カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

バーニャ!あるいはゴールデンカムイ15巻感想

ゴールデンカムイ 15 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

ゴールデンカムイ15巻限定版が出るということを知るや否や妻が予約してはや3か月余り、発売日(本日)。何故か筆者は電子版を手にしていた。仕方ないんだ……鹿児島の物流が遅いから…一刻も早く読みたいから…表紙が月島軍曹だから……。こんなことをしたのは戦国無双4以来である(トレジャーボックスがkonozamaでDL版を購入)。

ということで鉄は熱いうちに打て、感想は熱いうちに語れ、ということで咀嚼しきれていない感じではあるがそのままに書き留めることにする。限定版の茨戸アニメについては鑑賞後、項を分けるか、加筆するかで感想を残していきたいと思う。

温度差がすごすぎて眼鏡が曇りそうな巻であった。

※ということでゴールデンカムイ15巻までのネタバレがあります

突然のファイトクラブ

気が付くと肉付きがよくなっている谷垣一等卒を尻目に、(いや、尻を出しているのは谷垣一等卒なのだが)月島軍曹がどの場面でもそつなく立ち回る。杉元は相変わらずアシリパさんが原動力である。鯉登少尉は育ちがよさそうである。(アドリブがきかないともいう)気がついたら脱いでいるから困る。月島軍曹も背は小さいもののさすが職業軍人の体つきである。彼らを見初めた……というと語弊があるかもしれないが、とにかくロックオンした男の名は岩息舞治。また都丹庵士を彷彿とさせる当て字っぽいキャラクターだなと思って調べてみると、「マイケル・ピーターソン」という人物がモデルであるらしかった。(トム・ハーディ主演で映画になったりもしているらしい。)マイケル→マイハル、ピーター→岩(ギリシア語の「ペトロ」はもともと岩、石の意味であるらしい。ためになった)、ソン→息、ということか。よくできている。目がキラキラしている奴はやばい、というのはゴールデンカムイを読む上での合言葉であるが、やはりこいつもやばかった。対峙する杉元もやばかった。錯乱し、スタンドめいたラッシュを繰り出す始末。集英社だからってやっていいことと悪いことがあるぞ。別にそのせいではないが傷ついた(体はぴんぴんしているがメンタルの方が)岩息をメダパニ状態の杉元以外の一行は追いかけそして……バーニャ!

なるほど~バーニャカウダってここからきてるんだな~熱いしな~と思って調べてみたらバーニャカウダというのは北イタリアの郷土料理で「バーニャ」は「ソース」「カウダ」は熱いを意味するらしく、特に関係なさそうであった。カウダ!

バーニャ内でのやり取りは岩息にスケベマタギのお株を奪われた感があったが、その後無事チカパシに勃起継承したのは見事だった。脚以外に添えるスタンドもあり安定感抜群の射撃だ。ジュウ~~ってお前。文字通り頭を冷やした杉元も正気に戻るが、マジで妙案とは何だったんだろうか。今んとこ殴り合うための口実にしか思えないが。思いついたら加筆しようと思う。

ヘッドショットは過信するな

場面変わってアシリパ組。色々あったけど、アシリパは元気です。ヴぇあっ。アシリパさんに食べさせてもらいながらヒンナしない尾形、杉元がいれば確実に3回は殺されているところである。ヘッドショットでトドを仕留められず、咀嚼もしきれずいぶかしむ尾形。「強い奴を倒すときは頭を狙うな」と何の気なしにいうアシリパ。そしてそれをどこか冷めた目で見るキロランケ。何気にサボったことで杉元がモチベーションを上げるきっかけを作った白石はなんだかんだキーパーソンである。

地獄への道は善意で舗装されている

そして第7師団である。鶴見中尉はまあ死ぬんだろうけどもその中でも二階堂に殺される確率がかなり高いんじゃないかなあと思っていたのだが(俺に殺させるって言ったのに杉元を殺した/他の奴に殺させたの逆恨み)この感じだとなさそうである。

鶴見中尉が郷土料理の話を相手がしたくなるタイプのフェロモンを醸し出しているのかどうかは知らないが、カネモチ、鮟鱇鍋に続き、いごねりのご登場であった。読者に提示される「真実」が二転三転し、特に咀嚼に時間がかかるエピソードだ。模範的軍人であると思われていた月島軍曹が過去は悪童であったこと、父殺しという衝撃的な過去、そして(例えばこの巻でも143話などの表紙に代表されるように)執拗なまでにファーストネームが明かされなかったことにやはり意味があった、月島軍曹にとって基と呼んでくれる人はかけがえのない人であり、そしてもう(少なくとも彼のそばには)いないということであったという描写にはしみじみと感じ入った。そのヒューマンドラマを狡猾に利用して月島軍曹を掌中の玉として得る人たらし・鶴見中尉の恐ろしさにも。過去編はオールスターの様相を呈して画面が豪華だな、といつも思う。大トリにあの不死身男が親友と出てくるのも前回を踏襲していながらもニヤリとしてしまう。

そういえば月島軍曹の初登場は、外国人との外国語を使った交渉であったな、と今更ながら思い出したりもした。

鶴見中尉は二階堂に殺されそう、と先述したが、同じくらい月島軍曹に殺されそうだな、と今までは思っていた(江渡貝君への仕打ちとかが納得していない感じだったので)が、これはなんだかんだ鶴見中尉をかばって死ぬパターンなのか…と思ったりもした。

今回も3か月待ち望んだ分の満足度は間違いなくあったのだが、困ったことに早速3か月後が待ち遠しくなってしまっている。次は12月。冬の北海道物産展とともに迎え撃ちたい。

蛇足・妻の感想

ああ~月島軍曹を夢女子の皆様が熱烈に支持していたのがなんとなくわかった気がする……。

 

 

 

 

アリアドネの糸の顕現、あるいは「オカルト・クロニクル」書籍版感想―秋の夜長の怖い本その2

余談

今週のお題「おじいちゃん・おばあちゃん」

自治会の敬老会にお呼ばれされ、大正琴から音を出してきた。(演奏と言えるレベルではなかった)思いのほかしっかりステージが設営されており、その一方でリハーサルもなくヨーイドンであったが懐かしソングをセレクトしたので参加者の皆さんが口ずさんでくださり、救われた思いであった。ギャラという訳ではないが昼食も頂いた。本人自体が魅力的であればよいのだが、そうではないので、こういう時に「何もできませんが一曲位できます」で場を繋げられたらいいなあ、と考えて楽器を始めたので目的が達成できてうれしい。月末はまた別の所で弾く予定がある。やはりダイレクトに自分のしたことに対しての反応が見られる、というのはブログとはまた違った中毒性がある。「反応」が好意的なものが増えるように頑張っていきたいのはいずれも同じであるが。

さて帰り道、他人様の祖父祖母をお祝いして自らの祖母はほったらかしであったので電話をすることにした。といっても祖母宅の固定電話は詐欺か詐欺めいた営業電話が99%になって久しいのでとうとう今年初め解約してしまったのでかけるのは叔母の電話である。叔母が出たのち、祖母がおずおずといった形で電話に出る。筆者は出来うる限りの声で祝賀を述べるが、暫くしてやはり叔母が電話に出、「今日もやはりよく聞こえなかったようであった」と告げた。筆者の声は低く小さく、祖母の耳はここ最近格段に遠くなってきていた。また、「声を聴くぞ」という意欲も乏しくなってきているように思う。ではまた直に顔を見せに行きます、と言って電話を切った。

今年の夏は御存じの通り酷暑であり、祖母―父―筆者と続く「変なところが頑固者」ラインのルーツである祖母はやはりというかなんというかエアコンをなかなか使おうとせず、衰弱しているようであった。もしかしたら今年の夏を超えられないかもしれない、と8月に母から話も聞いたが、なんとか持ち直してくれたようであった。といっても10が100に戻った訳でもなく、せいぜいが30程度であろう。今度は冬がやってくる。祖母は熱い風呂が好きであるからヒートショック現象が実に心配である。

あと何回祖母に会えるだろう。曾孫を見せることは出来るだろうか。少しでも後悔をしないような日々を送りたい。祖母とのことに限ったことではないけれど。

他方妻側の祖父・祖母は義母方がお二方とも健在であり、妻にも電話をするように勧めたが、折悪しく留守の様であった。

義祖父は学校の先生をされていたこともあり、80を超えられても外出されることが多いようである。が、車の免許は今年のお誕生日に自主返納されたようであるから、以前よりは外出が減ったらしい。長年の趣味に碁があるのだが、そのためか碁会所でなくネット碁の方に最近は切り替えられているらしい。碁そのものだけでなく、懐かしきニフティサーブめいた「昭和〇〇年生まれ集合!」といったようなトピックにも参加してやり取りされているようで、筆者の5倍はエネルギッシュである。妻曰く、「女性を仄めかしているのでフレンド申請がめちゃめちゃくるが、私に言わせれば未亡人めいているときとそうでないときがあるので設定の詰めが甘い」らしい。真偽は不明である。

義祖母は東洋工業――現在のマツダ――に勤めた。若き熱血教師であった義祖父がぬ~べ~めいて「よーし! お前ら! ご飯食べに行くぞ!」と生徒を引き連れて家計にダイレクトアタックしても社員時代保有していた東洋工業株のやりくりによって家計を支えたという。極度にカープを愛するタイプの淑女であり、妻のここ最近の心配事には「カープには日本一になってほしいがそれにより心残りをなくしてしまった祖母がすっと往生してしまったらどうしよう」というものがあったりする。野菜を栽培され、変わったところではブルーベリーを作られたりする。干し柿も作られ、実は先程の筆者の祖母の大好物であったりする。

