージアムの女 作者: 宇佐江みつこ 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2017/09/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る KADOKAWAお得意の「一風変わったお仕事の人の実録4コマ…

10日はたそがれの街、あるいは黎明館特別企画展「西郷どん」展に行った話

本編の感想がなかなか追いつかないうちに「西郷どん展」が来週までであったので、おりよく市内に出向く用事があったので訪れてみた。 瑛太さんが音声ガイドをされている、ということで今回音声ガイドデビューもしてみた。 「西郷隆盛展」ではなく「西郷どん…

大河ドラマ「西郷どん」第二十三回「寺田屋騒動」第二十四回「地の果てにて」第二十五回「生かされた命」感想

余談 妻が実家に帰った。別になにかしらがあった訳ではなくお盆は混雑するためにその前の早めの帰省である。筆者も同行したかったが金銭的事情と仕事の関係もあり見送った。筆者がいるとどうしても妻は「妻」となってしまうため、「娘」としてリフレッシュし…

大河ドラマ「西郷どん」第二十二回「偉大な兄 地ごろな弟」感想

こんな施設が中心街のど真ん中にあるのが鹿児島のすごいところ。猿叫が響いていた。 余談 筆者が五年だか前に初めて作ったクレジットカードが更新された。作った頃は2018年の5月なんてはるか未来だと思っていたが、いつの間にやら到達してしまっていた。まず…

大河ドラマ「西郷どん」第十九回 「愛佳那」第二十回「正助の黒い石」第二十一回「別れの唄」感想

余談 相変わらずゴールデンカムイ熱は冷めやらず、月曜日は一日の最後にゴールデンカムイアニメが見られるから……ということで鹿児島は鹿屋のくまざわ書店さんであった複製原画展に言ったりしていた。ついでに白石を確保したりした。 ショッピングセンターの…

大河ドラマ「西郷どん」第十八回 「流人 菊池源吾」感想

余談 今週のお題「おかあさん」 母は十歳の時父を事故で亡くした。元々、病弱だった母(筆者から見て祖母)は心労も重なりその翌年後を追うように世を去った。 後には祖母(筆者から見て曾祖母)と弟、妹が遺された。祖母は、施設でなく、きょうだいをばらば…

大河ドラマ「西郷どん」第十七回 「西郷入水」感想

余談 今週のお題「ゴールデンウィーク2018」 前職では超繁忙期であったためゴールデンウイークは「仕事を振ってくるくるボスが出勤せず取引先から電話がかかってこないボーナスステージ」扱いであったため、休んだことなどなかった。なので、転職してカレン…

大河ドラマ「西郷どん」第十六回 「斉彬の遺言」

余談 診療報酬改定があった。 診療報酬というのは要するに診療行為に対する国から医療機関への報酬であって、いわゆる「保険がきくので三割負担」というのは、この報酬の三割を患者が、七割を国が負担しますよという意味である。その改定が、二年おきに行わ…

大河ドラマ「西郷どん」第十五回 「殿の死」

余談 ニンテンドースイッチがなんとなーく欲しいという気持ちはずっとあってニンテンドーラボの発売によりそれは加速しているのだが、とっておきの駄目押しがまだない。最近は一人でゲームをしている横で妻は刀剣乱舞という構図になっているので、そろそろ二…

大河ドラマ「西郷どん」第十四回 「慶喜の本気」

余談 「バグダッド日報」という、言われてみれば「侍魂」とか「僕の見た秩序」と並んでいそうな老舗テキストサイト味があるタイトルトピックから、ゼロ年代テキストサイトを彷彿とさせる文章群が出てきて思うのは、人間はどのような状態であっても何かしらに…

大河ドラマ「西郷どん」第十三回 「変わらない友」

余談 先日妻が誕生日であった。年の数だけ薔薇を包ませるような柄でもないが、近隣のフラワーショップごとうさんで花束を作ってもらう。予算を伝えて、「なんかこう、いい感じに」というアバウトな要求で大変豪華な花束を作ってくださった。薔薇を入れてくだ…

大河ドラマ「西郷どん」特別編感想

余談 エイプリルフールにつきたい嘘がないというのは幸せなことなのかもしれないし、エンターをテイメントしようとする気概や器量が足りないのかもしれない。少なくとも企業のあれやこれやは、「これのために年度末でただでさえ忙しいのにガンガン残業したり…

