余談
ブロクリ2024を初めて参加はもちろん、それ以外の様々ポジティブな反応を頂けてとても嬉しい。(はてなブログTOPにも拾っていただいたらしい。やったー!)
とりわけ意外だったのが筆者が常日頃寄稿いただいた方について思っていることや感謝、憧憬、そして記事への感謝と感想を述べているだけのこの記事群が結構好評であるということであった。年末になり慌ただしい中でいわば備忘録として、また筆者の観測範囲に蠢いている「どうせ書いたって読まれないから……」と謙遜が行き過ぎている人々への「これで誰も読まないなんて言わせないぞ」という牽制の意味も込めて始めたことなので、喜んで頂けるととても嬉しい。
故に筆者はまた、今までの自分のスタンスにも後悔していた。今日にいたるまで沢山の素晴らしい記事を読んできたのに、その素晴らしさを書き留めることをどれほどサボってきたことか。常日頃そのようにしておけば今、いつの間にか一週間分たまったブロクリ2024に寄せられた記事に嬉しい悲鳴を上げずにクールにおっとありがとうございます。感想はこちらです(スッ……)できていたのではないかと。
とりわけねじまきさんについて、筆者はそう思ってしまうのである。
ねじまきさんはメインブログ「世界のねじを巻くブログ」の他、いくつかブログを運営されている方で、その話題の豊富さと語り口の確かさもあって公式から取り上げられる機会も多いように思う。筆者はその中のどこかで記事を拝読し、そのまま読者登録をした。いつしかねじまきさんも弊ブログの読者登録をしてくださり、かわいらしいねじまきアイコンが自分の書いた記事に添えられていることがあると筆者はその記事をさらに好きになることが出来た。
「世界のねじを巻くブログ」はほとんど一つのメディアである。もちろん、ブログというのは筆者のような場末ブログであってもメディア、一つの言論の場として責任をもって襟を正して更新するべきであるのだが、そういうことではなく、情報のキュレーション精度、それへのコメント、スピード、テクニックが筆者にはねじまきさんが1人で更新されているとはにわかに信じられないほどかっちりとしているのだ。
なので筆者はいつも読んだ後、雑誌を読んだ時のようにああ面白かった、と次へ移ってしまいがちであった。コンテンツの先にいるねじまきさんにブックマークやツイートで面白さを伝えられることは出来たはずなのに、怠ってしまっていた。今からでもここで多少なりとも記録しておきたい。
例えばこの記事は灼熱のインターネットを駆け巡ったのでご存じの方も多いのでは?
ワリオランド3嬉しいなあ~ てかHP残ってるから偉いよな任天堂は… https://t.co/JYQtoixku4
— 木本 仮名太 (@kimotokanata) 2023年2月8日
少し前に小学生のころやりこんだ「ワリオランド3」がswitchで配信された時にHPが残っていて感動した筆者としてはわかる……と腕組みをしながら深く頷いてしまうんである。例えばもう少ししてから熱狂した「仮面ライダー龍騎」のHPはもう現存していないもんな……城戸真司が書いた記事とかあったのだが。(インターネットアーカイブに残ってはいる)
最近の「推し」を10個ほど語る回 - 世界のねじを巻くラジオ【ゲイのねじまきラジオ】 | Podcast on Spotify
任天堂についてはPodcastでも語っておられる。柔らかく聞き取りやすい声は仕事終わりのカーステレオから流すと首のあたりがほぐれていくような気持ちになる。
ねじまきさんきっかけでよく見るようになったサービスもしばしばあって、直近ではこれ。わびさびというか一期一会というか、一度開くとしばらくの間ついつい見入ってしまう。
2016年の4月から年末まで毎日更新されたブログは2017年から少し更新頻度が落ち着き、ブログ開設から約1年半でねじまきさんはブログ上でカムアウトされた。一連の記事をクリックした人は目にされたであろう「ゲイが独自の視点で、海外記事/映画/書評/音楽/Kindle/Lifehackなどについてお伝えします。」という紹介文誕生の日である。
筆者はマジョリティの道を疑問を持たず歩いてきた、九州田舎の「男らしさ」というものを直接的間接的に浴びせられてきた人間で、情けないことにLGBTQ+の方々への理解には乏しい。そうした時に、ねじまきさんはまさに筆者の蒙を啓いてくれる頼もしき一灯でもある。
最近更新がなくて寂しいのだが、別館とでも言うべきドーナツレターはLGBTQ+に関するトピックを特にまとめて取り上げてくれていて、筆者のような人間が人に照らしてもらうのではなく自分で探っていくための最初の一歩となるような情報が多くて大変助かっていた。逆に言えば杞憂だったらいいのだけれど、ねじまきさんにまだまだ気を遣わせてしまっているようにも思い、もっと「世界のねじを巻くブログ」本体でもそうした記事を読みたくもある。その日更新した記事が、ねじまきさんが一番投稿したかった記事であることをただ信じている。
本題
余談が、ながくなった。
ねじまきさんの音楽への造詣は深い。
ご自身でDJ MIXも作っておられるし、(vol.1,2が聴けなくなっていて残念)文字通り地球の裏側のブラジル音楽をさらっとdigされることもある。
この辺り先月末にSpotifyで適当にランダム再生をしていたら「Bunny girl」が流れてきて「なんていい曲なんだ! みんなに教えてあげなきゃ」(Spotify1位)などと思っていた筆者とは雲泥の差である。もはや筆者はアルゴリズムに隷属し、配給される喜びを疑わず、音楽を知った気になってハイになっていて感度失っていくことしか残されていないのだろうか。
そう思っていた時にねじまきさんのキュレーションによって筆者の目の前に現れたのがROVRである。どこでどうやって収益を上げているかわからないのだが広告もなく無料で切れ目なく人力でチョイスされた音楽が流れてくる。もちろんアルゴリズムも「チャットモンチーの『恋の煙』の後にベースボールベアーの『すべては君のせいで』を流す」など唸るしかないチョイスを叩き出す時もあるが、筆者のような音楽門外漢でもプロの「繋ぎ」はテンションが上がる。UIはすべて英語だが、そんなに難しくはなく、直感的に利用できる。
残念ながら筆者はDJについても詳しくなく、チャーミングなポーズをしているこの男性も楽曲の提供者なのかDJその人かもわからなかったのだが、(たぶん後者)どういう感じでDJをするかがその下に端的で書かれており、参考になる。もちろんあえてよく読まずに空いた時間にふらりとクラブにのぞきに行くようにその日その時間のDJに会いに行くのも楽しかった。
それこそSpotifyではAIが生成した音楽に関する問題などもある中で、人間がしっかり選んだ曲を聴く、というのはずいぶん安心できるように思え、気分はハイになりながらもリラックスするという不思議な経験ができた。
数少ない欠点と言えば大抵のアプリはヘッドホンやカーオーディオとBluetooth連携が途切れると一回停止するのだが、ROVRはそんなことなく突如スマホ本体から爆音が弾け飛ぶことだろうか。必ず主導で停止ボタンを押してから接続を解除するようにしたい。
丁度直近の更新でも「信頼できる人間をフォローしておく」ことの大切さをねじまきさんは述べておられるが、筆者にとってねじまきさんとはまさにそのような存在である。
こうしてみると、ねじまきアイコンが世界の事柄を幅広くキャッチするアンテナにも見えてくる。