以前も書いたが、結婚する、ということの面白さ、有り難さは普通は下にしか広がっていかない家族が上にも展開していくことだと思う。不詳の義理の孫に、そこここで気をかけてくれる自慢の祖父祖母が増えるなんて、果報者である。

お2人とも筆者の祖母より年下であり、しっかりされていらっしゃるが、妻に言わせればそれでも以前と比べればかなりの変化が見られるということで、ご自愛いただきたいし、(筆者もそうであるが)初孫である妻をもっと頻繁に規制させてご他愛もしていただきたい、と思う。結論としてはそのために明日からまた仕事を頑張ろう、ということになる。

本題

余談が、ながくなった。さて秋の夜長に相応しい、知的好奇心を刺激する本を紹介するシリーズの2回目になる今回は松閣オルタさんの「オカルト・クロニクル」である。同名のWebサイトの記事の書籍化となる。出版社は洋泉社さんであり、読者諸賢には「秘宝」シリーズで特になじみ深いかもしれない。丁度この間、実家から持ってきた「特撮秘宝」の横に並べるとンン~実に「なじむ」といった感じである。洋泉社同士は引かれ合う、といった感じである。洋泉社=引力! である。一応言っておきますが洋泉社さんと当ブログは一切関係ありません。

再び余談

さて筆者は実家の自室を傾けてしまった反省から、また利便性の向上から別記事にあるように本の購入を電子書籍メインにして久しいのは以前の記事にもあるとおりであるが、先日ツイッターでハッとさせられたのは「子どもにとって、『家の本棚』がないというのは不幸ではないか」といったような言説であった。わが身を顧みるに、確かに家の本棚というのはとても重要であると思う。それは読書という見果てぬ世界への入り口であり、また超えるべき最初の壁であろう。電子書籍にその役割が果たせないとは思わないが、しかし目の前に物理的に存在するその「圧」はやはり紙書籍にはかなわないだろう。「あれば本が増える」ので今まで本棚を我が家には設置していなかったが、再考の時期が来ているのかもしれない。

再び本題

さて「オカルト・クロニクル」といえばオカルト・クロニクル特捜班と諸兄連合の血で血で洗う抗争の歴史――ではなく書籍版の「まえがき」にもあるように「デタラメや誇張、デッチ上げや捏造」を排した先の「本物の探求」を続けて来たサイトである。

未解決事件、都市伝説、そのほかオカルトな事象。我々の暗い知的好奇心を刺激するそれらは、ネット上ではまことしやかに「真実」が語られていることが多い。

「テレビでは語られていないが、地元では〇〇で決着済み」

「事件後に掲示板で書き込まれた内容によると――」

「この事件は〇〇だってことを知らないなんて情弱」

それらを摂取し、咀嚼した我々は知らないうちに色眼鏡をかけられたまま以降はその物事についてあたり、ことによっては拡散してしまったりもする。

それらを松閣さんは一つ一つ拾い上げ、考察し、そしてまとめ上げる。大変な労力と根気のいる仕事であるが、軽妙なストーリーテリングで開帳されるので読む側としてはどんどんと読み進めることが出来る。そして、自分が普段馬鹿にしていた「ネットde真実」そのものであることを恥じ入る――のは筆者だけかもしれないが、目からウロコをだいぶ落とさせていただいた。

「良栄丸事件」という恐怖の幽霊船があった。

「井之頭公園バラバラ殺人事件」は巨大組織が後ろにいないと不可能な犯罪。見せしめとして殺された。

実は「京都長岡ワラビ採り殺人事件」には難を逃れたもう一人の主婦がいたが犯人によってその後殺されてしまった。

ヤクザの娘を暴行したことにより毎週見せしめにヤンキーが殺されていった。

坪野鉱泉へ肝試しに行った女の子がヤンキーに暴行され、山頂のマンホールに遺棄された。

ヒバゴンは優しい生き物。ていうか猿。

赤城山神社で失踪した主婦は浮気相手と駆け落ちした。傘を差しだしている映像が証拠。

仮に読者諸賢がこれらが真実だと思われているのであれば、早速「オカルト・クロニクル」を決断的購入されるべきである。うろこが落ちることによるダイエット効果も期待されるかもしれない。

勿論、それらをご存じないが興味が引かれるという読者諸賢も購入されるべきである。

構成としては歴代の人気記事+「怪奇秘宝」寄稿記事2件、書き下ろし記事1件となっており、既にオカルト・クロニクルのWebサイト版を丹念に読み込んでいる読者諸賢としてはクッ……アーティストのベストアルバムみたいな構成にしやがって……くやしい……でも買っちゃう……と思ったりちょっと躊躇したりしてしまうかもしれないが、購入する価値は十二分にある。

Webベースの記事は横書きをスクロールし、時にはクリックして次ページへ向かう、という行為がなくなり縦書きで再構成され物理的にパラパラめくることが出来るようになっただけでも有り難く、ディアトロフ峠などメンバーのより詳細なデータが1ページずつでまとめられているなど加筆部分もある。(他方、権利関係の問題かメガテンの「あの場面」が収録されていなかったりなどすることもある。また、諸兄連合にとっては溜飲を下げる画像が収録されていないことに憤りを覚えるやもしれない)

「怪奇秘宝」は筆者が居住している近辺の書店では取り扱いがなく、もだもだしているうちに本書に収録が決定したので購入するタイミングを逃したのだが、(今見たらAmazonで取り扱いがあるじゃありませんか買おうかな)筆者のような人間や、ムックサイズはなかなか置き場が……という方にもおすすめである。オカクロ読者で「ワラビ採り殺人」や「セイリッシュの怪」に全く興味がありません、という方はあまりいないのではないだろうか。

勿論、本書書下ろしである「赤城神社主婦失踪事件」も力作であり、ネットの「定説」を現場検証により覆していく様は推理小説さながらの読み応えである。

また、個人的にはオカルト・クロニクルさんの記事のサムネイル画像がとても好きであるので、裏表紙や帯、白黒ではあるが各章の表紙で物理的に存在している、というのがなんだかとてもうれしかった。オカクロサムネ画像トレーディングカードとかあったら買います。永谷園のお茶漬けに封入してくれたりしないだろうか。

個人的には「熊取町7人連続怪死事件」のサブタイトルはWeb版の「初七日に友が呼ぶ」の方が好きだったなあ、ということ以外は大満足の書籍化であった。是非第2弾、第3弾と続刊を希望したい。

松閣さんは本書にて現実にはアリアドネの糸が、あるいは蜘蛛の糸が存在しないと嘆かれていた。しかし、筆者のようなともすればすぐにドラマチックな仮説に流されがちなオカルト好きにとってオカルト・クロニクルさんはまさしく警鐘を鳴らし、導いてくれるアリアドネの糸であるし、それは書籍化という形で具現化したことで、より存在感と説得力を伴ったように感じる。

蛇足・ぼくのかんがえるオカクロ記事BEST3

ところで今回の出版にあたって収録記事を参照したとき、筆者の考える「オカクロBEST3」は実は井之頭公園の事件以外収録されていなかった。別に異端アピールをするわけではないが、その記事ももちろん素晴らしい記事だと思うので仮に未読の方がいるとするならば是非ご一読いただきたい。そして多数いると思われるWeb版を制覇した読者諸賢においては是非、諸賢の考える「オカクロ記事BEST3」をご教授いただきたい。

第3位(次点より繰り上げ) 毒ガスの香る町―消えた怪人マッド・ガッサー

okakuro.org

スレンダーマンのような「欧米のそういう創作モンスター」と思われがちなマッドガッサー。日本では悪魔絵師金子一馬氏デザインの印象が強いこのマッドガッサーは実在の不審人物であった。マッドガッサーは誰なのか。そのガスの正体は。魅力的な謎が推論の果て恐らくは真実であろう結論に辿り着く記事。

第2位 誰も知らない、世界最長の物語―ヘンリー・ダーガーの秘密

okakuro.org

NHKあたりでやっていそうな重厚なドキュメンタリーを観た気分になる記事。筆者は書きたいものを書きつつ、やはり他者の反応が大好物というか、重きを置いてしまう人間であるので、一人の創作者としてその熱力に敬服させられた。

第1位 青ゲット殺人事件――都市伝説となった事件

okakuro.org

筆者がオカルト・クロニクルさんに辿り着いた思い出深い記事。「赤毛布の男」と聞いてピンとくる方もいるのでは。青ゲットはなぜ赤毛布となったのか。彼は何者で、どこへ消えたのか。はるか明治の事件の資料を収集し、分析し、考察する。自分がただ「こわいなあこのコピペ」と思っていた話に対してそのように向き合う方がいると知って深夜、事件の恐怖に震えながらも敬服したことを覚えている。事件の夜のように寒々とした気分になったところに、結びの一言が刺さる。

以上。そういえば、UFO記事は一切収録されていなかったのでUFO単体の書籍の話が進んでいるのでは……と淡い期待をしてしまったりする。陰鬱な記事を見た後にはヘッチャラ星人に限りますね。(記事アドレスがhead-cha-raなのもポイント)

okakuro.org

オカルト・クロニクル

 

オカルト・クロニクル

オカルト・クロニクル

 

 

 

 特撮秘宝もまさに新刊が出ているではありませんか。

寺生まれのTさんVS事故物件、あるいは「怖い間取り」感想―秋の夜長の怖い本その1

余談

9月になった。冷夏が続こうが猛暑であろうが今年もなんだか時が過ぎるのが早い。相変わらず冷房はほぼつけっぱなしだし(先月の電気代は9000円近かった)日中は30度を超えているが、それでも少しずつ過ごしやすい気温になってきている。豪雨の復興を祈念しつつ内田百閒氏についての記事を書こうと思っているうちにひどい台風で大阪が、地震で北海道が被害を受けた。どちらも訪れたことがある場所であり、そこが非日常に陥っているのにのほほんとしていることで勝手につらくなってしまうが当然そんなことは誰も望んでいないので、とりあえず久々にスシローに行って北海道産のものを食べたりした。

