カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

THE MOON&STRATEGY

我等は月が見えずとも

歩みは止めず

真夏のピークが去り、朝晩の風の音が初秋を告げ、今年も月見バーガーの季節がやってきた。

今年はTwitterと連動してマクドナルド公式が企画をやっていたので参加してみたりもした。

思いのほか浸食度が高すぎて驚かされる。これが世界資本の力である。

スパムの煩わしさすらエンターテインメントに消化されたような趣さえある。しかしTwitter連携でほいほいと権限を明け渡すことの恐ろしさも同時に教えてくれる素晴らしい企画である。

浸食度が…高過ぎる…このままでは月見を食べる前に精神が乗っ取られてしまう…!

これがマクドナルド…「見えまくっている帝国」の陰謀だというのか…!

だが筆者もマクドナルドと四半世紀向き合ってきたという意地がある。ただでは敗れる気はない。



乗っ取られるより前に筆者自身が月見と融合することで奴らを打ち破るしかない……!

無月(ビッグマック

――無駄だ それも視えているぞ 木本

――残念だったな

――戦況を見て瞬時に転じたことは上出来だ

――だが 無月(ビッグマック)も我が力には及ばぬ

――初撃で我が力にポテトを獲られたのが貴様だ木本

――全て 視えている 終わりだ 木本

……そうか

ビッグマック

視えているか

「すき焼き」というところに「上を向いて歩こう」というメッセージが感じられ、またますます和風バーガーとしての地歩が固まったようで小気味がいい。

――道は 閉ざされたぞ 木本

――恐怖なき世界への 道が

――月見バーガーとレギュラーメニューは混じりあい ひとつになるべきだったのだ

――だが それも最早叶わぬ

――無念だ お前のお陰で 命あるすべてのものはこれから先も月見品切れの恐怖に怯え続けるのだ

――永遠に

月見バーガーがレギュラーメニューになった世界には、

確かに品切れの恐怖はないだろう。

だが月見バーガー品切れの恐怖の無い世界では人は。

それを退けて希望を探すことをしないだろう。

人はただ生きるだけでも歩み続けるが、

それは恐怖を退けて歩み続けることとはまるで違う。

だから。

月を見る・心が上を向く。

人はその歩みに特別な名前をつけるのだ。

月見」と。

――だれ?

和風チキンカツサンドとチキンフィレサンド!

月見よ! あんたは!?

――ぼくはマフィン

KANATAGATARI 287

――ぼくも月見だよ

THE MOON&STRATEGY

BLEACH モノクロ版 74 (ジャンプコミックスDIGITAL)