カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

もうすぐ消えるはずの平成(せかい)で

余談

オウム真理教を知っているかって? もちろん。

あの地下鉄サリン事件の時、筆者は幼稚園生だった。それまで親父の読み終わった「週刊少年ジャンプ」や「週刊少年マガジン」を読んでいたけれど、ついに「自分の漫画雑誌」として「月刊コロコロコミック」を買ってもらうようになったのが95年のことだった。早速、「間違えて別冊コロコロコミックを買ってしまう」というありがちなミスを犯してしまったりもした。

どういうニュースかは覚えていないが、「麻原彰晃こと松本智津夫」が頻繁にテレビに出ていたことは覚えている。明確な「悪」として。麻原彰晃なのか松本智津夫なのかどっちなのだ、と混乱したことも覚えている。同じ人間が名前を二つ持っているということが理解できなかったのだ。

八十年代の終わり、平成の始まりに生まれた筆者にとって、オウム真理教とは物心ついた時には既に「テロ集団」としての代名詞であったし、「宗教とは胡散臭いものだ」という偏見を強力に育てることにもなった。

もう少し大きくなって、自分がモラトリアムに突入する辺りで、結局のところオウム真理教というのはかつての日本赤軍であり、今の極度に日本を愛しすぎたり逆に為政者を憎みすぎたりする人々のように、「果てのない夏休み」を生き続ける人たちなのかもしれない、というように思えて来た。

恐らく普通に生きてきたら少年少女は大人を憎んだり、嫌ったりするフェーズがあるはずである。例えば反抗期のように。人間にとって成長するということは、大人を憎み、そしてやがて生存本能として次世代に憎まれているという感性を鈍麻させながら憎まれていた大人になっていく、と言い換えられると言っていいかもしれない。

そのどこかでエラーがあったとき、人は大人になり切らず、ただ敵を作り続け自らは夏休みのゆりかごの中で永遠に揺られていたいと思ってしまう。相手にのみ責任を追及し、それは先鋭化していく。相対的に自分たちを特別だと思ったりもする。

そのパターンとあの時代の持つ終末的な雰囲気が最悪の融合を果たしてしまったのがオウム真理教という組織だったのではないか、と思う。そういえばMMRとかでもノストラダムスの予言を散々見たような覚えがある。

まあしかし、あれだけ仰々しく自分らを肩書で涙ぐましいまでに飾り付けていた連中が、「山田らの集団」みたいな身もふたもない呼称で扱われているのはなんだか笑ってしまう。こういう人たちの怖さは「神秘性」にあると思うのでどんどんダサくしてほしい。目覚めよと言い続ける彼らが長い眠りから覚めるように。9月1日に進むために。

本題

昨日松本智津夫を含む7名の死刑が執行された。オウム真理教関連の13人(この数字がまた、意味ありげに見えてしまって嫌になる)のうち凡そ半分である。関連死刑囚は同日に執行するのが慣例であって、ただし諸々の負担を考慮して7人に留めたらしい。

死刑囚というのは死刑そのものが刑罰であるから、基本的に労役が存在しない。いつ執行されるかわからないという状態も罰の一つであるのかもしれない。かつては執行前日に伝えられていたが、当日に自殺したことにより伝えられることはなくなったという。

筆者も物の本の知識のみで語っているので実際の所は違うかもしれないが、執行は朝行われ、刑務官の靴音の違いで察してしまう死刑囚は察するという。通常の房にオウム関連の死刑囚も入れられているのなら、分散したとはいえ大体各刑務所に2人くらいずついるオウム関連死刑囚は、他方は突然の死を告げられ、他方はかつての「お仲間」が死へ向かう所を察したはずである。

突然の理不尽な死をもたらした連中に同情する気など一片たりともないが、同事件の同刑罰を受けた人間に対して、この違いはいささかムズっとする。平等性が保たれていない気がするからである。

以下、引き続き執行されなかった他方は相方が執行されたことを知った状況と仮定して話を進めるが、なんだかんだ牢の中で二十年ほど暮らしてきて、(凶悪犯には適用されないが)恩赦もちょっと期待したり、井上に至ってはおまじないめいた再審請求(刑事訴訟法第442条では、再審請求が刑の執行を停止する効果を有しないことが明示されているが、事実として再審請求中は執行されにくい傾向にある。もっとも、昨年18年ぶりに再審請求中の死刑囚が執行されたのだが。井上のように)をしたりしている中、朝突然死を告げられ文字通り真っ逆さまに死に落ちていく恐怖と、それを知り、改めて自分の確実な死を思い出し、またそれが恐らく近々であることを噛みしめながら生かされる恐怖というのは少し毛色の違う恐怖であり、繰り返しになるが同事件の同刑罰を受けた人間に対する平等性という観点から言えばなんだか腑に落ちないのである。後者の方が、現在で少なくとも二日長生きしている点も含めて。

法律というのは基本的に玉虫色の解釈をしやすくしているのだろうが、死刑は判決決定後○○日以内とか明文化すると、色々と省ける手間があるんじゃないだろうか。前述のように、いつ執行が訪れるかわからない不安を刑罰の一部とする解釈であったり、またもちろんあってはならないことであるが冤罪の可能性を考えてしまうと難しいかもしれないが、前者においては○○日「以内」とすることである程度その性質は残せるのではないだろうか。

しかしこれだけの規模、事前に段取りが決められており今更動かしようがなかったのだとは思うが、この未曽有の天変地異の中、大規模執行というのはもうちょっと何とかならなかったのだろうかとは思う。恐らく蜂起を警戒して各地の関連施設にも人員を割いていたりしたのだろう。この1大ニュースになんとか出社したり支持を出したりしなければならなかった人もいたのだろう。それらの人々は災害は大丈夫だったのだろうか。

そうして厳戒態勢で張り込んでいた人々が居合わせた災害で被災者を救助しましたといたニュースが、語られないとしてもそういった出来事が、どこかで起きていれば少しは救われるのにな、と思う。

末尾ながらオウム真理教関連事件にて犠牲になられた方に心よりお悔やみ申し上げますとともに、特別警報に関連する災害による被害の1日も早い復興を願い、犠牲になられた方にお悔やみを申し上げ、被災された皆様方にお見舞い申し上げます。

 

柳に風、桂に歌。あるいは定額音楽サービスで落語を聞くという選択

いずれ人は死ぬ

関さんがおいらに言った最初の言葉さ

存在がでけえとついつい忘れちまうことだがな

――講談社刊・王欣太先生著「蒼天航路」より 

余談

人が生き物として人生を送るとき、「赤ちゃん」として生まれ、「こども」になり、「若者」になり、「おっさん(おばさん)」になり、「おじいさん(おばあさん)」になっていく。0歳と20歳と40歳は明確に違うが、60歳と80歳と100歳はみんな「おじいちゃん(おばあちゃん)」なんだなと考えると、「おじいちゃん(おばあちゃん)」の守備範囲ってそれまでと違ってだだっ広くそして終わりがないんだなと思う。当たり前のことなんだけど、なんだか本日しみじみそう思った。「おじいちゃん」まで生きられるかな、と思ったりとかして。

ひかりTVを休会した。スカパーと被りまくりだからである。ひかりTVの偉いところはネットで簡単に契約の0円塩漬けが出来るところである。電話は全然つながらなくて引越ししたての家具のない部屋で昼休み中ずっとだんだんとでかくなる保留音と熱を際限なく持ち出すスマホを思い出しちょっと暗澹たる気持ちにもなるがそれはそれとして食券制だから松屋大好き(頼むから早く鹿児島に進出して)という筆者にとって大変ありがたかった。