ブログに関しても9か月が過ぎ、先月は「注目記事」にランクインする記事を2つ書くことが出来てうれしかった。やはり昨日よりも、明日よりも、今の記事が一番いい、と言えるようになりたいと思う。他方、「西郷どん」記事はちょこちょこ書いてはいるものの下書き状態から抜け出せていない。本日大政奉還という節目を迎えたので、小出しに更新しなくてはと思う。「はきゅー」の時もそうであったが、批判にはエネルギーがいるのである。お待ちいただいている読者諸賢がもしいらっしゃるのであれば、いま少しご辛抱いただきたい。連休のうちに片付けたいものである。

最近は土日も有り難いことにイベントが多く、また寝苦しかったり逆に冷房がハッスルして寒かったりと睡眠が安定しないこともあってか、先日久しぶりに金縛りにあった。

筆者は霊感というものは一切ない。と思う。金縛りについても年に何回かなることはあるが、それは明らかに一般的に言われている「体は疲れているけど脳は起きている時に起きやすい」という条件をバッチリ満たしているからであって、何か超自然的なことは関連していないと思われる。が、毎回金縛りにあった時は念仏は唱える。

始めに金縛りにあったのは大学生の時で、毎回深夜バイトの後、自室で寝ている時であった。昼夜逆転現象により脳が覚醒しっぱなしになっていることによったのであろう。体は動かず(しびれたような感じである)、目は開けられるような気がするが開けることに何故だか恐怖がある。目をつむってそのまま意識を落とすことにたいへん甘美な誘惑があるのだが、一方でそうなると2度と目を覚ませないという確信に満ちた予感もある。呼吸は苦しく、丁度水の中のようなしんどさがある。当時の下宿先は二部屋あり、寝床と隣室は磨りガラスの障子で隔てられていたが、そちらからひたひたと何かが来ているような気配を感じる――と言った塩梅。念仏を唱えつつ(これは魔除けというよりもそれによって落ちそうな意識を保つという意味合いで毎回唱えている)どうにか体を動かせるようになるとぶわっと汗が吹き出し、心臓は早鐘のよう。慌てて障子の方を向くがそこには当然誰もいない。体が一気に脱力し「何かが出て行った」ような感覚に陥るが、緊張していた筋肉が弛緩した故であろう。霊感のない自分でもなるんだなあ、とぼんやり思ったのを覚えている。その部屋では都合3回くらいなったように思い、いつも障子(自分の背中側)に何かが迫ってくるという気配は同様であった。

社会人になってからはこれまた定番の「上に誰かが乗っているような感覚」タイプの金縛りにも遭遇したが、基本的には(この間あった金縛りも)何かが背中から迫ってくる感覚と、眠りにおちたらそのまま死ぬという強迫観念、が筆者の場合金縛りとしてセットで現れる現象であるようだ。金縛りバリューセットである。ちなみに今、金縛りにあった当時多分ツイートしてたよな~とTwilogで検索しようとしたら見慣れない「現在アクセスできない状態です」という画面が出てきてちょっと怖かったです。こんなの初めて。

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ちなみに上記下宿は広島市中心部で6畳+10帖で4万円とリーズナブルであったが特に怪奇現象などはなかった。日当たりが悪いので時々気分が暗く(セロトニン、偉大)なったり一度ドアノブをガチャガチャされたことはあったが。後、入居時はコンロがなかったので退去時に感謝のつもりで購入した二口コンロをそのまま置いていったら(管理会社にはお伝えした)後、処分代を請求されたのはちょっと凹んだ。

金縛りという名の筆者の生理現象の話だけで終わっても仕方ないのでせっかくなので物件に関する怖い話を一つしておく。筆者の持つ数少ない自らが体験した出来箏である。

バイトを始めて暫く経った頃、もう季節さえあいまいだがバイト仲間が急病のため、深夜自転車をバイト先へ走らせていた。と、車道を挟んで向かい側の建物に目がいった。白い服を着た黒髪の女性――ようなもの――が建物入り口、集合ポストの横で体育座りなのか、しゃがみこんでいるのか、そういった姿勢をとっていた。髪で顔が隠れていたのか、それとも顔を伏せていたのか、とにかく顔は記憶にない。白い服は薄手で、病院服のような印象があった。明らかに異質だった。生身の人間だとしても、そうでなくても不気味だった。バイト後に恐る恐るやはり反対側から確認したが、その時は影も形もなかった。ちょっと心が不安定な痴話喧嘩カップルだったと思いたい。

 

本題

余談が、ながくなった。読書の秋である。ということで本日、3冊の本を購入した。(kindleの積み本については今は不問としていただきたい)これにもう1冊先日購入した本を加えて、今月は毎週「秋の夜長の怖い本」と題して本を紹介していきたいと思う。

ということで第1回は松原タニシさんの「事故物件怪談 怖い間取り」である。妻がTwitterで話題になっていることを教えてくれ、早速探したのだがなかなか見つからず、本日ようやく手にすることが出来た。あんなに見つからなかったのに、見つかるときは何冊も平積みされているのだから本の縁というのは不思議なものである。

既に8刷まで刷られており、各所で話題であるので今更筆者が言及するのも読者諸賢にとっては釈迦に説法であるが、松原タニシさんは本業は松竹芸能の芸人さんであって「事故物件に住む」という虎穴に入らざれば虎子を得ずを実践されている方である。実家はお寺ということで筆者は「寺生まれのTanishiさん…実在したのか…」と謎の感慨を抱いたりした。

内容は大まかに

・タニシさんの住んだ事故物件

・お知り合いの事故物件

・出張! なんでも事故物件鑑定団

(分類は筆者による)といった感じになっており、ボリュームもあってまた事故物件に住む者同士は引かれ合うなどスタンド使いめいた展開を見せながらアプローチにも変化がつき、飽きさせない。

本書の特色は何といってもタイトルにあるとおり「間取り」であろう。各エピソードには間取り図(時々物件ではなくスポットのことがありその場合は周辺図)が冒頭に挿入され、一見すると普通の間取り図なのだが「黒いシミ」「塗りつぶされた鏡」「歪んだ外枠」「墓石」などしれっと不穏な情報が書き込まれており、ツカミが完璧である。

途中、「どこからでも死ねる部屋」「2年に1回死ぬ部屋」など闇のビフォーアフターかよと言いたくなるようなキャッチフレーズのついた「事故物件間取りギャラリー」もあり全国の間取り図ファン必見である。

文体は淡々としており、シンプルでありながら読みやすい。さすが長年話芸を鍛えている芸人さんだな、と感じる。「話を盛る」ことの逆、無駄をそぎ落とすことで要素が際立ち、間取り図と相まって読者の脳裏にかえってリアルに出来事が立ち上ってくる。怪異に対して推測、考察が最後に入ることもあれば、そうでないこともある。初期の耳袋をイメージして頂いてもいいかも知れない。余韻を残す、というよりは突然ロウソクをふ、と吹き消されたような話の閉じ方はいい具合に不安感を煽ってくれる。

事故物件である、ということは間違いなくそこに死が介在している。その厳粛な事実とライトな文体のギャップが何とも言えず、怪談のような、ドキュメンタリーのようなとにかく他に分類しがたい体験をさせていただいた。因みに筆者が一番ゾッとしたのは「井川さんの部屋」。読者諸賢も是非お読みいただき、「推し間取り」を教えていただきたい。続編の上梓及び松原さんの今後のご健康を祈って結びとする。

事故物件怪談 恐い間取り

 

事故物件怪談 恐い間取り

事故物件怪談 恐い間取り

 

 ちなみに間取り愛好家諸賢(本書を読まれてその傾向が芽生えてきた方を含む)にはこちらもおすすめである。怖くはないです。

間取り図大好き!

 

間取り図大好き!

間取り図大好き!

 

 

 

天の光はすべて星、あるいはPRODUCE48最終話までの感想とガチ予想検証

www.instagram.com

Rollin' Rollin'組で今すぐデビューしてくれ…頼む…。

最終順位の感想と予想検証

さていよいよPRODUCE48が最終回を迎えた。なかなか波乱のある最終順位だったように思う。前回は生放送中にも中間発表があったというように聞いたが、今回は当落線上の四人の順位のみ。これもかなり結果に影響したと思う。前回の予想順位を検証しつつ、感想を述べていきたい。

kimotokanata.hatenablog.com

第12位 イ・チェヨンさん(筆者予想:圏外)

いきなり筆者は敗北を喫したわけである。予想時点ではチェヨンさんは非常に個人的好感度は高いのだが、国民プロデューサー諸賢にはイマイチハマらず、ギリギリで涙をのむであろう……と考えていた。その後、順位発表式前にやたらと好意的な編集が行われたことでかえって脱落がほぼ決定しているゆえの「思い出編集」ではないか? とその予感は高まった。(中西智代梨さん脱落時にそういった傾向があった。というか中西さん株雑誌に連載持っているのか。今知った。)が、それによる「かわいそうベネフィット」「俺が支えなくちゃブースト」が発生したのかまさかの3位に急上昇。そのことで多少油断を生んだか順位は大きく落としたものの、見事デビューした。今までの道のりは決して遠回りではなく、より大きく飛ぶための助走であったことを証明してほしい。今後も宮脇さんと友情を深めていってほしいと思う。


PRODUCE48 [최종회] 앞으로 잘 부탁해 최종 데뷔 평가 무대 180831 EP.12

第11位 キム・ミンジュさん(筆者予想:圏外)

筆者、連敗。前回予想ではカン・ヘウォンさんと傾向が被るため、最終的にはポンコツ並び立たずといった形で日本人練習生との友情や放送分量などの関係でカン・ヘウォンさんの方を筆者は選択したのである。

が、ミンジュさんもまた果敢にセンターに挑戦するなど確実に成長しつつ、美貌を傘に着ず物まねを見事にこなすなどヘウォンさんとはまた違った成長を遂げていた訳である。あいつも100日間頑張った練習生なんだ…侮ってはいけなかった……!


