カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

豚骨王国の変容ー第五回鹿児島ラーメン王決定戦に臨む

今年も中日の半端な時間にラーメン王決定戦に参戦することが出来た。

 

混み具合はこんな感じで、多少並ぶもののうまさをより増幅させてくれる程度の並び方で済んだ。席も程よく空いていた。やはりラーメン王決定戦を満喫するのなら、中日の夕方に限るという確信が深まった。

我々の口元を拭ったりテーブルを拭いたりなど今年も八面六臂の活躍を見せてくれていたのはもちろん鹿児島県民の八割が所持しているといわれるふるさとのデパート山形屋ティッシュであった。

なお、妻はあるラーメン屋さんの虜となり、本日昼前にもう一度単騎駆けしたが、非常な混雑となっており泣く泣く諦めたそうである。

因みにその時の様子がこちら。ここに単身挑むには妻はまだ功夫が足らなかった。筆者も躊躇するであろう。

↓ちなみに昨年はこんな感じでした。

kimotokanata.hatenablog.com

 では、今回も堪能させてもらった三杯のラーメンについてど素人が徒然に感想を書いていきたい。

そばる「特製鴨ねぎ醤油そば九条ねぎと焼きねぎのマリネ~」

以前からファンだった蕎麦屋さん。父にお薦めしたところ、「おい、ラーメン屋さんだったぞ、美味しかったけど」と言われたのが懐かしい。(当時はまだ不定期だったように思う。現在は曜日によって蕎麦屋さんとラーメン屋さんの日は完全に区別されている)まさかラーメン王決定戦に参戦するほどになっているとは…と事前特番を見て驚かされた。

蕎麦屋さんとしては毎日違う日替わりメニューを出すなど革新的なことをしてきたそばるさんがラーメン王決定戦では果たしてどんなラーメンを食べさせてくれるのか?(例年、出場者決定特番とどんなラーメンを提供するかの特番が組まれるのだが後者を見逃してしまい、その後はあえて情報を遮断するようにしたのである)

ワクワクは尽きず、まずはそばるさんと心に決めた。


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一口啜ってなるほど、これはラーメンではなくまごうことなき「醤油そば」であると納得させられた。焼き鳥メインの居酒屋も経営され、筆者も大好きな鴨南蛮そばを擁するそばるさんだからこそ出来るしっかりとコクと深みのあるスープ。二つのねぎの甘さと香ばしさ、食感の楽しさはどうだ。スモークされた合鴨の香りと頼もしい味付け、それらに彩られながらもしっかりと主役を主張する麺。緻密な計算が美しく器の中に調和している。後のことなど考えさせず、この一杯に真摯に向き合わなければいけないと思わせる完成度の高い麺だった。汁までしっかり飲み干してしまった。

麺酒場木村本店「本場四川汁無担々麺」

続いて妻がセレクトしたのは麺酒場木村本店さん。放送当時からイケメンと名高い店長さんであったため、つ、妻……まさかイケメンにつられて……捨てないで……と不整脈が出かかったが妻は筆者が担々麺をこよなく愛する人間であることをちゃんと覚えてくれており、その為のセレクトだったのである。(いい話)ちなみに店長さんは一生懸命ラーメンを作っており、ご尊顔を拝見できなかったようであった。対応してくれた奥様もたいそう美しかったようである。なお、店長さんの名字は上釜さんと言い、屋号の木村本店はご自分の名前は全く関係なく、木村拓哉さんのファンだからである。

妻曰く、奥様直々にひたすら混ぜるようにと言い含められたようで、気合を入れて混ぜていた。途中、筆者も加勢する。そしてようやく口にする妻。「おいし…いやうまい!」言い直す必要はあるのか。とはいえ筆者が広島から離れている間にご当地グルメとして存在感を高めているという(帰省時食べ損ねた、くやしい)汁無担々麺を広島にて堪能して舌が肥えている妻が即座にポジティブな意見をたたき出すのだから期待が高まる。口にした瞬間、頭の先まで山椒の「麻(しびれ)」の刺激と香りが突き抜ける。そして加速度的にトウガラシ、ラー油と混然一体となった「うまさ」―これ以外になるほど形容しようがない―が増大していく。舌の刺激がリズム良く、更なる一口を要求してくる。汁がないことも手伝って、あっという間に食べ終わってしまった。