一方で困ったのがひかりTV休会とともに問答無用でひかりミュージックも塩漬けになってしまったことだ。「かってに改造してもいいぜ」があったり坂道シリーズの配信が速かったりとなかなか筆者の好みにフィットしていてすっかり音楽を購入しなくなって久しかったので一気に音楽から遠ざかり、通勤中はyoutubeを音声のみで聞いたりし、たちまち容量が圧迫されたりした。っていうかいつの間にかパケット繰り越しが出来なくなっている気がする。

二年ほど前に引っ越してから勤務先まで車で十分程度になってしまい、朝は大体ニュースを聞くし、遠出の時はDJ妻に任せるので、余り自分の娯楽としての音楽を意識しなくなったかのように思ったが、やはり選択肢が減ってしまうととたんに息苦しさを感じるようになってしまった。意識しなくなったのは必要性が薄れたからという訳ではなく、空気のように必要不可欠だったかららしい。

仕方がないのでGoogleplaymusicのお試しに入ってみた。前も入っていて、ひかりミュージックと駄々被りなので解約した記憶がある。こういうことばかりやっているのである。spotifyはpremium三か月無料の間にライフイズストレンジの楽曲をひたすら聞いていたのだがいつの間にか「keystone」がなくなっていたので解約してしまった。Amazonprimemusicは既に利用しているが、やはりこれだけでは痒いところに手が届かない感じがある。かといってアンリミテッドまでするかというと……Googleplaymusicとちがってlifelog(Xperiaのアプリ)との連携が弱いのもつらい。audibleはさすがに月四桁は高すぎたので司馬遼太郎先生の短編をざっと聞いて解約した。でも銀河万丈淀殿を熱演するのは多分audibleだけ!

本題

落語に興味があるけど敷居が高くてなかなか、という人は多いのではないか。実は上記の定額音楽サービスには全て落語が収録されているのである。

落語というのは勿論演者の所作も重要であるのだが、音声を聴くだけでも存外楽しめる。音声のみであるから想像がより広がり、かえって落語を身近に感じることもあるかもしれない。

既に上記サービスを利用されており、かつ落語に興味のある方は是非ご一聴をお勧めしたい。検索に「落語」と入れると思いのほか出てくる。

悩ましいのはあっちにあるけどこっちにない、というものが多いところ。

初めてでも聞きやすい「井戸の茶碗

「井戸」で「茶碗」というとすわ番町皿屋敷のようなホラーものと思われるかもしれないがさにあらず、ここでいう井戸の茶碗とは高麗茶碗ともいわれる名物のことである。この話のいいところは、

・悪人が登場せず、ハッピーエンドで終わる(優しい世界)

・三十分前後で終わり、落語の中では比較的短く聞きやすい

・登場人物が少なく、展開が追いやすい

というところで、筆者も大好きな噺である。大定番ということで、演者こそ違うがどの配信サービスにも収録されているようだ…と思ったがprimemusiにはなかった。(アンリミテッドにはある)

特に筆者は古今亭志ん生師匠の「井戸の茶碗」が最高なのだが、ひかりミュージック以外では筆者が好きなバージョンは配信されていないようである(Googleplaymusicでは以前配信されていたのだが……もしかしたらひかりミュージックでも配信停止されているかもしれない)audibleでは別バージョンが配信されているようだ。その噺し方は強烈に「江戸」を感じさせ、とはいえ横文字だって使うしちょっと話を端折ったりもする。飛ばしたりもする。その空気感自体がなんだか大師匠にこんなことを言うのも失礼な話だが、可愛らしくて面白いのである。それがこの井戸の茶碗という優しい話に何ともマッチしていてよい。

桂歌丸師匠の「井戸の茶碗」も聞けるが、歌丸師匠の演目でおすすめは「宿屋の富」

Googleplaymusic、audible、spotifyには桂歌丸師匠の「井戸の茶碗」も収録されている。ちょっと硬い声質が武士のプライドを表しているようでまた違った味わいがある。

ちなみに桂歌丸師匠の演目の中で定額サービスで聞けるものでは「宿屋の富」が筆者としてはおすすめである。ちょっと高飛車な感じが圓楽師匠をあしらったりあしらわれたりの在りし日の師匠をいい具合に思い出させてくれる。

先代圓楽師匠の演目も収録されていて、同じく筆者のおすすめは「あわびのし」ボケとツッコミの温度差が面白い。「大山詣り」もいい。 

定額で物足りなくなったなら

ここを訪れるような読者諸賢においては新作落語も是非お勧めしたい。筆者のおすすめは何といっても立川志の輔師匠。ぜひ「ディアファミリー」を映像でご堪能いただきたい。落語は古臭いものではなく、現代に通じるエンターテイメントであることがきっとわかっていただけるはずである。

 

現在配信されている落語の音源は、筆者どころか筆者の父すら生まれていないときに収録されたものもある。師匠たちの噺にあわせて、多くの笑い声がかぶさる。老若男女がいることがわかる。その声の主の多くは今は生きてはいまい。けれど彼ら彼女らのその日その時の声は、欠かせないスパイスとして今後も生き続ける。無論主役としての師匠たちの噺も。

人はいずれ死ぬ。それまでに何をどれだけどのように遺せたかが人というものの一つの指標となるのならば師匠方のそれは最高の一言に尽きるのであろう。

繋がれた箱の中の愛の撃ち殺し方、あるいは封神演義外伝および覇穹 封神演義最終話までの感想

封神演義全般に対する致命的なネタバレがあります。

封神演義外伝感想

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封神演義外伝」最終話読了後の筆者(イメージ)

こ…これだよ読者が求めていたモノは! といった感じであって、外伝ものに期待するお祭り要素が生かされていた。こんな華やかな場には当然、趙公明がいてしかるべきであるし、太公望は策士であるし、妲己もそれ以上の策士だったりする……というあまりに本編と地続きなまるで連載終了後半年のような違和感ない連続性には改めて驚かされた。太公望が過去の仲間たちに告げた久々の再会へのお礼は、読者たちがそのままキャラクターたちに抱いた気持であったことだろう。

ちなみにゆるキャラっぽい見た目の「羽翼仙」は原典では蓬莱島の仙人。申公豹に唆され、太公望にクレームをつけ、哪吒に煽られ、元始天尊にディフェンスされ、燃燈道人に弟子にされる、というなかなか濃いキャラクターである。その後、原典でも孔宣と対峙し、敗れはするものの孔宣の正体が鳥であることを見抜く、というキーパーソンとなっている。これが藤崎先生のアレンジが加わると怪獣総進撃となるのだからさすがである。

孔宣との別れ際、太公望は悠久の時を生きる彼相手にも再会の約束をする。思えば太公望もまた最初の人としてある種無限の孤独を味わい続けて来た立場であるから、その言葉は重く、またそこに偽りはないことを孔宣も感じ取る。これが主人公であるな、としみじみ感じた。本編において、太公望太上老君にはるか未来、騒乱の果てに何もなくなってしまうことを示唆されるが、もしかしたらあれも孔宣のうっかりだった可能性もあり、今回のことを踏まえ、あの歴史も変わっているかもしれない。断言はできないけれど。導はなくなったのだから。

最初の人残り二人(と、そのスーパー宝具)がしっかりとした描写なく終わってしまったのは残念。神農がほぼほぼ話を進行させる装置であり、意味ありげな表情もセリフも意味ありげなままで終わってしまったのもやや肩透かしであった。ちょっと打ち切り漫画が最後に駆け込みで考えていた設定を詰め込む、みたいに見えてしまったのも重ねて残念。そのあたりまで含めたギャグであり、また今後のさらなる続編への種まきだと思いたいのだが……。またライフワーク的に外伝をやって欲しいものである。

