ナゴヤディビジョンCDの全般的なネタバレがあります
余談
もう本当にアイズワン関連のニュースで日々勝手につらくなっている。
festaがふたを開けたら音頭だったらどうしようとか思っていたあの頃に戻りたい。
そんな中、数少ない月末の楽しみである「ナゴヤ・ディビジョン」の楽曲がリリースされ、早速聴いたので感想諸々を記しておきたい。
オオサカ・ディビジョンもそうであったがAmazonの「ブツ」が到着する前にサブスクリプションでの鑑賞となった。未来。
ところでYouTubeだと現在、独立のチャンネルじゃなくてVarious Artists扱いなのだが何故だろうか。(YouTubemusicはBad Ass Temple名義)
オオサカは独立のチャンネルなのだが……48グループ総選挙でのSKE……「ナゴヤ」の強さを知るキングレコード故に「不遇」を演出し後のバトルシーズンで爆発させようとしているのだろうか……。
ナゴヤの不遇一覧
・新ディビジョン参戦!が二回目でやや新鮮味が薄れる
・通天閣コラボ参加なし
・新曲プロモーションがオオサカに比べて控えめ
・発売日になったのにまだYouTubeのディビジョン曲コメント部分でソロ曲が「タイトル未定」のまま
・独立チャンネルが存在しない←NEW!
(記事の公開を出来ずにいる間に無事専門チャンネルになっていました)
本題
この間大興奮で記事を書いてしまったようにオオサカ・ディビジョンの「あゝオオサカdreamin' night」が大変良かった。
故にナゴヤはプレッシャーだろうな、と思っていた。この曲と渡り合うにはフットワーク軽く次々手数を繰り出すオオサカに対して一発で撃ち砕くみたまんまスーパーヘビー級な曲が必要ではないかと思った。
端的に言うと呂布カルマさんが楽曲を提供するんじゃないかなと思っていた。
最低でもジェットシティピープルの誰かは参加するのではないかと。
蓋を開けるとそうではなかったわけだが、しかし「Bad Ass Temple Funky Sounds」もめちゃくちゃに素晴らしい曲であった。
オオサカに続き「地方ディビジョン」の良さを前面に押し出したたまらないリリックとなっている。
特に試聴では聞けない後半になるにつけ加速度的に素晴らしくなるので是非まだ未聴の読者諸賢は聞いていただきたいと思う。
全員の攻撃力が非常に高い。
そして「不退転の心は撃ち砕けない」を聴いた後だと、これは開幕の曲でありながらある意味3人が家族になった一つのエンディングなんだなと感慨深い気持ちになる。(後半の3人での「「「アァーーイ!!」」」など思わず涙腺が緩んでしまう)
波羅夷 空却の
アイツもアイツもアイツも尻込む
ままごとなら帰ってクソして寝ろ
というチーム名通りの口の悪い尻ぶり、
四十物 十四の
勝手にアンタら盛り上がってる 日本の真ん中でコチラ待ってる
という先のシーズンへの痛烈な皮肉と
ちんちこちんに沸かしたるがん
という純然たる決意。
(なにがえ? なにがあ? というのはオオサカ・ディビジョンの躑躅森盧笙 パートへの皮肉?)
天国 獄の
使い古したワードの羅列:まったく響かん疑うセンス
あたりの完全に名古屋の生んだトウカイテイオー「TOKONA-X」を彷彿とさせる美しい汚いフロウ。
こんなバチバチな3人がしかしHookで繰り返し歌うのは
見てみな ほら悪くないMy face
であり、そこにはrapで良く試みられるセルフボースト(自己賛美)は控えめである。
漸く彼らは自分の顔、今まで生きてきた証を肯定できる段階まで来ており、これからが勝負どころなのだということをひしひしと感じる。
その「守りゆく俺たちのスペース」を築くまでの物語、「不退転の心は撃ち砕けない」もまたいろいろな気付きを与えてくれるドラマトラックだった。
ナゴヤ・ディビジョンにおいて唯一無二は存在しない。破戒僧は二つ以上の選択肢を示し、ヴィジュアル系ミュージシャンは二面性を持ち、弁護士はあらゆるストックを二つ持っている。
それはつまり「ブレ」である。MCバトルにおいて「ブレ」は致命的だ 。そこを突かれることから敗着に至ったバトルは数知れない。ではそのブレによってナゴヤ・ディビジョンの面々もまたMCとしては欠点を抱えているのか――?
そうではなかった。彼らは「不退転の心」を持っているからだ。
ブレが弱点になるのはそれを突かれることで怯むからだ。退こうとするからだ。
しかし心に一本筋、不退転の心さえあればそういったことはない。
不退転の心――それは即ち「黄金の精神」である。
そうなのだ。「不退転の心は撃ち砕けない」という「クレイジー・Dは砕けない」を彷彿とさせるタイトル。セリフ回し。「兄貴」に対して行くべき道を導いてもらおうとする弟分。サザエさんみたいなヘアースタイル。そして黄金の精神。
「お寺に修行にいこう!その①」であった。
気になるのは「男が泣いていいのは家族かダチが死んだときだけだ」という言葉と最後の「拙僧たちは家族だ」が呼応してしまわないかということ。
そして暗躍していた飴村乱数の「タイムリミット」が近づいているらしきことである。
どうも「Stella」の別格の出来といい、このことといい、今回のバトルシーズン、運営としてはシブヤに肩入れしているように思えるが果たしてどうなるか……。
また、四十物十四くんの「正々堂々戦おうぞ!」というセリフは初見は戦国無双を彷彿とさせて笑ってしまったが、ドラマトラックを聞いた後ではクソ陰湿ないじめを受けていた彼にとって「正々堂々」ってきっとなによりも大切なワードなんだよな…その場所を与えてくれたヒプノシスマイク…という気持ちになった。
今月のイケブクロも楽しみである。