Noodle Laboratory 金斗雲「黄金雲!!~照り焼きトーフステーキ&ジューシーチキン~バターフレーバーオイル添え~」

金斗雲さんもラーメン王決定戦の常連で、いつも気になっていたがこれまで食べる機会はなかった。特集の時に見る店舗のおしゃれさ、店長さんの喋り方はいわゆる「意識の高いラーメン」を筆者に想起させ、日々をちゃらんぽらん過ごす筆者にとっては勝手な苦手意識を抱いていたのかもしれない。二つのラーメンを食べ終え、さてあと一杯くらい、と考えていたとき、筆者は正直なところ「絶対に食べたい!」というラーメンはなかった。食べたかった二杯は既に食べていたし、心優しい妻は筆者が汁無担々麺にハマっているのを悟り、半分以上を筆者に食べさせてくれたので、満腹感もそれなりにあったのである。この状態で他のラーメンに臨むのは不誠実なのでは? と思ったりもした。しかし祭りに参加している高揚から、また前売り券はもう一枚買ってもいるということもあり、もう一杯食べてみたいという気持ちも同時に存在していた。

妻の鶴の一声で、金斗雲さんになった。前回の記事にも書いたが、妻はあまり豚骨ラーメンが得意ではないので、味噌ラーメンである金斗雲さんはありがたい存在であったことであろう。また、トーフステーキは「トーフだからヘルシー」と妻の二杯目への罪悪感を薄くしてくれているようであった。優しい欺瞞。

流石人気店、この時間帯であってもそこそこ列の待ち時間があったが、ふとチケットを渡す相手を見て驚いた。店長さんその人であった。柔らかな物腰で、来店のお礼とトッピングの有無を尋ねられた(全て入れていただいた)。やはり規模が大きく、運営を任せられるスタッフの体制が整っているからこそだとは思うが、暖かい部屋で指揮を執っていても構わないであろうに、先頭に立って接客をされるその姿勢に勝手な偏見、苦手意識でもって足を遠のかせていた自分を深く恥じ入る思いであった。筆者の耳の赤かったのは二月の北風のせいばかりではない。

万感を持って受け取ったラーメンと、謎の容器を持って筆者は妻の待つブースへと向かうのだった。

具の贅沢さがまず目を楽しませてくれる。どこから手をつけようかという幸福な迷いの後、意を決して箸を差し入れると具で封じられていた豊かにブレンドされた味噌の香りがぶわっと広がる。野菜、カラッと揚げられたチキン、トーフステーキの三者三様の食感と味が楽しく、その斬新さと定番「黄雲」をベースとした味噌ラーメンが理想的な同居を果たしている。全体的にはあくまでも優しい味わいである。

妻は「正直チキン目当てだったのにごめんなさいという感じだ!」と自分が頼んだものが予想以上に美味しいというポジティブな困惑を抱えつつ、丼もがっつりとホールドしていた。半ばまで食べたころ、筆者は店主より託された謎の容器を解き放つことにした。それこそがバターオイルである。そう、黄金雲はまだ一段階変身を残していたのだ! 丼へかけ入れられたバターオイルは周囲に破壊的なまでの香りをふりまく。これで食欲が刺激されないわけがない。これ以上はないと思われたスープはよりまろやかにかつコク豊かに変貌し、まさしく我々は店主の掌の上で踊る孫悟空に過ぎなかったことを痛感させられた。妻の傾倒ぶりはすさまじく、ほとんど一人で一杯食べてしまうほどであった。一杯食べる妻が好き。帰宅から今に至るまで、「金斗雲さんおいしすぎじゃなかった?」「明日も食べようかな……いや食べよう!」「混み過ぎて食べられなかった…(その後美容院の予約があったため長居は出来ない)…こんなに好きなのに…」「もしかしてと思ってほかの店舗に行ってみたけどやっぱり閉まってた……」「きんとうん~~すちだ」などと完全にムーブがガチ恋勢のそれであり、筆者の観測上から考えれば妻をそこまで至らせたのは道重さゆみさん以来であるのでかなりビビっている。捨てないで…。(不整脈)そのうち店舗にもお邪魔したいと思う。

 