ちなみに最初の人残り二人(燧人・祝融)は伏羲、女媧、神農と同じく古代中国の神であるが、一般的には前漢司馬遷史記」にのっとって伏羲、女媧、神農が所謂「三皇」とされるところを、後漢の班固「白虎通」では伏羲・神農・祝融に、応劭「風俗通」では伏羲・神農・燧人 になっていることを考えると、そこからこの五人を同等の存在として「最初の人」の元ネタとして引っ張ってきたのかなと考えられて面白い。そうなると、西晋の皇甫謐「帝王世紀」では伏羲・神農・黄帝 となっているので、もしまた続編があるとしたら、「もう一人いた危険思想の最初の人」としてラスボスで「黄帝」が出てきても面白そうだなあと思う。

まずは単行本、そして断崖絶壁今何処の復活を切に楽しみにしたい。

 

覇穹 封神演義感想

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覇穹 封神演義最終話視聴後の筆者(イメージ)

覇穹 封神演義の良かったところ

・楽曲がいい(特にOP一期は歌詞まで含め最高。MVフルで見ると途中クレイジーに磨きがかかるのもご愛敬)


Fear, and Loathing in Las Vegas - Keep the Heat and Fire Yourself Up

・背景美術(中国の烈々たる風景、神仙世界がよく表されていた)

・地裂陣の戦闘が詳細に

・声優さんの演技

覇穹 封神演義の悪かったところ

・大体上記以外のすべて

何故目の前の正解を打ち捨ててしまうのか

ぼくは、せつなかったけど、あいつらには、こういった。「いやあ、こりごりだよ……」

 

あのときの王子くん(LE PETIT PRINCE
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ著、大久保 ゆう氏 訳より引用

あれはもうどれくらい前になるか……封神演義が再アニメ化すると知ったとき、その嬉しさを忘れられない。その時の筆者には素晴らしい原作に沿った丁寧なアニメ化、Twitterトレンド入りするいわし占い、ハンバーグによる初見勢の阿鼻叫喚、趙公明編での突然のアバンでの私立アンニュイ学園、BD特典で私立アンニュイ学園30分アニメ化でざわつくTL、そして2クール(趙公明編終了くらいまで)完走後、続編製作決定に再び湧きたつ古のオタクたち……までが一瞬のうちに幻視されたのだが、残念ながら叶うことはなかった。

覇穹 封神演義は完結した。完結後、筆者は自分の部屋に行き、2時間眠った……ことはその30分後にPRODUCE48が控えていたのでなかったが、うつろな精神が夢に向かって頑張るアイドルたちを見ることでいくばくか回復し、暫くして、沢山のことが失われてしまったことを思い出し、沈痛な気持ちになった。

ごっつあん主人公・太公望

策もなしに王宮に突入し、同族を失い、フィーリングで武王を見出し、楊戩に信頼という名のやりがい搾取を働き、戦いの最中に敵の参謀とよくわからない部屋でいちゃつき、やけに作画の良いゴマ団子にしてやられ、父を救おうと必死な黄天化に何か代替案を示すでもなく静かに首を振り、皆がボコった聞仲をおいしく退治した後、なんかすごそうなやつは妲己ちゃんになんかいい感じにしてもらって、バックレた上になんかコスプレをしました。おわり。

なんだこの主人公……。

殷の父(絶賛ネグレクト中)・聞仲

まあなんか殷とは昔から色々あってわしがいないとダメなんだよね。武成王もいれば最高なんだよね。えっ武成王裏切るの…? 周つぶすわ……肩入れしている崑崙ごとつぶすわ……えっ四聖が封神されたの? 舐めプしてたら結構なダメージ食らったし武成王も封神されちゃったけどペガサス編の海馬みたいな感じでかっこよく決めるわ……我々がお空で不毛な戦いを繰り広げている間に地上の大勢は決して殷王朝はもうぼこぼこで紂王は何したかわからんけど何かした副作用によって一気に老いさらばえたけどまあ敬意を表して一礼したからセーフでしょ……朱氏も褒めてくれたし……最後はなんか武成王…飛虎も温かく迎えてくれたし…張奎? 知らない名前ですね……。

なんだこのライバル……。

 

続・何故目の前の正解を打ち捨ててしまうのか

素直に時系列に従ってアニメ化をするという正解が転がっていたのにどうしてこんなことに……。仮に2クールまでという期間ありきだったとしても、その範囲で原作を忠実にアニメ化していれば、きっと多くの支持が集まり、続けての製作が期待できたはずである。それを原作の要である仙界大戦に絞り、でありながらあちこちつまみ食いしたことによって、だれも望まないキメラが出来上がってしまった。というか、時系列シャッフルだとばかり思っていた部分が実は同時進行だったということで、特に聞仲の駄目太師ぶりは言語に絶することになってしまった。

原作では聞仲が封神される(この時点では紂王は妲己も離れている(蓬莱島に行っている)ため有能な君主に戻り殷は安定を取り戻しつつある。その状態の紂王へ聞仲は一礼する)→妲己帰還。抑えに残していた四聖は改造された紂王により封神される→殷再び荒れる→殷周の雌雄を決する牧野の戦い。殷は敗北する→力を失った紂王は一人朝歌へ……この国にもう、王などどこにもいない……。

ということで聞仲封神によっていよいよもってタガが外れ、殷は崩壊へと向かう――考え方によっては聞仲が「我が子・殷のため全力を尽くしていた」ことによってギリギリまで踏みとどまっていたものが決壊してしまうということがよくわかる構図となっているのだが、アニメでは最終話、ボロボロになった紂王と聞仲が対峙することによってこの流れが一切崩壊してしまい、モンスターペアレンツ気味であった原作とは正しく対照的にひたすら殷を放置していたネグレクト野郎と化してしまった。

歴史の道標、というか最初の人関係についてもあーもうめちゃくちゃだよとしか言いようのない状況で、アバンで既に女媧について散々言及しておきながら元始天尊が本編で原作通り「歴史の道標……(キリリィ…オモワセブリィ…)!」するのは完全にもしかしてギャグでやっているのか!? 案件である。最後に「これより封神計画をはじめる……!」とか言われても終わったよ……もう何もかも……っていうか終わらせられていたよ気づいた時には……と空しい思いしかこみあげて来ないのである。最終決戦の説明は一切何もなく、妲己ちゃんのグレートマザーの説明すらなく、よくわからんけど何とかなったんだなということしかわからない。歴史の改変はいけない、歴史の道標を外れ人が自立しなくてはいけない……ということが原作の本筋であったように思うが、このアニメを視聴して生まれるのはもう一度ぶっ壊してやり直したい…という主人公によって否定されたラスボスの思想である。まあそれもアニメでは主人公が否定すらしてくれていないんですけどね。というか仙道達については仙界が消滅して人界に降りてきたところで終わっているからそもそも建前の「仙人のいない人間界」を達成できていないのである。

青い髪の人々への製作者の過剰な思い入れがなければ尺としてももうちょっと何とかなったと思うし、総集編をやらなければさらになんとかなっただろう。思い出したように雷震子ほかを出す意味不明さにはもはや清々しさすら覚える。

夏目漱石は死後、検死解剖された。(ということで東大には今も夏目漱石の脳みそが標本として残っている)この時、弟子代表の小宮豊隆漱石神社の神主の異名を持つ)は何度も卒倒しながらも最後まで見届けたという。筆者がアニメ版を視聴している間、同じような心持であった。今はただ喪に服したい。黄天化のファン諸賢においては課金しないと喪にも服せないというのはさすがにひどすぎると思う。24話。12時間あったら、色々できたな……。

蛇足・原作未読の妻の感想の推移

序盤

妲己ちゃんがかわいい! 原作は結構飛ばされてる? 気になるな~完走したら原作もチェックしよ!

