カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

ウルトラマンの日に四半世紀前を思う――『ウルトラマントリガー』第1話「光を繋ぐもの」ネタバレ感想

余談

あの時、筆者は小学一年生だった。

初めての宿題がある夏休みが過ぎ、秋が来る頃、筆者は土曜日が嫌いになっていた。

なんなら、日曜日も嫌だった。

その頃母は三人目の子供を身ごもっていて、生来あまり体が丈夫でないので、週末は毎週のように病院に行っていた。それについていくこともあったし、祖母の家に泊まることもあった。

当時は学校は土曜日は午前中までで、その後は家でご飯を食べた後みんなで公園に集合!

というルーティンだったのだが自分だけはその輪から取り残されてしまった訳である。

しかしそうなると祖母の家は電波の関係でテレビ朝日が映らず、ニチアサが堪能できずにやっぱり翌日の学校で話についていけないのである。

父もよく気にかけてくれたが残業も多く、まだ三歳の弟の方をよりケアしなければならないのを解っていながらも、寂しさは否めなかった。

運動会も、学習発表会も親が応援に来てくれることはなかった。

もちろんそれは弟の誕生と重なった小学一年生のころ限定で、以降は基本的に応援しに来てくれた。筆者は基本的に親に非常に感謝しているし、恨みなどは全くないが、しかし、あのほかにたとえようのないさみしさ、運動会の後、友達が一人また一人親に手を引かれながら帰る中、上り棒の横のフェンスでしゃがみこんでその時間をやり過ごし、人が少なくなってからとぼとぼと帰ったことを今でも時々思い出すことがある。

そういうことだから、それも病院の待合室というか、フロアごとの談話室のようなところで見た。もう少し寒かったような覚えがある。

正直なところ、話の筋は覚えていない。

だが、当時自称怪獣博士のつもりであった自分がまったく目新しい怪獣がしかも二体も現れた時、

「これは、自分たちのウルトラマンなのだ」

というようなことを思ったことは、よく覚えている。

番組の名は、「ウルトラマンティガ」と言った。

kimotokanata.hatenablog.com

とはいえ病院に行く時間もまちまちで、土曜日から祖母宅にいることも多かったものだからティガを追いかける、ということはできなかった。ダイナになると次男がメイン視聴者層となり、もっぱら怪獣ごっこのやられ役となった。リアル怪獣である「なんでも口に招来体」三男によりあらゆるソフビや玩具は唾液まみれにされていく運命であったが。

その三男が兄が母親の腹に置いていった活発さを持て余して家族旅行に今は亡きウルトラマンランドをリクエストし、ウルトラマンショーを鑑賞して、コンパニオンのお姉さんに「将来は何になりたいですか?」と尋ねられた時、元気いっぱいに変身ポーズを決めて、

ウルトラマン、ガイアッ!」と叫んで会場から拍手をもらい、ついでにお姉さんから指人形ももらった時、筆者は小学校中学年ながら「世代交代」を感じ、また供給そのものが薄くなったこともあってウルトラマンからはしばらく遠ざかることとなったのである。

本題

余談が、ながくなった。

それから大学時代に、筆者がこうなった元凶の一人ともいえるこのブログにもしばしば登場するS先輩と出会い、いくらかのウルトラシリーズの作品を見る機会に恵まれた。

とはいえやはりどこか対岸の出来事であり、成人した筆者にとって円谷プロとは「エイプリルフールになんかおもろいことをやってる会社」くらいの認識であった。

とはいえTL諸賢の反応を見ていると最近は盛り上がっているようでよいことだな……とまあ、それくらいの温度であった。

しかし最近、とみに特撮畑のフォロワー諸賢とお話をする機会に恵まれ、(この辺りのことはまた別項にてまとめておきたい)

kazurex1215.hatenablog.jp

それによって様々な知見を得、また実際にそれに影響されて作品を視聴したりもした。(電光超人グリッドマン、面白いです)(ミカヅキも絶対見るけんね(広島弁))(牙狼ってどの順番で見ればいいんだ)

そうなってみると今度は、現在進行形の作品について話を聞いたり、また自ら話したりしたくなってくる。

折よく本日は 「ウルトラマンの日」、「ウルトラマントリガー」が初回放送ということで、時代のありがたさ、配信でも見られるということで視聴をしてみた。有識者が含蓄溢れる記事を書かれる前に、(もう遅いかもしれない)そそくさと書き残しておくこととする。

 

ということでここからはトリガー第一話の完全ネタバレになります

 

 

 

マナカ・ケンゴくんの独り言で様々説明してしまうところはたまさか別作品の「説明セリフっぽくない説明セリフのうまさ」解説を前日に受けていたこともあり気になってしまった。次回以降で誰かしらに突っ込まれてほしい。

花の名前に普通ルルイエはつけないんですよ。花の名前ランキング第50,000位くらいなんですよ。まあ、元ネタ的にはそういう名前を付けること含めて外宇宙の支配者の手のひらの上なのかもしれないけれど。あからさまな造花ぶりがもうちょっと何とかなんなかったならなかったのだろうか。

初めての道具で初めての変身、でも口上ばっちりなのは自分もいつカードデッキを渡されてもミラーワールドに飛び込めるようにオリジナル変身ポーズを考えていたことがあるので何も言えないが、適応力の高さは無類である。

「あなた光であれ」と言われるということは誰かは光ではないということで、それが闇の巨人たちのことなのか、ティガのことなのか、トリガーのことなのか、はたまた別の世界線のことなのか……気になるところである。

世界線と言えばシズマ会長のティガ強火オタみたいなセリフも気になるところで、やはりティガとトリガーの関係性は一筋縄ではいかないようである。最近「ひぐらし卒」を見ているのでああいう感じの平行世界なのか、それとももっと前に枝分かれしたのか、彼だけ異世界からやってきたのか、こういう可能性が無限に広がるのが1話の真骨頂であろう。

ゴルバーに関しては正直パワード世代でもある筆者にとってはあれが怪獣リブートの「お手本」として刻まれてしまっているのでもっとシュっとしたフォルムが良かったな……というのが正直なところである。思い出したように滑空タックルとかされるよりえげつないほどシャープな角からバンバンとビームを出したりしてほしいのである。あんまりとがってるとおもちゃにするのが大変なのかもしれないけれど。

先述したが筆者はゴルザに関して「親父たちのおさがりでない自分たちの怪獣だ」という気持ちで思い入れがあるので、令和のキッズたちにニコイチ怪獣としてお出しされてしまったのは些かの寂しさがある、というかキッズたちに謎の申し訳なさがある。今後もこう言うニコイチ路線が続くのだろうか……。戦隊ものではよくあるけど監督する闇の巨人によって怪獣の系統も違ったりしたら面白いのになと思った。

OPからカルミラが大活躍であったが、CV.上坂すみれ女史の全身銀タイツ異星人に鞭をバシバシ振るわれたり突然の泥レスシーンが勃発したりして本来視聴層キッズ諸賢の何某かが歪まないかどうか勝手に心配である(こういう余計なお世話が老害の証なのである)。

アクション自体はさすがの一言であったが火星に電線は別になくても良かったんじゃなかろうか。重金属の土壌云々で地中敷設が難しかったりするんだろうか。

様々なネーミングがもはやクトゥクトゥしさを隠そうともせず好感が持てるが、ティガ当時の世紀末的な土壌とはまた違う昨今、どのように物語は着地していくのか、出来うる限りスマイルで終われるものであってほしいと願い、浅薄な感想を追える次第である。

 

ウルトラヒーローシリーズ80ウルトラマントリガーマルチタイプ

 

まるで記憶の宝石―宮脇咲良 HKT48 卒業コンサート ~bouquet~感想

余談

矢吹奈子さんの誕生日が温かく盛大に祝われて後、とうとう宮脇咲良さんの卒コンがやってきた。

いつもよりも早く目が覚めたのは、あるいはそのことによる気持ちの高ぶりを感じていたからかもしれない。

卒コンを前に身を清めねばと歯の定期検診に向かった歯科での待合室で見た番組のBGMは「ネッコヤ」(韓国語を学べる専門学校を紹介するローカル番組だった)であったりして不思議な縁を感じながら、呼ばれるまでと開いたTwitterで回ってきたニュースに筆者は目を疑った。

アイズワン再結成を目指す動きがあるという。

結論としては、宮脇咲良さんがかつて言ったように「公式の発表を待つべき」であろう。

なので、ここから書くのはただの筆者の恨み節である。卒コン感想を読みに来てくださった方は「本題」まで飛ばしていただいて構わない。

皮肉というかなんというか、筆者はこの報を初めて聞いた時、同じくガールズグループの旗手であるモーニング娘。の舞台、ステーシーズでも印象深い「再殺部隊」を想起した。

 

再殺部隊

再殺部隊

  • provided courtesy of iTunes

 

髪の毛も、指も。思い出も……骨も。

 

筆者にとってアイズワンというのは替えの利かない、愛しき推しである。彼女らが「大人」たちにとって理不尽な幕切れを迎えた時、それでも明るくウィズワンを活動終了の日まで支えてくれたその眩さは永遠に失われることはなく、それ故に夫婦してそれまでの履歴からおすすめしてくるYouTubeのアイズワン関連の動画から目をそらしながら五月以降を過ごしてきた。

ライブも、峯岸みなみさんの卒コンやAKB単独は見たけれども、8コン(たまたま出先で見たら本田仁美さんカムバックだけ見ることができた)やHKTコンはまだ見られるような状態ではなかった。

その間にも彼女たちの輝きはもはやベールに包むことも難しく、インスタグラムではついに全員集結するなど、アフター・アイズワンとでもいうべき動きを見せてくれていた。

もちろん一抹の寂しさがないかと言えば嘘になるが、それよりも嬉しさや誇らしさの方が勝っていた。

まるでヴァージンロードを随伴していた愛娘が我が手を離れ、愛する人と手を携えているのを目を細めて見守っているかのような感覚。

「幸せにおなり……」 

と思わず声がこぼれるような。

最近アイドル諸賢について書くことが多いので必然これも何度も書くことになってしまうが、人間にとっての「最高」というのは「変化し続けていくこと」「成長し続けていくこと」ということだと筆者は考える。(藤田先生の受け売りだけど)

確かにアイズワン諸賢というのはみんな女神のように可憐で花々のように美しく儚げであったけれども、その瞬間を保存して留めておくことはできないし、許されることではない。

何故なら彼女たちは人間なのだから。

不老不死の女神でもないし、もちろんコンテンツでもない。

だからこそ、当初より「連合」諸賢の動きについて筆者は反対であった。彼らが好きだったのは、復元を目指しているのは「あの頃のアイズワン」であって、一分一秒下手したら一刹那のスピードで進化し続ける彼女たちにとってその行動はもはや枷にすらなってしまうのではないかと。

そう言った形でコンテンツホルダーの逆鱗に触れ、最悪アイズワンの名前を取り上げられてしまうよりはアフター・アイズワンにおいて彼女らが八面六臂の活躍をすることで自然活動再始動(筆者はアイズワンはあくまで「活動終了」であって「解散」はしていないと考えている)の機運が盛り上がることがベストなのではないか。

クラウドファンディングによる交渉といってもそれが不透明なものであれば「札束を積んで動かした」ということになり、ますます世論の反発を招くのではないか――と。

それらは結局、アイズワン諸賢を悲しませてしまうことに他ならないのではないか。

こう書くと「連合」支援者諸賢としてはいや、そんなつもりはない、純粋に再び彼女らが集うところが見たいのだ、と憤ることがあるかもしれない。

筆者もあの荒涼としたラストコンサートの景色を忘れるつもりはない。

しかし、一度「金で解決」してしまえば、今後何かあれば同様の手段を取ろうとしてしまうかもしれないし、そうでなくてもファンダム外から「金で解決したのだろう」と邪推されはしないか。彼女たち自身には罪がないのに「不正アイドル」とされてしまった、その苦しみをなによりわかっているであろうあなた方がまた違ったレッテルを彼女たちに貼ろうというのか。

知っています。あなた方も、アイズワンのことを愛していると。けれど、例えば少し前講談師が「もののけ姫」について炎上したように、人というのは特に焦燥しているとき、視野が狭くなり、その時に見えたものに飛びついてしまいがちです。

いつしか、自分に都合のいい部分だけを切り取り、つなぎ合わせ、不気味にキメラめいた「真実」が誕生してしまう。それに固執してしまう。こういったことをおっさんである筆者はいろんな界隈で何度も見てきました。いずれも、そのジャンルを本当に好きだった方たちでした。

クラウドファンディングによりCJが動き出しました。誠意でしょうか。愛情でしょうか。残念ですが、「金になるから」としか筆者には思えません。だからこそ彼らは、仮に再始動するとしたら運用は彼ら自身の投資によると明言しました。

おわかりでしょうか。「善意」で3億円以上の資金を集め、そして交渉を進めているらしいあなたたちの動きを見たCJはかつて不正騒動を鎮火するためにすべての利益を放棄したアイズワンに再び「投資」すると言ったのです。

あなた方の善意が、アイズワンに不正のレッテルを貼ったCJが再びアイズワンを用いて金儲けをする下準備をしてしまったのです。それが他のウィズワンへの、アイズワン諸賢への、そしてあなた方自身への誠意に対しての裏切りでなくて何だというのでしょうか。チャン・ウォニョンさんとした「約束」はそんなものでしたでしょうか。

ウィズワン、ご飯は食べましたか?