PRODUCE48 [단독/직캠] 일대일아이컨택ㅣ김민주 - Little Mix ♬Touch @댄스_포지션 평가 180720 EP.6

第10位 キム・チェウォンさん(筆者予想:圏外)

筆者、2度あることは3度ある。妻が韓国人練習生で初めから(エンディング妖精のころから)最も推していたメンバー。特にグループバトル評価でのカチューシャ姿が妻を完全に射止めてしまったようである。その後のコンセプト評価もまるでディズニープリンセスの如くであった。モデル雑誌に登場しそうな所謂「女性受け」タイプlevel100といった感じであって、こういった投票ものとはちょっと相性が悪いか……と思ったが見事ランクインを果たした。素の性格は大人しめというのは本当なのだろうか。


PRODUCE48 [단독/직캠] 일대일아이컨택ㅣ김채원 - 트와이스 ♬OOH-AHH하게_1조 @그룹 배틀 180629 EP.3

第9位 本田仁美さん(筆者予想:5位)

筆者の敗北は続く。最終話で言われていたように本田さんは他人と競うというより自分と戦い続けていたように思った。「大福」と言われファンから愛されながらも本人はちょっとコンプレックスに思っていた節がある頬も、韓国人練習生からも「武器」として認められ、自らもそのように使い始めたようであるのは感慨深い。ダンスと可愛らしい歌声で日本人の存在感を大いに発揮してほしい。


PRODUCE48 [단독/직캠] 일대일아이컨택ㅣ혼다 히토미 - I.O.I ♬너무너무너무_1조 @그룹 배틀 180629 EP.3

第8位 カン・ヘウォンさん(筆者予想:6位)

筆者は呼吸するように敗北。本番組での伸びしろ第1位なのではないだろうか。まだまだ伸びる要素もあるだろう。地獄から来た清純ラッパーは見事デビューという蜘蛛の糸を掴んだのである。しかし、デビュー曲でもラップするのだろうか……。


PRODUCE48 [단독/직캠] 일대일아이컨택ㅣ강혜원 - 블랙핑크 ♬붐바야_2조 @그룹 배틀 180629 EP.3

第7位 クォン・ウンビさん(筆者予想:7位)的中!

おう俺は筆者。あきらめの悪い男……。静かにしろい。この的中が俺を甦らせる……何度でもよ……。正直発表時点ではちょっと厳しいかな……とも思っていた(傾向として俺が何とかしなくては! 系の練習生のランクインが続いていたので)が、見事デビューを果たした。「Rumor」の格好良さとゲリラライブのウンビちゃんで~す(はあと)の落差など、最後まで加点要素が安定して出たのが良かったのかもしれない。今回のメンバーでは貴重なお姉さんメンバー。活躍(お守り?)が期待される。


PRODUCE48 [단독/직캠] 일대일아이컨택ㅣ권은비 - ♬Rumor @콘셉트 평가 180817 EP.10

第6位 矢吹奈子さん(筆者予想:2位)

油断したところの敗北はダメージがデカい。加点要素しかなかったように思うのでこの順位は意外。逆に言えばやはり「この子は俺が何とかしなくては!」というエネルギーが向かいにくかったことがこの順位に落ち着いた原因か。勿論デビューだけでも立派な結果であることは間違いないが、もっと高順位を狙えたのではないかと思う。しかし次世代エース筆頭である矢吹さんの活動が制限されてしまうわけだが、HKT48は大丈夫なのだろうか。もしかしたらあともう一つ伸びなかった理由は、そのあたりを気にして無意識に投票にブレーキがかかったのかもしれない。


PRODUCE48 [단독/직캠] 일대일아이컨택ㅣ야부키 나코 - ♬너에게 닿기를 @콘셉트 평가 180817 EP.10

第5位 アン・ユジンさん(筆者予想:8位)

負けたことがあるということがいつか、大きな財産になる。はい上がろう。典型的な「人気があるから自分が投票しなくても大丈夫だろう」で実人気に比べ票数が伸び悩むタイプだと思っていた(事実直前の結果発表ではデビュー圏外に落ちていた)のだが、直前の結果発表がうまいこと火をつけたらしい。是非万能ラッパーとして活躍してほしい。意外と楽屋芸人なのもポイントである。


PRODUCE48 [단독/직캠] 일대일아이컨택ㅣ안유진 - ♬I AM @콘셉트 평가 180817 EP.10

第4位 チェ・イェナさん(筆者予想:10位)

ランクインするとは思っていたがここまで上位とは思っていなかった。8位くらいの発表で半ばあきらめていたりした。直前のパフィーマンスは普段の陽気なキャラクターとは一転して小悪魔的なムーブであり、TLを眺めても明らかにそのパフォーマンス、センターぶりは好評ではあったがしかし上位陣の壁は厚いと考えていたからだ。生放送投票の力のすごさを思い知った1件であったかもしれない。


PRODUCE48 [최종회] 반해버리잖아? 최종 데뷔 평가 무대 180831 EP.12

第3位 チョ・ユリさん(筆者予想:圏外)

イェナさんとどちらかは入る…と思っていたが日本のバラエティのことを考えるにつれ、あとは筆者個人の愛着の差でイェナさんを予想では入れた訳だが、見事ランクインを果たした。アイドル学校時代からの応援が実ってファンも感無量であると思う。そのストーリーの熱量を見誤った筆者の敗北である。あと、単純になんかどんどん美人さんに(可愛い系の)なっていると思う。ボーカルがどのように炸裂するか楽しみだ。


PRODUCE48 [단독/직캠] 일대일아이컨택ㅣ조유리 - 워너원 ♬에너제틱 @보컬&랩_포지션 평가 180720 EP.6

第2位 宮脇咲良さん(筆者予想:9位)

余りにできすぎているストーリーゆえに国民プロデューサー諸賢が反発するのでは? と思ったが、やはり1pickになると今まで培った人気が爆発するのだなということを思い知らされた。総選挙と違い、誰に詫びるでもなく、しっかりお礼を言い、笑顔で締める、しっかりとした挨拶をしてくれたのも嬉しかった。日本人練習生1位としての誇りをもってグローバルアイドルとして頑張ってほしい。個人的には「世界選抜総選挙」で1位となった松井珠理奈さんとPRODUCE48を制した宮脇咲良さんとでいわば王座統一戦のようなガチンコが見たかったが、はじめの一歩の一歩と宮田のようにかなわぬ夢になってしまったのは残念であったが。


PRODUCE48 [단독/직캠] 일대일아이컨택ㅣ미야와키 사쿠라 - ♬다시 만나 @콘셉트 평가 180817 EP.10

第1位 チャン・ウォニョンさん(筆者予想:1位)的中!

終わり良ければ総て良し。やはり国民プロデューサー諸賢も「色のついていないセンターを選びたい」という心理が働いたのだろうか? そうでなくとも完全にウォニョンさんは全編通してPRODUCE48の主人公の一人であったと思うので、そこまで驚きはない。発表日が誕生日というのもさすが持っている、といった感じだ。ただ、3位にチョ・ユリさんが呼ばれたときはさすがにドキドキしたが。(1~3位が宮脇さん、ウォニョンさん、カウンさんの中で決定すると思っていたので)正しくこれからキャリアがスタートするわけで、これだけのメンバーの中でトップに(しかも複数回)立ったことを誇りに思い、自信をもってセンターを務めてほしいと思う。


PRODUCE48 [단독/직캠] 일대일아이컨택ㅣ장원영 - ♬Rollin′Rollin′ @콘셉트 평가 180817 EP.10

結果:完全的中2名、ランクイン的中8名

ということでランクインメンバー予想としては3/4ということになった。「入り口」としてのはたらきを期待したワン・イーレンさんが20位以内に残らず、年長メンバーが3名も落ちたのは衝撃であった。特に後者は「ストーリー」ありきだと考えていた筆者にとってカルチャーショックですらあった。いや、イ・カウンさんは落としたら駄目だろ……山本彩さんが卒業し精神的支柱を失うNMB48に白間さんの伝手で加入してもらってはどうか。典型的な「俺が頑張らなくても誰かが頑張るだろう」を見せつけられたようで胸が痛い。キリンちゃんずで明日にでもデビューしてほしい。

見終えて

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あっという間の3か月弱であった。始めは韓国人練習生の顔と名前が一致しなかったが、今ではずっと一致しなければ別れの時こんなにもつらいことはなかったのに……とさえ思うくらいに皆に愛着がわいてしまった。審査員の先生方にさえ湧いてしまった。また、国民プロデューサー代表のイ・スンギ氏においては初めは「こいついつも立ってねてんな」程度にしか思っていなかったが、適時練習生たちに的確な助言を与えたりオレンジを投げ返してくれたりさすが代表と敬服する次第であった。

