ゴールデンカムイ最終回のネタバレがあります
またまたこんな時間(22:53)である。連載8年、ゴールデンカムイが完結した。筆者と妻は4年前からハマったので大体半分の旅路を共にしたことになる。あの頃は網走監獄から後の方が長くなるなんて思ってもいませんでしたね。
結構書いたなあ。二年も間が空いてしまったのは、キロちゃんの件が自分でも思いのほか響いたのだろうと思う。それまでだって殺しあったりしていたのだが、あそこで決定的に、ああ、もうあの頃には戻れないんだ、と思い知らされてしまったのだと思う。
また、物語の展開自体も、それまでより筋が見えるというか、そのレールに沿って人物たちが走らされている感じが濃く感じられるようになって、筆者の中での最高潮は少し落ち着きを迎えたのだった。
とはいえ終盤の勢いはやはりすさまじく、毎週が待ち遠しかった。長い長い争奪戦で、愛しき人物たちが一人また一人と脱落していく中で筆者の心を大きく動かしたのは尾形であった。あんなにも尾形な結末があるだろうか。
彼の論理は明確なはずだった。撃つ。何かを得る。しかし本当は、撃つたびに失っていくばかりだったのだ。かくして尾形の「愛されなかった子・尾形百之助立身出世物語」という尾形ロールプレイングゲームはエンディングを迎える。それはグッドエンディングなのか、バッドエンディングなのかは誰にもわからない。
鶴見中尉は月島軍曹か鯉登少尉に殺されるとばかり思っていた。遺骨と権利書を天秤にかけた時、彼に憑いたゴールデンカムイは権利書を選ばせた。が、その時に見せた顔は。まぎれもなく長谷川幸一のものだった。
筆者も人の親になって気になるのは、野田先生が連載中お子さんがお生まれになって、それが作品の展開にどう影響を与えたのか……ということだったりする。恐らく、確実に影響は受けて居ると思うのだが……。
そのゴールデンカムイの一撃を受ける杉元佐一。ひるむアシリパに彼は心配するなとばかりに声をかける。
「俺は不死身の杉元だ……」
今まで己を鼓舞するための言葉が、人をいたわるための言葉になった瞬間である。
そして――最終話。
ジョジョ二部のような、金色のガッシュ!最終回のような、龍が如く0のような。親しんだ人々の横にナレーションでその後が端的につづられる最終回はいい最終回である。ただしそれは、その物語の重力から、少しずつ引き離される感覚もあり、いつも寂しい。
鯉登少尉は最後の第七師団長ということでやはり鯉登行一がモデルだったのだなあと思った。ところで史実の第七師団は太平洋戦争中一部がアッツ島へと進軍し、その際は鯉登パパが乗艦していた「電(いなずま)」も部隊にいたというが、あの世界の電はあのあとどうなったんだろうか。
とかしみじみしていたら……この国では「国王様万歳」のことを「オマエシライシダロ」と言うのです。嘘だけど。
単行本が出たら改めてまた総括した感想を書きたい。