カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

間借れ!スペクタクル、あるいはPodcastに参加させて頂いた話。

余談

久々にひと月以上ブログの更新が出来なかった。年末に向けて公私ともに忙しく、充実した日々を送っているがそのため日々の記憶は恐ろしい速さで抜け落ちていき、その楔となるはずのブログを書くためのまとまった時間がなかなか取れない。

未だ1歳記念の記事を書けていない娘は早1歳3カ月となり、1歳1か月の前日に「お、歩けるやんけ」と気づいたのかどうなのか、ぽてぽてと歩むようになり、今やバタバタと駆け出し、何もないところで転び、平気な顔をしている。そのくせ抱っこをせがむ頻度も激増した。縦軸横軸ともに行動範囲が広がり、机を押して(ああ…フローリングに傷が…)足場にするというテクニックも編み出した。ベビーサークルも「ここに入れられると抱っこしてもらえない」ということに気がつき入れようとするたびに騒ぐので参ってしまう。もはや居間は娘の支配下に落ちたと言っていい。

この愛すべき暴君の平日昼間の下僕として妻は振り回されており、平日夜、まては休日にそんな妻を置いて「じゃあブログを書くので娘を見ててね」とはとてもではないが言えない。娘が寝ている間に書いてしまえばいいのだが細々したタスクをこなしたりつられて寝落ちししまってなかなかままならない。

昨日は4回目のコロナワクチンを接種し、そのため十分に睡眠をとったために今は娘が眠りながら自分は活動できる、という本当に久々の状態にある。せっかくなので急ぎ書いておくことにしようと思う。

本題

余談が、ながくなった。

参加するまで

スピッツが好きである。

kimotokanata.hatenablog.com

好きなくせにこのブログで言及したことはなくて、調べてみたら4年前に一度きり、さらっと、という感じのようであった。昔あった「インタビュー」だかなんだかというサービスで各アルバムに対して熱く語って覚えがあるのだが、そのテキストもいまやネットの藻屑である。インターネットというものは残っていてほしいものほど残らないようにできている。

そんなスピッツはあっぱれ35周年、ドラマでも取り上げられ機運が高まっている…ということではてなブロガー御用達「〇〇選」記事を書こうと思ったら公式にその上位互換をお出しされ…というのが事の発端である。

ブログの仇はPodcastで討て、という訳でもないが、折よく柚木ログさんにお声がけいただいてスピッツについて話す機会を得たのだった。

exloyks.hatenablog.com

今までも何度かいわゆる音声メディアの勃興と隆盛をTLで見ては来ていたのだけれどそもそも自分の声があんまり好きじゃないしネットの海にそんなものを残すなんて恐ろしい…というオールド・オタクの魂の叫びもあって避け続けていたのだが、Twitterのスペース機能を経てそういったもののハードルが少し下がっていたのかもしれない。また、ログさんにお任せすれば大丈夫だろうという信頼が大きかったのもある。

あと、曲が振りたかったのである。曲が振りたくない人類なんていませんからね(デカい主語)

参加するために

さてPodcastに参加するなんて簡単に言ってもどうするんだ……と思われるかもしれないが、前掲したログさんの記事をお読みいただければわかるように本当に拍子抜けするくらい簡単にデータは作成できる。

問題はボリュームで、生来オタクの筆者は滑舌が悪く、声も小さい。およそPodcastには向いていない人間なのだが手を挙げたからには世界4000億とんで23万人のログさんファン及びログさん自身に少なくとも自分の中では全力でした! という音声を収録すべきであろう。元々の声の小ささに、自分の発する情報に自信がないとますます声が小さくなることを分かっていたので、原稿を作成することにした。

Podcast1回あたりは大体3~40分程度、曲を抜けば話す時間は20分程度。一般的なスピーチであれば1分間当たり300文字程度が目安ということで単純に考えれば6,000文字くらいの原稿ということになるが、間があったりもするしそんなにくどくど話しても仕方がない、4,000文字くらいに収めよう……。と思いながら作成した。

ちなみに各セクションごとに最低2回は録りなおした。その結果音量は普段のスペースより大分マシになっていると思われるが、加齢の切なさ、明らかに後半疲れが滲んでいる気配がある。また、声のトーンも普段に戻っている感がありこ、これが全世界に配信されているのか……と思わなくもないが全力は尽くした……と思う。

次はスピッツの膨大な楽曲ライブラリからどの曲を振るか、ということになる。まずは収録アルバムは全部違うものから選び、シングル曲は除こう、ということを決めた。

次に「いわゆる『スピッツのパブリックイメージ』と異なる曲」、「自分の中でターニングポイントとなった曲」「好きなフレーズがある曲」ということでそれまで間借りスペースでは3曲がスタンダードだったのだが、どうしても削りきれず4曲振らせていただくことにした。こんなに悩んだのは娘の命名以来であった。