とりあえず番組サイドには

・お色直しシーン(ドッキリのメイク紹介シーンでもよい)など未公開シーンの配信

・手紙、練習ノートを合本、翻訳して猿岩石日記よろしく発売する

・IZONE冠番組の一刻も早い製作

を期待したい。残念ながらデビューできなかった練習生諸君にもまた別の形で出会いたいものだ。過去シーズンも別ユニットでデビューした練習生が沢山いるという。心揺さぶられるシーンが多かったPRODUCE48であるが、とうとう泣いてしまったのはTwitterでキム・ナヨンさんの手書きのメッセージを見た時であった。皆それぞれの100日間があった。それはきっと今後場所は違うとしても花開くはずである。天の光はすべて星、「君の星になる」と歌い上げた時点で彼女たちはすでに光り輝く道を歩み始めているのである。例え国民プロデューサー諸賢が光を当てそこなったとしても。願わくば国民プロデューサー諸賢を地団太を踏んで悔しがらせるくらい色んな所でジャジャーン! と現れてビッカビカに輝いてほしい。

私はこの恐ろしいドラマだけは感想を書きたくなかった――「悪魔が来りて笛を吹く」を視聴して

長谷川博己氏が金田一耕助を演じた「獄門島」。そのリブートぶりに度肝を抜かれつつも最後シーンの等々力警部よりの電報「悪魔が来りて笛を吹く」に次作の製作を予感し多くのファンは続報を心待ちにしていたはずである。

果たして、およそ二年後の今年七月末、「悪魔が来りて笛を吹く」が放送された。金田一耕助役に吉岡秀隆氏を迎えて。

それはやはり「獄門島」のように挑戦的な作品だった。筆者は本放送をうっかり見逃し、オンデマンドで視聴して慄いたのち、再放送を見てハッシュタグで他の視聴者諸賢がどのように感じているか、というリサーチも行ったりした。極彩色でありながら陰惨で酸鼻を極め、しかし目を覆う手の隙間から凝視することをやめられないような物語であった。しかしこれを日曜日の昼下がりに放送するなんて攻めるな、NHK。獄門島をオンデマンドで再配信してくれ、NHK。「犬神家」と「八つ墓村」の深読み読書会も。

ともあれ今回の「スーパープレミアム『悪魔が来りて笛を吹く』」を基本として、原作やJET氏のコミカライズなどと比較しながら「悪魔が来りて笛を吹く」の感想をつづっていきたい。

金田一・都会もので作者の横溝正史先生が一番に推す作品

本作は途中、淡路島まで舞台が変わるけれども基本的には都内の椿邸にて話が展開される。金田一耕助というと地方の因習に満ちた事件を解決する探偵、というイメージが強いかもしれないが、こういった都会の事件も彼は多く解決している。それでも前述のような印象が強いのはやはり有名な作品が地方ものが多いからであろうか。

エッセイ「真説 金田一耕助」によると某週刊誌で発表された「金田一耕助ものベスト5」は1位 獄門島、2位 本陣殺人事件 3位 犬神家の一族 4位 悪魔の手毬歌 5位 八つ墓村

ということで、このランキングは田中潤司氏の手によるということだがなるほど見事な選抜であると思う。筆者も全く異論はない。これら全ては前述する地方もので、ネームバリューも高い。必然、金田一耕助が地方の事件を解決する探偵というイメージが醸成されたのもうなずけるところである。ちなみに他にもよくあるイメージの「よく犯人が自殺する」であるが、上記事件での自殺率は……この先は読者諸賢自身の目で確かめてくれ!

その5位に続く事件として、上記エッセイで横溝正史先生自身が挙げているのが「悪魔が来りて笛を吹く」である。都会ものとしては自作で一番と認定している、と言ってよいだろう。

執筆されたのは1951年、事件の下敷きの一つとして使われている帝銀事件からはわずか3年ほどしか経っていない。(ちなみにこの犯人と目される平沢貞通氏が逮捕されたのは奇しくも筆者の誕生日8月21日である)現代であれば自粛(という名の他粛)を要求されそうな事態であるが、実在のマリー・ロジェ事件がエドガー・アラン・ポーに世界初の推理小説を書かせしめたように、実際の事件が作家の創作心を大いに刺激することが当たり前のことであって、現代がむしろ閉塞しているのかもしれない。(椿元子爵の自殺も実際に起きた自殺事件を下敷きにしているといわれる)

そうしたまだまだ戦後の混乱期に――戦争があったからこそ生まれた悲劇として――立ち現れるのが「悪魔が来りて笛を吹く」である。

ちなみに前作「獄門島」では船中で「悪魔が来りて笛を吹く」の電報を受け取ったことになっているが、原作では獄門島事件とはちょうど一年ほどの間が空いている。

原作との相違

先だって「挑戦的な」と言葉を使ったように、今回のドラマ版は原作からかなり大胆なアレンジがある。一番の相違点はやはり「悪魔」が笛を吹かないことであろうか。平成最後の夏、悪魔来れども笛吹けず。タイトル違うじゃん! と思ったのだが、これについては「もしかして今作では製作者の規定している『悪魔』は別にいるのでは? とも思い、これについてはまた項を分ける。筆者は未見であるが、別の映像版でも「悪魔」が笛を吹かない作品があるらしい。その作品では「悪魔」が複数であるからだとか。

しかれどもやはり、「悪魔」が笛を吹くシーンはやはりタイトルの回収であり、そして椿元子爵がその曲に込めた意図が明らかになり、そして何より絵的にとても映えるシーンでもある。今回のキャストでも是非見たかったので無くなったのは残念ではあった。

(原作では章題が第1章が「悪魔が来りて笛を吹く」真ん中の第16章が「悪魔ここに誕生す」最終章が「悪魔笛を吹きて去る」と美しい並びになっているのも素晴らしいだけに何とか笛を吹いてほしかった)

椿元子爵が曲に込めた意図自体は今ドラマ版でも明らかになる。全てが解決したところで新宮一彦が吹いて見せてくれるのである。(しかし片や恩師、片や父の形見の曲であるからとはいえ嫌な思い出のある曲を「吹きましょうか?」と言ったり「吹いてほしい」と言ったりするのは分からない! 文化が違う! という気持ちになる)そこで今回の事件の感傷に浸る……だけではなくこの曲に込められた意図に「気づいてしまう」のがまた名探偵の業である。原作では「悪魔」は皮肉交じりに「どうして誰かに吹かせてみなかったのです」と金田一耕助に言うのだが今回の演出では金田一耕助がそれを自問しているように見え、「名探偵のジレンマ」をまざまざと見せつけられる。

この演出は今ドラマ版オリジナルの旅館シーンに繋がり、「無力感に襲われる吉岡金田一(かわいい)」であったり、「探偵は明日を生きる訳を見つけるための存在」であるという全てのミステリーの探偵役のエールが見られた点は良かったと思う。

次に大きいのは「悪魔」が自分の正確な出生を知らないという改変であろう。原作では小夜子の死を知った「悪魔」がおこまを問い詰めることにより、己の出生の秘密を知るが、ドラマ版では金田一耕助に告げられるまでそのことを知らない。これにより椿邸に入る理由も「小夜子の死を探るため」という風に変更されている。

この改変によって「あくまで真実を追求し、つきつけてしまう探偵の業の深さ」や「貴族階級と一般階級のどうしようもない認識のずれ」、「全てを取り返しのつかない状態で知ってしまい、自分が知らずに悲劇を再生産してしまっており、実の母にダメ押しされる」という部分で原作よりまさしく劇的な感じにはなっており、クライマックスの盛り上がりとしては素晴らしく仕上がっているのだが、「小夜子の死を探るためなら殺さずに色々聞きだせよ」であったり、「なんで火焔太鼓を砂占いの時に出現させたのか」という疑問が解決しないままになってしまう。玉虫の御前が引き下がった理由も微妙に変わってしまうし、「悪魔ここに誕生す」を何故消したのかもよくわからない。(筆者が見落としているだけかもしれないので説明されていたら教えてください)

秋(実際は左右が逆の「あき」)子の死因及びその秋子への「悪魔」の殺意も異なっている。「秋子をどう扱うか」というのはクリエイターの心を指摘するのか、以前のメディアミックスでもかなり違いがあるようだ。原作では薬の中に毒を仕込まれ、嵐の中それを飲んで狂乱の内に死に至る。漫画版では「悪魔」に抱きついたところを絞殺される。そして今ドラマ版では「悪魔」にめった刺しにされて哄笑しつつ死んでいく。(華子さんも何回か刺してもよかったんじゃないかと思う)原作では母への慕情を捨てきれないのか(大きな意味では秋子もまた被害者ではある)、計画の失敗すら期待しているが、漫画版及び今ドラマ版では自らを「悪魔」にせしめた醜悪な姿を見せられることによって明確な殺意が発露したという違いが見られる。今ドラマ版においては、利彦と長幼が逆転したこともあり、秋子が「悪魔誕生」に至った惨劇を主導していたように思えることもあり、原作とはまた違ったおどろおどろしさを出している。

華子が利彦の死後、解決編において自らの意志を出し始めるのも原作にはなかったシーンであるが、これは過去は抑圧されたままで終わっていたけれど現代にこのドラマをやるこうなるという意味が感じられた。(原作でも利彦の死によりちょっと元気になったような描写はある)

信乃やお種、出川警部などが今ドラマ版では出て来ない。これは尺の為に仕方がないところか。

細かいところではあるが、原作とは違い灯篭の足元に判り易く「悪魔ここに誕生す」と書いてあったのも気になる。結構目立つんじゃないかな。

 もう一つ、今回は原作に倣って元子爵などというように表現したが、劇中ではエピローグまではまだ華族令が廃止されていない気がする(爵名に「元」がついていない)ように思えたがちょっと時期がずれているのだろうか。