中盤

えっ先週飛ばして無いよね? 混乱してきた…原作読もうかな…意味が分からなくなってきた……。

終盤

暫く封神演義って単語を見たくない……。 騙されたと思って原作を読んで? もう騙されたくない……。(切実)

 

原作は本当に面白いんです!!!!!

夜はすべての猫が灰色に見える あるいは一人暮らし一年目よSTU48の「暗闇」を聴こう

今年の妻の実家帰省時に撮影した瀬戸内の風景。向かいに見えるのは宮島である。

なんかGooglephotoにアップロードしたらおしゃれな感じにフィルターをかけてくれた。(下図)


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【MV full】暗闇 / STU48 [公式]

はてなダイアリージャスラックと提携していない(アメーバブログとかはしているらしい)のでひとまず上のMVをご覧いただいたり、こちらで歌詞をご確認いただきたい。

秋元康という人は毀誉褒貶の激しい人だが、やはり作詞家として純粋にすごい人なのだな、と改めて思わされる。彼自身は富・名声・地位この世のすべてを手に入れた壮年であるはずだが、なぜその状況に置かれてもなお、こんな自意識が肥大化しがちな思春期を過ぎたと自分では思い込んでいる青春スーツばっちり装着中の若者の思考をトレースしたような歌詞が書けるのだろう。

STU48は昨年発足した国内AKBグループの末っ子グループで、広島のFFといえばファイナルファンタジーよりこっちだろでお馴染みフラワーフェスティバルより本格的な活動を開始した。STUは「瀬戸内」を意味しており、瀬戸内7県を主な拠点として活動するグループである。特色として「劇場船」を持ち、各港に寄港して公演を行う、というものがあるのだが、残念ながら現在まだ完成していない。

上記の「暗闇」は今年1月31日に発売されたデビューシングルである。デビューシングルに随分とネガティブなタイトルだな、と思ったが(サムネも何やら不穏に感じてしまう)聞いてみると透き通った声と切れのいいリズムについ聞き入ってしまう。ちなみに作曲は朝ドラの主題歌となったことで知られるAKBグループのカップリング曲で最も有名だと思われる「365日の紙飛行機」の作曲もされたaokado(青葉紘季さん、角野寿和さんのユニット)が担当されている。

瀬戸内、広島という場所は大学時代の4年間を過ごした、そして伴侶の故郷でもある、筆者にとって特別の思い入れがある場所である。とはいえお陰様で日々をそれなりに忙しく送っており、思い起こすことはあまりない。ところが、今回「暗闇」を聴いたときに10年前のあの頃が鮮やかに浮かんできた。誰にも何も言えない時、人はウェットでポエトリーになりがちだ。それは次の自分になろうとして殻を内側から引っ掻いている状態であったりするのだが、当の本人はなかなかそのことに気づけない、そんな頃を改めて俯瞰的に教えてもらったような気分になった。同時に皆そうなんだな、と思った。社会性の獲得は自己愛の喪失とある程度比例するように思う。

歌詞の中に、瀬戸内にいればこそ自分が今どこにいるかがわかる、というような部分がある。鹿児島から広島に出てきて、ときどき、そう、それこそ瀬戸内海を見た時などに筆者は、「ああ、ここには桜島がないのだ」とふと思っていたことを思い出す。どんな出身地でもそういったランドマークは少なからずあるはずだ。けれどそれが地理的な意味ではなく、自分の精神的な立ち位置にもある種作用していたことは、出てみないとなかなかわからないものである。自分とは逆に、瀬戸内が故郷である人を妻に迎えてようやく、筆者は瀬戸内のある種の呪縛から解かれたのかもしれないと改めて思う。

ちなみに弟2號機は熊本に進学したとき「熊本には太陽がない」と智恵子抄のようなことをぽつりとつぶやいて妻を驚かせたが、これは恐らく鹿児島の地場スーパー「タイヨー」のことである。鹿児島県民の8割は百均市のBGM、または明るいタイヨー家族の歌を脳内再生できるといわれている。

進学したり、就職したりして一人暮らしをはじめ、よくわからんうちに4月が過ぎ、順調に5月病になり、6月は梅雨でますます鬱々としている読者諸賢は、是非「暗闇」を聴いていただきたい。そういうときというのは誰にでもあることで、貴方が他の人と比べて劣っているとか歪んでいるとかそういうことは一切なく、夜明け前が一番暗いということがわかっていただけるはずである。

そしてこの曲では残念ながら選抜されなかった筆者的一押しメンバー甲斐心愛さんが次回シングルで見事選抜となったので(めでたい!)見せてもらおうか……筆者の支持する甲斐さんの選抜ぶりとやらを……といった風に次回シングルを楽しみに生きていただければこれに勝る喜びはない。

瀬戸内(特に広島)では様々な番組に出演しているらしきSTU48であるが、なかなか全国ネットでは見る機会がない。

Huluではセトビンゴ!が配信中であり、MCもメイプル超合金さんで安定感があってのんべんだらりと見られるので加入して絶対に見た方がいい! とまでは言わないが、すでに加入済みであるならよかったら見てください、心が平和になりますよ、といった温度でおすすめしておきたい。ZIP!でお馴染み桝アナウンサーのカープ愛もわかる貴重な番組である。

www.happyon.jp

 

かごんま弁警察がやってくる んもすッ! んもすッ! んもすッ! あるいはゴールデンカムイ14巻感想


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余談

大迫勇也さんが(おお、変換候補に出て来た)半端ないということで、同郷人のはしくれとしては嬉しく思う。

思い出す、あの鹿児島城西VS広島皆実の決勝戦を。当時筆者はこともあろうに広島皆実高校のすぐそばでアルバイトをしており、休憩時間に小さなテレビで完全アウェイの中鹿児島城西を応援したが、空しく敗れたことを残念に思っていた。その後、一人二位のメダルを良しとせず、すぐ外した選手がいた、ということがネットニュースか何かで知った。それが大迫選手だとは今日のワイドショーで知った。

筆者が時々お邪魔していて、このブログでも取り上げたことのある「わっか」のご主人は大迫選手と親交があり、店内にサイン入りユニフォームがあったりもするのだが、「鹿児島城西のサッカー選手」と「日本代表の大迫勇也さん」はその時点では筆者の中でつながらなかったのだった。まさか年下だったなんて……。

関連して2010年の南アW杯を思い出した。深夜の放送、友人宅に集まり、ファストフードを持ち寄って眠たい目をこすりながら、リアルタイムで日本の勝利に歓喜し、岡田監督に皆で謝罪した。あんなに沢山あったW杯とコラボしたマックのグラスは一体どこに行ってしまったのだろう?

あの頃筆者にサッカーを解説してくれた友人たちは今、それぞれの場所で戦っている。そういえば、あの場にいた奴らいつの間にか既婚率100パーセントだな。あの頃は飲み明かすたびに女なんてとほざいてたあいつがねえ……となってくるとこれまた同郷、長渕剛さんの世界になってくるが、今や十年近く前になってしまった、筆者の数少ない大学生らしい思い出たちを呼び起こさせてくれるあたり、やはり大迫さんは半端ないようである。

本題

ゴールデンカムイ14巻収録分(第140話)までのネタバレがあります

門倉さんのCVは藤原啓治さんがいいなあ(挨拶)という訳でゴールデンカムイ14巻は一週間前からkindleで予約注文し、今か今かと夫婦で待ちわびていたのだが、当日は「ストアでは購入したことになっているのにライブラリには表示されず、ダウンロードしても0%から進まない」という状況に悩まされた。ストアランキング一位だったりしたので混雑していたのだろうか?