少し深呼吸をして、温かい食べ物を食べてください。暑いからと言って冷たいものばかりではお腹を壊しますから。

その後に、無理やりに蘇らされた、まるでゾンビのようなそのガールズグループが本当に「アイズワン」と呼べるのかどうか、じっくり考えて頂けたらと思います。

本題

余談が、ながくなった。

今世紀最大の美しさからなるOverture。差し込まれる懐かしい映像。既に我々は手に抱えきれないほどの思い出の花束を受け取って卒業コンサートは開幕した。

M1.桜、みんなで食べた

日が落ちようとする時間の開幕、しかしライジングサンめいた演出で登場した宮脇咲良さんが今日は楽しもうといった時、それが今日のスタートとなるのだ。

HKT48 の未来、矢吹奈子さんと田中美久さんを配し階段を下りていく。爽やかな中に確実な別離を予感させるギターのリフ……48Gの桜曲に外れなし。

個人的には宮脇さん左後ろの豊永さんが終始とても印象に残った。

友達甲斐ランキング一位独走中の村重さんによる「HKT48はさくらのことが大好き!」もばっちり決まり、最高の滑り出しとなった。

M2.君のことが好きやけん

師である指原莉乃さんが参加した「君のことが好きだから」のアレンジ版がHKT48が彼女の「ホーム」であることを強烈に想起させてくれる。「永遠の先」に向かおうとしている宮脇さんのエールのように響く歌詞がよい。

今回、配信にて視聴し、その分存分に声を出したが、この曲に関してはマリンメッセのスピーカー左右に振れるイントロをぜひ現場で聴いてみたかったな、と思う。

M3.初恋バタフライ

初のHKT48CD曲にして超新星田島芽瑠さんがセンターを飾り騒然となったことがもはや懐かしい。時を経て田島さん・宮脇さんの二人は中央でそれぞれの光を増幅しあうような最高のプリズムとしてこの曲を彩ってくれた。確かな成長を感じさせながら、それでいて透明感を失っていないのがHKT48の「らしさ」である。

M4.早送りカレンダー

前曲で大きく横一列に広がったメンバー。その両端がダブルセンターの矢吹さんと田中さんだ。その列をファンに挨拶しながら横断していく宮脇さんは、それを追いかけるカメラの向こうの我々に「この後ろの子たちから次の推しを見つけて」と言っているようで……。

曲のコミカルなキュートさに夢中になっているうちにいつしかフォーメーションが変わり、ダブルセンターが揃うのは構成の妙である。

M5.希望的リフレイン

王道AKB曲として筆者を再びAKB沼に引きずり込んだ名曲は今聞いても色あせない。次期センターの運上さんに渡辺麻友さんを幻視してしまったのは筆者だけだったろうか……。早速先日卒業された森保まどかさんを思い出して寂しくなってしまい、感情が忙しくもあった。

しかしここまで見てきてHKT48諸賢はぷく顔っていうのか、頬をちょっと膨らませる表情がみんなすごくかわいいですね。

M6.マンモス

もともとはチームK「最終ベルが鳴る」公演の曲。チームHも公演したことがあるが、その際は宮脇さんは参加していない(その後チームKⅣでの公演では出演者である)。

大好きだというこの曲に乗せるパフォーマンスはまさに二年半という別環境での「進化」を感じさせた王者の風格堂々のものだった。後ろの映像をそのままMVとして配信してほしい。

M7.夏の前

こちらはチームKⅣオリジナル曲。運上さんへのエース継承式の趣を出しながら、(ぐっと涙をこらえる運上さんにもらい泣きしそうになる)儚く優しい空気が前曲とのいい意味でのギャップを生み出してくれていた。心友本村碧唯さんのこぼれそうな笑顔。バラエティ担当を自負する村重さんの頼もしいボーカル。すべてが夏の前のサンチマンタリスムに溶け込んでいく。

M8.空耳ロック

HKT48の末っ子率の高い若きチームT。松岡はなさんの笑顔には何度も既に笑顔にさせられていたが、宮脇さんが完全に「素」でニヤニヤしてしまっており、その破壊力が我々だけではなく宮脇さんにもしっかり刺さっていたことが分かる。

PRODUCE48でも活躍した本日お誕生日の栗原紗英さんをはじめ、荒巻美咲さんや村川緋杏さんなど、宮脇さんだけでなく彼女たちにとってもあの経験から更に先に進んでいることが分かり、胸が熱くなる。しかし、今村さんめちゃくちゃ大きくなったな……。

M9.僕の想いがいつか虹になるまで

田中さん、松岡はなさんとのユニット「さくらはなみく」が誕生した時は普通にシングルカットでいいじゃん……と思ったほどの出来に驚いたのを覚えている。

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MVがめちゃくちゃ可愛いので観ましょう。

三人共実は心の中に悪がきを住まわせているので、そのやんちゃぶりが曲調とコラボレーションしたようで楽しい。

と、思いきや田中さん、松岡はなさんのコメントで泣かせてくる。

この最強ユニット結成後半年を待たずして宮脇さんはアイズワン入り、文字通り最初で最後の楽曲となったこの曲は錆付きを全く感じさせない。

早くもレジェンドの風格がある曲である。ぜひ歌い継いでほしい。

M10.夢を見ている間

見慣れたイヤモニ、マイクで歌われるこの曲に震えないウィズワンなどいるだろうか。

今を生きている」という歌詞が、重く重く響く。これこそが、同時代を生きるアイドルを推すということの真骨頂ではないか。常に最高を更新し続ける彼女たちが思い出を思い出にせず、今を生きる血肉として取り入れ、再びアイズワンの楽曲は大勢のファンの前で、サイリウムに照らされながら奏でられることを許されたのだ。これが幸福でなくて何だろうか。「感動をありがとう」という言葉はウィズワンたちこそ叫びたかったに違いない。

続いてのMCの本田仁美さんの登場、「咲良さん」が「さくちゃん」になったその尊さを感じながら、筆者の涙腺は刺激され続けるのだった。

しかし相変わらず秋元氏の歌詞の汎用性はすごい。

M11.制服のバンビ

リリースはなんと8年前、オリジナルメンバーは宮脇咲良さん、指原莉乃さん、兒玉遥さんということでサプライズオリメンを期待したがそうはならず。

フレッシュなメンバーが懸命に踊る様はあの頃の彼女たちを思い起こさせ、思わず後方孫自慢爺顔みたいになってしまう。

もはや歌詞の「先輩」の立ち位置になった宮脇さんがしっかり可愛いのはさすがだ。

M12.胡桃とダイアローグ

宮脇さんも一時兼務したAKB48teamA。48の嫡流、本家本元、本丸、ド王道である彼女たちのチームの色が濃く出ており、筆者も好きなこの曲。(MVで指原莉乃さんがリズムをとるところが当時の彼女のヘタレだった立ち位置と違い余りにも様になっていて目を奪われたのだが今探したら何故か公式から消えてしまっていた……。)マンネキャラより取り見取りといった感じのHKT48が衣装チェンジも相まって一気に大人びて見えるからやはり彼女たちもプロである。

宮脇さんの衣装はヘビーローテーションを意識させるが……?

M13.LOVETORIP

続いては「時をかける少女」の主題歌ともなったLOVETORIP。ある種浦島太郎となった宮脇さんの現況とも重なる曲がすっと出てくるのは楽曲の厚さとはやはり強みであるということがよくわかる。

「恋はいつか上書きされているもの だけど最初の切なさ覚えてる」

というのは初夏に聴くと一層染み入る名フレーズである。

M14.ジワるDAYS

指原莉乃さん総選挙一位の曲に続いては卒業ソング。これもまた今の宮脇さんをトレースしたかのような歌詞に驚かされる。

盟友・松岡菜摘さん(PRODUCE48での評価は本当に不当で気の毒)と本村碧唯さん。「君の瞳から涙が溢れたら……」という歌詞を一度は乗り越えたが、三人の涙の表面張力は二番で決壊してしまった。ちなみに筆者は冒頭のメッセージでとうに決壊していた。絶対駆けつけてくれそうなメンバーに歌わせるのはずるい。

「自分の夢をやっと見つけたんだろう?」

という言葉がこんなに似合うアイドルと、「勇気を出して踏み出すんだ」と背中を押してくれるアイドルがいることの幸福を噛み締めたい。

M15.サヨナラの意味

さすが指原莉乃さんの薫陶を受けた人のセットリスト、という感じで差し込まれる乃木坂46の曲。一期生、二期生が並び立ち、間奏でサプライズのエールが贈られる。もう、筆者(おっさん)はボロボロである。

そして宮脇咲良さんもとうとう、万感迫り、胸が詰まって歌うことが難しくなる場面もあった。

ああ、ここが彼女の「泣ける場所」なのだ、と思った。

同期や愛する後輩がいる、彼女の「ホーム」。

だからこそ、「サヨナラ」なのだ。

だからこそ、彼女は卒業をしたのだ、と腑に落ちた。

正直なところ、筆者も始め、卒業発表を予感はしていたけど「もう」か、という気持ちがあったことは否定できない。

彼女のことも、HKT48のことも好きだったから、「帰ってくる」というのは、シングルに一度くらい参加する、ということだと思っていた。

しかし考えれば彼女は、鹿児島から飛び出し、AKBを兼任し、そしてHKT48の大エースの安定をかなぐり捨ててまで異国の地に殴りこんだ凄まじい「アイドル運動量」を誇る人だ。

彼女は安定が自らのアーティストとしての何か大切な部分を丸くさせてしまうことを知っている。鈍くさせてしまうことを知っている。賢いがゆえに、彼女はそれを看過できない。

誰よりもその場所を愛するからこそ、しかし彼女が己をさらに高みに置こうと奮い立ち続ける限り、その場所に長居はできないのだ。

一流のアイドル、アーティストであるが故の宿命、業と言ってもいいそれをまざまざと見せつけられたようで筆者は感動しながらも背筋が寒くなる思いがした。

その嵐の航海の先に何があるのか。あるいは何もないのか。彼女の瞳には今何が映っているのか。果たして今後、彼女が錨を下ろす地は現れるのか。

筆者はただ、見守ることすらできない。それすら振り切られそうなスピードであるけれども。

M16.思い出のほとんど

公式親友(なお警備員さんに制止される模様)村重杏奈さん。しばしば、愛を持って村重と呼び捨てにされる彼女が完全に「あーにゃ」だったステージだった。……と思いきやつけまつげが外れてしまって宮脇さんに華麗にカバーされるというあたり期待を裏切らない。

もともとは前田敦子さんと高橋みなみさんのために作られたこの曲の重さに負けないしっかりとした友情をパフォーマンスでも村重さんの言葉でも見せつけてくれた。

M17.夕陽を見ているか?

いや円陣はずるいよ……。

当初はHKT48はなかなか卒業しない、という空気があったがいつしか、一期生はずいぶん少なくなった。当時末っ子グループだった彼女たちも十年の時を経て、みんな本当に素敵なお姉さんになった。そんな彼女たちが当時のように肩を寄せ合って円陣なんて知ったら泣くに決まっているのである。完全にEDの曲をこんなタイミングで大丈夫……? と思ってハッとして窓を開ければ梅雨の合間の晴れた空に夕日は今まさに沈まんとしており、これまた指原チルドレン恐るべしと震えるのであった。

M18.彼女

Oh……ジスイズジャパニーズアイドル……という宮脇さんの「持ち歌」可愛らしさを損なうことなく、ステージを大きく使ったパフォーマンス、安定した歌唱などこれまた成長をビシビシ感じさせてくれる。ベレー帽似合い過ぎです。キメ顔も完璧でした。

M19.夢でkiss me!

完全にザ・ベストテンでした。現地オタク諸賢がセリフで悶死してしまい、宮脇さんが一躍史上最大のテロリストにならないかどうかハラハラしてしまったが大丈夫だったようである。

「今はダメ」のところの視線移動、宮脇咲良さんの十八番だなと感じる。(霊体で話しながら)

M20.スキ!スキ!スキップ!