キャスティングについて

吉岡秀隆さんの金田一は非常に良かった。ただ、60を過ぎても若々しいらしい金田一が白髪交じりなのは気になるところではあったが……。ヒューマニストではあるものの、謎があると解決せずにいられない、真実を語る前には躊躇するけれども相手が一度要請すると、後は何があっても真実を残酷なまでに叩き込んでくる、事件の解決後は非常な無力感に襲われる、まさしくイメージの金田一耕助であった。

今回は解決編が全体の半分という攻めた構成であったが、吉岡さんの長台詞はすっと入ってきた。解決編に至る際の長い廊下――正しく正気と狂気の境を渡るかのような――をしずしずと歩く金田一耕助のシーンは素晴らしい。

また、何が…何が…なにが…! なにが…ッ! と頭を掻きむしりながら、その背景で同じ「きょうだい」でありながら余りにも対照的過ぎる2組がフラッシュバックするシーンなどは吉岡さんの声でなければあの何とも言えない寂寥感と無常感のコントラストはでなかったであろう。

真相を開示しながら、自分も等しく傷ついていく、自らを依代として託宣を伝える巫女のような金田一耕助であった。

美禰子役の志田未来さんは美禰子役にこんな美人を起用したらダメだろ! という気持ち。しかし原作で痛いほど伝わる意志の強さは良く表現できていた。自ら地獄の蓋を開けてしまう所も。

三島東太郎役の中村蒼さんは「深読み読書会」の犬神家回で記憶に残っていたので今回の起用は嬉しかった。終盤の表情がいちいち心に刺さるいい演技だった。一彦との差別化のためか、原作にある好青年的イメージはあまり感じられなかったが。是非機会があれば多門修をやってほしい。

菊江役の倉科カナさんは画面制圧力がすごすぎる。一筋縄ではいかない飄々としつつその下には冷たく荒涼とした意志が流れている様にはやられた。

筒井真理子さんの秋子は恐ろしい。妖の一字である。

 

本作の悪魔は誰か?

さて記事も長くなってしまったので前述した今ドラマ版の悪魔について私見を述べて終わりとしたい。

勿論、前提としては一連の事件の犯人であろう。

しかし別の視点では?

例えば金田一耕助が現れなければ、帽子を壺に掛けることもなく、今回の惨劇自体が起こらなかった可能性がある。起こったとして、恐ろしい秘密が明かされることもなかった。パンドラの匣を開けにやってきた悪魔が金田一耕助だということが出来はしまいか。

いや、美禰子が変な意地を張って真相を要求しなければ、椿邸の人々が崩壊するまで追い込まれることはなかった。世間を知らない美禰子こそが悪魔ではなかったか。

そうではなく――椿英輔元子爵こそが今ドラマ版における悪魔ではなかったかと見終えて筆者は思うのである。

結果だけ見れば、椿元子爵は自らの手を一切汚さず、それどころか同情を勝ち取って、椿家の家名を汚す「悪魔」とその血脈を一網打尽にせしめたのである。天銀堂事件の汚名すら雪いで。

他人の悪意を転がして自らの満願を成就せしめる――そのまま悪魔の所業と思えるのだが、いかがであろうか。製作者の人そこまで考えてないと思うよ、と言われてしまうとそこまでであるが、どうしても金田一少年のあの事件や京極堂のあの事件を思い出してしまうのである。

あるいは悪魔のトリルのように悪魔が来りて笛を吹くは元子爵が悪魔と出会った末に生まれた呪われた曲であったのかもしれない。

漫画版がおすすめ

今ドラマ版で金田一耕助に興味を持ち、原作の違いを知りたいが小説を読むのはハードルが高い……という方は漫画版をお勧めしたい。長らく絶版であったが最近kindleで刊行された。犯人のモノローグが入り、より分かりやすい構成になっているが、展開自体は秋子の死因以外は原作に準じている。同時掲載の「雌蛭」は金田一耕助が変装する(しかもアロハシャツ)というレアエピソードでこちらも「都会もの」であるのでぜひ押さえていただきたい。

次回の金田一耕助

今後もエピソードごとに金田一耕助の配役が変わるのであれば、是非、濱田岳さんに一度やって欲しい。または風間俊介さんや、斎藤工さんなども結構ハマるのではないかと思う。

 

悪魔が来りて笛を吹く (あすかコミックスDX―名探偵・金田一耕助シリーズ)

 

 

 

 

 

少女たちよ、夜明け前が一番暗い。あるいはPRODUCE48最新話までの感想と最終デビューメンバー12人のガチ予想

余談

ミーハーであるので「PRODUCE48」夫婦で韓国料理をちょこちょこ食べている。いや、以前から食べてはいるのだが。(妻は時々チヂミを作ってくれたりする)明らかに頻度は増した。

特に「嗚呼、おっぱちゃん」(店名)さんのカムジャタン(上記写真)がとてもおいしい。〆はポックムパムがおすすめである。冬には牡蠣を用いた鍋もあるということで今から楽しみ。日置市にもおいしい韓国料理屋さんがあるということで是非行ってみたいと思う。

本題


[ENG sub] PRODUCE48 [최초공개] 프로듀스48_내꺼야(PICK ME) Performance 180615 EP.0

「PRODUCE48」が始まって早くも二か月が過ぎた。厳しいレッスン、容赦ない順位格差、思うようにならない選曲、意外な伏兵、埋もれていた才能の発揮、国境を越えた友情……彩り豊かな群像劇を経て上記の96名の少女たちは今、30名にまで減り、そして来週は20名に、今月末には最終の12名が決まる。

ということで、最終12名を考えてみた。作成はProduce 48 Rankerを利用させていただいた。君も自分だけの最強デビューメンバーをつくろう!

 

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※王冠マークがついているメンバーは前回中間発表でデビュー圏内(12位以内であったメンバー)

1位予想:チャン・ウォニョンさん


PRODUCE48 [48스페셜] 스타쉽 - 장원영 l 당신의 소녀에게 투표하세요 180810 EP.9

 

筆者が予想する最終1位はチャン・ウォニョンさん。2004年生まれというから14歳のジャイアントベイビー(番組談)である。番組最年少。14歳というのは韓国は数え年で年齢を数えるからであって、実際は誕生日をまだ迎えていないから13歳ともいう。恐ろしい話である。最初期から注目されており、常に高い順位をキープ。中間発表では見事1位の座を獲得した。即ち筆者はウォニョンさんの「逃げ切り」を予想していることになる。ここがリアルタイム・サバイバルレースの残酷かつ面白いところでもあるのだが、前回の中間1位直後、ウォニョンさんの順位は急落しており、現在は首位陥落している。追うものの方が追われるものより強い、の典型を受けているといえよう。

 


[ENG sub] PRODUCE48 [4회] ′이런 게 바로 상큼′ 믹스주스ㅣI.O.I ♬너무너무너무_1조 @그룹 배틀 180706 EP.4

年若く、練習生期間も1年2か月と短い彼女だが、筆者としては上記「very very very」にて完全に撃ち抜かれてしまった。目線の使い方、体の動かし方、完全に「カワイイの天才」である。このグループ自体がある種アベンジャーズ的なドリームチームであり(30/96に全員残っていることからもその凄さがうかがえよう)それらを従えながら彼女以外にセンターはつとまるまい、と誰もを納得させたであろう素晴らしいパフォーマンスであった。


PRODUCE48 [풀버전] In to youㅣAriana Grande ♬Side To Side @포지션 평가 180727 EP.7

カワイさの極致を演出したと思えば次はセクシー路線でも遜色ない動きを見せるというそのいい意味での振れ幅の大きさも大きな魅力である。他の演者がパフォーマンス中など、結構そのマネをしていたりしてそれもまたカワイイである。

PRODUCEシリーズのコンセプトとしてはやはり頂点には他の色のついていない練習生が立ってほしい、という思いも込めて、彼女を1位に予想する。面白いのは、最終話は生放送の予定なのだが、彼女が年若いので法律に抵触するため、放送時間の変更が検討されている件である。番組編成を変えさせるほどの人気という訳だ。

他デビューメンバー予想

正直な話、1位予想以外は「このメンバーは入るだろう……」という予想が精一杯で、上図の順位はそれほど根拠はない。ただ、大体の雰囲気としてあれくらいの配置になるのではないか、とは思っている。特に2位の矢吹奈子さんに関しては、ほぼそうなるだろう、と考えている。少なくとも日本勢では彼女が一番ではないか。


[ENG sub] PRODUCE48 [단독/3회] '귀요미 어벤져스' 자이언트 베이비ㅣ여자친구 ♬귀를 기울이면_2조 @그룹 배틀 180629 EP.3

クラス選抜で始め最下位のFクラスに(ところで彼女のクラス評価動画は見当たらないのだけどやはりとなりのバナナはNGだったのだろうか)なりながら、その後の映像評価でAクラスへとのし上がった彼女はその勢いのままにグループバトルで超高音の伸びのある歌声を堂々と披露して圧勝、中間発表でも1位争いを繰り広げるなどその存在感は大きい。このままいけば上位入賞は間違いないと思うが、HKTのこれからの要である彼女をある意味この企画に縛り付けてしまう=HKT及び48グループとしての活動が制限されてしまうことを投票する国民プロデューサー諸賢がどのように考えるか? ということが意外と分水嶺となるかもしれない。海外にもファンが多いという指原莉乃さんの薫陶を受けた彼女に対して「指原ファン票」が与えられるのか? というのも注目であろう。

 竹内美宥さん、イ・ガウンさん、クォン・ウンビさん、宮崎美穂さんは全員5年以上のキャリアがあり、パフォーマンスが安定していることから選んだ。アイドルの投票ごとにおいてランクインするための一つの指標は身もふたもないことを言ってしまえば「かわいそう」かどうかである。「報われてほしい」という思いでもある。日本ではしばしば判官びいきともいわれるあの感情が、ことアイドルに関してはとても強く作用するというのはブラックビスケッツVSポケットビスケッツの昔から明らかである。