今回も濃密、あっという間に読み終わってしまい、尾形を敬愛する妻がすでに限定版を予約済みの9月発売の15巻が待ち遠しくて仕方がないといったところである。15巻収録分以降は、大体、封神演義外伝のために買い始めたころと被るので空白を埋められるのでは……と考えたがそうするとそれまでヤングジャンプを買い続けることになるのか……。筆者はついていけるだろうか、外伝のないヤンジャンのスピードに。

ともあれ15巻、筆者はゴールデンカムイを語りたい、同好の士と大いに語りたいのだが、大体本誌基準に皆さんは話を進めているので軽くネタバレを被弾したりしてこの様なネットの隅っこで細々と単行本基準のネタバレをしようという次第である。同じ境遇の方がいたらお話ししましょう。

第七師団の吶喊

狂気が交錯する網走監獄、その中でも相変わらずダントツの狂気を秘めているのは鶴見中尉であった。監獄側を鏖殺すること前提の中央への弁明が淡々と出てくることの恐ろしさ。その提案を粛々と実行させる統率力の恐ろしさ。監獄側が放った禁じ手、凶悪犯たちの解放を文字通りなぎ倒していく第七師団は正しく鬼に会えば鬼を斬り、仏に会えば仏を斬る最強の部隊であった。血化粧を纏っていく見開きの第七師団は、恐ろしくも荘厳ですらあった。

犬童の呪縛

他方、土方チームは「本物ののっぺらぼう」の元へ向かう。それは教誨堂。ま…まさかシスター宮沢が「本物ののっぺらぼう」……!?ということはなく、そこでは犬童が待ち構えていた。鎖の先に鉄球をつけての訓練は来る鎖デスマッチのためであったことがわかる。教誨堂で「死が二人を分かつまで」と言わせるセンスには相変わらず唸らされる。

ちなみに実際の網走監獄の教誨堂は重要文化財となっている。

www.kangoku.jp

漫画に出て来たそのままでテンションが上がる。行ってみたいなあ網走監獄。ちなみに今回の表紙写真は近所のショッピングモールで売っていた受刑者の作業で作られたスマホケースである。この頃はゴールデンカムイにハマる前だったので助かった。今ならもっと散在してしまっていただろう。

犬童が自分を肯定するためには「土方の屈服」が必要だった。が、それはいつまでも果たせず、逆に自らが土方に屈服することになる。が、その時の犬童の表情はどこか満足げである。もし兄が死んでいなければ、土方についていったのかもしれないとすら思わされる。「アンチは一番のファン」という言葉があるが、犬童も土方のことを調べるうちにある種憧憬が育っていったのだろう。が、それは自分の存在意義と両立しえない。どころか、兄の死を汚すことにすらなる。その並び立たぬ矛盾をようやく解決できたことに対する安堵の笑みだったのかもしれない。鎖に縛り付けられていたのは犬童だったわけである。しかし、地下室を見るに門倉さんスパイもろばれですね。

マタイの銃弾

真ののっぺらぼうはやはりアシリパの父・ウイルクだった。キリングマシーン・杉元のアシリパを人殺しにさせるのか、という叫びは悲痛である。チタタプしてヒンナヒンナしていてほしい。ほのぼの杉リパは公式。戦場から自分の魂を連れ戻してくれそうなアシリパを戦場にぶち込もうというのだからそれは怒りたくもなるだろう。

更に核心に触れようとするとき、一発の銃弾が正確にウイルクを射抜く。尾形である。続けて杉元も。それを手引きしたのはキロランケ。以前、最後の晩餐モチーフの構図があったときユダのポジションであったので気になってはいたが、やはり、といった感じ。覚悟はしていてもやはり残念である。一緒にラッコ鍋を食った仲じゃないか……。

自分で狙撃しておきながら、尾形は素知らぬ顔でアシリパとともに網走を後にする。やっぱり母性に飢えているのだろうか。

そして樺太へ……

まあふじもと(不死身の杉元の略)は生きているんですけど。谷垣の写真と間違えるのがギャグなのかマジで脳が損傷しているからなのかわからないのがこの漫画の恐ろしいところである。正しく呉越同舟の中、未知の地で未知のなんかモフモフしたのが出て来たところで次巻に続く……ということで続くが気になってやきもきしてしまう。収録最終話である140話はたまたま前回触れた筆者の推しメンである田中美久さんがヤンジャン表紙になった号であったので家にあり、読んでみたが最後の凶暴なモフモフが単行本でかなり緻密に修正されていたことがわかり驚いた。樺太ヤバイッ! 

他にも見つけられた加筆修正点として、

・フレップワインを連載時は中身が入ったまま投げている

樺太アイヌの女の子のマキリの反りが逆

・ヒグマもより緻密に

などがあった。てっきり谷垣の胸毛の増毛だけだとばかり……野田先生すみませんでした……。

表題について

さて今回は鯉登少将と杉元が語るシーンがあった。劇中で一番まともな「父」ではなかろうか。さすが野田先生、かごんま弁の再現度も素晴らしいのだが、それ故にほんのわずかな部分が気になったので現地住民としてはこのニュアンスの方がよいのではないか、というのを書いてみる。あくまで平成三十年の二十代男性の鹿児島県民の思うニュアンスであって、これが絶対という訳ではないのでご留意願いたい。

指揮官には大勢の若い命を預かる責任があっど

せがれには我から進んで困難に立ち向かい相応しい男になっくんやんせ

(中略)

娘ば利用しようちして育てたんとは絶対違どと思うちょります

――集英社刊・野田サトル先生著「ゴールデンカムイ」14巻 181.182Pより引用

さて読者諸賢、このかごんま弁の不自然な部分がお分かりになるであろうか。わからなくても大丈夫である。世の中で大切なことは梅雨時に張り付いてムカつかない肌着の選び方くらいなのだから。

標準語に直してみると、下記のようになる。

「指揮官には大勢の若い命を預かる責任がある

 せがれには自分から進んで困難に立ち向かい相応しい男になってくださいませ

 (中略)

 娘を利用しようとして育てたというのは絶対違うぞと思っています」

即ち、「あっど」「なっくいやんせ」「違ど」が文脈として不自然な単語である、ということになる(文脈として不自然なだけであってかごんま弁としては存在する)

「あっど」というのは標準語訳の通り常体であり、少将は杉元に対し基本的に敬体で話しているのでここでは「ありもす」が無難ではないかと思われる。ただ、他にも会話中で常体、敬体の揺れは見られるのだが、この会話は少将が自分自身に言い聞かせている側面もあるように見えるのでここ以外では特に不自然さは感じなかった。

「なっくいやんせ」は確実に適切でないといえる。この場合は「せがれ」に対してかかるので敬体であるこの言葉は不自然。「ください」と「ほしい」の意味の取り違えがあったのだろうか。これも「なってほしか」、「なってほしかちおもうちょります」などでよいだろう。

「違ど」というのはそれ単体で強い否定のニュアンスがあり、また「ど」というのは文末に来るときに活用される。既に「絶対」が使われており、また分の途中であるのでここで「違ど」が使われるのは違和感がある。(体言止め的な用法としても通所あまり使わないのでやはりむずむずする)直すとすれば「絶対違っち(ちごっち)思うちょります」あたりだろうか。かごんま弁は「動詞の促音+ち」で「~(動詞)だと」といった活用をされる。