 ↑妻が悲し気に送ってきた閉まっている店舗の写真

食べ終えて

今回も三杯ともとても美味しく、投票においては三店舗に一票ずつ投票させていただいた。記事を書いている間に、結果が出ていた。TAKETORAさん二冠おめでとうございます。そばるさんの技能賞がわがことのように嬉しい。木村本店さん、金斗雲さん、が選外だったということに驚きが隠せない。それほどのレベルの高さがある大会だということであろう。

今回おおっと思ったのは、十八店舗のうち実に十店舗と、過半数以上が「豚骨ラーメン以外」を選択していたことである。保守的な気風である鹿児島でも、ラーメンには変革の嵐が吹き荒れているようで面白い。とはいえやはり上位陣は豚骨ラーメン勢が多くを占める。お互いが切磋琢磨され、より鹿児島ラーメンが盛り上がればいいな、と思う。

それと、昨年に続いてになるのだが、やっぱりラーメンは一杯五百円くらいにして、もう少し量を抑えてほしい……こんなにたくさんおいしいラーメンがあるのに胃袋が限界なんてこんな残酷な話はないのである。

第六回の中日の夕方ごろに、またお会いしましょう。

即興劇は土曜日に―エチュードハウス鹿児島店開店レポート

余談

先週、妻の実家に帰省した。丁度一年ぶりである。広島コミケにお邪魔したり、STU48の「せとうちめぐり」広島編を鑑賞したりなど、充実した二泊三日の旅はまた項を分けるとして、その際立ち寄った駅に、気になる広告を見つけた。

エチュードハウス。聞き覚えがあった。記憶をたどると、妻が以前友人に会いに福岡に行った際、寄るつもりであったが、ついに行きそびれて後悔していたお店であることを思い出した。

福岡よりはずっと近いということで、妻に知らせると、瞬時に行きたい、ということであった。折しも市内には第五回ラーメン王決定戦参戦と言う意味でも行くつもりであったので、土曜日に行くことにした。目的のギャップがすごいな。

本題

決戦は土曜日

実ははじめ妻は、エチュードハウスは開店二日目の明日日曜日に行くつもりだった。かつ、開店記念の限定グッズも手に入れるつもりであったようだ。

甘い、甘すぎる。チョコラテの様に甘い。貴様は薩摩おごじょを舐めたッツツと言われてしまっても仕方がない。

色々を勘案した結果、家を八時に出発することにした。現地には九時に着く予定である。ちなみに開店は、十時、整理券配布が九時半であるとのことだった。「あんまり早く行って待ちぼうけして友達に噂されたら恥ずかしいし……」と藤﨑詩織めいたことをのたまう妻を説き伏せ、早めに就寝することとした。

七時半、未だ夢の中を揺蕩う妻を起こし、おおよそ目標時刻の八時に我々は家を後にした。これじゃあ健康になっちまうぜ。

九時。店舗そばにてなにやら動物的直感を得た筆者は、先に妻を降ろしてから駐車場へと向かった。果たして店舗(は駅ビルの中であるので正確には外)に到着した筆者が目撃したのは、既に二百人は下らないであろう待機列に並ぶ人々の姿であった。少しでも早く向かおうと小走りになった結果、通知の振動に気づかなかったが、妻はなんとかぎりぎりオープニングパックを獲得できそうな位置につけたらしい。こんなに一部に人が集中しているのを見るのは北海道物産展以来である。普段どこに潜んでいるのだ。釣り野伏せか。

即ち、整理券配布予定の三十分前にして既にオープニングパックは獲得不可になったのである。妻の姿は視認できなかったが、この人数では開店してからも入場制限、購入個数や店内滞在時間の制限が発生するやも知れぬと思い、そのまま筆者も並ぶことにした。傍から見れば完全に店舗の意識する購買層の領域外の人間がエントリーしてきたわけでさぞ驚かれたかと思う。が、筆者はともかく、可愛いものが好きな男性や意中の思い人に購入を考えている男性もいるだろうから、スタッフさんの丁寧な対応には救われる思いであった。自分も何かしら買おうかなと言う気持ちにもなった。

並んでいるのはやはりというか九割が女性で、開店に駆けつけるアンテナの高さゆえか皆キラキラとしており、わが妻もその反射光でもっておこぼれキラキラ出来ていることを願った。

