カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

祭りは香賀美タイガの中に、未来は彼らの手の中に――KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-3話初見感想

余談

10連休が過ぎ、はや2日、どうにか業務をやり過ごす日々である。

気が付けばBSテレ東にて第4話が放送される日が近づいてきており、妻も激戦から帰って来たので、視聴して感想を書きたい。ついさっき(22:30)に観た。

これは今この時に観るべき話だと思ったので、早速まだ初見の方にAbema無料期間のうちに少しでも届くよう、綴っていきたいと思う。推敲もせず思ったままに書き飛ばすので、いつも以上に乱文となると思うがご容赦願いたい。

abema.tv

↑記事を書いている時点であと36時間無料で見られます。というかサムネイルの2/3がタイガなんだな……。

 

ということでここからはKING OF PRISM -Shiny Seven Stars-3話のネタバレというか、とにかく内容に触れていますので未見の方はご注意ください。

 

本題

以前、こういう記事を書いた。

 

kimotokanata.hatenablog.com

 タイガ回であった。少し先に触れたが、この時期だからこそ是非見るべき回だった。

そういう意味で、今回はSTU48で言うと「暗闇」回であったと言える。風味堂で言うと「おかえりなさいが待っている」回であり、槇原敬之で言うと「いつでも帰っておいで」回であったと言ってもよいだろう。

そしてまた、彼が残念ながらもう公開は終了してしまったけれど、「EZ DO RAP」選抜にどうして選ばれたのかも今回を通してばっちり分かった。

10連休、読者諸賢は帰省しただろうか? もしかしたら初めて社会人になった方々もいるかもしれない。新年度が始まり、なんとなくのうちに4月が過ぎていく。改元のおかげもあり、どこか浮ついた、祭りめいたような調子が既に4月半ばごろからあったことだろう。

そして10連休がやってくる。そうではなかった方々もいるかもしれない。誰かの10連休の為に縁の下の力持ちになってくださった方々が。

どちらにせよ、と筆者は思う。どんな状況下にあっても、我々はなかなかしんどい「五月病」と向き合わなくてはいけないのではないか。このお祭り騒ぎの分だけ、揺り戻しと戦っていかなくてはならないのではないかと。

こと新入社員諸賢においては実家に帰りたくて仕方がなくなっていたりしちゃいないかと、勝手にドキドキしているのである。

だからこそ。

3話を見てほしい。10連休の前後にこのタイガ回があることは決して偶然ではないと筆者は確信するからである。

これは香賀美タイガ(以下タイガ)が地元をレペゼン(代表)する物語、していくまでの物語だ。

筆者は実はタイガを全く真逆と言っていいほど誤解していた。都会に憧れがあり、方言が出ないように強い言葉を使い、都会のおしゃれなスイーツとしてプリンア・ラ・モードを愛好しているのかと思っていた。幼い頃の笑顔がとても良い。

実際はそうではなかった。青森をこよなく愛し、愛するが故に東京に敵対心を持っているくらいであった。「十和田湖の方が凄い」この精神である。東京は凄い。何でもある。何でもあって敷き詰められているから、十和田湖は絶対にない。青森の勝利である。けれど。それは東京では十和田湖を見出せないという、郷愁を同時に産んでしまう。十和田湖に代入できるなにがしかが、地方から出て来た読者諸賢にはきっとあるはずである。当たり前すぎてないことを思いつきさえもしなかったおらが国のランドマークが。筆者で言えば桜島が。

加えてタイガにとって、東京は嫌な場所でもあった。かつて憧れの人をすっぽかしてしまった過去がある。憧れの人がチャラチャラしてしまったのも東京のせいだと思っている節もある。

そんな彼はしかし、古式ゆかしい「家族が勝手に応募したのに……」方式でエーデルローズへ入寮する。姉なる者の真骨頂である。

キンプリにおいて、大切なことはいつだって風呂場で語られる。しかも五右衛門風呂は下から火を焚いているからな。実は、この単語でエリートたちが湧きたっていたのはTLで横目で見ていたので果たしてどんな時に用いられるのか? とこっそり楽しみにしていたのだが、正直なところまだまだ筆者にはこのセリフであそこまで文字通りドッカンドッカン焚き上がって見せる、いや魅せるエリートの域にはかけらほども達していなかった。そこに至るまでの某かストーリーがあったのではないかと思うのだが、共鳴できず悔しく歯がゆい次第である。

ともあれ一度ならず二度までもカヅキ先輩のプリズムの煌めきを浴びてしまったタイガが引き続きプリズムスタァへの道を歩み続けるのは至極当然のことと言えよう。

レペゼンってのはな地元にとどまって東京の悪口を言うことじゃねえ

フリースタイルダンジョンRec6より R-指定

まさしくその通りであり、タイガはエーデルローズ進学によって真のレペゼンへの道を歩み始めたと言える。

そしていよいよ凱旋の機会が訪れる。どうみても寝不足の山田さん。しっかりタクシー代を返済するタイガ。チャラチャラしているのにタクシー代はチャラにせずかつ恩に着せもせずただ素直に今までもタクシー代を受け取り続けていたっぽいカケルが印象に残る。華やかなステージがシュワルツローズに用意される中、地味な営業。そこにやってくるカヅキ先輩。どう考えても予算もメンツもモンスター番組である「めちゃイケ」を視聴率戦争において下したジャイアントキリング・出川さんのあの番組リスペクトであり、そう考えると膨大な資金力を背景にするシュワルツローズに対してカヅキ先輩や主人公サイドが振るうのは決して蟷螂之斧ではないのだという製作陣のメッセージであるようにも感じられた。

相手側の不手際により「祭り」が窮地に陥るその時、タイガはついに己の中の「祭り」を解放する。

そう、タイガが祭りなのである。最初ズボンのテクスチャ透けてない? と思ったが勿論祭りの男はふんどしなのである。愚問なのである。

地元をレペゼンすること。それは自分の中にあるルーツを再構築すること。形作ってくれた一つ一つを乱暴に扱うでも、神格化するのでもなく、いつでも取り出せるように心の中に大切にしまっておくこと。それをタイガは我々に文字通り身をもって教えてくれた。

筆者は理解力がなく、時系列が前後している(同じプリズムショーを青森とプリズム1の会場で2回行った)のか、タイガのプリズム力で会場がプリズム1会場へと変貌したのか(今日は俺の地元に来てくれてありがとうと言ってくれているしこっちなのかとは思うのだが)、それとも筆者にはまだまだあずかり知らぬキンプリユニバースにおけるプリズムの煌めきが生み出した事象なのか、判然としなかったのだがただ一つ言えるのはタイガのプリズムジャンプは最高であるということであり、青森であろうと、東京であろうと、月の裏側であろうと、祭りがタイガの中にある限り、そこはねぶた祭り会場であり、彼の居場所になるということである。

地元や愛しの場に留まる人も、その炎を心の中でそっと育て別天地で頑張っている人も、全てを肯定する正しくねぶたのような力強さにあふれた話だった。さすがにキッスにはどんな顔をしたらいいのかわからず照れてしまった。

レインボーライブとのリンクもちょこちょこ出てきてこれもまた視聴の楽しみの一つとなっている。

ともあれプリズム1も2連勝、未来が彼らの手の中にあることを祈らずにはいられない。

最後に輪入道のリリックを引用して結びとしたい。


輪入道 徳之島 Official Video

東京にのまれんなよ

君の地元熱いぞ

――輪入道「徳之島」より