あと8分で日付が変わる。
6月こぼれ落ちたことの1つの断片を文字に残しておく。
なにも書かないよりはいつか記憶を辿るアンカーになってはくれるだろう。
晴れた日にイヤホンで聴いてくださいと推奨されている曲を土砂降りの日にカーステレオで聴いた。
純文系の新人賞でデビューした作家の2作目のエピローグのような歌詞は筆者の中の存在しない記憶を生み出すような手触りがあり、それが和田彩花さんの声で少しずつ増幅していく。
ワイパーの音がメトロノームのように規則正しく今生まれた記憶を過去に押し込もうと左から右へ動いていく。
こんな曲を晴天のお散歩で聴けだって?
なんて恐ろしい呪いを思いつくのだろう。