まあ難しかこた考えんじ、いっど、薩摩におじゃったもんせ。

蛇足・妻の感想

公式がここまでやられたらもう…何も言えない(拝みながら)

可哀想だたあ惚れたつて事よ、あるいはPRODUCE48&第10回AKB48世界選抜総選挙感想

余談

博多座公演もはや3年前。これ以来、アイドルのイベントには参加していない。妻の現在の夢の一つに「AKBグループの公演を見る」があるらしいので、なんとか実現させたいものである。

妻の中でアイドル熱が再燃しているらしく、ここ最近でHulu配信のアイドル番組をザクザク見た。「さしきた合戦」「今夜はお泊りッ」「セトビンゴ!」など。もう完全に同世代というか妹というか親戚の子どもみたいな感じになっていて、ただただ「がんばれ…」という気持ちになる。目下の希望は「にいがったフレンズ」がHuluで配信してくれることです。

 

本題

PRODUCE48が日韓同時放送するという。

鹿児島の誇るアイドル・宮脇咲良さんが楽曲でセンターを務めるという話は聞いていたが、詳細は全く知らなかった。というか楽曲が出来ていてセンターも決まっているということは知らないうちにもう終わっているものだと思っていた。

そうではなく、収録されたエピソードを配信し、そのタイミングでリアルタイムで投票を行い、その結果によって以降のメンバーの生き残りが決まるというサバイバル番組ということを知り、またその初回放送が間もなく行われるということを知ったのは先週の木曜日であった。

ちなみに下記が楽曲である。とてもネコネコカワイイですね。あくまで暫定の序列であり、ここからいろいろな変動が――もちろん人数の絞り込みも含め――行われるのであろう。最初は圧巻の96人である。


[ENG sub] PRODUCE48 [최초공개] 프로듀스48_내꺼야(PICK ME) Performance 180615 EP.0

放送されるのはBSスカパー!であり、選抜総選挙も同様。ということで2週間無料お試しを使って乗り切ろうと考えていたら選抜総選挙は無料お試し対象外であってやはりうまく出来ている。観念して基本パックを契約した。

PRODUCE48#0感想

そもそもPRODUCE48とは、先程も少し述べたが、アイドルデビューを目指すサバイバル番組である。そういうコンセプトである韓国の人気番組「PRODUCE101」シーズン3にAKB48グループのメンバーを含めた、96名でスタートして、最終的には12名でのアイドルデビューを目指す、というコラボレーション企画として「PRODUCE48」が生まれた、ということであるらしい。

ということで、PRODUCE48#0は前回のシーズン2(男性アイドルグループデビューに向けたサバイバルであった)のメンバーが司会となってPRODUCE101シリーズのコンセプトや、PRODUCE48参加者のピックアップなどを中心として話が進んでいく。有り難いことに字幕がついているのだが、どことなく機械翻訳というか忍殺感というか味わいのある翻訳であり、ちょっと気になる頻度で誤字脱字文字化けがあったりする。まるまる字幕がないところもあったりする。まだ手探り段階なのだろうが、ここはもっと改善が見られれば良いなと思った。

司会の男性メンバーのことは全く知らなかったのだが、サバイバルを勝ち抜いただけあって、60分見終わるころには不思議と愛着がわいてきたりする。

参加者のピックアップ動画で特に気になったのはこちら。


[ENG sub] PRODUCE48 AKB48ㅣ코지마 마코ㅣ너구리가 있으니 안심하라구! @자기소개_1분 PR 180615 EP.0

参加者のPR動画はyoutubeに掲載されているのだが、まず目を引くサムネイルにしているのが上手い。また、「たぬき顔」は以前、彼女のコンプレックスだったのだが、それによって認知されることを受け入れ(前述した男性アイドルたちにも「たぬき顔で有名」として認知されている)、強かに利用したところにアイドル力を感じる。

PRODUCE48#1感想

さていよいよ本番、23時から翌1時半までという狂気の沙汰の放送枠だが、妻と2人ばっちり最後まで視聴してしまった。

正直なところ我々夫婦はK-POPには全く疎いので、韓国サイドの参加者(練習生と言われていた)や、その所属事務所の力関係などは全く分からず、とにかくそのルックス、スタイル、ダンスや歌唱スキルのレベルの高さに圧倒され続けた。

練習生たちは審査員たちの前でアピールし、それによって暫定的にA~Fのクラスにランク分けされる。最初の試練というわけだ。

その高いレベルで次々とA,Bクラスに振り分けられる韓国練習生たち。その中で、筆者のような門外漢から見てもどうみても残念な歌、ダンスをする、ルックスは百点満点の練習生たちは容赦なくFクラスが突きつけられていく。

戦慄する日本練習生=AKBグループの参加者たち。最初に舞台に立ったチーム8の2人は紹介で「日本でダンスバトルとボーカルバトルの1位にそれぞれなったことがあります」と最大限にハードルを挙げられる。が、それはAKBグループの内輪番組の1企画に過ぎず、気の毒になる下駄の履かせ方である。その先入観も仇になったのか、2人の評価はFとD。審査員からは「舞台に上げられるレベルに達していない」という厳しい言葉が出る。その後もAKBグループへの酷評は続く。「ダンスがあっていない」「オーディションで何を評価されたのか?」 などなど。メンバーの目から次々と涙がこぼれていく。

そんな中、「日本のアイドルは正確さよりも愛嬌」というフォローをすぐに打ち出した今田美奈さんは素晴らしかった。

アイドル達も、そして審査員も「求められるアイドル像」の日韓の違いに戸惑う中、あるアイドルが彗星のように現れる。

 
PRODUCE48 [1회] ′감기는 아닙니다!′ 스튜디오를 장악한 허스키 보이스ㅣNGT48야마다 노에 180615 EP.1


NGT48 Team NIII 山田 野絵 (NOE YAMADA)

山田野絵さんである。彼女の登場により、場は一気にアイスブレイクし、誰もが笑顔になる。そうなんだよな、と思う。アイドルって、皆を笑顔にするお仕事なんだよなと。

その瞬間、会場の誰よりも山田さんはアイドルであった。審査員ははじめAクラスの判断を下すが、なんだかんだでCクラスとなる。それでも今までの最高評価である。

また、直前で韓国練習生とまさかの「ダンシング・ヒーロー」被りをした竹内美宥さん率いるユニットも素晴らしいジャズ・アレンジで審査員たちを惹きつけた。


PRODUCE48 [단독/1회] 셀럽파이브의 재해석ㅣAKB48타케우치 미유, 고토 모에, 이와타테 사호 180615 EP.1

しかし未だに、A、Bクラスを獲得できない中、いよいよ超選抜の松井珠理奈さん、宮脇咲良さんが舞台に上がる……ところで次回へ。引きが上手い。

ちなみに今回放送中に集計された投票では宮脇咲良さんが1位であった。

とにかく美少女たちがわちゃわちゃするという状況に圧倒され時間がものすごい勢いで過ぎていった。韓国練習生のバブリーダンスに活路を見出した歴の浅いユニットや、有名グループに入りながら半ば飼い殺しにされていた暫定センターなど、96人それぞれのストーリーをもっと知りたいと思う。常に右下あたりに名前が出ているとすごく有り難いのだが……。

審査員の皆さんも正しくプロ、といった形で厳しさがありながらも、しかしそこから引き上げて見せるという自負も感じられてよかった。果たしてどんなレッスンが待っているのだろう。

韓国のアイドルは客前に出る前に「完成」されるが、日本のアイドル(少なくともAKBグループにおいて)は発展成長するところに意義がある、という違いが明瞭に表れていて興味深かった。ここからどうやってMVの完成度に繋がるのか。来週以降を楽しみに待ちたい。