アピールポイントのひとつが求めやすい価格帯であることから、女子中学生、女子高校生諸賢も列には多く見られた。途中、部活に行くであろう通りすがりクラスメート男子からからかわれる一幕を目撃するなどし、知らぬ間に花とゆめ世界に迷い込んでしまったのではないかと狼狽した。せめて…せめてパタリロ世界にしてくれ…と若さゆえの初々しさがもはや自分にとって毒でしかないことに老いを痛感させられた。

十時開店、美女と野獣、ならぬメイクと言う武装で固めた美女であり、かつ美を追求するという本能を貪欲に渇望する野獣を内に飼う美女で野獣である待機列の人々はしかし、あくまでも粛々と入場していった。鈍獣たる筆者もすごすごと後に続いた。よいにおいにつられ、LUSHに入店してしまいそうになる。

エスカレータを上ると、華やかかつぎちぎちの店舗にとうとう出会うことが出来た。まさに戦が勃発している。翼よ、あれがエチュードハウスの灯だ。

店舗をぐるっと回って再び待機。結局、筆者が店舗に入ることが出来たのは十時半ごろであった。入場制限はあるものの、個数制限やいつまでに退店してください、というのはないらしく、妻と店内で合流することが出来た。

それは同時に筆者がこのまま店内にとどまってもただ邪魔にしかならないということを意味していたので、商品を一つ選び、妻に託し、退出した。店内はいかにもなコスメ商品のほかお菓子やドリンクのような形の「これが本当に化粧品なのか!?」と驚くようなものも多く、使用する予定もないのに買ってしまいそうで危険だというのもあった。

会計列もまた店舗をぐるりと取り囲む大蛇の様に列をなし、妻がすべて終えて店舗から出て来たのは十一時半ごろであった。その顔は疲労と、その何倍もの充実感、達成感でメークされていた。

その間幾度となく、エチュードハウスが鹿児島にできたことの喜びと、混雑への驚きが店舗周辺の他の買い物客諸賢から聞かれた。暫くの間は余裕をもって買い物に来た方がよいであろう。我々は妻が適度に購入してくれたおかげで手に入れた駐車場割引券を活用した上で、家路につくのであった。

妻の独断と偏見・エチュードハウス商品レビュー(の、ようなもの)

アラサーのおっさんがエチュードハウスに行っただけの記事を上げるのも何なので、妻に今回手に入れた商品の感想などを聞いてみることにした。参考になれば幸いである。まだエチュードハウスを詣でてから時間が浅いせいか、獣(ジュウ)の片鱗が見え隠れしている感想を筆者のような門外漢が再構成した形であるので、あくまでも参考でお願いしたい。

補足:妻の情報

20代半ば、広島出身、右投げ右打ち。エチュードハウスはティントをよく使用していた。(筆者がよく見ていたのは、スイカバーの形のやつ)三度の飯より発色が好き。

戦利品

合計7,878円。妻がせんだみつお氏のファンであることは疑いがない(ちがいます)。

この中にはオープニングパック(3,000円)が含まれている。

オープニングパック(Lucky Bag

 

 繰り返しになるが3,000円。左下の縞模様は見覚えがある。10,000円相当の商品が入っているらしい。

以下、妻のレビュー。

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妻「発色がすごすぎる! もうすでに元は取れたも同じ。オラッ色をのっけとくんだなお肌に……プリズムの分だけ熱烈なヤツをよォ~って感じ!」(筆者注:この前日にジョジョの奇妙な冒険黄金の風を視聴している)

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妻「WRYYYYYYYYY 気になってたやつ!付け心地が軽くかつメイク直ししなくてよいという救世主のような存在! 「期待」しているッ!」

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妻「のっぺりとした顔立ちなので『もっと知りたいな…ハイライトのこと…』と思っていたのでうれしい! 発色にこだわっているけどチークは『生まれろ…新しい血色よ……!』って思ってみるとおてもやんになってしまうことが多々あるのでこれに関しては弱めだといいな(まだ使っていない)」

妻「スーパースリムプルーフジェルペンシルライナー チョコブラウンとプレイ101 ペンシル #6。どっちも公式通販で見つけられなかったから廃盤かも? ペンスタイルなので塗りたいところに思ったように塗れるのはいいね。折れやすいと聞くので大事に使いたい」

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妻「カラー名が面白い(何度見てもコーラル)。なんどめだナウシカみたい。他のカラーの名前も個性があって、フェリシモの色鉛筆を思い出す。発色が良くかつ透明感があって持ってない色だったのでうれしい」