これまた懐かしいHKT48メジャーデビュー曲。当時のまま、センター横でしかし抜群の存在力を発揮していた。めちゃくちゃ活きのいい声で歌っていたのが誰なのか気になる。

しかし散々思わされているがこういう曲でしっかり可愛いのは恐ろしい。

M21.しぇからしか!

松岡はなちゃんのスマイルと叫びにはクールビューティ宮脇モードであってもガード無効貫通効果を発揮することが再び確認されていて良かった。

マンモスの時もそうだが今回も曲に合わせてシリアスな顔の田島さんにドキリとさせられる。憑依型の彼女をもっと移してほしかった……。

M22.ウィンクは3回


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これもMVが最高なので是非機会があればFull版を視聴していただきたい。

服装も相まって矢吹・300点・奈子の再来を見ているようで心が躍った。

しっかりと「ウィンクが出来ません」というポジションを死守する宮脇咲良さん……これが「達人」である

M23.メロンジュース

井上ヨシマサ氏が一グループに一曲はそっと置いていくという神曲、それがHKT48の場合はメロンジュースであった。博多座の折に自分も緑のサイリウムの一員となったことが懐かしく思い出される。

宮脇さん自身も最高にハイ!ってやつになって田島さんとの連携がぐだぐだになってしまったのは残念だが、やはりマスターピースであった。

会場、叫びたかったろうに……。

M24.大人列車

 

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 もう、イントロで泣いた。

「知っていた」のである。大人列車に兒玉遥さんがいないと始まらないということを。

久しぶりの彼女はほっそりとして、でもやつれているのではなく健康的な美しさに思えた。

その動きはついさっきまで公演をしていたかのようで、それまでの空白を全て吹き飛ばして再び「はるっぴ」として彼女はその空間に君臨していた。

彼女を迎えるのは松岡菜摘さんと宮脇咲良さん。

はるなつコンビ、はるさくコンビ。もう見られないと思っていたその姿が、グレードアップして眼にある。

またしても歌詞がシンクロする。

「若さとは不器用でやり残すもの」

……来月、はるっぴ卒コンやりませんか?

M25.12秒

矢吹奈子さん考案の「よっ」が響く中、後光を背負って降臨するのはHKTのゴッドマザー、指原莉乃さんである。迎えに行くのは宮脇咲良さんと兒玉遥さん。指原莉乃さん卒コン時に誰もが望みながらも叶わなかった光景がついに果たされたのである。

指原さんの涙をこらえる姿、最後のカウントアップで決壊しつつある様にまたももらい泣きである。

その後の宮脇さんの二人への言葉に成仏したオタク諸賢も少なくなかったのではないだろうか。

M26.最高かよ

最高だよ……。

しかしこんな曲が眼前で展開されて声を上げることが出来ないなんて最高の環境が一転地獄の具現となり、現地組はさぞつらかったことと思われる(防振マット完備で堪能しながら)

やっぱ指原さんのオタクを見つけてびしっと指さすしぐさ、めちゃくちゃ最高だな……。

本編を跳ね回る曲で締め、涙も吹っ飛ばした……かに見えた宮脇さんの目はしっかり充血しており、またも筆者の涙を誘うのだった。

EN1.あなたがいてくれたから

本当に美しいものをというのは不思議なもので、人から語彙を吸い取ってしまう。

天使が降りてきたのかと思った。

十年間。一口に言っても余りにも沢山のことがあったことをVTRで語られた後、我々の前に現れた彼女はそのVTRのどの瞬間よりも美しかった。

その少女としての時間を全てHKT48に捧げた彼女が「大人になれたでしょうか」と涙ぐみながら歌う姿は、万感という言葉がぴったりだ。

スローガンとペンライトの海が、そんな彼女を優しく包む。

ずっとこんな景色が見たかったんだもんな……。

コロナ禍でさえなければその光の一筋になっていたかもしれない悔しさと、この時期でありながら彼女にその景色を見せてくれたオタク諸賢への誇らしさが入り混じった。

その後紡がれる言葉は、かつてHKT48 在籍時の総選挙のスピーチを見事に乗り越えた見事なものだった。

筆者の付け加える言葉は何一つない。

mdpr.jp

無冠の帝王とも言うべきその覇道はしかし、いつもオタク諸賢の祝福に満ちていた。これからもきっとそうであろう。

EN2.思い出にするにはまだ早すぎる


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即Full解禁&サブスク配信という運営の快挙にまず拍手を送りたい。

これまた筆者の言葉は全て蛇足にすぎ、上記を参照してほしい……と締めたいところだが、しかし直筆でつづられる歌詞、汎用性がありながらしかしそこここにどうしようもなく「宮脇咲良」を感じるその詞世界は秋元氏の意地を見せてもらった気持ちだった。

一期生、二期生……と彼女のもとに集うメンバーを見て、かつて筆者が見たHKT48という若芽は宮脇咲良という人が中心となって愛情を注ぎ続け、素晴らしい人材がその年輪となり、いつしか大樹となって豊かな実りを迎えていることを改めて感じ、その歳月の密度とこれからの可能性に脅威と希望を見た。

EN3.君はメロディー

「君はメロディー」がこんなにも卒業曲として破壊力を持っているとは……。もはや涙をぬぐうこともなく歌うメンバーたちの姿……と打鍵する筆者の指もまたぽたぽたと落ちる雫が煩わしい。

特にずっとにこにこだった松岡はなさんの号泣には思わず駆けだしたくなってしまった。

宮脇咲良というアイドルはサビだけでなくイントロもそしてこの後のアウトロも、多くの人に記憶されるだろうという確信を持ちながらも、しかし彼女の輝かしいアイドル人生の一つの「サビ」に今日の日の出来事は記録されるだろうと思った。

EN4.桜、みんなで食べた

残念ながら永遠に続いてほしい時間も終わりがくる。まるで宮脇さん自身もそれを拒むかのように、最初と最後の曲を同じ曲にして、円環にするかのような……。

恐ろしいのはこの三時間ほどの間にも彼女はさらに表現力を上げているように見えるところであるが。

「今日はいい天気だから余計に切なくなるんだ」

梅雨のど真ん中の開催でありながら晴れを引き当てたのすら、彼女の計算であるように思えてしまう。

再びの彼女の感謝の後、桜色の祝砲が弾ける。

桜が舞い、散り落ちていく。メンバーのもとに、オタク諸賢のもとに。まるで涙を、悲しみのリーズンを拭い去ろうとしているかのように……。

そうして彼女は我々の心のブーケに最後の一花を挿してしばしのお別れをしたのだった。

桜の花言葉

ソメイヨシノは「純潔」。

しだれ桜は「優美」

八重桜は「しとやか」

英語ではmoral beauty(精神美)。

なるほどどれも彼女を想起させる言葉ではある。

でもここで、コンサートタイトルのbouquet(ブーケ)が効いてくるのではないかと筆者は考える。

bouquetはフランス語であるというので、フランスの桜の花言葉を引いてみる。

 

Nem’oubliez pas」

 

和訳すると――

 

――私を忘れないで。

 

忘れられるわけがないではないか。

 

十年間お疲れさまでした。少しでもゆっくり休めますように。

また会えることを楽しみにしています。

 

 

43rd Single「君はメロディー Type C」初回限定盤

飯沼アントニー君のセブンティーンを新グループで祝いたい―PRODUCE101JAPANシーズン2走り書き

余談

kimotokanata.hatenablog.com

 二年前、筆者は「推し」をデビューさせることが出来なかった。

そのショックたるや、結局今に至るまで前シーズンの総括を書けていないほどである。

それでも、彼は自らの力で再び現れてくれた。

最高だった。これが今のエンターテインメントだという幸福がずっと続く。ハッピーの擬人化のようなヒコにぴったりの曲だった。もし、噂されている次のシーズンがあるとしたらぜひ振付師としても参加してほしい。
www.youtube.com

本題

gyao.yahoo.co.jp

飯沼アントニー君に投票してください!!!!!

終わり、としたいところだが、しかしなぜ筆者がそういった結論に至ったのか。

それをつらつら述べるには筆者の人生は些か短すぎ、時間も差し迫っていることもありかいつまんで書かせていただく。

PRODUCEシリーズ。グループアイドルとしてデビューできるそのメンバーを、一般人が投票で決めることの出来る残酷な、余りにも残酷な、それ故に眩い、劇薬のようなサバイバル番組。

6/13日14:00よりそのデビューメンバーが生放送で発表される。

そして番組中には最後の投票時間が設けられ、その投票までをもってメンバーは決定するのである。

この現代に蘇ったコロシアム的なイベントに今これをご一読いただいているあなたもまだ、参加いただけるということだ。一緒に共犯者になろう。地獄の業火に焼かれながら、天国の門を推しのために開こうではないか。


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飯沼アントニー君は16歳。年相応の幼さの残る風貌とそのパフォーマンスのギャップで当初から話題を集めており、危なげなくデビュー順位を保っていた。


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ダンス、歌唱力共に高いところで安定しながらも、飯沼アントニー流としか言いようのないアレンジ、「クセ」を織り交ぜており、それはグループアイドルとしてグループ全体を支えながらも、しかし埋もれない素晴らしい特質だ。

そんな彼はしかし、今15位である。デビューできるのは11位まで。

なにしろ最終候補の21名の皆は「もうみんなでデビューしようや」と言いたくなるくらい粒ぞろいでありながら1人にしか投票することが出来ない。その中で彼は苦戦している。

何故か。様々あるだろうが、一例として、今回平均年齢は、割と高めである。ラストチャンスと本人やファンダムが感じている可能性がある候補生諸賢も多い。筆者ももちろん、一視聴者として彼らのそのひたむきさに大きく心を揺り動かされてきた。

だから、「アントニー君には次があるから」と人々は言う。まだ若いから、と。

一理ある、とも思う。鶏口となるも牛後となるなかれの言葉通り、次の機会を待ち、あるいはソロデビューなどを狙ったほうがいいのでは……? と。

でも筆者は、自らの一推しを思い出す。チャン・ウォニョンさんを。

 

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 そして先日、ついにライトサムとしてデビューを果たしたキム・ナヨンさんを思い出す。

コロナ禍であることも手伝って、沢山のグループがデビューの順番待ちの状態だ。

人の美しさは蝶の標本のように留めておくことはできない。何故なら人の美しさというものは成長していくことそのものであるからだ。

ウォニョンさんは既に完成していると思っていたその仕上がりが、置かれた場所で更に花開くことでかくも素晴らしいものになることを教えてくれた。

ナヨンさんは我々のもとへ再び現れるまでの錬磨の大切さと、同時に彼女ほどの実力者であっても天の時を得るまでに長い苦難があることを教えてくれた。

だから、飯沼アントニーなのである。

まだまだ変化する、進化する、昇華する、彼の成長を新しいグループでリアルタイムに追いかけていたい。慣れ親しんだメンバーたちに古よりのアイドルフィーバータイム「17(セブンティーン)」を祝ってほしい。

よろしくお願いします。

 

愛を信じてごらんよ 最後に――峯岸みなみ卒業コンサート~桜の咲かない春はない~感想とか。

余談

言葉にはそれぞれ望ましい速度がある、ということはこのブログでも何度か述べてきた。

筆者は、やはり書いたからには読んでほしいという欲求を捨てることの出来ない俗物である。

そういう意味で、峯岸みなみさんの卒業コンサートの感想を5/26現在、まだ書けていないというのは筆者にとって痛恨事である。

と、このタブを開いたまま、29日になってしまった。

そして今、30日になってしまった。(朝の8時)

その間に48界隈だけでも森保まどかさんの卒業コンサートがあり、そして峯岸みなみさんの卒業公演とYouTube配信もあった。時は動いている。

そうして峯岸さんは「元AKB48」となった。

そのスピードと比較して筆者の打鍵の速度はいかにも遅い。遅すぎる。

もはや拙さが許されるときは過ぎ、巧みさを要求されるフェーズになったきらいがあるが、それでもなお自らの場所であるここに言葉を残しておきたいほど、素晴らしいコンサートだった。

また、今日であればギリギリ無料配信が間に合うので、もしかしたら誰かがこれをきっかけに配信のカウンターを回してくれるかもしれない、円盤に繋がるかもしれない(峯岸さんの配信によればまだ円盤確定ではないらしい)という祈りを込めて、折角なので卒業公演、YouTube配信での補足も交えながら、感想を残すことご容赦願いたい。