参加して

データを送付して以降のことはログさんが手際よく進めてくださり、あっという間に公開となった。

open.spotify.com

あんな有名人やこんなアーティストに紛れて自分の声があるというのは何とも不思議な感じである。YouTubeとかと違ってすくなくともぱっと見では再生回数が分からないのでそういう点では精神衛生上いいし、実際どうなのかわからないけどマネタイズしにくそうなのもいいなあと思っている。義務教育年限より長いこといるTwitterがこの頃何度目かの終了のムーヴを醸し出しているが、もしかしたらブログ以外の一つの避難所としてこういうものを考えてもいいのかもしれない、とも思った。

間借りする人は現在も募集中ということで、興味がある方は是非ログさんにお声がけいただきたいと思う。多様な世界を知ることが出来て1リスナーとしてとても楽しいし、恒例のログさんのコメントもいつも興味深く聴かせていただいてる。

総じて参加してよかった! 楽しかった! みんなもやろう! ということになる。

ログさん、貴重な機会をいただきありがとうございました。

参考・「スピッツの話がしたいよ」原稿(台本)

これからPodcastをしてみようかな、間借りしてみようかな、という方、あるいは聴こうと思ったけどお前の声何言ってんのかわかんねーよ! という方向けに収録に際して作成した原稿を置いておく。なにかの参考になれば幸いである。これをスマホGoogleドキュメントにポチポチ打ちながら、昼休みに車で収録した。実際のPodcastと違いを比べてみるのも面白い……かもしれない。実は1か所、めちゃくちゃ堂々と歌詞を間違えている。(原稿もPodcastも)ライブ感を味わっていただきたいのであえてこのままにして、表記ゆれなども修正しない。

↓ここから原稿(台本)

柚木ログの話がしたいよ
この番組は、様々な兼オタである柚樹ログさんが、タイムラインでは無風気味な自分の「好き」について話がしたい欲を満たすためのPodcastです。
みなさまおはようございます、こんにちは、こんばんは。総じておつかれさまでございます。という訳でですね、世界4000億人の柚木ログさんファンの方々には大変申し訳ないのですが、今回は私、木本仮名太がspitzについてお話しさせて頂きます。
Tverの総再生回数記録を塗り替えたという巷で話題のドラマsilentは皆さんご存じでしょうか。
私は普段はドラマを見るっていうことはほとんどなくて、それなのに今期は珍しく「PICU」と「エルピス」を追いかけたりしていたのですが、柚木ログさんを含みますTLの方々がsilentで毎回何かしら心の柔らかいところを引っ掻かれたようなうめきを残しているのが気になっておりまして。
しかもspitzが使われているということで30年来のspitz好きとしてはちょっと見過ごせないと先々週かな? 今はもう4話が期限が切れてしまっているんですけど、ありがたいことに見逃し配信を延長していただいていたので休日まとめて見ました。月曜日の朝に配信されたスピンオフもすぐ見ました。
なるほどと。これはますますいろんな人が見るだろうし、そういった人がspitzに興味を持つかもしれない…と思ったわけです。
私、普段はカナタガタリという雑記ブログをWebの片隅で細々とやっているんですが、ここで「silentでスピッツに興味を持った人におすすめの曲〇〇選!」みたいな記事を書こうとして、最初57曲とかになってしまってさすがにもうちょっとなあと絞っているうちになんと公式が登場人物たちが聞いていたのはこんな曲! というプレイリストを公開されまして、ま~かぶってるかぶってる、公式からの最高の供給に悶えつつも悔しいわ…というのが11/3文化の日のことでした。ただいま11/9に収録しております。
TLでモダモダしてる私に柚木ログさんが優しくお声がけくださって間借りをさせて頂いたわけです。そのあとも引き続きモダモダしている間にもどんどんと更新されるそのスピードには尊敬の念を禁じえませんね。
せっかくですので何となくspitzを知っている…という方がイメージされているキラキラ、おだやか、みたいな感じとはまた違う曲からお聴きいただけたらと思います。
 

 

はい、spitzで8823お聴きいただきました。いかがだったでしょうか?spitzからイメージされる音とはちょっと毛色の違うものだったんじゃないかなと思います。収録されたアルバム「ハヤブサ」のタイトルナンバーでもあるこの曲は2000年リリースなのでなんと22年前の曲なんですね。言っててちょっと自分でもショックが大きいですけどね。もう21世紀生まれの方が成人されているんですね、よく考えたら。
フリーの方はたぶん、一番のサビが流れたと思うんですが、個人的には二番の「君を不幸にできるのは宇宙でただ一人だけ」というのがこの曲の肝だと思っているので、機会があれば是非fullを聴かれてみてください。ラブだの恋だのと言うのは突き詰めればエゴだと私なんかは思ってしまいまして、そういうものがのっかっている歌詞のように思えて好きなんですね。

ハヤブサ」にはラブだの恋だのはエゴ、という点でもう一つ歌詞が好きな曲がありまして、今回は全部違うアルバムからご紹介したいな~ということでフリはしないんですけど、「holiday」という曲なんです。「もしも君に会わなければもう少しまともだったのに もしも君に会わなければ幸せに過ごせたのに」からはじまります。軽快な感じで聴きやすいんですが、まあ、勝手なことを言うよなって話で。でもこういう感じ、覚えがある人もいるんじゃないでしょうか。そういえば今期のドラマと言えば、「君の花になる」で本田翼さんの演技がめちゃくちゃ言われているみたいなのですが、柚木ログさんと言えば…!のベースボールベアーの楽曲、「すべては君のせいで」のMVの本田翼さんはマジで最高以外の語彙を人類から奪う感じなので、是非ご視聴ください。ちょっと「holiday」に通じるところがある歌詞世界でもあると思います。