 

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妻「これはやばい、発色の化身。涙袋に塗ったら今までなかった膨らみが瞬時に形成された! 人は誰しも涙袋をヴァチヴァチにしたいときがあると思うけど、そんな時に最適」

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妻「汎用性の高い色。自分はピンク系の色を使うとすぐ念入りに殴られたような感じになってしまうスタンド(ビート・イット)なんだけど、これは腫れぼったくなりにくいところがいい」

妻「スンジョン(純情?)シリーズのサンプル。今度旅行に行くときに使ってみたい」

他購入品

こちらは妻が自分でセレクトしたもの。(と、筆者が代わりに購入してもらったもの)記憶の良い読者諸賢にはお分かりの通り、総額で4,878円である。

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妻「広告で見た時からずっとほしかったやつ! 見た目だけでリピ決定です! 小物はやっぱり持ってて楽しくなる見た目って大事だと思う。唇の水分量で色が変わるらしいのでどぶ川みたいな色になったらどうしようと戦々恐々としている」

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妻「とうらぶの長谷部君カラーだったので即購入余裕でした(曇りなき瞳)プレイネイルの方はハケが塗りやすい形で不器用な私にはとっても助かる!」

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妻「鼻筋がしゅっと通った女性に憧れを持つ私はのほほんとしていたからか、幸運にも店員さんが話しかけてもらう。店員さんが伝授する私に合うカラーの条件とは……ということで購入したはいいものの、「ビームフラッシュ」ってちょっと強すぎませんか? ビームでフラッシュ? 惰弱な顔では爆発してしまうのでは?」

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妻「鼻はばくだんいわだし唇は角質が死んでいると思われる私に現れたレジ横の天使たち! ノーズシートのお茶の香りは好みが分かれるかもだけど私は好き。取れ具合はこれくらい取れたらコストパフォーマンスかなりいい。スクラブはぷるぷるになったけどちょっと長い時間つけてしまったからかぴりぴりもするので肌の弱い人は要注意かも。マンゴーのにおいのするコスメってあんまりないので意外で面白かった。意外にマンゴー……ゆなな…あとじゃりじゃり感が強い。パックは160円だけど薬液はひたひたで成分がのっていく感じがある。ただストロベリーのにおいはしない。もっちり肌になった。

 

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妻「夫が買いました。夫に似ている(笑)」

夫(筆者)「最近仕事でピンチヒッターで洗い物に入ることがあるので手荒れが出て来たのと、お茶の香りでハンドクリームなら男性が持っていても違和感がないかなと思って購入しました。以前はビーバー、最近はアザラシに似ていると妻から言われます。早く二足歩行するものに例えられるようになりたいです」

 

人生は即興劇の連続、そのスパイスに本日購入したあれこれを活用していきたいと思う。

チェヨン、一緒にデビューしてくれてありがとう。―PRODUCE48からMステまで

余談

IZONE、日本デビューおめでとう。韓国で見る、いつもの君たち。筆者にとって新鮮味のないことが、成功の証だと思う……というようなおふざけはやめよう。

日本でのIZONEはまた少し色を変えて来た。判り易くは外見が日本向けメイクになり、筆者個人としてはますます親しみを感じやすくなった。高嶺の花ではあり続けるものの、社長令嬢から学校一の美女くらいにまでオーラを抑えてくれた感じである。

楽曲も日本のアイドル的なものを持って来たなあと言う感じ。表題曲である「好きと言わせたい」はあからさまに最終順位順に展開される譜割り、サビのユニゾンは正直ちょっと食傷気味ではあったけれど、いい意味での90年代感があって良い。


IZ*ONE (아이즈원) - '好きと言わせたい (Suki to Iwasetai)' MV

「好きになっちゃうだろう?」と対になっている曲だと思うのだが、「好きになっちゃうだろう?」が筆者的に大名曲だったのがちょっと評価が厳しくなってしまっている理由かもしれない。関連番組でお気軽にイントロが使われているとちょっとイラッとするぐらい好きである。


