カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

大河ドラマ「西郷どん」第十九回 「愛佳那」第二十回「正助の黒い石」第二十一回「別れの唄」感想

余談

相変わらずゴールデンカムイ熱は冷めやらず、月曜日は一日の最後にゴールデンカムイアニメが見られるから……ということで鹿児島は鹿屋のくまざわ書店さんであった複製原画展に言ったりしていた。ついでに白石を確保したりした。

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ショッピングセンターの一角にある本屋さん。クマさんがアシリバさんのバンダナを!

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妻が「精神成長が止まっているので実質ショタ」と断言する尾形

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濃すぎる! アニメに鯉登少尉は出るんでしょうかね

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正解したらしおりがもらえるキャンペーン。こちらはまだやっているぽい。

ゴールデンカムイ熱はいまや北海道熱に延焼していることも以前述べたが、ますますその思いは強くなり、しかし家計は自動車税に加え夏には車検も控え、また繁忙期でもあり、北海道への憧憬は露と落ち露と消えにしおもひかなヒンナのことも夢のまた夢という有様でそんなタイミングでアニメカムイはニシン回で臍をかんでいた。

妻「いっちまえばいいじゃん、霧島によ」

霧島? 何故北海道を求め霧島なのか? 浅薄なる筆者は気づかなかったが妻は鹿児島の誇るふるさとのデパート山形屋のHPを指し示した。きりしま国分山形屋で初夏の北海道物産展がまさに開催中ではないか!

我々は車を急がせ、途中山形屋ショッピングセンターに間違えて到着したりしつつ、会場へ到着した。山形屋本店の冬の北海道物産展は鹿児島のどこにこれだけ人がいるのかというくらい盛況であり、我々も毎年その戦列に加わるのであるが、初夏の北海道物産展は初めての参戦となった。正直北海道は冬のものがいいだろう、という油断もあった。

そうではなかった。冬のもの「も」いいのだ、ということを今回思い知ることになる。

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鹿児島の北海道物産展が全国で最も売り上げがよいという

 

 

1000円でうまみしみ込んだステーキ丼を食べたり、

 

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憧れの鮭のルイベは勿論イカが恐ろしくサクサクしておいしかったり、

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しゅうまいより餃子派だった筆者が脱帽するほどのシウマイを食べたり、

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回転焼き(大判焼き/御座候/今川焼)の常識を覆すもちもちしたスイーツを食べたり、

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北海道限定を薩摩で味わう背徳感をスパイスにますますおいしいポ先生(コンプライアンスに配慮した表記)や土方も絶賛したサッポロビールを飲んだりした。

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実は他にも色々と買いあさってしまったのだが、取りあえずはこの辺りで。

本題

大分間が空いた間に大河ドラマ菊池源吾」が完結してしまった。

相変わらず起承転結のつけ方が下手というか、なんというか……。

「アンゴ(島女房)」ではなく奥さんになってほしい、という吉之助の言葉は良かったが、そこにはやはり吉之助自身も感じていない空虚さ、誤魔化しがあり、それが本妻…正助が迎えに来たときに露見する。愛佳那はそれ以前より感じ取っていたようだが。

少年漫画愛好家であれば思い当たる点があったかもしれない。

「はじめの一歩」の登場人物「伊達英二」である。日本フェザー級チャンピオン・伊達はかつて世界王座に挑戦したがその壁は厚く、引退し、義父の会社に入りその「ごく普通の生活」にやりがいも感じ始める。しかしその様子を見て妻は嘆く。「貴方がメキシコから帰ってきていない」(世界挑戦はメキシコで行われた)と。その言葉に自分が未練たっぷりの死人であることに気づいた伊達は、カムバックを決意し、そして再び王座を掴むのである。正しく一度死んだ男に女房役が未練を指摘し、カムバックに繋がる今回の流れではないか。

文字通り斉彬の懐刀であった吉之助が斉彬自身に授けられた懐刀を渡されることで揺さぶられる、という演出も王道であるがよい。この辺りは近いところで言うと谷垣と村田銃の関係に相似性が見られる。

そして再び吉之助は吉之助として、本土へ戻っていくのだった……いやあの小船じゃ絶対無理だろ!

 

……皆が「吉之助は薩摩をしょって立つ人間」「日本を変える人間」と持ち上げてくれるけれども、やっぱりその理由が全く分からないまま本土に戻ることになった。いや、中央でなんかしてたからすごいんだろう、というのはある意味地方のリアルであるかもしれないが、視聴者としては「このまま奄美で暮らしていた方が幸せなのでは?」と思えてならない。

正助、久光主従はなかなか面白い。久光、国父という響きが嬉しそう。青木さんもそれに合わせてちょっと増量したように見える。繰り返しになるが、今大河の注目は新しい久光像を掲示してくれることだと思っているので、引き続き期待したい。正助はビックリするくらい人望が相変わらずなくて笑う。軽々に立つな、という正助の見解は未来の視座から見ればむろん正しいのだが、郷中の連中とすれば今立たずしてどうする、であり、実際そんなことしているうちに桜田門外の変で水戸に抜け駆けされてしまっているのである。(井伊直弼の粛々とした退場はとてもよかった)しかも初期から出ている茶坊主出身の有村俊斎の弟(有村次左衛門)が井伊直弼を打ち取ってかつ死んでいるのである! どころかもう一人の弟も後々切腹させられるのである! せっかく幼少期から有村が登場しているのにその辺の描写が一切ないのである! というかそもそも西郷と月照と一緒に有村も命からがら逃げてきているのである! あまりにもったいない使い方ではないか。正助も安政の大獄がいいわけはないと判っている。井伊の言いなりになっていいわけ? と思っているはずなのである(あっ石を投げないでください)しかし大局を見るがゆえに動けず、しかしその間に実に薩摩人らしいムーブをした幼馴染が首魁の首を挙げ、またそれ故に同じく幼馴染が切腹しなければならない……その葛藤をきっと瑛太さんならしっかり演じてくれたはずなのだが、そんなことはなかったのが全く残念でならない。

久光、斉興の会話もなかなかよかった。斉興、斉彬、久光の誰が欠けても幕末・明治の薩摩の軌跡は成り立たなかった、というのが歴史のドラマティックたるところであるが、このうち久光だけは藩主ではない。それ故にこの後薩摩はまた人一倍苦労するのであるが、まずはその端緒が吉之助と久光のフルースタイルバトルという形で次回見られるようであるので楽しみに待ちたい。

しかし相変わらずお由羅の画面制圧力が恐ろしい。お久しぶりねってやかましいわ。

 

お久しぶりね

お久しぶりね