竹内さんはAKB黄金期に第9期として加入した。同期にはAKBの「顔」の一人として知られた卒業生の島崎遥香さんや、SKE48へ移籍、今年の総選挙では自身最高の8位にランクインした大場美奈さん、現総監督の横山由依さんなどがいる。昇格時は当時の正規メンバーの最年少で、奇しくもウォニョンさんと同い年の時であった。華々しい同期に比べ、彼女のアイドル人生は順風満帆であったとは言い難い。第2回から参加している総選挙はすべて圏外。劇場公演もスタメンでない時期もあった。大学進学後は露出も減り、花道を歩く同期や後輩と比べられたり、ネガティヴな発言をまとめサイトに悪意ある取り上げ方をされたりとつらい日々が続いた。もしかしたら今回の参加で「まだ卒業してなかったのか」と思ったアイドルファンもいたかもしれない。PRODUCE48でようやく彼女は「見つかった」。その歌唱力と、キャリアを重ねていたものだからこそできる粘り強さで。彼女は前述の所謂「干され」期間の間何もしなかったのか?――そうではなかった。彼女は4年前からこつこつと、自分のチャンネルで「歌ってみた」動画をアップロードしていたのだった。PRODUCE48は筆者がさっきからべたべた貼りつけているように公式で動画をどんどん上げる。「この歌が上手い彼女は誰?」そう思って国民プロデューサー諸賢が検索すると、過去の素晴らしい歌唱がぞくぞくと出てきて、ますますその歌声のとりこになってしまうという訳だ。それはアリとキリギリスのような鮮やかな逆転劇だった。かつて彼女が師事していた、高橋みなみさんの「努力は必ず報われる」を身をもって証明したと言える。筆者は考える。彼女がグループバトルで歌った「ハイテンション」は同期・島崎遥香さんの卒業曲である。彼女はその選抜には選ばれていない。異国の地でそれをディーバよろしく歌い上げた時彼女は何を思ったのだろう。そんな彼女も第2回中間発表ではギリギリの30位。しかし最新放送では4位まで大躍進した。前述した「かわいそう」票が火を噴いたわけである。(我が家ではこういった現象を「かわいそうベネフィット」と呼ぶ)しかしこれによって他陣営が火がつくわけで、このままは難しいかもしれないがデビュー圏内はキープするだろう……というのが筆者の見方である。

イ・ガウンさんは筆者でも知っている韓国のグループ「アフタースクール」の元(?)メンバー。アイドルの華ともいえる10代後半~20代前半を飼い殺しにされてしまったというド級のストーリー、「かわいそう」と勿論抜群のルックスとパフォーマンス、日本語会話も含めたコミュニケーション能力を引っ提げて参戦し、初回の中間発表では第1位となった。ここでさらに家庭環境が複雑ということでストーリーが分厚さを増した。勿論、パフォーマンスも頭一つ抜けていた。ところが第2回のウォニョンさんがそうであったように、やはり追う者たちに追い上げを食らい順位を落としている。ファンたちの油断もあったのかもしれない。しかし竹内さんの歌声がそうであるように、ガウンさんの存在は誕生するであるグループには必ずいてほしい重要なものだ。国民プロデューサー諸賢がその気持ちと自分の推しへの気持ちをどう調整するか、という問題になって来るであろう。

クォン・ウンビさんもかつて別名義でデビューしたものの挫折した経歴を持ついわばサバイバーである。当初から同じ事務所のメンバーの精神的支柱となっており、投票でも常に上位をキープしている。その後もたびたび自分よりチームを優先する姿勢が出ており、前提としての高いレベルでバランスの取れた実力があることからも「報われてほしい」「チームを支えてほしい」という票が彼女をデビューまで守り続けてくれるのではないだろうか。

宮崎美穂さんについては正しく黄金期の「次世代エース」。しかし、その「黄金期」にうまく乗り切れず、次々と現れる新たなる次世代エースの背中を追うことが多かったように思う。かつては篠田麻里子さんをはじめとするメンバーに歯に衣着せぬ物言いで噛みついて場を盛り上げていた、そんな末っ子狂犬キャラも月日の経つのは恐ろしく、今回は最年長での参戦である。キャリアも一番あるのではないだろうか。彼女もまた継続の人であった。韓国が大好きなのである。アイドルファン、特にネット上での声が大きい人々は外国への偏見がある人々も少なくなく、そういった層に何度も叩かれても彼女はその「好き」をぶれさせなかった。その結果韓国側練習生と日本側練習生とのコミュニケーションの柱になったり、韓国語の楽曲の歌唱でも持ち前の歌声を損なわずアピールが出来た。その結果か、韓国国内でしか投票できないこの投票において最新順位では3位を叩きだした。まさに「好きを仕事にした」のである。多国籍グループになるとき、コミュニケーションは何より大切である。また、第2回中間発表の直前まで練習していたチームは彼女以外全員脱落した。編集がとやかく言われるこの番組であるが、みんなでワイワイとしていたのにすっと消えて宮崎さん一人レッスンルームに取り残される構図は多くの「かわいそうベネフィット」を獲得したに違いない。未見の読者諸賢にわかるように国民的漫画ワンピースで例えて言えばブルックのビンクスの酒のシーンのごときギャップであった。また、同チームのメンバーのファンたちが援護してくれる可能性もある。これらによってデビュー圏内に入ると信じたい。

なんと4,500字を超えてしまったので打鍵を急ぐ。アン・ユジンさんについてはやはり高いところで全ての能力が安定していること、既に固定ファンがついていることから余程しくじらなければデビューできるだろう、と考える。性質も被らないし、ラッパーとして安定しているメンバーが必要であろう。が、こういった「正統派」がなぎ倒されるのがこういった投票の面白さであり恐ろしさであるのだが……。他のメンバーと比べると国民プロデューサーに訴える「ストーリー」がやや弱いか。

宮脇咲良さんについても同郷であるしファンであるので応援しているが、やはり現状はそれまでに築き上げた地位がかえって足を引っ張ってしまっている。「追われる側」「ジャイアントキリング(される側)」になってしまっているので不利は否めない。番組自体、そして本人はこの番組を彼女の成長ストーリーとしたいというのは伝わってくるが、そういった「メインストーリー」に反発したくなるのがオタク根性というものなのである。デビューは出来るであろうが、高い順位は難しいかもしれない。

戻って本田仁美さんはチーム8出身のダンスメン。その振りの学習の早さはダンスに定評のある韓国練習生やトレーナーの先生方も驚嘆させた。AKBグループの次世代の潮流として、日本もカワイイだけでなくしっかり技術も伴っているんだぞという証明として、是非ランクインして頂きたい。今年の総選挙で初ランクインしたことが追い風になるといいと思う。

カン・ヘウォンさんは円が灰色=今回予想メンバー唯一のFランク出身。目を引くルックスからお出しされる残念な歌声(と、ダンス)は第1回を鑑賞した我々に「韓国人練習生だからって皆パーフェクトなわけではないんだな」と感じさせてくれた。が、中間発表を経て現在も高順位をマークしている。何故か。それは勿論そのルックスと、もう一つこういった投票ものでランクインするためのポテンシャルを彼女が秘めているからである。それは「俺(私)が見守ってあげなくちゃ……」という気持ちにさせるキャラクターであること、言ってしまえばポンコツであること。そしてやるときはやるギャップを秘めていること。


[ENG sub] PRODUCE48 [4회] ′희망이 보이는 것 같아요′ SNACKㅣ블랙핑크 ♬붐바야_2조 @그룹 배틀 180706 EP.4

彼女をはじめポンコツキャラクターがそろった「ボンバイヤ」2組は実力では完敗している1組に投票で勝利した。「応援したくなる」のは2組であったからであろう。「俺(私)がいなくても大丈夫だな……」と思わせてしまうのはアイドルとしての敗北に等しい。そうした意味で、ヘウォンさんは勝ち続けている。その度に技術や、国を超えた友情を獲得してどんどんとレベルアップしながら。このままいけば上位に食い込めることであろう。

チェ・イェナさんについてはムードメーカーであり、他メンバーにはない一種独特の愛嬌とパフォーマンスのギャップが筆者をひきつけてやまない。日本の歌番組とかでその愛嬌を存分に発揮してもらいたいな……というかそういうのに対応できるキャラクターって貴重だよな……と思ってデビューメンバーに入れた。是非残ってほしい。

ワン・イーレンさんに至ってはもう絶対に落としてはダメだろこのビジュアル……と思っているのだがどうも順位が振るわない(確かに手持ちの武器は少ないように感じるが……)が国民プロデューサー諸賢の良心を信じてデビューメンバーに入れた。全然知らない層が知るきっかけ、入り口となるポテンシャルがあるルックスであると思う。

果たして結果がどうなるか。そもそも今回選出した12人は20人への選抜を全員乗り越えられるのか。導火線に火をつけた気持ちで待ちたい。

散りぬべき時知りてこそ、あるいは歌仙兼定鑑賞目的で行った熊本県立美術館が最高だった話

夫婦で「刀剣乱舞」ファンをやっていていいことというのは色々あるのだけれど、その一つに「遠出をするきっかけになる」というのがある。

我々二人はどちらとも基本的にはインドア派である。あんまり出歩くのは好きではないのである。ましてや、酷暑。余程のことがないと出たくないのである。

刀剣乱舞ファンには結構、余程のことが起こったりするのである。

今回の「余程」は熊本県立美術館さんの企画展「細川ガラシャ」であった。こちらに刀剣乱舞に出演していることでお馴染み「歌仙兼定」がやってくるのだという。

この情報を我々は、4月ごろに入手した。折しも京都国立博物館にて「歌仙兼定」を含む刀剣乱舞に登場する様々な刀剣の展示が秋に行われることが判明したこともあり、その時点では我々は「京都の方で見ればいいか……」といった程度のテンションであった。3月の京都体験が余りにも素晴らしく何かしら行く口実が欲しかったというのもあろう。