ベボベの話を柚木ログさんのPodcastでするという釈迦のてのひらを飛び回る孫悟空みたいなことはこの辺にしまして、この辺りで次の曲をお聴きください。2005年のアルバム、「スーベニア」から「甘ったれクリーチャー」。

 

「甘ったれクリーチャー」でした。「スーベニア」と言えばですね、最近は間借りスペースでも語られたバンプオブチキンも同名曲を出したりしていますが、お土産という意味で、アルバムジャケットには亀さんに乗った女の子の姿があります。浦島太郎イメージですかね。
私は朝井リョウ先生世代の平成元年生まれなのですが、この辺の世代は親の車の中にspitzのベストアルバムがありがち世代でもあると思ってまして、御多分に漏れず私もそこからspitzを知りました。実はこのベストアルバムは本人たちにとっては不本意であったりして、結構禍根を残すんですけどあんまりそういう話を人様のテリトリーでするのもあれなのでこの辺にしておきましょう。
「スーベニア」は自分で初めて買ったspitzのアルバムでした。ちなみにはじめて買った12CMCDはサウダージで、8CMCDだんご3兄弟でした。むせかえるような平成が立ち込めてきましたね…!
私も当時はパブリックイメージとしてのキラキラなspitzのイメージしかなかったので、「甘ったれクリーチャー」を一聴してそのギャップにやられてまた一気にはまったのを覚えてますね。優等生が見せるちょっとやんちゃな面というかね。音は滅茶苦茶攻撃的なのに歌詞は超受け身なのがまた面白くて好きです。
ちょうど高校に進学するタイミングだったので、レンタルCDショップとかでコツコツ旧譜を借りてました。今はサブスクで一発なんですけど、時代ですねえ。そういえばspitzは配信にになかなか来なくて、最初はさっき言ったベストアルバムを拝盤にした代りに出したサイクルヒットだけとか、なんだか不思議な感じの出し方をしてて音楽配信自体にあまり前向きじゃないのかな?と思っていたんですが、配信限定シングルをそのあと結構出したりもしてて、その辺は柔軟さを感じますね。
ちょうど一昨日、高校時代の通学路を通る機会があったんですが、今年の三月で思い出のレンタルCDショップは閉店してしまっておりました。5枚で1050円の日まで指折り数えて待っていたあの頃も遠くになってしまったなあという感じです。

そんなレンタルCDショップにお世話になっていた高校時代、新譜としてやってきた「さざなみCD」から一曲ご紹介させて頂きます。「漣」お聴きください。

さざなみCDはリアルタイムで初めて予約して買ったアルバムということもあって、今でも一番好きなアルバムですね。「silent」で印象深く使われている「魔法のコトバ」も収録されています。「魔法のコトバ」、私は当時から「お互いの名前」のことだと思っているんですが、どうなんでしょうか。
「漣」は今までの二曲とは違う「ザ・王道spitz」みたいな曲です。
歌詞には「夜が明けるよ」というフレーズがあるんですが、イントロから夜が明けそうな海辺の感じって音でこんなふうに表せるんだ!と驚かされます。サビもどんどん高揚している感じ
が感じられて。「漣」漢字表記なんですけど、レンとも読めますので、silentの佐倉想君を演じている目黒蓮さんにかけて劇中どっかで使われるんじゃないかなあ…と予測していたりもします。

さて、間借りPodcastもそろそろお別れの時間が近づいてまいりました。途中お聞き苦しいところもあったかと思いますがなにとぞご容赦くださいませ。懐深く間借りさせて頂いたログさん、お聴きいただいた皆様、本当にありがとうございました。
最後に紹介するのは「エンドロールには早すぎる」という曲です。めちゃくちゃ間借りへの未練がにじみ出ていますね。選曲から。
「小さな生き物」というアルバムに収録されている曲ですが、この曲の「君のくしゃみが聴きたいよ」というフレーズがspitzのあらゆる曲の中で1.2を争うくらい好きなんです。
「君の声が聞きたい」とか「笑顔が見たい」とかじゃなくて「くしゃみ」ってすごくないですか? どちらかというとね、タブーというか、あんまり聞かせる音じゃないと思うんですけど、そういうの聞いてるくらいの間柄っていうのが一瞬で想起できて凄いなあと、趣味で言葉を扱っている人間としては思います。あくびでも、お腹の鳴る音でもちょっと違う。くしゃみなんですよ!
これまた30秒プレビューの範囲外だと思うので、無料会員の方はプレミアムになったり何かしらの手段で是非聞いてみられてください。

では、曲の後はログさんにお返しいたします。
縁がありましたらまたどこかでお会いしましょう。
お相手は木本仮名太でした~ばいばいっ!