カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

前略、新大陸より。あるいはMHWストーリークリア&マム・タロト撃退までの感想

モンスターハンター:ワールド(以下、MHW)の全般的なネタバレがあります。

※以下の画像はすべてPS4のシェア機能を用いたスクリーンショットであり、著作権カプコン様に帰属します。

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オトモ、とてもかわいい。

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たまたま撮れたリオレウス亜種の口ドアップ。この作り込みはすごい。

懐かしき旧大陸での日々

以前記事で述べたように、プレイヤーとしての筆者とモンハンの出会いは丁度今から十年前、MHP2Gに出会ったことに始まる。ただ、存在は無印のころから知っていた。「肉、喰ってるか?」広告がジャンプの裏表紙を飾っていたことは今も鮮明に思い出せる。一方でPS2時代のオンライン環境というのはまだまだハードルが高く、(実際はオフラインでもプレイできたのだが)そのことから購入を諦めた。 代わりに真・三國無双3 Empiresを購入し、許猪モーションの董白ちゃんをエディットした覚えがある。まさか十四年後、董白が三國無双に正式に登場し、また、同じようにモンハンと無双が近いタイミングで発売されることになろうとは思ってもみなかったが。十四年前と違うのは、今の筆者はそのどちらともを――しかもダウンロード版プレミアムエディションで――購入する程度には大人になれたし、ゲーム周りのオンライン環境は当時と比べ日本は随分整ったのだ、ということである。(MHP2G当時、Wi-Fi環境は憧れであった。)いや、大人になっているのか? これ。ともあれ現在の筆者の行動原理は少年時代の渇望に端を発しているものが多いのは確かである。

MHP2Gのプレイ体験の端々もいまだ焼き付いているものが多くある。初めてのクエスト、「こんがり肉を焼こう」という趣旨のものに、おお、あの「上手に焼けました~♪」だ! と胸が高まった気持ちも、その調達手段で草食モンスターを容赦なく殺し、断末魔の動きを見せたかのモンスターがピタリ……と生命の灯を消したのち、ナイフを突き立て剥ぎ取る様子に「なんてリアルなんだ……恐ろしいゲームに手を出してしまった……」と戦慄した気持ちも、クック先生の洗礼を受けた時も、ガノトトスの亜空間タックルに苦戦したときも、ティガがどうしても倒せず、そのためだけにガンスへ宗旨替えしたことも、それでもって初めて倒した時の深夜二時のあの興奮も、何もかもが懐かしい。MHP2Gのおかげで広がった友人知人関係も多くあった。

MHP3は予約して発売日からプレイした。ジンオウガの狩猟に成功したと思ったらメモリースティックが破損していてセーブできなかった時のあの驚き。イベントクエストをどれを残すかという苦渋の選択。次長課長井上さんのオトモの頼もしさ。相変わらずPSPを持ち寄ってやいのやいのいいながら狩猟した日々。いつだって求めている人間以外に玉は微笑むのであった。

MH43DS本体と同時に購入した。3次元的な戦いによる可能性の広がり。ロードムービーのような新鮮なストーリー。「天を廻りて戻り来よ」という文の美しさ。拡張スライドパッドによる狩猟環境の改善も素晴らしい。(ちなみに筆者はモンハン持ちができない)この頃はオンラインでの狩猟が主となっていたし、それに抵抗もなくなっていた。

ということで筆者のモンハンプレイ遍歴はP2G→P3→4である。いずれも一応、村最終を出すところくらいまでは進められた。(4以外はクリア出来ていない)基本的にはがぶがぶ回復薬を飲む薬漬けプレイスタイルである。フレーム回避? 知らない子ですね……。

十四年待った新大陸との「再会」

そこからしばらく時が流れ、MHWPS4で……という話が出た時は、過去幾度となく出た願望が強い飛ばし記事だろう、と思っていた。発売が決まった時も、もはやついていけなくなっているのでは、という危惧があったが、ひとまずお祭りに参加するような気持ちでβテストに参加した。

これだ、と思った。かつて無印の宣伝を見た時にイメージした「モンスターハンター」がそこにあった。広大なマップに生態系が確立されていて、あくまでもハンターはそこへ訪れた一生物にしか過ぎない、いわゆる「ゲーム的ご都合」――モンスターはプレイヤーばかり攻撃していて、武器は一つしか持ち込めない、ペイントボールがないとモンスターがどこにいるかわからない――を排しつつ、アイテムボックスをフィールドでも使用できたりファストトラベルを設定したりと狩猟環境を快適にもするそのバランスには唸らされた。そして、適当にボタンを押しているだけで、結構格好良く、いい画質でキャラクターが縦横無尽に駆け回ってくれるのである。筆者がかつて夢想した「ぼくのかんがえるモンスターハンター」がより洗練された形でそこにあった。だから新大陸はある種、筆者にとって再会であった。さながら生き別れの友人のような。旧友への餞別を込めて早速予約した。β版ではとうとう一人ではネルギガンテは狩れなかった。

発売日、の昼休み時間。必死にチュートリアルを勧める筆者の姿があった。少しでも早くゲームに触れたいという気持ちがそうさせたが、セーブまでがなかなか遠い。ゲームが一日一時間までの子どもならたどり着けない可能性すらある。また最初に出てくる男が追手内洋一みたいな顔をしているのがはらはらを加速させる。(ジャンプ展行きたいなあ)

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MH4に引き続き、筆者はメイン武器にハンマーを選択した。メイン武器というか、闘技大会以外ハンマーでしか狩猟していない。武器は全部で十四種くらいだったと思うのでMHWを1/14しか味わえていないと考えると損しているような気もするが、一つの武器縛りでやると金欠になりにくいのが利点である。

