カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

「パンドラの匣」は「匣」の字面のインパクトが7割

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今週のお題「カバンの中身」

通勤カバンの中身。以下、順不同。

お菓子(護身用/休憩時間に家に帰れなかった時のための糖分補給用)

お菓子(スタッフさんからのお土産など貰い物)

充電器(車のシガーソケットで最近充電しているのでほとんど使わない)

割りばし(意外とつまようじがなんかの時に役に立ったりする)

目薬(花粉症なので。今年は特に目に来る気がする)

歯ブラシ(会社でご飯を食べた時用だが買い替えてからは未開封)

ハンカチ(カバンの中で充電器をやさしく包み込んでしまいぐしゃぐしゃに)

手帳(プレバンの三日月宗近モデルのやつ)

給与明細(2か月分)

印鑑ケース(三文判だけど銀行印。ケースの朱肉ももうかっすかすなので変えたい)

大事なものケース(パスポート、マイナンバー通知カード、通帳、実印など)

ペン(業務上3色がマスト。本当はジェットストリームが大好きなのだが近場にない)

ペン(黒のみ。貰い物。書き味がいいのでここぞというときに使う)

地元コミュニティFMのステッカー(貰い物。もったいなくてなかなか貼れずにいる)

あとはここには出さなかったが名刺が何枚か(名刺入れを入れた上着を預けているときに名刺交換をする、という失態が何回かあったため)、よくわからない錠剤(多分去年の花粉症の薬で途中で薬疹が出たから飲むのをやめてしまったやつ)

と言った塩梅で特に希望とかは残っていなかった。本日は珍しく平日お休みであったので、並べながら、ああ、明日はまた仕事だな、という落胆を再確認し、出したものを再び失望と一緒にしまい込むという作業はあったが。

しかしタイトルを書いてから一応検索してみたが、「パンドラの匣」だと太宰治の小説が一般的で、ギリシャ神話は普通に「パンドラの箱」表記が一般的なのだなと。勝手に「パンドラの匣」表記が市民権を得ているものと思い込んでいた。何故だ。匣の中の失楽のせいか。魍魎の匣のせいか。「箱」だとなんかこう、文字通りの字面的に百葉箱をイメージしてしまって(右側がスリットに見えませんか?)涼しげで大ぶりな感じがしていまいち曰くがありげでないような気がするのだが……。こうなると太宰治の小説単体を貶めてしまったようになってしまうが、一切そのような意図がないことを強調しておきたい。そもそも、本来的には「パンドラの甕」らしい。確かに匣(箱)より甕の方が飛び出した時引っかかりそうである。くびれの所辺りに。

あとパンドラって名前もなかなかではないか、と思う。破裂音のあと一度唇を引き締め、その後どすを聞かせて濁音、最後にやや巻き舌でラ。完璧だ。こわい。仮に「パンドラの匣」が「与左衛門の甕」であったら現在こんなに使われていないんじゃなかろうか。与左衛門の甕、なんでも鑑定団に出てきそうではないか。いい仕事してそうではないか。

「こいつは与左衛門の甕だ!」

なんて言おうものなら、どこからともなく中島誠之助氏他が現れて、

「17世紀初頭の七代目与左衛門の甕、間違いありません」

「どうぞお大事になすってください」

あるいは「スタジオへ」とフリップに朱書きされている可能性すらあるではないか。フリップはどこから出て来たんだと突っ込まれても、その突込みは中島誠之助氏が現れた時にしていただかねばもはや遅いのである。驚きの鑑定結果はCMの後なのである。たまにCM前に○千円のところで止まっているのがちょっと見えてしまったりするのである。出張鑑定団の後いたたまれなくなって現地から引っ越した人とかいたりするのだろうかとたまに考えてしまうのである。

そういうことが言いたかったのではなくやっぱり「パンドラの匣」ってタブー感を醸し出す最高の字面をしていますね、ということを再確認したかったのである。いかがだろうか。

月初のブログ目標の達成率があと一週間もないのに芳しくない、その指摘はパンドラの匣である。開いたら祝日という希望が残っていることを願いたい。

というわけで今週のお題の「カバンの中身」であったが、「引き出しの中身」を書いたエッセイとして秀逸なのが宮沢章夫さんの「よくわからないねじ」である。そう、読者諸賢はお気づきになられたであろう、先程の「よくわからない錠剤」が「よくわからないねじ」をリスペクトした表記であることを。残念ながらkindle化しておらず、中古本しかないようで、たまに読みたくなるたびに何故人に譲ってしまったのかと筆者は地団太を踏みそうになり階下の住人のことを慮りぐっと我慢する、という一幕がある。読者諸賢の引き出しにはないだろうか?「よくわからないねじ」が。そのほかのエッセイも面白く、読みやすい。じわじわとジャブを腹筋に食らい続けるタイプの面白さである。劇作家であるという著者が切り取る世界はとてもピンポイントで、しかし万人に共通する何かがある。機会があればぜひご一読いただきたい。

 

よくわからないねじ (新潮文庫)

よくわからないねじ (新潮文庫)

 

 

最後に戒めとして再度今月の目標を掲示して記事を閉じたい。

・「天才柳沢教授の生活」11巻についてまとめる

・お題スロットに毎週応える

・西郷どん感想を毎週書く

・診療報酬改正について思うこと

がんばります。