カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

大河ドラマ「西郷どん」第二十二回「偉大な兄 地ごろな弟」感想

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こんな施設が中心街のど真ん中にあるのが鹿児島のすごいところ。猿叫が響いていた。

余談

筆者が五年だか前に初めて作ったクレジットカードが更新された。作った頃は2018年の5月なんてはるか未来だと思っていたが、いつの間にやら到達してしまっていた。まずは6月最初の日曜日に高速を使う予定があったので、早速連動しているETCカードを差し替えて安心していたが、その後美容院で精算時に古いカードを使ってエラーが出てしまってたいへん恥ずかしい思いをした。

ちょっと間があってヤンジャン電子版を買おうといつものようにワンクリックするとエラーが出てしまい、そこでそういえばこれも期限の切れたカードに紐つけていたんだと気づく。Huluを見ようとPS4を立ち上げるとここも「お前のカード期限切れてない? 次回の更新できないよ」とアラートが出ており、ここに至って「あれ? もしかして同じカードで期限更新しただけでも再度登録しないといけないのか?」ということに思い至る。他にもジャンプ+であったり各種公共料金、インターネット代、ウォーターサーバー代などがここから引き落とされるようになっている。ちょっと調べてみると場合によってはカード会社と連携して勝手に更新してくれるが、そうでないことが多いらしいので時間を見つけて対処しなければなるまい。

ただ、Amazonのワンクリック決済が現在エラーになることで少なくとも4回ほど書籍の衝動買いを抑えられたという思わぬ効果もあり、Amazonに関してはもう少し更新しなくてもよいかもしれない……と思ったりもしている。

かつて某レンタルビデオ店で筆者がアルバイトをしていた時、そこではクレジット機能付会員証のスタッフ一人当たりの(もちろんパート・アルバイトを含めて)「目標」が定められていた。といってもアルバイトの場合は月に2~3件程度であり、達成してもしなくてもバイト代が下がるということはなく、1件当たり何百円か獲得したら手当がつく程度であった。筆者はそこで4年間アルバイトをしたが、その間にも目に見えてクレジット機能付会員証のメリットは減少していき、4年目に「目標」は事実上消滅した。促進対象から外れたのである。

その当時筆者がクレジットカードに対して持っていた印象は相当にネガティブなものであった。実家がいつもニコニコ現金払い主義であったことも起因するだろう。なので、結局自分ではカードを作ることもなかった。

社会人になってカードを作成したのは所謂お付き合いからで、まあ1枚くらい持っていてもよかろう、という気持ちで作成した。その後「お付き合い」で3枚作った。VISA、JAL,MASTERと取り揃えている。

Amazonのワンクリック決済という悪魔の存在により、いつの間にやらカードへの抵抗は格段に下がってしまった。それまでは振込手数料を犠牲にしてでも現金払いであったが、利便性を求めてカードの入力で済ましてしまう。学生時代、デッドライジングの体験版がカードがなくてできなかった憂さを晴らすかのように、ゲームもカードでDL版を購入することが増えた。シリアルコードをちまちま打っていたあの頃の筆者はもういない。

けれど、時々自問することがある。あらゆるものを手軽に引き寄せることが出来るようになった代わりに、購入するまでのあの苦しくも楽しい日々をいつの間にか失ってはいないか、購入した後その対価分しっかりと自分の中で咀嚼し、消化し、昇華できているか。一つ一つの体験が薄まってはいやしないかと。そして多分、今のところ、残念ながらそれはイエスなのである。なんだったらクリックしたときが興奮のピークであったりするかもしれない。

ということで暫く、クレジットの使用を戒めたいと思う。副次効果として積み本の解消も期待されるはずである。でもヤンジャンは買うけどね。

 

本題

大河ドラマ「大島三右衛門」第一話、なかなか良かった。久光と吉之助はこれから死ぬまで「斉彬トップオタ」をお互い一歩も譲らない、ということが改めて確認できた。しかし、斉彬は生前「お前はわしになれ」と吉之助に遺したが、それは斉彬と同じ感じで久光に話していいということではないと思うぞ。上司だぞ。その上命令違反で勝手に京都に行ってしまう。生きていることも一瞬でばれてしまう。そんなヤバレカバレで大丈夫なのだろうか。しかし死地を超えた男のオーラというのは判る人間には判るのか、有馬新七の暴走をいったんは収めることに成功する。このあたり、脱藩を止められなかった正助との対比が判り易くて良い。世が世であれば「正助人望なさすぎワロタwwwwww」スッドレが乱立していたはずである。

参考:世が世であれば立っていそうなスッドレ

・死人だけど何か質問ある?315流

・【極秘】薩摩藩がとうとう幕府に対して兵をあげるらしい【密勅】

・お前らのオススメの店in京都

・【国父】島津久光592チェスト【四賢候】

・【名君】島津斉彬40002ゴワス【多才】

・僕の蛤御門も閉鎖されそうです

脚本は相変わらず省略されまくっているが、鈴木良平さんの深く落ち着いた演技が説得力を与えている。

今回台風の目となったのはいよいよ満を持して錦戸亮君にクラスチェンジした信吾であった。かつてDV彼氏役を演じた時余りのその迫真の演技ぶりに好感度を下げたといわれる錦戸君の演技は確かに素晴らしいものがあり、自分個人ではなく「吉之助の弟」として見られることのつらさ、もどかしさが痛いほど伝わってきた。そして根底に流れるのは多感な時期に大好きな兄が遠くへ行ってしまった寂しさであるということも。まあそれを流されるときとかにもうちょっと描写してくれていればもっとよかったんですけれども。信吾のしたことで記憶に残っているのって菅との初夜時に布団に入ってきたことくらいだよ。

信吾がその複雑な心境を吐露するシーンは、今回のタイトルがダブルミーニングであったことを視聴者に印象付けつつ、何気に吉之助自身も「膨らんだ『西郷どん』の勇名」に戸惑っていることがわかるのも物語上重要である。この後西郷吉之助は幕末をある時は表玄関から堂々と、ある時は裏口でちょこちょこと跋扈するのであるが、その人物性は一貫していないことが多い。それはその虚実が判然としないということもあろうが、それ以上に「西郷どん」というのが「西郷吉之助個人」という枠組みをはみ出していわば共同ペンネームのような形で使用された、「西郷印」の旗のもとにあらゆることが執行されだした、ということではないかと筆者は考えているのだが、この展開はその推測にリンクするようでちょっと嬉しい。

そして平野國臣がまさかの登場。今かよ! 今出てきてもポカやって捕まるシーンくらいしか見どころがないのでは…(やらなそう)久坂玄瑞吉村寅太郎なども思い出したように出演したが、果たして今後どれだけ出番があるのやら。

紀行で述べられたように和宮と家茂が結婚したり、坂下門外の変があったり、そもそもなんで久光が出兵しようとしたかいうと長井雅樂という長州藩士の政策がもてはやされていることのカウンターという理由が一面としてあったりするのだが、語られない。特に家茂関連はあれほど篤姫に情熱を割いていたのにスルーするとは思っていなかったのでちょっと驚いている。

そんなこんなで来週は幕末薩摩の悲劇、寺田屋事件である。それまでにもう少し郷中の皆を掘り下げてくれていたらもっと劇的な描写になりそうなのだが、また思い出したように回想をねじ込むのだろうか。役者さんの熱演を楽しみにしたい。