カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

煎じ詰めれば千字になるか・節句編

娘の初節句である。

桃の節句。今まで32年間(えっちょっと待って……32……? 令和になっても年齢のカウントって止まらないんだ……)全く縁のなかった行事は、一月ほど前に双方の両親、つまり娘にとっての両祖父母が雛飾りについての「打診」をしてきたときから始まった。

結局、母方の親から出資するのがよかろう、という伝統的なんだか何なんだかとりあえず娘の衣食住でてんやわんやな我々としては手出しが無くてありがたい展開で落着した。

とはいえ狭いながらも楽しい我が家、裏を返せば楽しいけれども狭い我が家を縁起物とはいえその活躍時機が1年で極めて短い雛飾りに多数を占められるのは懸念があった。雛飾りは我々の領土を租借するが、雛飾りに我々は住むことが出来ない。この決定的な矛盾点を解決するには雛飾りそのものを極めて簡素にすることが最上であろう。

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雛飾りは「人形工房ひととえ」さんのものにした。ふっくらまるく柔らかな顔つきのお雛様がどことなく娘に似ている、と妻が見つけてくれた。筆者もそう感じた。ことに、夏生まれだからと涼しげな着物柄を選んだらちょうどよくそのお雛様が一番娘に顔が似ているように感じられたのは不思議なことである。

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また、さまざまな組み合わせを事前にシミュレーションできるのも助かったし、面白かった。君も「ぼくのかんがえたさいきょうのひなかざり」を作ろう。ぼんぼりで差をつけろ。

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ヤマト運輸で雛飾りはやってきた。こんなシールがあることを知らなかった。

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中身はこんな感じ。羽箒が雰囲気がある。

f:id:kimotokanata:20220303234949j:plainシンプルな親王飾りにした。娘の前でひなまつりの歌を歌う時は五人囃子や官女や右大臣などいない登場人物の部分はハミングでごまかさねばなるまい。

や実物は一層柔らかな雰囲気が出ていて、見ているだけで顔がほころんでしまう。

本日は娘も終始ご機嫌であった。雛あられがわりのサツマイモボーロもモリモリ食べた。

妻の料理もますます冴えわたっていた。いつもなら「スシローのひなちらしにしよう」とでも言いそうなものを、妻の本気度が窺い知れた。今まで桃の節句を祝ってあげられなくてごめん。

「ひしおこし」の賞味期限が5月4日までで、端午の節句までに片をつけろ、というメッセージを感じた。

(25分/960字)