他の武器を使ってみようかな、とも思うのだが、今回からダメージ値が表示されるようになり、ハンマーはダメージ値が極めて大きいことから、一度それを味わってしまうとなかなか変える気になれない。

俺はロートルの狩人だからよ……最近の武器の扱いはよくわからねえんだ……溜めて、殴る。それだけさ、俺のできることはな……みたいな歴戦の武骨なハンターでロールプレイしているのである。

今回、ハンマーは「回転攻撃」「叩きつけ」「力溜め」という新モーションを手に入れた。回転攻撃でモンスターに突進、連続ダメージを与えて乗り攻撃に移行→転倒させたところを叩きつけでボコボコにする→めまいになったところに力溜めでフルパワーのスイングを頭にお見舞いする、というコンボが決まると脳内麻薬の分泌が止まらない。そうしてますますハンマーへの依存が強まるのである。

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初めてのボス・ドスジャグラスには力溜めをお見舞いし、

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クック先生ポジションのプケプケには真正面から頭に一撃を叩き込み、

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リオレイアには華麗なホームランを決め、

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どうもアイドル枠を狙っている節のあるパオウルムーには翼へえぐり込むように、

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ボルボロスへは固い頭を少しは柔らかくできるように脳天へ、f:id:kimotokanata:20180129225933j:plain

優雅に空を飛ぶレイギエナには地面に近い尻尾へスタンプをお届け、

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俺より強いやつには波動拳でなくムロフシアタックで対抗し、

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幻獣へはその突進を逆手に取ったクロスカウンターを決めさせてもらった。

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しかしまさかのラスボスへはスリンガーでフィニッシュ。ハンターの背中にどことなく哀愁が漂っているのは気のせいではなかろう。

実際の所、今回のハンマーは溜めている間のスタミナ減少速度が緩やかになったこともあり、かなり戦いやすくなっていると思われる。MHWからはじめて討伐に時間がかかってしまう狩人諸賢には是非お勧めしたい武器である。機動性と火力が高いところでバランスが取れていると思う。脚をチクチク→転んだら叩きつけ最後まで出し切り、くらいでも結構何とかなる。

「新大陸」という環境と新作、新プラットフォームの親和性の高さ

MHWは「新大陸」が舞台となっている。まだまだ謎の多い未知の環境である。これが今までのモンハンとは一味違ったゲーム体験を生み出しているのが設定の妙である。

未知の環境であるから探索中にいきなり狩猟対象が決定したりするし、

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生き抜くために防具が剣士とガンナーで統一されたりもする。また、今回最も斬新なのはあるモンスターを全く予備知識なしで狩猟することになること。今までのモンハンにもいわゆるトラウマクエストという形で「いきなり敵いそうもないモンスターが現れ、立ちはだかる」ということは序盤に往々にしてあった。(パッケージモンスターの顔見世という側面が強かった。今回のパッケージモンスターにも似たような展開は用意されている)が、まさかその状態で討伐しなくてはいけないとは。「これはイベント戦みたいな感じで仕切りなおすだろ……」と思う慣れたプレイヤーたちほど驚く仕掛けになっていた。新大陸は驚きと発見の連続なのである。

また、新大陸であるから当然新たにモンスターが発見されることもあるわけで、継続的なアップデートともこの設定は非常に相性がいい。ぜひティガレックスやナルガクルガも新大陸で発見されてほしいものである。

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不満点としてはイマイチ集会場が機能していないこと。今回はシングルとマルチに大きな違いがないのも原因だろうか。また、メインユーザーがP世代が多く、「身内での狩り」に慣れ親しんでいるというのも大きいかもしれない。

製作者サイドも集会場については意識されているのか、アステラ開花の宴では集会場で特別メニューが食べられ、集会場自体もきれいにデコレーションされたし、マム・タロトは集会場単位での共同作業というクエスト形式として新鮮なものになり、久々に救援信号で参加する以外に他人のクエストに参加したり、またこちらのクエストを手伝ってもらったりして「ああ、このゲームオンラインなんだな」と実感することが出来た。

今後もゆるーいコミュニケーションを取れるような仕組みがアップデートで加わればいいなあと思う。サークルも誘われてから時間が経つと参加できないのをもうちょっと待ってもらうとか出来ればよいのだが。

まあ、集会場の受付嬢が圧倒的に可愛いので今日も集会場へ行くんですけどね……。

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しかし開花の宴途中にEDを迎えたのでちょっとファニーな感じになりましたね。

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ストーリークリア時。オトモがこわい。

今回もオトモが大活躍してくれるし、狩猟中の武器の変更、アイテム補充も可能になり、救難信号も搭載、各種操作方法やモーション自体も見直されたことで、初めてプレイされる方にもだいぶやりやすいモンハンに仕上がっているのではないかと思う。筆者も決してゲームが上手い方ではないが、苦戦したのは最後の古龍たちと、そいつらを倒すために狩猟する必要があったイビルジョー……が唾液をなかなか落とさないという物欲センサーであった。また最後に一気に三つとか出たりするのはご愛敬である。しかし、成人男性が夜な夜なゲームを起動し唾液を追い求める、と書くとそれなりに鬼気迫る雰囲気があるな。でも本当に、モンハン気になっているけどやったことないな、という方には是非お勧めしたい。よかったら一狩り行きましょう。

今後もアップデートを重ね、新大陸の新たな顔を見られることを楽しみに待ちたいと思う。ひとまずは、マム・タロトの鑑定武器でなかなかよさげな狩猟笛を得たのでそれを担いでマンネリ解消と洒落込むつもりである。