が、来週どこかへぶらり行こうと思っていたがETC休日割引が週末対象外になることを知り、また今回の企画展では「歌仙兼定」の撮影が可能であるということ、熊本県立美術館は熊本城にほど近い場所であることがわかるにつれ、2日前にほとんど行き当たりばったりで行くことを決意した。秋の京都はあまりにも魅力的に過ぎて破産が懸念されるということもある。

平日のモダモダはどこへやら、我々は6時に示し合わせたかのように目覚め、淡々と準備をし、7時には出発していた。外は28℃。これですら「ちょっと涼しい」と感じるほど我々は異常気象に飼いならされてしまった。高速はそこまで混んでおらず、開館前に到着する可能性すらあったので宮原SAで休憩を取った。ここのベーカリーのちくわパンが絶品なのである。また、赤鶏のからあげも大変おいしかった。

熊本の中心街につき、いやがおうにも熊本城の痛々しい姿が目に飛び込んできた。しかしそれは確実に復興へ進んでいることの証でもある。視線でエールを送りながら、その周囲をなぞるようにして二の丸駐車場へ車を停めた。開館から15分が過ぎたあたりで熊本県立美術館へ到着した。

当初は企画展「細川ガラシャ」それも言うなれば「歌仙兼定」に狙いを定めて見るつもりであったのだが、セットで別棟の企画展示「二の丸小さきもの倶楽部」もお得に見られるということでセット券を購入することにした。モダンな階段を粛々と上がり、いざ展示室へ。

 

平成14年に上梓された内田青虹氏のガラシャモチーフの最新の歴史画「往く道に光明を!」が出迎える。リアリティのある質感のヴェール、優しく美しいがどこか浮世離れした風貌など現代の我々がイメージする「キリシタン細川ガラシャ」の姿が見事に活写されている。

(「往く道に光明を!」は残念ながら見ることが出来ないが内田先生のHPでは何点かの作品を鑑賞することが出来る。)

誰もがそうであるようにガラシャも様々な側面を持つ。

前半生謎多き再来年大河ドラマ主役の武将・明智光秀の娘であり、

勇猛かつ利休七哲に数えられる文化人でもあった細川忠興の妻であり、

宣教師がこぞって本国に報告するほど注目されたキリシタンでもあった。

本企画展はそれぞれの要素がどのように構成されていったかを多面的な資料・解説で以て時系列に沿って判り易く説明してくれている。時代の空気も感じ取ることが出来る。

途中、先だってニュースにもなった新発見の明智光秀の空白時代を埋める書簡や、同じく少し前に「本能寺の変四国の処遇が原因説」の論拠の一つとして話題となった長曾我部元親の斎藤利三宛の書状など学説の更新を促すような最新の資料を見ることも出来た。歴史上の人物が書いた手紙が時を超えて自分の前にあるという事実が改めてすごいことだと思わされる。

また、「へうげもの」ファンとしては利休が作ったといわれる絶対に許されなさそうな角度を垣間見せるユーモラスな茶杓「ゆがみ」、忠興とっておきのドデカ魔改造高麗茶碗「大高麗」、関ケ原の褒賞、即ち考え方によってはガラシャと引き換えに手に入れたともいえる利休が北野大茶湯で使ったといわれる茶入れ「尻ふくら」などの名品が直に拝めるのも素晴らしい。特に「尻ふくら」など掌中に転がしたい愛らしいフォルムと色であった。

にわか刀剣好きとしては徳川秀忠から賜ったとされる「彫貫盛光」の透かし彫りに圧倒された。元は神社の宝刀、それが木村重成の父に渡り、豊臣秀吉に渡り、秀忠に至ったという来歴も華々しい刀であり、細川家のお宝刀剣部門では筆頭に挙げられたという。もしかしたら今後刀剣乱舞でも実装されるかもしれない。他にもガラシャの守り刀や将軍・足利義昭から拝領したと伝わる槍なども見ごたえがある。

そしていよいよ歌仙兼定とのご対面となった。

いや、男士としての彼は入り口で既にご対面しているのであるが。

 

三十六人斬ったかどうかはともかくとして、恐らくは人の命を絶ったことはあるであろう得物が、目の前にある。

その刀にしかし、陰惨さや血生臭さは全く感じられない。

この角度から撮ると反りが深いことがよくわかる。

銘もくっきりと確認できる。

解説にある「のたれ」とは矢印部分のこと。以降は実直な中直刃なのでギャップがよい。

さてその中直刃が魅力の切っ先は…撮影失敗! この先は読者諸賢自身の目でお確かめいただきたい。妻情報によると歌仙兼定は撮るのが難しい刀、ということで、そういうことかもしれない。(不思議に妻も切っ先に関してはぶれが出ていた)

列は落ち着いており、都合三回ほど鑑賞することが出来た。二回目でもうやめよう、と思ったのだが後ろ髪引かれてついつい見てしまう、スルメ的魅力をもつ刀剣であった。

最後は入り口と対照的にキリシタンとしてのガラシャを描いた最初期(大正12年)の絵画と言われる橋本明治氏の「ガラシャ婦人像」(今回展覧会のキービジュアルともなっている)に見送られ観覧を終了した。

敬虔なキリスト教徒のイメージが強いガラシャであるが、実は教会に行ったのはたったの一度であるということを筆者は今回初めて知った。それは九州征伐に夫・忠興が出征した隙を突いてのことであったというから、ある種島津が暴れなければ彼女の生涯はここまで劇的にならなかったのではないか、という風に考えてみるのも面白い。

しかし閉口したのは、メディアの信用できなさである。現在では宣教師が本国へ伝えた内容が逆輸入された形をベースにガラシャの最期は伝わっているが、当時は子ども二人を自ら手にかけていたり、織田信長トップオタでお馴染み信長公記の作者太田牛一なんかは「死ぬときに南無阿弥陀仏と言っていた」と書いちゃったりするなど情報が錯綜していたとはいえ余りにも出鱈目が多い。(後者においてはガラシャが少なくとも「現役の」キリシタンであることは余り知られていなかった証左でもある。)

時代が下ると「貞淑な妻かくあるべし」というプロパガンダに利用されたりもする。キリスト教布教の紙芝居にも使われたりもする。死してなお、意に添わぬ切り取り方で消費されるガラシャには同情を禁じ得ないが、今展示のおかげで、例えば素朴な歌であったり、ガラシャが自ら作ったといわれる忠興のための雨具などを見るにつけ、そういった様々な付加された要素をすべて取り払った、一人の女性としてガラシャがどのような人物であったか、またその付加要素を構成する人・モノ・時代背景がどのように移り変わっていったかを非常に多層的に丁寧に読み解くことが出来る興味深い展示であった。

すっかり満足した筆者(注意力5)であったが妻(注意力30000)は浜田知明氏追悼展示を見逃さなかった。先だって亡くなられた浜田氏はここに常設の展示室があり、無料で鑑賞が出来るのであった。版画のA4あるかないかといったサイズにある時は緻密に、ある時は大胆に描かれるのは戦争への嫌悪であろうか。何かしらのすさまじいエネルギーがその小さな空間にみっしりと内蔵されているようであった。少なくとも筆者は連作を見た時、その迫力に圧倒されすさまじい厭戦気分に陥った。

流れるように図録と限定お菓子を購入し続いて別棟展示である。外に出た瞬間、蒸し暑さが襲う。歌仙兼定は雨刀だというが、公開初日である前日は良く晴れる火の国祭りVSよく雨を降らす歌仙兼定という好カードで、結果は夜に大雨だったそうである。ドローか。その雨の影響もこのじめじめした暑さはあるのかもしれなかった。

さてどことなくおじゃる丸を思い出させる「二の丸小さきもの倶楽部」であるが、子ども向けの展示と侮っていたらとんでもない。早速同田貫がお出迎えしてくれるし、刀を細かく分解(刀を構成する小さき物たちの紹介)したイラストをはじめ、とても判り易く、またそのものに興味を持つようにできている。

展示品自体もその細かさに職人の技の確かさ、おままごと用の数々が本物の横にちょこんとすましているいじらしさがたまらないし、クイズもあり飽きさせない。

特に熊本へ向かう車中、おもむろにシルバニアファミリーガチ勢を信仰告白した妻などは雛調度に卒倒しかかっていた。

鑑賞中何回か「歌仙兼定は……」「あっちの本館です(手慣れたご様子)」「ありがとうございます(脱兎)」というやり取りを見たが、その度いやいや! 刀がお好きなら絶対こちらも見た方がいいですよ! と呼び止めたくなるほどであった。今から観賞予定の読者諸賢は是非セット券の購入をお勧めする。

そのようにして熊本県立美術館を堪能した我々は(山本二三展は鹿児島で既に鑑賞していたので)あか牛ダイニング yoka-yokaさんで赤牛を堪能し、「黒牛もいいけど赤牛もね。でも黒いクマはいつかたおす」という気持ちを(筆者のみ)改めて確認して帰路に着くのであった。

蛇足・いつかたおす黒いあいつ

シビリアンコントロールからくまモンコントロール

kumamon watch you

くまモンスクエアのそばを通ったのですが入り口がよくわからず入れずに残念でした。