本題

峯岸みなみのアイドル人生というのは本人も言う通り、決して順風満帆なものではなかった。こんなに文字通り波乱万丈山あり谷ありの人も珍しい。

その起伏が、セットリストという形になるとよりドラマティックで極上のものになる。

その順番が前後するのは筆者としても遺憾ではあるが、構成として彼女のアイドル人生をなぞりながら、適宜コンサート曲の感想を述べる、という形にさせていただきたい。

思えば、彼女のアイドル人生自体が「谷」からスタートしたと言ってもいい。あわや書類審査落ちしかけ、子役経験があったメンバーを除いたメンバーでは最年少、筆者が最近獲得した語彙で言えばマンネであった彼女は、最初の公演ではユニット曲が用意されていなかった。

「会いたかった」公演では「渚のcherry」でユニット参加するが、そこでの彼女の役割は絶対的センター・前田敦子さんのバックダンサーだった。筆者個人としては松井珠理奈さんが(大声ダイヤモンドで是非出演してほしかった……)バックダンサーポジでありながらキレッキレに踊っていたことが思い出深い。わずか中学生の少女が、明確にセンターとそうでないものと区別されたときのその時の気持ちを考えるだに筆者は胸が痛くなる。

卒業コンサート、このイントロがかかった時、古のオタク諸賢はどういった展開になるかドキドキしたはずである。

峯岸さんの衣装は、オリジナルと同じ青。気心知れた宮崎美穂さん、大家志津香さんもまた青。3人で再編成するのか? と思ったところに峯岸さんを弾き飛ばすようにして(もちろん演出)中央に躍り出る一人の少女。

歌詞にぴったりセブンティーン、立てばアイドル座ってもアイドル、歩く姿はパリコレモデルのAKB48の正統嫡流、チームAの秘蔵っ子、千葉恵里さんである。

PRODUCE48にも出演、圧倒的不利をそのアイドル力と努力で覆した「伝説のブンバイヤ2班」の一人であり、TWICEにも言及されるなど話題をさらった。
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その後は世界10カ国の少女たちによるドタバタK-POP留学バラエティ「留学少女」に日本代表として抜擢され、番組中やその活動結果である「ポプシクル」MVでも存分にその魅力を発揮した。


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翌日の単独コンサートでも「小池」を熱演するなど今最もアツいメンバーの一人と言って過言ではないだろう。

そんな彼女が、往年の前田敦子さんよろしく峯岸さんたちを従えてアリーナの中心を一身に集める。その姿はまさしくスターであった。

卒業コンサートという自分が主役の場所で、因縁の「渚のcherry」でセンターを飾って見せる、それによって呪縛を断ち切り、「ストーリー」を完結させる。

そういった「わかりやすさ」を峯岸さんは己とファンに許さなかった。

自分の屈辱の歴史をAKB48次世代の晴れ舞台として塗り替えたその手腕はさすがである。

でも……それでもやっぱりみぃちゃんのセンターが見てえよ!!!

という筆者を含めたオタクたちの心理ももちろん峯岸さんはお見通しであり、卒業公演ではしっかり自らがセンターを飾って(今までもアンダーなどで機会がなかったわけではないが)「渚のcherry」人生を締め括って見せた。この使い分けがベテランの妙味だ。

同様にそういった流れを経て「誰かのために」公演で掴み取った「投げキッスで撃ち落とせ!」をやってほしかった……と思ったらこちらも卒業公演でばっちりしてくれたということで福祉が行き届いている。

CD選抜メンバーとしてはいわゆる「スカひら7」ではなかったものの以降は順調に選抜され、まさかの多数の一期生が集合したメジャー第一弾「桜の花びらたち」にも参加。今回披露したいかにも「秋元アイドル」である「制服が邪魔をする」当時中学生であった彼女が制服メンバーを選ぶ側になるというのは感慨深いものがあるが、そのノスタルジアに彼女のパフォーマンスもメンバー選出もいささかも曇ることはなく、指原莉乃さんに大盛真歩さん(オタクTMI:呪術廻戦の伏黒恵が好き)を「見つけ」させた。

夕陽を見ているか?」で選抜が絞られたときも選抜メンバーとして生き残る。(今回も、翌日のコンサートも感情を載せやすくシンプルかつ優しい詞が染み入る感涙必至だった名曲が歴代最低売上というのは意外である。この曲の「自分をほめてあげよう」というテーマが峯岸さん以上に似合うメンバーが今のところ筆者は思いつかない)以降は主要メンバーとしてAKB48オリコンチャートを駆け上がるのと同様に峯岸さんもアイドルの階段を駆け上がっていくことになる。

大声ダイヤモンド」は移籍後一発目、まさにダイヤモンド・ディスクとも言うべき大傑作は「制服」の井上ヨシマサ氏渾身の力作であった。峯岸さん、小嶋陽菜さん、高橋みなみさんで結成されたノースリーブス主演ドラマの主題歌でもあった。この頃のAKB48楽曲の「柔らかさ」を河西智美さん、柏木由紀さんと担っていた小嶋陽菜さんの歌声が冒頭から染み入る。

言い訳Maybe」はAKB48総選挙シングルの1枚目。総選挙が発表されたとき、自分は絶対に選ばれないと思った峯岸さんは泣いたというが、ふたを開けてみれば見事選抜入り。彼女にとっても思い出深いこの曲はしかし終盤にするにはハード過ぎる。そこで柏木さんが振りにこだわらないようアドバイスしたというが、これこそMVの前田・大島コンビの友情の発露ではないか、とオタは勝手に文脈を感じて感動する。

卒業ソングらしからぬ明るい出だしで始まり、しかし得難きサンチマンタリスムを内包する「10年桜」のキャッチコピーが「2019年、僕はどこで 何をしているのだろう?」であったという事実が筆者を震撼させるが、いいものは決して古びない。

「すぐに燃え尽きる恋よりずっと愛しい君でいて」というフレーズは押し花のように大切にしまっていたいものである。

もう振りもフリーだったんだけど画面に映るメンバー映るメンバーボロボロで、峯岸さんが残したものの重さがどんな言葉よりも雄弁に感じられるのだった。これで次の日バキバキに動くのだから彼女らもプロである。

ここで、峯岸さんは「組閣」によりチームKへ移籍する。

新体制となったチームA・K・Bが陸・海・空を担うような今までの「学園」から部隊…いや舞台をガラッと変えたMVと高橋みなみさんの掛け声が話題となった「RIVER」でAKB48はついにオリコン1位の座を手にする。

今回のコンサートでもその掛け声は些かも衰えることはなく、やはり「たかみな」の掛け声、アオリからではないと取れない栄養素があると実感させられた。現役の岡田奈々さんと呼応するような演出も最高だった。

「桜の栞」収録曲「Choose me!」にはチームYJ名義で参加。同じく収録曲「遠距離ポスター」はチームPB名義で柏木さん、宮澤さんなどが参加していた。この2チームで対決があったのだが、AKB48というアイドルについて、「Choose me!」は「クラスにいそうな感じ、親しみやすさ」を、「遠距離ポスター」は「画面の向こうの、手の届かなさ」を見事に切り分けていて、その対照性が見事である。勝負はチームPBが制したが、いつも賑やか元気印なメンバーたちのシリアスな様子にどぎまぎしたオタク諸賢は多かったと思われる。筆者はこのMVの指原さんの可憐さに「さっしー、宣材写真写り悪すぎ!」と思ったことを覚えている。いや指原クォリティーのヘッダーの写真とか昔ひどくなかったですか?

このころは同時に「マジすか学園」という話題作(オブラートに包んだ表現)が世に出たタイミングでもあったのだが、筆者にとってMVの峯岸さんといえば「いくない!」のイメージが強かったりもしたので折角レジェンドが沢山出てくれたんだったら峯岸さんが前田さんポジでマジジョテッペンブルースとかも見て見たかったな~~というのは今回のコンサートでほとんど唯一超個人的には残念なところであったりする。


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ポニーテールとシュシュ」「Everyday、カチューシャ」「真夏のSounds good !」……夏曲、即ち総選挙投票権封入曲は年々人数の肥大化が進んだが、メンバーに漏れることなく参加し続けた。次世代が日々流入する激動の中にあって、最古参でありながら年若い峯岸さんが生来の気遣いによって日々様々な葛藤があったことは想像に難くない。

総選挙では選抜にランクインし続けるが、同期の桜である前田敦子さんとは順位にずいぶん差がつくようになってしまった。親しみやすい峯岸さんはそれ故に「バラエティ担当」というカテゴライズが固定化されつつあった。

もはや世界にとどろくマスターピース、「ヘビーローテーション」がリリースされ、一躍AKB48知名度が上昇し、「新規」が増えた。彼ら彼女らが大量に過去の情報を参照することでますますその状況が固定化されてしまったことは否めない。


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今までの前田さん一強時代を打ち破り、新時代の到来をその「1234!」のカウントアップで告げたかのような大島優子さんの雄姿は10年以上の期間を経ても全く色あせることがなかった。

この演出は今コンサート随一だと思うのだが、配信で峯岸さんや西野さんが言及していた通り、まずは向井地美音さんが快活にステージを始める。その展開に筆者などは「ああ、さすがに大島さんはスケジュールが合わず、『ヘビロテ』は今のAKBをみてください! のターンなんだな」とすんなり納得してしまう。

が、きっと現地にいたらさぞ気持ちが高揚したであろうヘビロテ特有の低音は鳴りやまない。幕の向こうに浮かび上がるシルエット。それは見まごうこともない不朽のレジェンドである。

幕が上がった時、妻と共に快哉を叫んだ。こればかりは自宅観戦者の特権であろう。この演出力は素晴らしく、出てくるやいなやはつらつとした笑顔で「みぃちゃんにありがとう伝えたかーー?」と千年の知己であるかのように観客を煽ってくれるのだからやっぱりこの人はスターだ。きっと現役諸賢も多くを学んでくれたことだろう。

続けての「Beginner」で「眼鏡みぃちゃん」というモードチェンジを衆目のもとに知らしめた。MV(差替え後)ではメンバーが不安を気にしていた高難度ダンスも難なくこなし、ダンスメンとしての矜持も見せつけた。今回の公演でもますます磨きあがっているそれは錬磨を欠かさなかったことを静かに物語っていた。

時を少し戻すと新生チームKでのRESET公演が開始。旧チームKは体育会系気質、連帯感が強く、特に「転がる石になれ」はその象徴のような曲だった。曲としての象徴が「転がる~」ならば、その精神が形になったようなメンバーが二人いた。ツインタワー、秋元才加さんと宮澤佐江さんである。

正直なところ、事務所も同じだしノースリーブスはまあ、出演があるかな、とは思っていた。一期生もあるかもな、と。

ツインタワーは反則である。今なお色あせない骨太の格好良さを誇る二人が丹田から放つような「We're the teamK」にぶち上らないオタクなんているはずもない。

とはいえ現役メンバーとはかなりブランクがあるところを駆けつけてくれたのは峯岸さんの人徳であろう。新生チームK、峯岸チームK、そして今の込山チームKに至るまで、しっかりとKの意志が受け継がれていることをしかと感じたに違いない。彼女らと現役メンが多数写真を撮ってあげてくれて峯岸さんは大いに嬉しかったという。

卒コンで披露してくれた「逆転王子様」はRESET公演において峯岸さんがついにユニットセンターを射止めた楽曲だ。王道アイドルであるながらダンスにも甘えがない、まさにAとKの幸せなマリアージュであった。もともとダンスを習っていた彼女にとってはより「暴れやすい」環境であったかもしれない。

ちなみにK公演曲と言えばひ…「引っ越しました」は……と思ったのだがこれも卒業公演で無事やってくれたとのこと。アフターフォロー素晴らしい。もう五月の季語にしてもいいくらいですからね。「引っ越しました」

「引っ越しました」については筆者が語るより最強の「引っ越しました」強火オタがいるのでその記事をご紹介するに留めたい。

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ええ話や……。久しぶりに読んでもリーダビリティがめちゃくちゃ高くてビビる。

2011年に入るとAKB48人気は益々加速した。多分弟と大晦日元旦夜更かし&早起きしてAKB特番を見たのがこの年であった気がする。

自然、頼れる峯岸さんも多忙を極めた。だが、それは彼女が本来望むものだったかどうか……。

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多分カスペルスキーの該当ソフトの公式…? チャンネルに残っていたがまあ大概な扱いである。ある種、峯岸さんがどのように扱われてきたかというのは日本のリテラシーの推移において貴重な記録であるかもしれない。

そんな時ノースリーブスのアルバムに収録された曲こそが彼女初のソロ曲「私は私」であった。秋元康の面目躍如であるこの曲は以降の彼女のアイドル活動の背骨となったことであろう。

背骨と言えば、ノースリーブスというユニット自体も彼女のアイドル活動に一本入った芯のようなものである。「純愛のクレッシェンド」をきっかけに劇場ユニットを飛び出した初のCDをリリースするユニットは「Relax!」や「唇触れず」などバラエティ溢れる曲を確かな実力とパフォーマンスで裏打ちし、それはコンサートで久しぶりであってもいささかも衰えることがなかった。宣伝の愛嬌も相まってこの3人の安心感というのはやはり素晴らしいものがある。