大河ドラマ「西郷どん」第十二回 「運の強き姫君」

余談 なんにも用事がないけれど、良い天気なのでふらふらとドライブをした。 用事が無い訳ではない。妻の所用でセブンイレブンに行く必要があったのだが、どこのセブンイレブンでもよかったので、ちょっと遠くのセブンイレブンを目指した。そこここに桜が咲…

大河ドラマ「西郷どん」第十一回 「斉彬暗殺」、第十回「篤姫はどこへ」、第九回「江戸のヒー様」感想

余談 祖母の誕生日であった。満九十二歳になる。大正、昭和、平成、そして新元号を駆け抜ける予定のモダンガールであり、未だに杖もつかず自分の足でもって歩く。「ばあちゃんは、もう長くない……」と筆者に言いはじめてから気が付けば四半世紀が経ったので、…

大河ドラマ「西郷どん」第八回 「不吉な嫁」感想

余談 大正琴を習っている。もうすぐ一年になるが、絶望的に不器用なのでなかなか成長しない。1人だと絶対に挫折すると思ったので、当初から妻にも一緒に習ってもらっている。当時は妻は在宅ワークをしていたので、世間との接点が少しでも増えればいいな、と…

大河ドラマ「西郷どん」第七回 「背中の母」感想

余談 二日連続で鹿児島市内に行くことになった。髪を切るのである。(夫婦で同じところで切る)本来、昨日のうちに確定申告→髪を切る→ラーメン王決定戦というのが美しかったのだが、動き出しが遅く果たせなかった。ところで筆者は一人で床屋に行くときは髪を…

大河ドラマ「西郷どん」第六回 「謎の漂流者」感想

余談 年末年始を妻に鹿児島で過ごしてもらったので連休を利用して妻の実家に帰省することにした。起床は五時半。実質三時間しか寝てないわー実質ー。 夜明け前の妖艶な桜島。(撮影:妻) 道はそれほど混まず、スムーズに駅まで着く。JR九州のアプリから既にチ…

大河ドラマ「西郷どん」第五回 「相撲じゃ! 相撲じゃ!」感想

余談 結婚式場でものまね芸人さんのショーを見る……一種独特なその催しに誘われた我々は二週続けて鹿児島市へと向かった。当市は快晴であったが鹿児島市に近づくにつれ空は暗くなり、鹿児島市に入ると図ったかのように雪がちらつき始めた。桜島は冠雪していて…

大河ドラマ「西郷どん」第四回 「新しき藩主」感想

余談 この間の「鶴瓶の家族に乾杯!」が鹿児島回であった。珍しく残業であったが、妻がこよなく愛する「お見合い大作戦」を犠牲にしてまで録画をしてくれていて見ることが出来た。大河ドラマ視聴者よ、これが真のかごんま弁だ……とは思わなかったが(やはりど…

大河ドラマ「西郷どん」第三回 「子どもは国の宝」感想

大河ドラマの青年期を見るのは難しい。というのも主人公たちの青臭い主張がその人物の若さゆえなのか、それとも脚本の不備なのか判断に困るところがあるからだ。 そう言った点で今回の導入ナレーションで「斉興の悪政を……」と主観満点で言われてしまったのが…

大河ドラマ「西郷どん」第二回 「立派なお侍」感想

余談 昨日オープンした大河ドラマ館に行ってきた。西郷どんの威光がまぶしい(逆光) 因みにここ(加治屋町)、安藤照の生誕地であったりする。(やはり逆光で見づらくてすみません)上野のハチ公、そして西郷どんの銅像で著名である。司馬遼太郎氏は加治屋…

大河ドラマ「西郷どん」第一回 「薩摩のやっせんぼ」感想

当日になって近所で事前申し込みのパブリックビューイングがあり、まあ事前申し込みだから……と何とか自分を慰めていたら当日観覧OKのトークショーもあったということを直前に知りうなだれていたという最高のコンディション(アイロニー)から始まった「西郷…

西郷どん前夜に薩摩人の死生観について考える

いつの間にかインターネット界隈では「薩摩人ってクレイジー(婉曲表現)」といった言説が罷り通っているように思う。 例えば鬼島津だったり、関ケ原敵中突破であったり、生麦事件であったり、薩英戦争であったり、西南戦争であったりがそうさせるのだろうか…