第10回AKB48世界選抜総選挙感想

○第100位 大家志津香さん

悲願の再度のランクイン。100位という順位のバラエティでの使い勝手の良さ。最高の武器を手に入れたのではないだろうか。指原莉乃さん&HKT48による投票配信も記憶に残った。

○第99位 石田千穂さん

もっと上かと思っていたので意外。個人的にはSTU48で一番美人さんだと思う。

○第94位 馬 嘉伶さん

台湾は妻が思い入れのある土地であり、現在のチームに所属するまでの紆余曲折もあり去就が気になっていたメンバーなのでランクインしたことがとてもうれしい。

○第91位 山田野絵さん

PRODUCE48の放送がもう少し早かったら、もっと上に行けていたのではないか。スピーチも面白かった。「面白い空気」をこの段階で纏っているのはすごい。今年絶対に外せないメンバーだと思う。

○第85位 下野 由貴さん

ついにランクイン。1期生の安定感で今後もHKT48を支えてほしい。

○第74位 瀧野 由美子さん

直前のSHOWROOMではちょっとネガティブな感じで、スピーチもちょっと上の空の感じがあった。SHOWROOM選抜も外れてしまったこともあり、やや心配。現状に満足してほしくはないが、気負いすぎないでほしい。WRD48にも選抜されたし、踏ん張りどころである。

○第73位 秋吉優花さん

痛みに耐えてよく頑張った。感動した! 本当はもっと美人さんなのにちょっと顔パンパン気味で残念。

○第69位 小熊 倫実さん

妻の中で今最も熱いと思われるメンバー。フワフワしていてしぐさがとても可愛らしい。NGT48とは違う、選抜でどのようなカラーを見せてくれるのか楽しみ。

○第37位 中井 りかさん

SHOWROOM選抜1位でありながら、運営をしっかり批判したり、事前に話して文春砲つぶしをするなど、立ち回りが相変わらず飽きさせない。SHOWROOMがなければアンダー入りも十分可能性があったのでは。半同棲とのうわさがあるが果たして。

○第30位 加藤美南さん

推され方と順位がやっと追いついてきた感じ。キャプテンとしてどう成長できるかで来年の総選挙の結果は全く形を変えるのでは。とりあえず髪型は一体何があったのか気になって仕方がない。

○第16位 本間日陽さん

本間さんがセンターを務めた「春はどこから来るのか?」の歌詞ではないが、いつの間にかどんどん綺麗になっていて驚く。小熊さんもそうだが、さしきた合戦のころと比べると隔世の感がある。


〈期間限定〉 NGT48 3rdシングル「春はどこから来るのか?」MUSIC VIDEO Full ver. / NGT48[公式]

s○第15位 古畑奈和さん

選挙期間中の騒動からの逆転ホームラン。そのばたばたがなければ地元名古屋であるしもう少し上に行けたのでは……と思えてしまうのがちょっと残念。

○第11位 惣田 紗莉渚さん

速報圏外からの選抜入りという史上類を見ないジャンプアップ。その分、選挙期間中のことが今後もチクチク言われそうなのはちょっと心配であるがファンの熱量は十二分に伝わった。

○第10位 田中美久さん

やったー! 選抜やったー!

そういうわけで筆者の世に言う推しメンは田中さんであって微力ながら投票をしたりもしたのでこの結果は大変うれしい。毎回全体的なボーダーが上がっているので、今回は20位~15位くらい……正直選抜に入れるかどうか……本人も言及していたが、「届きそうで届かない」ことが多く、今回も…と思っていたのでこの大躍進は見事だった。このあたり、田中さんが目指すメンバーの一人でもある柏木さんが神7の壁を突破したときのような感動があった。あるいは速報で17位だったことが一層ファンを奮起させたのかもしれない。

番組ではお父さんをくさすことも多いが、今回は素直に感謝していたことも印象的。

本当にめでたい!

○第9位 矢吹奈子さん

もう「なこみく」がここで並んでいるというのがエモい。今後ともその対称性でHKT48のみならずAKBグループ全体を引っ張っていってほしい。田中さんのお父さんに対して、矢吹さんはお母さんに言及しているのも好対照。

○第5位 岡田奈々さん

AKB48及びSTU48内で一番ということで求められるもの、自らに求めるものが多くなってしまって大変だと思うが真面目一辺倒でありながらユーモアを感じさせるあえて「オタク」呼びでのファンへのエールは素晴らしかった。今回のベストスピーチでは。

○第4位 荻野由佳さん


<期間限定>NGT48『世界はどこまで青空なのか?』MUSIC VIDEO Full / NGT48[公式]

情念のアイドル荻野さん。本当はもう少し一段ずつ上がってくるタイプのアイドルなのではないか、と思いもするのだが、前回の大躍進を自分なりに消化し、昇華しているようで安心。彼女もどんどん綺麗になっている。

普通の少女がアイドルに、という現在のAKBグループで最もAKB的なアイドルだと思うので今後も頑張ってほしい。上記MVはまさに「AKB系アイドルになるということ」を表現しきっていてスゴい。

○第3位 宮脇咲良さん

「バック・トゥ・ザ・さくら」という企画をされていたころからずっとファンで、同郷ということもあり応援しているのだが、(妻は握手会にも参戦したりしている)前回より大幅に票を伸ばしても1位には届かなかった。

本人は悔しいと思うが、立派な結果だと思う。少なくとも謝るようなことは何もないはずだ。彼女が一番、「指原さんの幻影」と戦っているように思う。早く脱却してほしい。少なくとも以前の彼女なら、これもまた「PRODUCE48」のストーリーの一つになると賢く考えることが出来たはずだ。

スピーチで背中を見せることに言及しておきながら、体調不良等やむを得ない事情があったのかもしれないが、フォトセッションを欠席してしまったのは残念だった。

一人のアイドル宮脇咲良として、気負わず頑張ってほしいと思う。

○第2位 須田亜香里さん

圧巻であった。一度崩れかけたものをしっかりここまで、雨降って字で固まるを地で行ってやり遂げた。もちろん本拠地ブーストもあったにせよ、ここまでとは。外仕事を多くこなすからこそ、グループへ苦言を出した。これは前述したAKB内輪番組の企画が独り歩きしてしまうことへの危惧ともとれる。ここまで上り詰めた人間だからこそ、外へ目を向けなくてはいけないという言葉が重く響く。放送後のAKB48SHOWでも松井さんへのフォローが印象的であった。

○第1位 松井珠理奈さん

悲願である栄冠をついに手に入れた。燃え尽きてしまうのでは……と思えたが、今のところその心配はなさそうである。ただ、総選挙後の生放送ではさすがに電池切れのようであったが……。長期政権になるかどうかはプロレス的な言動をどこまで曲解されないか、ということにかかっているように思う。熱い気持ちを言葉にしっかり落とし込むトレーニングが今よりもっと必要になるだろう。そういう時、須田さんや宮脇さんが上手くフォローしてくれたらよいのだが。

〇全体として

地元開催ということもあり、いつも以上にSKE勢が存在感を放っていた。基本的にはスピーチも皆さんそつなく、安心してみていることが出来た。初めて最下位からリアルタイムで見たが、回の方が時間が短い分、端的にまとまっていてわかりやすい。

後は後追いのスキャンダルなどでがっかりしたくないなあと思う。

蛇足・圏外だけど筆者が今後来る…! と思っているメンバー


STU48 甲斐 心愛 (KOKOA KAI)