運が絡むため選抜常連メンバーも多数漏れてしまった「上からマリコ」でも上記CMネタで「峯岸化」を進めながらも見事選抜入り。彼女の歴史の一ページではあるがまさしく「アテ書き」であるから……と思ったらモニターの「篠田 麻里子」はまたまた嬉しいサプライズであった。筆者はこの曲の選抜でもあった前田亜美さんが推しだったのでもう二度と現れまいと思ったあのスッとした衣装を見事着こなしている千葉恵里さんにまたも驚かされながら、今なお全盛期でセンターを堂々務める篠田さんに畏敬の念を感じた。そして相変わらず一歩引く峯岸さんの気遣いにも。

翌年は筆者は社会人となり、しばしオタ活から離れてしまったが、それでも東京ドーム公演実現と前田敦子さんの卒業は一般ニュースとして筆者の耳にまで届いてきた。すなわち峯岸さんは大目標と、推しメンを同時に失ったのである。

そこから十年間戦い続けたというだけでも感嘆である。ビデオメッセージで出演だった前田さんからも戦友への経緯がありありと感じられ、出演が叶わなかったことが残念でならない。出演が叶えば「夢の河」が予定されていたというが、歌詞の通り「夢がかなったから迎えに来た」のであればなるほど完璧なフィナーレであっただろうから惜しまれる。年末、チームBへ異動。

翌年、峯岸さんのアイドル人生に谷が、マリワナ海溝が訪れる。

この辺り卒コンのOPでもネタにされていたが、あのOPって今後どこかで見られないものだろうか。円盤についてきたりするんだろうか。

その対処として彼女が選んだのは丸坊主&配信。早すぎるYouTuberは国内はもとより国外、なんとアルジャジーラまで取り上げ、残念な形で「世界の峯岸」となった。

下された決断は、研究生降格。

果たしてこの決断が良かったのかどうか、筆者は今も簡単に結論付けることはできない。残念ながらこの後もグループにスキャンダルは絶えることなく、NGT48においては「つながり」が生んだ痛ましい事件が起きてしまった。それは現在もグループ全体が淀んでしまっている原因の一つだと筆者は考えるし、その問題に対する姿勢からメンバーに対してはともかく運営に対しては強い不信感を拭い去れないままだ。

そういう運営の体質悪化、グループの風紀のゆるみを生んでしまったということではやはり48G凋落の一因であるとなっても仕方ないと考える。

ただし、では彼女は即活動自体すべきだったのか、と考えると「そうだ」ともやはり筆者は言えないのである。

然し、生きていると、疲れるね。かく言う私も、時に、無に帰そうと思う時が、あるですよ。戦いぬく、言うは易く、疲れるね。然し、度胸は、きめている。是が非でも、生きる時間を、生きぬくよ。そして、戦うよ。決して、負けぬ。負けぬとは、戦う、ということです。それ以外に、勝負など、ありやせぬ。

――坂口安吾「不良少年とキリスト」より

坂口安吾 不良少年とキリスト

過酷に生きることは過酷に生きるより何倍も力がいるという言葉がある。峯岸さんは、辛い道を選んだ。十字架を背負い、歩き続けることを選んだ。

筆者が運営を評価することがあるとすれば、これだけ思春期の少女がひしめいていながら今に至るまで(この文言が永久に変わらないことを望む)自裁を一人も出していないことであろう。

当初、その「護り方」が下手で逆に叩かれたりもしたけれど、峯岸さんはよく耐えた。ある種、バラエティではより強い武器を手に入れたともいえる。副産物のベリーショートもよく似合い、剛力さんの物まねという飛び道具を活用したりもした。

総選挙では18位。初めて選抜から陥落し(前回より票数自体は逃している)、以降総選挙選抜に選ばれることはなかった。

伝説の魚」は峯岸さんがアンダーガールズセンターを務めた楽曲だ。奇しくも盟友・にゃんにゃん仮面こと小嶋陽菜さんが16位、60票差で選抜入りはならなかったが、彼女の長い彷徨を肯定したような歌詞とセンターの自信をまとったMVは珠玉の出来で、コンサートでは更に円熟の高みに達していることが確認できた。

劇場ではチーム4が再び誕生し、研究生から昇格と共にそのキャプテンとして就任。これでA,K,B,4,研の本店すべてのチームを経験することとなった。

清純フィロソフィー」「LOVE修行」(オタクTMI:小嶋陽菜さんもこの曲がお気に入り)は峯岸チーム4の下で鍛え上げられた名刀のような切れ味の楽曲だ。これを序盤に持ってくる時点で彼女といわゆる峯岸チルドレン諸賢がどれだけ固い絆で結びついていたかがありありとわかる。なんなら既にみんなうっすら泣いていたような気さえする。

現在もAKBの主力となったメンバーを多数育てた後は慣れ親しんだチームKに再異動。バラエティでもベテランとして活躍しながらも「またあなたのこと考えていた」などボーカル選抜でも存在感を示した。

2019年に卒業を発表、昨年横浜アリーナでのコンサートが卒業の花道になるはずがコロナで延期となり、今回の卒業コンサートとなった。

また会える日まで」はもはや慈母のような歌声とまなざしでメンバーやファンを包み込む。MV、かつてその椅子と同じ位置で写った桜の花びらたちのジャケット写真が懐かしく思い出されるが、とうとう彼女もその席を立つ時が来た。

泣きながら生まれ、泣かれながら見送られる、まさに理想的な人生として彼女はその卒業コンサートを終えた。

彼女らしく卒業生、現メンバーをバランスよく引き立てたコンサートだった。

それだけに、卒業公演でしっかり「みぃちゃん」として暴れまわってもくれていて筆者は他人事ながらなんだかうれしかった。

「親父」秋元氏はコンサートについて人づてに良かったと聞きましたみたいな感じで強がっちゃって……って感じだったのだが卒業公演では史上三人目の卒業メンバーへの手紙を峯岸さんに送った。デレを出してくるな。

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峯岸みなみという一人のアイドルがかつていた。AKB48峯岸みなみの功罪であったと言っても良い。良くも悪くも甘えん坊の末っ子が引っ搔き回し、反抗期の少女がまぜっかえし、清濁併せ呑んだ最古参が包み込む、そういうことを一人でまるっとこなして去っていった。

それが彼女にとって、グループにとって良かったのかどうか、繰り返しになるが筆者にはわからない。もっと後になってわかってくることかもしれない。

ただ、例えば今度始まるという新番組を見る時、「今、みぃちゃんがいればなあ……」と思う時はきっと来るのだろうな、と思う。もしかしたら初回ゲストとかかもしれないけど。

確かに言えることは、アイドル・峯岸みなみは愛を受けていた。愛を与えていた。

愛を最後まで信じ続けることで、奇跡のようなコンサートになった。

そのことにただ、祝杯を上げたい。

またね。

 

第1話

ベンチがアホやから熱狂ができへん/戦地は過酷だが戦況は不退転――ヒプマイ結果発表SP殴り書き感想

余談

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半年近くにわたって追いかけてきた2ndDRBもいよいよ決勝進出の発表に至った。

本当はシブヤVSヨコハマの記事も書きたいのだが、アイズワン活動終了やFGOのグレイルライブやらコロナ拡大による本業の多忙やらでまだ書けていない。なんとか来週までには書いておきたいものだと思う。

その前に、やはりこういったものはドラパ感想以上に水モノなので今日のうちに感想を書きなぐっておきたい。

5時半ごろ、7時に向けてドキドキしていたら実は6時半から直前特集があり、心の準備ができないまま発表に突入するのだった。

本題

グラフ化して考える

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色は各バトルでの最多得票ディビのカラーに合わせてみた


筆者は中王区ではないので焦らさずにまず全体の得票数をグラフ化してドーンと出してみる。

一見して明らかなのはlive→CD→VRと展開が進むにつれて票数も加速していること。お前はジャンプのバトル漫画かと言いたくなるようなインフレっぷりである。

また、中間発表直後にヨーイドンでスタートしたVR以外のlive、CDにおいては解禁日が後のバトルほど得票総数が多いということもわかる。

liveのそれぞれのバトルの得票総数が50,000前後であることを考えると、大体この辺りがヒプマイというジャンルの割とコアな「総人口」なのかな、ということも見えてくる。少なくともliveバトルの時点においては、ディビジョン同士1VS1かつほぼ1人1票という状況であった時は30,000票を獲得すれば過半数を超えバトルを制すことが出来た、と言えよう。すなわち初戦のliveバトルにおいては「いかに相手ディビ以外の他ディビ票を獲得できるか」が肝であったと分析できる。

では、各バトル結果を見ていこう。

オオサカVSイケブクロ

総得票数 134,544VS158,191でイケブクロの勝利。票差23,647。

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結果から見ると、初戦のLIVEバトルでの票差がほぼそのまま勝敗を分けた形になった。とはいえだからこそVRバトルで爆発したという流れであろうから単純にそれが敗因と言い切ることもできないのが難しいところである。

オオサカは今回もっともこのバトルのルール、システムに振り回されたディビジョンだった。

 

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 2019年9月。ついに全員揃った1ダースが素晴らしいパフォーマンスを繰り広げ、会場が一体感に包まれる中、中王区の「刺激が足りない」という理由で投入された新ディビジョン、それがオオサカであった。

筆者はリアルタイムで映画館で目撃したが、やはり周囲は驚きと戸惑いを隠せない、という印象を持った。筆者個人は、「アイドルマスター2」の発表の時の気持ちが少し思い出されもした。

そうしてオオサカはホームである大阪城ホールにおいて「異分子」としての視線を受け、壇上から去っていった。

その後、ドームライブはコロナ禍により中止。今回のLIVEも凱旋となるはずがやはり無観客LIVE。

オオサカは、自分たちのパフォーマンスに対するヘッズの生のリアクションというものをついぞ知らずにここまで来た。


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恐らく本来は、LIVEバトルは新規ディビジョンにとっての「ハンデ」だったはずである。地元開催のオオサカにおいては観客とのコール&レスポンスを意識した「笑オオサカ!」を引っ提げてきたことによる一体感の高まりによってかなりの票数が期待できたはずだ。

が、実際は無観客配信ということによってオオサカの「地の利」は失われてしまった。

更に前述した「他ディビの票をいかに獲得するか」という部分がここで効いてくる。

対するBuster Bros!!!はそのパフォーマンススキルの高さはもとより前回バトルでの初戦敗退がヒプマイファン全体にとっていわばトラウマめいた側面を持っていた。

もちろん彼らの舞台が素晴らしかったことは前提として、特に古参のヒプマイファンがどちらを選ぶか、となった時に贖罪の気持ちを込めてイケブクロに、となったことは否めない。オオサカVSイケブクロのパフォーマンス自体が拮抗していたら余計に。

そしてそれは約4,000円のLIVEを買うコアめのファンにとってはより如実に反映されたのだろう。

CDバトルにおいても初戦であることの割を食ってしまった形だ。筆者は48Gのオタを経由してきたが、なぜか大阪のグループはその熱気と売り上げが必ずしも比例しない。そしてDRB、CDを積むということに関しての経験の差、情報戦での跋扈の差がまざまざと出てしまった。これがせめてオオサカVSイケブクロが初戦でなければ新規オオサカ推しも戦いの中でその要領を掴みまた違った結果になっていたかもしれない。

そう思うのはVR投票の結果からである。オオサカの94,634票は他ディビと比べても圧倒的だ。中間発表の映像は箱推しである筆者からしてもかなり辛いものだった。オオサカ推しは余計にそうだったであろう。

そしてそれは、LIVEでのイケブクロに対してそうだったように、多少の票流れを生んだ可能性もある。ことこの段階において浮動票がまだあったとすればの話ではあるが……。

個人的には生粋のオオサカ推しの意地が爆発したと信じたい。もし次回もバトルがあるとすれば、一躍最も恐ろしいディビジョンに変貌したように思える。

そしてイケブクロ、本当におめでとう。1ディビジョンのリーダーであるだけでなく企画全体の顔であることを要求され続けた木村昴さんの負担が少しでも和らげば幸いである。

アニメで推しが二度殺されたブクロヘッズ諸賢の心境やいかばかりだったかと思う。臥薪嘗胆の日々が結実した瞬間であった。LIVEバトル全体一位はもっとも実数に近い支持率と考えるとやっぱりみんなイケブクロが好きなんだなと思う。決勝の間に更に成長してきそうな凄味がある。

