カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

煎じ詰めれば千字になるか・接種編


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コロナワクチンの三回目接種をした。前回の二回目接種が去年の五月半ばで、最初はそんなでもなかったが約半日後から諸々の症状が出た。

・注射した方の肩・股関節・背中が痛い
・微熱・悪寒
・頭痛悪化

大体全快には三日ぐらいかかったと思う。とはいえそのご加護か何なのか、何とか今日まで感染せずに(あるいは、あまり考えたくないことだが感染しても無症状で済んで)いる。

今回も職域接種ではあるものの個人個人の家に接種券が届き、個別に予約・接種する方式となっていたが、ボスの厚意で勤務時間中に近隣の医療機関でスタッフ持ち回りで接種を受ける方式になった。

筆者の場合は前回同様小児科で接種させてもらった。前回と違って自らも娘がおり、娘のかかりつけの医院との差異を興味深く観察したりした。

先生は蓬髪の大ベテランで、接種は滞りなく痛みもなく済んだ。院内で20分の待機となり、「前回より待機時間が長くなっているな」と思った。二回目は特に副反応が強く出る人が多かったというからその配慮であるのかもしれない。

小さなベッドがある処置室に通される。壁際の色あせたキャラクターの背比べポスターは150㎝までで、果たしてどれだけのちびっこがその背を測ったのだろうと考えると途方もない気持ちになる。

何事もなく20分が過ぎ、3回目の接種証明書をもらった。その間に速報で県内の新型コロナ感染者が最高を更新したことがスマホに通知されていた。

年末の「2月には広島の実家に娘を連れていけるのではないか」という楽観はどこへやら、この南の果てでも増加の一途をたどっている。知り合いの知り合いくらいまで辿れば感染者、濃厚接触者はもうずいぶんといることだろう。

我が家は現在基本的に筆者以外は外に出ることがないので、接種の少し前から妻と娘、筆者とで寝所を分けている。とはいえ日中ワンオペの妻は夜間を回復に充てているので夜泣きなどは引き続き筆者が基本的には対処している。

そう、今回の接種はwith娘だ。例のごとく、明け方から調子が悪くなる筆者と反比例するかのように充電ばっちり遊んで遊んで!を伝説の巨獣のような雄たけびで表現する娘。妻を起こさぬよう動作を最小限かつ最速で寝室に向かい、娘を抱き上げる。接種した側の肩に痛みが走る。次いで首、腰。刺激した関節が律義にその痛みを留め続けているのだ。

一瞬顔をゆがめた筆者を変顔だと思ったのか大ウケの娘の笑顔はしかし、特効薬であった。

(28分/1000字)