カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

大河ドラマ「西郷どん」第七回 「背中の母」感想

余談

二日連続で鹿児島市内に行くことになった。髪を切るのである。(夫婦で同じところで切る)本来、昨日のうちに確定申告→髪を切る→ラーメン王決定戦というのが美しかったのだが、動き出しが遅く果たせなかった。ところで筆者は一人で床屋に行くときは髪を切るときを散髪すると言っていたが、現在は役者不足にも美容院に行っており、この場合散髪という言葉は相応しくないような気が勝手にしてしまってただ髪を切るというようになった。もっとスマートな言い方があるのだろうか。(美容院に行く以外で)


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せっかく市内に出てきたので再びチャイナワンに行く。食券制になっていた。牛丼屋では松屋をこよなく愛する(早く鹿児島に上陸してほしい)筆者にとってこれは大変ありがたい。メニューに和えそばが追加されており早速注文する。中華特有の痺れる旨みを堪能した。


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しかし食券機、千円札と二千円札のみカバーするってなんか新鮮だった。

さて続・刀剣乱舞花丸は相変わらず夫婦で視聴を続けているが、チャイナワンのほど近くにはアニメイトがあったことを思い出し、鹿児島では初めてアニメイトを訪ねた。階段をのぼり、踊り場に整然とアニメポスターが貼られているのを見ると「この風……この肌触りこそ戦場よ」という内なるオタクの血を高まりを感じるが、だいぶわかるアニメが減ってしまっていた。階段をのぼりつめたガチャガチャに刀剣乱舞ラバーストラップが備え付けられており、妻から武装闘気(バトルオーラ)が立ち上るのを背で感じる。

妻「ガチャガチャのためにお金を崩さないとね……即ち何か買わないとね」

手段と目的の鮮やかな逆転を見たように思われたが楽しそうなので放っておくとマスキングテープと「近侍曲集其の一」を買うようにしたようだった。途中、LINEでアニメイトとお友達になると刀帳カードがもらえることを伝えると敬愛するカナヘイさんがコラボスタンプを配信していてもなお企業とお友達になりはしない警戒心の強い彼女は音速で新しい友達を追加していた。愛…愛なんじゃよ……(突然の古老)筆者もあとに続いてお友達登録をしたのは言うまでもない。ちょうど今日から配布カードが入れ替わっており、昨日ちょっと寄っておけばよかったと悶絶したりした。カードだけもらうのも、ということで「刀剣乱舞カラコレ」を一つ購入することにした。ちなみに両替はレジで快く行っていただけることが会計時に判明した。

妻のガチャガチャの狙いはへし切長谷部であるようであった。無論、他の刀剣男士もウェルカムであるが福岡市博物館訪問の一件以来、へし切長谷部への愛着が一層強まったということであるらしい。一回目。出ない。次に筆者も回してみる。出ない。妻は長期戦を覚悟し、両替に向かった。百円玉を大量入手し財布を重くして戻った妻をその後二回連続でへし切長谷部を引いた筆者が出迎えた。まあなんだ、新種のエクササイズと思えばよいのではなかろうか。どっしり財布エクササイズ。店員さんいらぬお手間をおかけしてすみません。


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アニメイトから駐車場までの道中にかかし横丁という素敵スポットがある。薩摩蒸気屋さんがやっている和菓子、洋菓子の販売店で喫茶やギャラリーまであり、ここで「焼きどうなつ」を購入するのが妻の楽しみであるのだが、今回、通りの反対側から初めて入ってみるとそちらは屋久杉や焼き物が販売されていた。妻が焼きどうなつをセレクトしている間(バター、イチゴ、チョコ、ゴマなど様々な味があるのである)しばし焼き物を物色する。


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祭りの面の類だと思われるのだがそれを湯呑のこのポジションに着けようという発想がまず面白く、他がいかめしい顔をしている中、こいつだけひょうきんな顔をしているのがなんとも気に入ってしまい、指の手触りも愉快だったので購入してしまう。五百四十円。龍神窯さんの作品であるとのこと。

www.jokiya.co.jp

(なぜお菓子紹介に焼きどうなつがないのだろう……しっとりしていておいしい)