ゴヤVSシンジュク

総得票数 144,411VS158,861でシンジュクの勝利。票差14,450。

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ゴヤもまた時節に泣かされたグループである。筆者はどちらかと言えばシンジュク推しの人間であるが、LIVEでの「開眼」の迫力はすさまじく、またバトルでの「道を開けなナゴヤのおでましだ」のまさしく降臨、御開帳といった雰囲気は完全に場を掌握しており、現場であればナゴヤに投票してしまっていた可能性が高い。初披露のコミカライズ特典楽曲も出来が良く、LIVE投票の結果は確かにこれくらいかもしれない、という納得もあった。

シンジュクも逆風のスタートでもあった。ディフェンディングチャンピオンという立場、他ディビが「二冠阻止」の為にナゴヤに投じた票も少なからずあったことであろう。それでもシンジュク推しはお家芸のCD積みを黙々と行い、中間発表では惜敗。これが火をつけたのか、VRバトルで逆転を果たした。

オオサカとは対照的に、ナゴヤは中間発表がマイナスに働いてしまったように思う。追い詰められた餓狼は仏をも喰らうのである。

しかし、リアルタイムで視聴していた筆者は正直気が気ではなかった。今回の表題にも通じることであり、後述する。

シブヤVSハマ

総得票数 181,668VS167,264でシブヤの勝利。票差14,404。

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オオサカVSイケブクロが「試合」でありナゴヤVSシンジュクが「宗教戦争」であるとするならシブヤVSヨコハマはまさしく「抗争」であった。LIVEバトルのスタッフが回数をこなしたことに起因するのか前二戦に比べての演出力の高まり、奪われたものを取り返すというストーリー上の盛り上がり、他ディビジョンのある程度の動きを察してから行動できたこと、そして何より互いが互いを「非常に強力なチーム」だと感じていたからこその今回唯一の「前回」を知るチーム同士の対決は激しく凄惨なものになった。

あるいは中間発表が最も無意味だったバトルだったかもしれない。両チームともただ前を見てがむしゃらにひたむきに何があろうとも積んでいただろうから。

追いかける者の強さは恐ろしいものがある。それは本バトルのオオサカ、シンジュクを見てもよくわかる。

しかし本バトルにおいて、最も長い間追いかけていた者、ケツからまくろうとしていた者が誰だったかを我々は思い知ることになる。フリングポッセ。前回バトル敗退後最も長い間露出がなかったチーム。刹那どころか永遠に近い辛酸を舐め続けた者たちのリベンジが炸裂した。

対戦相手にLIVE、CD、VRすべてで勝利を収めているのはシブヤだけである。またかっ飛ばす時を、跳ね上がる時を求めていた。その時がついに訪れたのである。今まで抑えつけられていただけにその反発力はすさまじいものであった。全ディビジョン中総得票数一位。

対するヨコハマは得票総数全ディビジョン中二位。そう、残りの勝者であるイケブクロやシンジュクにも得票総数だけで見れば多いのである。相手との票差も三つのバトルの中で最も小さい。

「得票総数では勝ち上がった他ディビジョンよりも多いのに敗退してしまう」というのはまさに前回、ヨコハマに対してシブヤが味わった気持ちであり、因果を感じざるを得ない。

後発のバトルの方が得票数が多いのは前回よりの傾向であるので仕方がないとはいえ、ハマのヘッズたちはさぞかし無念であろうと思う。

運営(ベンチ)の雑さ、アホさで演者とヘッズを消耗させる愚

例えば12人初の勢ぞろい! 12人サイコー! のタイミングで新ディビや舞台を発表したりふせったーを落としたり全然サーバーを増強してる気配が無かったりと個人的にはその手腕に疑問を感じることの多い運営だが、それでも「彼ら」の生みの親であるからとなるべく批判は避けてきた。

が、今回看過できない事態があった。ナゴヤVSシンジュクの票数発表。それぞれの票数が積みあがっていく。明らかにナゴヤの方がそのペースが速い。票数が多い。

速水さんがさすがのポーカーフェイスでしかし徐々に気持ちを整理しつつあるように見える中、葉山さんは徐々にその口元を緩め、ニコ…という音が聞こえそうな無邪気な笑みが浮かび、両手でガッツポーズを――

その瞬間、ナゴヤの票数はガクッと下がり、票数は逆転。

葉山さんの表情もすっと逆転し、速水さんも初めて動揺した顔を見せ、気遣うように葉山さんの方を見やる。

中王区はそのまま総得票数を発表し、シンジュクの決勝戦進出が決定した。

筆者も妻も、リアルタイムで見ながら声が出た。シンジュクが負けたかと思いきや、勝った。もちろん嬉しくない訳はない。しかし、戸惑いの方がずっとずっと大きかった。

番組が終わった後も、葉山さんの表情がずっと引っかかっていた。

はじめ、運営の演出かと邪推した。が、よく見てみるとシブヤVSヨコハマでも一度票数が高止まりした後下がる、という風になっており、そしてその最大値は94,634であった。

賢明なる読者諸賢はお分かりの通り、これはオオサカのVR投票数と同値である。要するに、このカウントアップをオオサカVSイケブクロに合わせて作成したことで帳尻合わせでガクッと下がったように見える、ということであるらしい。

アホか。

悪意がないならより最悪である。ジョジョで言うところの自分が邪悪であることに気付いていないもっともドス黒い悪である、とさえ言える。神は細部に宿る。もっとも関係者が神経を張るべき場所において、このような失態があったことをとても残念に思う。

そして結果ダメージを受けた演者諸賢やヘッズ諸賢よどうか健やかであれと願わずにはいられないが、昨夜以降それぞれがそれぞれのケアに徹しているのを見るとますます筆者は悲しくなったりもする。

というか、やっと木村さんが司会の重荷から解放されたかと思ったら最後の最後でやっぱり押し付けられててその辺りもどうにかしてくれと思った。

また、今回の結果は個人的にはドラパの出来と直結していたように思えた。演者と関係ない脚本でヘイトを買わせて趨勢が変化したとするならやはり運営の采配に疑問視をせざるを得ない。

とりあえずカウントアップの件についてだけでも釈明をしてほしい。

パリピのイベサーじゃなくて20億近い金を今回のバトルだけでも巻き上げている企業だという自覚をもって運営にあたっていただきたい。

推しは推せるときに推せる範囲で推せが鉄則

最後に蛇足ながら、今回のヘッズ諸賢の諸々で感じるところがあったのでおっさんオタクとして少し書いておく。

ヒプマイのバトルシーズンは今時ちょっとわかりやす過ぎるくらいのストレートな集金イベントである。札束で殴り合う、金=破壊力、と言わんばかりのイベントである。

敗北すれば必然供給が激減し、それは応援する者達の危機感を煽る。

けれど、決してあなたはその身を犠牲にしないでください、と筆者は言っておきたい。

色々長々書き連ねていたが、少しでも届きやすくするよう、端的にまとめる。

推すためにはお金が要りますが、生きていくためにもお金が要ります。

生きていなくては推すことはできません。

どうか推しを愛おしむようにあなた自身の命を愛おしんでください。

あなたを粗末にすることは推しを粗末にすることだと思ってください。

あなたと推しに沢山の幸いがありますように。

ヒプノシスマイク –Division Rap Battle- 6th LIVE ≪2ndD.R.B≫ 1st Battle・2nd Battle・3rd Battle Blu-ray

朝の貴重な時間をいかに「捗り」に変えるか

お題「#新生活が捗る逸品」

 

kimotokanata.hatenablog.com

 こいつ……前回から何も学んでいない……!

ということで残り30分という時間を活かした一問一答的、はかどる一品を求める諸賢にはお手軽な記事になるはずである。とか言っているうちにお湯が沸いたのでコーヒーを淹れていたら残り20分になった。

www.nitori-net.jp

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ということで筆者の新生活、それはもはや1年くらいたとうとしているが新居暮らしを捗らせてくれているものはまず電気ケトルである。すぐに湯が沸く、というのは思った以上に色々と捗る。新居のキッチンは基本的にシックにそろえているがこれだけビビットなのも朝起きた時に「おっこいつで湯を沸かすんだったな」と寝ぼけた頭にも飛び込んでくるので良い選択だったと思う。朝起き、水を入れ、スイッチを入れ、待っている間に顔を洗ったり着替えを準備したりし、沸いた湯でフリーズドライのスープなりを溶いてすすれば忙しい朝の百点満点の朝食である。

 

東芝 TOSHIBA 12.0kg ドラム式洗濯乾燥機 左開き グランホワイト TW-127X8L-W

着替えは大体朝、ドラム式洗濯機から直接取り出す。洗剤・柔軟剤が自動投入なので本当にボタン一つで洗濯・乾燥が出来、おやすみコースがあるので寝ている間に静かに、省電力で洗濯・乾燥が完了する。特に冬はほかほかの靴下やシャツを身に着けられるのは朝のスイッチが入るのに大きな助けとなった。今のところ前の洗濯機で気になっていた乾燥にかけた衣服特有のにおいなども感じない。筆者は花粉症であるのでそういう意味でも外に干さないで済むのは助かっている。

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接触に注意が行く昨今、ゴミ箱は踏んで開けるスタイルに変えた。ドアと隙間との間にぴったりきて色合いもマッチして非常に気に入っている。後ろのスペースにゴミ袋が収納できるのが意外と便利。閉まるときゆっくり締まるので開閉の音にストレスがないのもいい。袋を止める抑えが深く、ゴミ袋がずれないなど細かいところに手が届くのもいい。

モンダミン ペパーミント マウスウォッシュ [1080mL] 自動ディスペンサーセット

モンダミンも自動式にした。洗濯機の洗剤もそうだが、液ダレに悩まされない人生はこんなにもすばらしいのかと思わされる。ハンドソープも自動式のものを買ってあるのだが、現在のものがなかなかなくならない。

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リビングにはゲームタワーとロボ。ロボはいい。ただでさえいいのに口からティッシュが出ており無闇に実用的である。しかも手も動くし、頭・胴体・そしてシークレットゾーンに収納箇所があるというのも忘れかけた子ども心をくすぐるのである。

www.dinos.co.jp

ロボットは静岡で職人が一つ一つ丁寧に魂を吹き込んでくれている。ロボでありながら我が家で一番生命力を感じるかもしれない。中には往年のゲームソフトがぎっしり格納されている。

THANKO HDMI切替付オールインワンゲームラック「ザ・ゲーミングレジデンス」 TKGAMRAC ゲーム 収納 ラック スイッチ 大容量 サイドワゴン

ゲームタワーはこちらを2つ繋げて使っている。プラなので最上部はちょっとたわんでしまっているのが残念であるが、HDMI切り替え器や電源タップまで搭載してこの値段はかなり掘り出し物だった。フィットボクシング2は3分など手軽にできるので、少し早く起きたら朝からさくっと運動しやすい環境を作れている。

朝の時間は貴重だ。だからこそその端々のストレスを軽減することが肝要である。どなたかの役に立てばうれしい。

帰り道は遠回りをしてきてほしかった――IZ*ONE(アイズワン)活動終了の日に贈る言葉。

余談

祝日の朝、あえていつものアラームをセットしたままで起き、寝ぼけまなこでスマホを開いて今日が休みであることを確認し、ゆるやかに二度寝に移行するのは、およそ最高の贅沢である。

が、今日は気分が重かった。昨日から久しぶりに日をまたいで降り続けている雨のせいもあろう。

しかしやはりIZ*ONE(アイズワン)活動終了という事実がそうさせていることは否めなかった。

筆者がすきな漫画の一つに「べしゃり暮らし」がある。

その中で一つの漫才コンビが解散する。その時所属の社長がぽつりと言う。

「こうやって『これで終わり』って舞台を迎えられるコンビってどれだけいるのかしら」

そのコンビは全盛期を過ぎ、というかほぼ片方のソロ活動のみでもう片方はすでに事務所も辞めており、観客からの「ええーっ」もまばらだ。

それでも登場人物たちの評価は、彼らは幸せなコンビだ、というものだった。筆者もそう思った。区切りがあるこそ、人は前に進むことが出来る。進みやすくなる。

対して、結局のところ、四月のアイズワンの活動は残念ながら、「消化試合」という言葉がちらつくような日々だった。定期的な供給はあるが、何かしらの「区切り」はついぞ設けられることはなかった。まさか本当に日本ラストコンサートをやらないとは……。ec1ご機嫌サヨナラ、ec2ネッコヤ(私のものよ)で号泣する準備はできていたのであるが。

とはいえ実際問題、ことk-popの世界において明確な「区切り」が用意されることはごくごくまれである、ということも、この二年半の間におぼろげながらわかっては来ている。契約更新しませんでした、で終わり、人気があるのに放置、初回が売れなかったのでカムバックなしでそのままフェードアウト……。

比べればアイズワンは「マシ」であるのは間違いないだろう。

けれど大人たちの悪だくみに巻き込まれた彼女たちのフィナーレはやはり「マシ」なんかではなくて今後語り継がれるような素晴らしいものにCJの総力を挙げてぶち上げてほしかった、という気持ちもある。というかそれこそが、CJへの不信感を払拭する手段の一つでもなかったか。

豪奢なMVや回顧ムービーの一つでも作ってくれると思ったが、クォン・ウンビさんやチェ・イェナさん、そして他メンバーの、若き女性たちのやさしさに大企業が胡坐をかいてもたれかかっているような「供給」はつらい部分もあった。

かといっていわゆる「連合」の動きも筆者は手放しで容認はできない。4月頭以降の彼らについては視界に入るのも避けるようにしているので現状が劇的に転換していたらどうぞご容赦願いたいが、彼らの動きはアイズワン諸賢をかえって束縛しているようにも思え、そのふるまいはもしアイズワン諸賢が彼らの意に添わぬ発言や行動をしたら一転激烈なアンチに転じてしまうのではないかという恐怖心が筆者の中にはある。彼らの標榜するロゴマークについて、筆者は「平行宇宙」のMVに対してと同じタイプの醜悪さを感じた。

内外様々な不満は、この辺りにしておく。

心配なのは、ウィズワン諸賢、とりわけ年若き方々である。初めてアイドルを推し、そして初めてその活動終了に立ち会うという方も多かろう。どうぞご自愛ください。

ウィズワン、ご飯は食べましたか?