甲斐心愛さん、カープ女子なんて生易しいものではないカープキ…ファン。普通14歳のお嬢さんがノムケン引退スピーチをパロディしますか? いや広島県の女子ならするかもしれないけど……セトビンゴ、STU裏ストーリーを見るにつけどんどん好きになってしまうアイドル。絶対隣の席にいたら勝手に消しゴム借りていくタイプのアイドル。オーディションを受けた理由が高校面接の練習というから本物である。応援していきたい。

大河ドラマ「西郷どん」第二十二回「偉大な兄 地ごろな弟」感想

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こんな施設が中心街のど真ん中にあるのが鹿児島のすごいところ。猿叫が響いていた。

余談

筆者が五年だか前に初めて作ったクレジットカードが更新された。作った頃は2018年の5月なんてはるか未来だと思っていたが、いつの間にやら到達してしまっていた。まずは6月最初の日曜日に高速を使う予定があったので、早速連動しているETCカードを差し替えて安心していたが、その後美容院で精算時に古いカードを使ってエラーが出てしまってたいへん恥ずかしい思いをした。

ちょっと間があってヤンジャン電子版を買おうといつものようにワンクリックするとエラーが出てしまい、そこでそういえばこれも期限の切れたカードに紐つけていたんだと気づく。Huluを見ようとPS4を立ち上げるとここも「お前のカード期限切れてない? 次回の更新できないよ」とアラートが出ており、ここに至って「あれ? もしかして同じカードで期限更新しただけでも再度登録しないといけないのか?」ということに思い至る。他にもジャンプ+であったり各種公共料金、インターネット代、ウォーターサーバー代などがここから引き落とされるようになっている。ちょっと調べてみると場合によってはカード会社と連携して勝手に更新してくれるが、そうでないことが多いらしいので時間を見つけて対処しなければなるまい。

ただ、Amazonのワンクリック決済が現在エラーになることで少なくとも4回ほど書籍の衝動買いを抑えられたという思わぬ効果もあり、Amazonに関してはもう少し更新しなくてもよいかもしれない……と思ったりもしている。

かつて某レンタルビデオ店で筆者がアルバイトをしていた時、そこではクレジット機能付会員証のスタッフ一人当たりの(もちろんパート・アルバイトを含めて)「目標」が定められていた。といってもアルバイトの場合は月に2~3件程度であり、達成してもしなくてもバイト代が下がるということはなく、1件当たり何百円か獲得したら手当がつく程度であった。筆者はそこで4年間アルバイトをしたが、その間にも目に見えてクレジット機能付会員証のメリットは減少していき、4年目に「目標」は事実上消滅した。促進対象から外れたのである。

その当時筆者がクレジットカードに対して持っていた印象は相当にネガティブなものであった。実家がいつもニコニコ現金払い主義であったことも起因するだろう。なので、結局自分ではカードを作ることもなかった。

社会人になってカードを作成したのは所謂お付き合いからで、まあ1枚くらい持っていてもよかろう、という気持ちで作成した。その後「お付き合い」で3枚作った。VISA、JAL,MASTERと取り揃えている。

Amazonのワンクリック決済という悪魔の存在により、いつの間にやらカードへの抵抗は格段に下がってしまった。それまでは振込手数料を犠牲にしてでも現金払いであったが、利便性を求めてカードの入力で済ましてしまう。学生時代、デッドライジングの体験版がカードがなくてできなかった憂さを晴らすかのように、ゲームもカードでDL版を購入することが増えた。シリアルコードをちまちま打っていたあの頃の筆者はもういない。

けれど、時々自問することがある。あらゆるものを手軽に引き寄せることが出来るようになった代わりに、購入するまでのあの苦しくも楽しい日々をいつの間にか失ってはいないか、購入した後その対価分しっかりと自分の中で咀嚼し、消化し、昇華できているか。一つ一つの体験が薄まってはいやしないかと。そして多分、今のところ、残念ながらそれはイエスなのである。なんだったらクリックしたときが興奮のピークであったりするかもしれない。

ということで暫く、クレジットの使用を戒めたいと思う。副次効果として積み本の解消も期待されるはずである。でもヤンジャンは買うけどね。

 

本題

大河ドラマ「大島三右衛門」第一話、なかなか良かった。久光と吉之助はこれから死ぬまで「斉彬トップオタ」をお互い一歩も譲らない、ということが改めて確認できた。しかし、斉彬は生前「お前はわしになれ」と吉之助に遺したが、それは斉彬と同じ感じで久光に話していいということではないと思うぞ。上司だぞ。その上命令違反で勝手に京都に行ってしまう。生きていることも一瞬でばれてしまう。そんなヤバレカバレで大丈夫なのだろうか。しかし死地を超えた男のオーラというのは判る人間には判るのか、有馬新七の暴走をいったんは収めることに成功する。このあたり、脱藩を止められなかった正助との対比が判り易くて良い。世が世であれば「正助人望なさすぎワロタwwwwww」スッドレが乱立していたはずである。

参考:世が世であれば立っていそうなスッドレ

・死人だけど何か質問ある?315流

・【極秘】薩摩藩がとうとう幕府に対して兵をあげるらしい【密勅】

・お前らのオススメの店in京都

・【国父】島津久光592チェスト【四賢候】

・【名君】島津斉彬40002ゴワス【多才】

・僕の蛤御門も閉鎖されそうです

脚本は相変わらず省略されまくっているが、鈴木良平さんの深く落ち着いた演技が説得力を与えている。

今回台風の目となったのはいよいよ満を持して錦戸亮君にクラスチェンジした信吾であった。かつてDV彼氏役を演じた時余りのその迫真の演技ぶりに好感度を下げたといわれる錦戸君の演技は確かに素晴らしいものがあり、自分個人ではなく「吉之助の弟」として見られることのつらさ、もどかしさが痛いほど伝わってきた。そして根底に流れるのは多感な時期に大好きな兄が遠くへ行ってしまった寂しさであるということも。まあそれを流されるときとかにもうちょっと描写してくれていればもっとよかったんですけれども。信吾のしたことで記憶に残っているのって菅との初夜時に布団に入ってきたことくらいだよ。

信吾がその複雑な心境を吐露するシーンは、今回のタイトルがダブルミーニングであったことを視聴者に印象付けつつ、何気に吉之助自身も「膨らんだ『西郷どん』の勇名」に戸惑っていることがわかるのも物語上重要である。この後西郷吉之助は幕末をある時は表玄関から堂々と、ある時は裏口でちょこちょこと跋扈するのであるが、その人物性は一貫していないことが多い。それはその虚実が判然としないということもあろうが、それ以上に「西郷どん」というのが「西郷吉之助個人」という枠組みをはみ出していわば共同ペンネームのような形で使用された、「西郷印」の旗のもとにあらゆることが執行されだした、ということではないかと筆者は考えているのだが、この展開はその推測にリンクするようでちょっと嬉しい。

そして平野國臣がまさかの登場。今かよ! 今出てきてもポカやって捕まるシーンくらいしか見どころがないのでは…(やらなそう)久坂玄瑞吉村寅太郎なども思い出したように出演したが、果たして今後どれだけ出番があるのやら。

紀行で述べられたように和宮と家茂が結婚したり、坂下門外の変があったり、そもそもなんで久光が出兵しようとしたかいうと長井雅樂という長州藩士の政策がもてはやされていることのカウンターという理由が一面としてあったりするのだが、語られない。特に家茂関連はあれほど篤姫に情熱を割いていたのにスルーするとは思っていなかったのでちょっと驚いている。

そんなこんなで来週は幕末薩摩の悲劇、寺田屋事件である。それまでにもう少し郷中の皆を掘り下げてくれていたらもっと劇的な描写になりそうなのだが、また思い出したように回想をねじ込むのだろうか。役者さんの熱演を楽しみにしたい。