その後早速車内にて近侍曲を流して帰宅した。

筆者「なかなか歌が始まらないね」

妻「これ、インストゥルメンタルだから」

筆者個人の感想としては山姥切の近侍曲が特に良いと感じた。大河のOPっぽい。


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刀帳カードは今週分全二種かぶりなく(店員さんが配慮してくださったのかもしれない)そろい、カラコレは筆者の初期刀である陸奥守吉行であったため大変満足であった。こうなると来週の日曜、刀帳カードをもらいに行くついでになにか市内での用事を拵えなくてはなるまい。ああ、手段と目的が逆転していく。

本題

余談が、ながくなった。

さて第七回、筆者、「西郷どん」で初めて泣きました。松坂慶子さんと鈴木亮平さんのパワープレイ。お母さんはいくつになってもお母さんであって、お母さんにとって一番つらいのは自分が子どもの足かせになることなんだな……というのはくるものがあった。吉之助の本性を看破していることも、今後の展開を予感させていい。

一方で、相変わらず役者さん頼みの脚本だなあということも強く感じる。折角子役時代から描いているのだから、今回唐突に差し込まれるシーンは時系列に沿って描いていても良かっただろうし、祖父の死は結婚を想起させるトリガーにしかなっていない。早くも七話、尺の関係で仕方がないのかもしれないが人の死が圧縮されることで軽くなってしまった感は否めない。あっさり相撲大会から一年が経っているわけであって、相撲大会で見出したはずの二才たちはその間放っておかれたのかとか、正助が相変わらず不憫だったりとか、米十俵はどうしたのかとか(白米が出てくるシーンで相撲大会の時以来だ~みたいな台詞でも入れてくれたらすぐ解決する問題なんだけどなあ)。

前回不安視した須賀の描写、思ったより良かった。テンプレート的な「気の利かない嫁」ではなく、本人なりに一生懸命努力しているのがなんともいじらしい。(男性読者諸賢においては気が利かなくてもいい、ただいてくれればいい、橋本愛だものといった層もおられることだろう。)しかしそれをことごとく否定されるのはなんともつらい。せめて吉之助くらいはその気持ちを汲んでやってほしいところであるが、人情の機微には恐ろしく鈍感というのがこの大河での吉之助の役割なのであろう。須賀から見れば、心配して提案したことは却下され、引継ぎ中に義母が亡くなり、次回予告からすれば旦那は推しを追いかけてはるか江戸まで行ってしまうわけで、そりゃあ離婚しちゃうよな……と思ってしまう。満佐は吉之助の母としてよい母であったが、よい義母ではなかった(なろうとしている途中で没してしまった)。ドラマの中だけでも、須賀をもっと労ったり、吉之助に須賀を気遣うように言ってあげる、というような救いが欲しかった。

役者さんたちの熱演で、それまでの積み重ねがあったかのように錯覚してしまうが、話だけを追うとやはり一年間という長期を通してできる伏線があまりに少なく、やっぱり相撲大会やラブコメで尺をとってる場合じゃなかったんじゃないかな……というところに落ち着いてくる。

ちなみに劇中の「ナンコ」についてはみんな大好き薩摩剣士隼人でも題材にされているので是非下記の公式配信をご覧いただきたい。負けたら罰ゲーム的に呑む。勝ったら嬉しいので呑む。土佐にも似たような趣向があるとのことで、酒飲み県は最終的にシンクロするんだなと改めて思った次第。


薩摩剣士隼人 わいもおいもボッケモン! 第7回「薩摩拳闘伝ナンコ」

しかし本当に鈴木亮平さんの演技が抜群にいい。鹿児島弁、どんどんお上手になっている。今出ている役者さんでは瑛太さんの次にお上手だと思う。