今まで彼女たちが事あるごとにそう聞いてくれた。今朝からは、それがない。それでもあなたはご飯を食べましょう。食べることは、生きることです。生きることは、再び今以上の輝きをもってあなたの前に現れるであろう、彼女たちへと出会うための道を歩き続けることです。

そして、これも書いておきますが、彼女たち以外の輝くなにかに出会うための燃料補給でもあります。

「アイズワンが活動終了するのに他の何かに心を動かされている」

そのことに葛藤する必要は全くありません。

あなたはウィズワンである前に一人の人間なのです。あなたにはあなたの人生があり、大切なものがあり、その心の宝石箱の容量も、しまうものも、それぞれに違います。

二十年以上オタクをやっている人間からすれば、むしろ宝石箱にはたくさんのものをしまっておいた方がいいと思います。

例えば昨日、最後のプラメを読みたくなくて、モンハンをし、FGOとツイステを回し、今朝、とうとう読んで涙しながらも、ヒプマイのVRチケットの手配をする筆者のように。

「推し」が多いということは、心の避難所が多いということです。しばしば、特に若く感受性がみずみずしく潔癖であるときは、「〇〇しか」という思考に陥りがちですが、それは美しく、しかし自らをも傷つけてしまう修羅のオタク道でもあります。

「他の何かを楽しむ」ということそのものが、あなたがアイズワンの活動終了を悼み、その心の隙間を埋めようとするアイズワン愛由来の行動であるとしたら少しはその罪悪感が薄まるでしょうか。そうであれば、そう考えてもらえたらと思います。

人生はクローズアップで見ると悲劇ですが、ロングショットで見ると喜劇であると言います。あなたにとってそうでありますように。

本題

余談が、ながくなった。

チャン・ウォニョンさんへ

初めPRODUCE48を見始めた時、正直なところ筆者は不安でした。一回当たりの長い放送時間、出演者のおよそ半分は顔と名前も一致しない異国のみなさん。

その中で数少ない、すぐに覚えられた練習生の一人があなたでした。年相応の振る舞いとレベル別評価で見せる姿とのギャップ。


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グループバトルを初めて見た時の「推しが生まれた瞬間」の高揚は今でも思い出します。今改めて見返すと、この時すでに完成されていたと思っていたのにこの二年半であなたがどれだけ成長していたかを改めて思い知らされ、驚かされます。

その後デビューしたアイズワンでは最年少かつセンターとして大きな重圧がかかったであろう中、それを感じさせることもない見事なパフォーマンスを見せ続けてくれました。

アイズワンのそのありようを形容しようとしたとき、結局のところ「アイズワンとしか言えない」というアイドルグループになったこと、可愛いだけでもかっこいいだけでも強いだけでも儚いだけでもない万華鏡のようなグループになったことは、センターのあなたが千変万化するイグアナ……いやカメレオンのような、しかし決してどんなときも自分の色を失うことのない揺ぎ無いアイドルであったからだと筆者は思います。

かつてトレーナーに「飾っている」と言われた声はしかしその装飾的な部分が集大成である「Panorama」最後にその声だからこそ、凄く突き刺さってきたように感じました。跳ねるような歌声がそのまま「約束」と共に胸の中に転がり込んできたようでした。二年半という月日が、弱点を武器に変えたことの一つの象徴的な出来事のように思います。


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とりわけ記憶に残っているのは、やはり唯一肉眼で見ることの出来た福岡マリンメッセでのコンサートです。圧巻のパフォーマンスは勿論、最後の挨拶で吐露してくれた弱音、そして自分にくれた「レス」の記憶は今も鮮やかです。

プライベートメールでは文体のフレッシュさが翻訳ソフトを通しても伝わってくるようでした。時々の日本語もうれしかったです。ついぞGoogle翻訳が「フェルナンド」を改めることはありませんでしたが。

一推しと言いながら、「推す」ようなことは何もできていませんでしたが、この二年半はとても幸福な時間でした。可能性しかない未来でまた会える日を楽しみにしています。

アン・ユジンさんへ

あなたの底抜けの笑顔を見るたびに、その「なんでもなさ」を見るたびに、その陰にある膨大な気遣いが垣間見えて眩暈すら覚えることがあります。

何度も見返したPRODUCE48でようやく、グループバトルでのあなたのチームメンバー選出が素晴らしく合理的であったことが分かった時、あの短い間で他の練習生諸賢の特性を見抜いたあなたに改めて驚愕させられました。

アイズワンメンバーとなってからも、年少メンバーでありながら場を回すことがうまく、例えばオンラインコンサートのゲームコーナーでは進行役が違うだけでこんなにも流れが違うのか! とその手腕の確かさに舌を巻きました。

単独MCを勝ち取ったのは決して偶然ではなく、筆者よりもずっと慧眼であるスタッフたちもそのことを敏感に感じ取ったからに違いありません。

あなたはあるいは、最もアイズワンになったことで犠牲にしたことが多かったメンバーだったかもしれません。ショウビズの世界が少女にきらびやかなステージを与える代わりに何を差し出させてきたかをまざまざと見せつけられ、消耗する筆者をまたも「なんでもない」かのように高校卒業検定試験を合格して見せた時は、そしてそれを我々に報告してくれたときは、快哉を叫びたい気持ちでした。

だからこそ、コンサートのたびに見せる涙が一層心を揺さぶりました。

あなたを呼ぶとき、しばしば筆者は「ユジンくん」というようにしていました。それは悪戯少年のような快活さが小気味いいからでしたが、しかしどうしようもなくステージでは妖艶であるその高低差がアイズワンというグループでもっと見たくなかったかと言えば嘘になります。

スターシップは非常に才能あふれる方々が多く所属していますが、ここまで育ったアン・ユジンという人を果たしてどのように遇するのか事務所側が「試される側」となったその成長に感服しつつ、ゆじん、貴方のゆうじんとして応援しています。

チョ・ユリさんへ

PRODUCE48開始当時のSTONEMUSICはどうかしていたのでしょう。もと「アイドル学校」組はあらゆる魅力をそぎ落とされてレベル別評価へ突き出されたように筆者は感じました。それでもあの時のあなたは歌う喜びとそれに比例した才気に溢れていて、ギュリさんを差し置きAクラスへの切符を手にしました。悪編集も受けてしまいましたが……。

史上初のA→F落ちもあなただから許されたように思います。正直なところ筆者は、「この人はデカ眼鏡で一つ結びの方がめちゃくちゃ可愛いな」ということを考えていました。実際、その後一つ結びはあなたのメジャーな髪型の一つに落ち着いたのではないかと思います。

PRODUCE48のボーカルパートを語るにあたってあなたは欠かせない存在となりました。繰り返しになりますが、歌うことの喜びに満ちているその声こそは、国民プロデューサーの福音でもあったに違いありません。

PRODUCE48が終わってからアイズワンチュを待つまでの間、アイドル学校を鑑賞しました。言ってしまえばPRODUCEシリーズより劣悪な環境であることが画面からも滲み出る中、奮戦したあなたを残酷に裏切る演出に心が痛くなりました。

だからこそ、アイズワンチュ冒頭でアイズワンになれた喜びに打ち震えるあなたに強く感動させられました。ラビアンローズで、また以降の数多の曲で喜びが増大するほどに音域の幅も広がるような圧巻のメインボーカルはどれも素晴らしいものでした。

年下二人が大人っぽいのに比べ、また同い年もそれぞれ違いがある中で、まさしく年相応、「ザ・JK」みたいなあなたはそんな素晴らしいクラスメートがいたはずないのに、どこか親しみやすさがあり、バラエティ他の少しピントのずれた発言もそれだけにとても微笑ましく、面白い得難い存在でした。「AYAYAYA」で更に成長した後はますます敵なしといった形で、「Adult Ceremony」などその極地だったのではないでしょうか。

STONEMUSICが清算された今、寄る辺がはっきりしないことは不安ではありますが、もうFクラスに移動になった時の借りてきたハムスターなあなたではなく、アイズワンの誇るメインボーカルであったあなたですから、きっと大丈夫でしょう。

本田仁美さんへ

チーム8時代は取り立てて推されることもなく(少なくとも他推しだった筆者のところまで名前が届くほどには)、ネ申などで見かけた時も、ふわふわしていながら芯の強そうな人だな、くらいの理解でしたが、子供のころから培ったダンスの確かな下地、48の悪癖ともいうべき「振り入れの時間がない」に最も振り回されたであろうチーム8メンバーだからこそのサポートなどめきめきと頭角を現し、下尾みうさんと同様に、「置かれた場所で咲きなさい」というのは所詮置いた人間の傲慢にすぎないのではないか、と考えさせられるほどに、舞台を与えられたあなたはその大きさに相応しい存在感をみるみる獲得していきました。まるで限界だと思っていた鉢植えが容器を変えることで更に成長し、美しい花を咲かせたように。宮脇さんがすでに気づいていたその魅力に、筆者はそこまでわかりやすくしてもらえてようやく気付くことが出来ました。

もちろん筆者以外の大勢の方が気付いていて、ランキングでは素晴らしい記録を打ち立てましたね。ほっぺたには希望だけでなく自信も詰まってくれていたらいいなと思います。

そう、体型管理もあなたの驚嘆すべき部分です。そのストイックさは真似しようとしても出来るものではありません。でもあなたは成し遂げた。だからこそ同世代、同性の支持を多く獲得したのだろうとも思います。K-POPドリームというのがもしあるのだとしたら、それは本田仁美さんのことをそういうのでしょう。

ストイックと言えば最後の最後に嬉しいサプライズで運転免許証取得まで報告してくれてそのエンターテイメント精神と想像もできない努力の積み重ねに脱帽です。

プライベートメールはあなたのものを一番楽しみにしていました。あらゆるサービス精神に富んでおり、いつも日本語と韓国語を併記してくれていたそのメールでもっと勉強をしていれば、もう少し自分もハングルを習得できていたかと思うと後悔が募ります。何とかアーカイブして、ハングルの教材にしようかな、と企んだりしています。

古巣のチーム8に戻るのか……いよいよ全都道府県を制覇したその後の発表で何かありそうで不安だけど……個人的にはコロナ禍でなければ一度戻って韓国で活動をするにしても卒業発表からの送り出しをしてもらって……とも思いますが、まずはゆっくりしてほしいなと思います。声が好きなのでまたラジオとのご縁があると嬉しいです。

矢吹奈子さんへ

あなたと田中美久さんがAKB48SHOWの企画で先輩がたに突撃インタビューしていたのが昨日のことのように思い出されます。甘え上手の万年末っ子のイメージが強く、相方と言ってもいい存在の田中さんがPRODUCE48では途中退場したこともあって、あなたも厳しいトレーニングでどこかしら怪我をしないだろうか、体に気をつけて帰ってきてほしい、とすら思っていました。なにしろ今後間違いなくHKTを担う柱であることは既に間違いありませんでしたから。

PRODUCE48、3話。深夜の眠気を3段階の高音が吹き飛ばしていったあの時の衝撃は、その時手に持っていた麦茶のグラスの冷たささえも思い出せそうなくらいはっきりとしています。「プデュなるもの」の沼に深く沈んだときは、まさにあの時だったように思います。

気付けばあなたはまごうことなき「実力派練習生」であり、いつまでもマスコット的に見ていた自分を恥じました。柔らかな歌声は代替が効かないものであり、それ故に本田さんと一緒に特に韓国曲で「飛び道具」的な扱いをされていた時はやきもきとさせられました。もっともっとあなたのボーカル力を存分に発揮した曲で歌声を響かせてほしかった。

多くのアーティストに可愛がられる一方、いわゆる「K-POPスター」的でない自分に思い悩んだ時もあるということでしたが、あなたは誰にも真似できない、「やぶきなこ」という新しいアイドル像を韓国アイドル史に刻み付けたことでしょう。それはあなたにしかできなかったことです。

HKT48に戻るのか、違う道を行くのか……もしかしたら指原さんや、宮脇さんに相談されているのかもしれませんね。どの道でも今回がそうであったように、唯一無二の存在として輝くことでしょう。

でもできれば、成人したなこみくで「生意気リップス」が一回見てみたいな、とは思います。

キム・ミンジュさんへ

そのビジュアルが練習生時代から群を抜いていたあなたはしかしそれに驕ることなく、錬磨を重ねていましたね。「Touch」の時、自身のパフォーマンスに不満がありながらも人気投票のように1位を獲得してしまったことで「これは違うと思う」と涙を浮かべながらもその「栄光」を否定したとき、一気に「この人を応援したい」という気持ちが高まったことを覚えています。

何度もデビュー直前だったところが立ち消え、レベル別評価で振るわず、自分の想いとは裏腹に評価は高く、コンセプト評価では押し出されながらも、センターへと挑戦し、心身の成長は一週ごとに着実に、確実に感じられました。

アイズワン入りを一番に発表されたあなたは何事にも丁寧で、しばしばENOZIでも一生懸命説明しているところを編集でカットされたりもしていたけれど、その誠実さはアイズワンというグループのコアの部分の写し鏡だったように思います。

他がバキバキのダンスメンである中抜擢された「ルーモア」、「Buenos Aires」での初のウォニョンさん以外のセンターでの堂々たるパフォーマンス、バラエティでのいい意味でのアイスブレイクぶりなど、見るたびにブラッシュアップを続けるあなたが「Full Moon」でまさにその円熟の時を迎え、満ち満ちた魅力を舞台に満たした時、もしかしたら「アイドル・キム・ミンジュ」は完成してしまったのかもしれません。

きっと女優業であってもその人柄と真摯な姿勢で成功することでしょう。

でもやはり、いつかまたアイドル・キム・ミンジュを見てみたいと思います。例えば今度のハロウィン、アイズワンの仮装をするとかで。

最後のプライベートメールで泣かされました。筆者も祈り続けます。

キム・チェウォンさん

「カチューシャの子がとてもいい」


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4話の初回放送で共に見ていた妻がぽつりとつぶやきました。当時はレベル別評価での後藤萌咲さんのインパクトが凄まじく、このグループバトルでも彼女に焦点が当てられていたと思います。筆者も、彼女の「ピョン!」が印象に残ったことを覚えています。

あなたは当時から確かに素晴らしくバランスがとれた練習生でしたが、筆者は愚かなことにデビューメンバーに予想すらしていませんでした。この辺りは「軽蔑していた愛情」時点でAKB48 を見出していた妻のドルヲタとしての面目躍如と言ったところなのでしょうか。

今に通じるあだ名「サンム姫」のきっかけとなる自らの殻を破ったコンセプト評価を経て、バチボコ似合う衣装でなんなく異国の言葉を歌いこなした「好きになっちゃうだろう」の後、アイズワンのメンバーとなったあなたを大学受験へ送り出すメンバーの姿は、あなたがメンバーに愛されている確かな証拠として我々の目にもほほえましく、また美しく映りました。

楽曲においては大天使の歌声と小悪魔の表情管理で多くの人々の心をばっちりつかみ、


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とうとうアイズワン4人目のシングル曲センターの座を射止めました。オンラインであってもCDを買ってお祝いに行けばよかったと今でも妻と共に後悔しています。

あなたがセンターで躍動するこの曲を、生のパフォーマンスで見られなかったことは本当に残念です。コロナ禍でさえなければ、貴方の魅力がもっとたくさん、遠くに伝わったのにと歯噛みする思いです。

バラエティでのぎこちなさも消化して、「カタレナ」ではまさしくお人形のようなパフォーマンスに違った魅力を見せてくれました。

アイドル・キム・チェウォンの第二章がどうなるのか。ロケットパンチに加入するのか、それとも……。また新たな一面が見られると思うと楽しみです。

イ・チェヨンさんへ

PRODUCE48を「ほーんどんなもんかな」と軽い気持ちで見てみた筆者に「韓国練習生の実力」をこれ以上なく鮮烈に見せてくれたあなたのパフォーマンスの衝撃は凄まじいものでした。だからこそ、その素晴らしさに伴わないあなたの自己肯定感の低さ、自信のなさが終始気になってもいました。なぜなら、それは後今に至るまであなたの大切なパートナーである宮脇咲良さんに対して、総選挙時点で感じていたこととほとんど同じでしたから。そういう意味で言えば、あなたたち二人は似た者同士であったのかもしれません。どんな場所でも間違いないパフォーマンスをしながらも爆発しきらない、自分がリーダーを務めたチームからは放逐されてしまう……。

だいぶ後になって「SIXTEEN」を見ました。その時はプデュ時代よりもなお自信がなく、後MCでも自信がないことが事務所からの低評価につながり、それによって自分の自信をまた失うという負のスパイラルにあったことを教えてくれましたね。

けれどあなたは、最終回、センターを見事に務めあげました。そこからの宮脇さんとのやり取り、加入劇というとても美しい物語は「大人たち」によって不本意な言いがかりがついてしまいましたが、それでもあの日のあのパフォーマンスだけは絶対に捏造できませんし、そこであなたは今までで一番輝いていました。

そこからあなたは今に至るまでその輝きを更新し続けています。ラビアンローズのMV、縦縞の衣装が似合うあなたの姿を見て、自信とは、自己肯定感とは人をここまで変えるのかとしみじみと思わされました。

羽根のような軽やかさのダンスのように実はひょうきんなところもあり、メールその他で楽しませてくれましたね。数々のミッションの報告も恥ずかしがらずにTwitterですればよかったと今更ながら思います。

返す返すも辛いのは、あなたの誕生日を盛大に祝うチャンスを二回も逃してしまったことです。新天地でも縦横無尽にステージを掌握してほしいですが、出来れば次の誕生日には一度立ち止まって、三回分のお祝いをさせてほしいなと思います。

チェ・イェナさんへ

さあ、新番組が始まるぞ、と気負う我々の前に最初に現れた三人組、それがウェイファ三人娘でした。それぞれキャラクターの立った三人がレベル別評価ではやはり「韓国練習生のレベル」を見せつけてくる、このギャップの構成にはめられていたわけですが、視聴者だけでなく、当然出演者もことオーディションの中では委縮していたであろう中、「一発芸」を披露するあなたのそのタフさ、センスに早くも筆者の関心は奪われていました。

評価においてはその多彩さを見せつけながらも心無い言葉を寄せる人間もいたようで、「吐き芸だけ」といった奴に呪詛をかけるのに忙しかったことを思い出しますが、そんなプリズムのような魅力を放つあなたの「セクシーキュート」な部分を存分に炸裂させたのがセンターで披露した「好きになっちゃうだろう?」でした。
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「Who is the Center?」からのあなたが中央にいた時の興奮、小首傾げでの完全ノックアウトのコンボを超えるインパクトはこの二年半を通じてなかなかないものでした。音声は入っていませんでしたが、ワン・イーレンさんの「イェナ~!」という声かけがそのしぐさからわかり、それも胸を熱くさせてくれました。

アイズワンに加入してからはコメディポジションを引き受けることが多かったですが、プライベートメールを暴露されたときの「ウィズワンとの秘密のやり取りなのに……」という姿勢に誠実な人なんだなということを感じましたし、外仕事が次々にやってくることはその人柄と確実に成果を上げてくる頼もしさによるところなのでしょう。

パフォーマンスにおいても歌にせよダンスにせよ、可愛いにせよかっこいいにせよ、ファニーにしろシリアスにしろ、あなたがいればそれで大丈夫だろうという安心感がありました。カバーの選曲のセンスも素晴らしいものがあり、ぜひ末永くアイドルを続けていただきたいですが、音響監督みたいなこともぜひチャレンジしてほしいと思っています。

あなたの「ウィズワン」の言い方が個人的には一番しっくりきていたように思います。また思い出したら呼んでみてください。

カン・ヘウォンさん

「韓国人練習生=スキルがものすごい」という訳では必ずしもないんだな、と失礼ながら最初はそんなことを思いました。隙なしと思われたブンバイヤ班に挑むことになったら真っ先に泣いていたり、続けてラップに挑戦するものの自分で作詞することを知らなかったり、タシマンナの動きもぎこちなかったり、実は最後の最後の「好きになっちゃうだろう?」の出だしも間違えていたり……。

気付けば「カンちゃん」と親しみを込めて呼んでいる自分に気付きました。あなたはどんなに望んでも身に着けることが難しい、いわばアイドル力と呼ぶべきものを持っていました。

それに加え、スポンジに水が染み込むように次々とスキルを吸収していったあなたは、名実ともに押しも押されぬグローバルアイドルへと成長しました。

できれば、今のあなたで「ブンバイヤ」のカバーを見てみたかった。他のプデュ楽曲のパフォーマンスを見て見たかった。それが叶わぬ願いになりそうなのが残念です。

日韓を超えた友情はプデュ時代もテーマ性にも沿い、美しいものでしたが、最後の釜山旅行においても存分に発揮するなど、あるいは最もメンバー愛が深いのはあなただったのかもしれませんね。

そのトークの爆発力も素晴らしく、あの荒涼としたラストコンサートを救ってくれたのはあなたの餃子コメントだったと真剣に筆者は考えています。最後の日のメールもレシピを送ってくれるなんて本当にこの人は……と思ってからのあのメールはずるいですよ。

日本にはあなた好みのカルチャーがまだまだ沢山あります。事務所に戻った後も引く手あまたでしょうし、コロナのことのありますが、落ち着いたらさとみなさんを愛でがてらぜひ遊びに来てください。

宮脇咲良さんへ

今まで、あなたを理解しようとして何万字かの駄文を書き連ねてきました。

そうして結局辿り着いたのは、「神様、よくわかりませんでした」という人類の墓標に刻まれるべき言葉に過ぎなかったのですが。

今までの愛すべきアイズワンのメンバーにも、筆者は、「ギャップ」だとか、「成長した」とか、「一皮むけた」とかいう言葉を使ってきましたが、あなたはそういう言葉では追いつかない、説明がつかないように感じました。

それは他のメンバーとあなたの優劣という話ではなく、本当にそういう表現がそぐわないのです。何故なら他の「一皮むけた」メンバーであれば決して起こらない「あの時の動き」をしたかと思えばまた、「クラオンニ」になり、目を離したすきに「さくらたんlv100」になっていたりもする……。

かつて筆者はそれをどうにか「パッケージング」という言葉の檻に閉じ込めようとしましたが、無駄なあがきでした。まるで仮面ライダーウルトラマンのフォームチェンジのような、特撮めいたスイッチングのすさまじさは本当に末恐ろしく、あなたにとってはアイズワンすら(もちろん言語にできないような愛着のある)枷だったのではないかとすら思うことがあります。

さくのきの「ネッコヤ」に至って、完全に、宮脇咲良、人か魔か神か、という領域に至りました。

なので結局、筆者があなたに贈る言葉はたった一つ、「ありがとう」です。

クォン・ウンビさんへ

一度の挫折を経て戻ってきた練習生生活、掴んだチャンス。またもあなた自身に何の負い目もないのにやってきた試練。

アイズワンがアイズワンで二年半あり続けられたこと。十二人であり続けられたこと。間違いなく、あなたがリーダーでなければ不可能だったことだと思います。本当にお疲れさまでした。ありがとうございます。

ゆっくり休んで、もっと自分のことを考えてほしいと思います。

あなたがいたから楽曲が締まりました。アイズワンが誰にも真似できないグループになりました。

文面から温度が伝わるような日本語のメールが大好きでした。

もっともっと感謝の言葉はありますが、どれも陳腐になってしまいますのでこの辺りにしておきます。

アイズワンとは、クォン・ウンビが守った宇宙でした。

ありがとう、お疲れさまでした。

 

日が替わるのでこの辺りで。

さようならアイズワン。

おかえりアイズワン。

もっともっと、道草してきて良かったんだよ。

もっともっともっと、お土産話が聞きたかったよ。

でも今は、ありがとう、おつかれさま、おやすみなさい。

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