IZ*ONE CHU 반해버리잖아?(IZ*ONE Ver.) - IZ*ONE(아이즈원) 181029 EP.5

日本デビュー曲の中ではMV含め「ご機嫌サヨナラ」が抜群にいい。これだよ!アイドルってのは!と快哉を叫びたい。この三曲に共通することだが、90年代アニメのED曲のようなノスタルジーがどこか感じられるのが筆者にはたまらない。あと最後に「ご・き・げ~ん☆」というファンシーさ大爆発なフリを最年長のウンビさん…いや、かわいいかわいいウンビちゃんが引き受けるのが個人的にとてもツボである。


[MV] IZ*ONE 아이즈눤 - Gokigen Sayonara (ご機嫌サヨナラ)

 また、メンバーの内面も日本メンバーはやはり少し羽が伸びており、韓国メンバーは新境地を楽しんでいるようで、わずかの間に日本語がどんどんと上達していて驚かされる。

本題

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 PRODUCE48から気が付けば終了から数えても半年ほどが経とうとしており、月日の早さにおののくばかりである。日本デビューの一つのクライマックスともいえるミュージックステーションオープニングアクトを見事成し遂げたこの日に、改めてIZONEの徒然を考えるに、筆者は結局のところ、表題に至る。

チェヨン、一緒にデビューしてくれてありがとう、と。

PRODUCE48は群像劇である。それぞれの練習生の物語があった。それらは固有の輝きを我々にジャジャーン!と突きつけていってくれた。

けれど。その始まりから終わりを通貫しうる極太の物語を求めた時、筆者はどうしても宮脇咲良さんとイ・チェヨンさんの物語を軸に考えてしまわざるを得ない。

第一話。チェヨンさんは「これが韓国練習生の実力だ」ということを叩きつけてくれ、筆者のような無知な視聴者に強烈なインパクトを与えた。すさまじいまでのダンステクニック、シャープなルックス、安定した歌声……。画面越しの筆者ですらそうだったのだから、目の当たりにした48G諸賢の驚愕はいかほどのものだったことか。


PRODUCE48 [단독/풀버전] WM_이채연, 이승현, 조영인 ♬Shower @기획사별 퍼포먼스 180622 EP.2

一方で宮脇咲良さんは可愛い系ではなくかっこいい系の楽曲をあえてチョイスし、ソロで果敢に挑戦するものの、韓国練習生の練習生離れしたパフォーマンス、48Gのエースという膨れ上がった期待値が足かせとなり、現場での雰囲気は芳しくなかった。それでもA評価をもらうことがまた波乱を生んでいくのだが……


PRODUCE48 [단독/풀버전] HKT48_미야와키 사쿠라 ♬검은 천사 @기획사별 퍼포먼스 180622 EP.2

日本と韓国。デビュー済みと未デビュー。(あえて分けるなら)ビジュアルメンとダンスメン。選ばれたものと、選ばれなかったもの(チェヨンさんは番組中にも言及があるが、かつて2回、オーディション番組にて落選している)――あまりに対照的な2人は、しかし2人ともが、Aクラスであった。そのことが2人の運命を大きく左右する。

続いての課題はグループバトル。かつて筆者も宣伝したように、「アイドルグループ」としての適性が本格的に試され始めるこのテストにおいて、メンバー選びが最重要であるのは言うまでもない。宮脇さんは直前に暫定センターに選出され、一番最初に好きなメンバーを選出する権利を得た。宮脇さんが率いるチームであれば当然注目度も高まる。誰もが選んでほしかったに違いない。

いの一番に宮脇さんが選んだのは、チェヨンさんだった。そのほとんどがアイズワンとなった名前通りのアベンジャーズであった宮脇さんチームはしかし、宮脇さんの独特の運動神経により目指す楽曲が獲得できなかったことも手伝ってか、(ここでその目当ての曲を獲得した松井さんが宮脇さんチームを指名してくれたら最高だったのだが……)敗北を喫する。

しかしグループバトルチームでの伝言ゲームでじゃチェヨンさんと宮脇さんのお茶目な交流はそれぞれの今までにない側面を映し出し、その友情の片鱗を我々に垣間見せてくれた。

その後のチェヨンさんの道のりは、順位こそある程度の水準を保っていたものの、平坦であったとは言い難い。長所と自負するダンスでも一位は獲得できず、コンセプト評価ではリーダーとして献身的に務めながらも、まさかの投票による放出。この時の自分を分析する言葉が悲しすぎる。流浪の先でも受け入れられず、辿り着いた「1000%」でも自信のなさを露呈してしまう。

一方の宮脇さんは人気は常にトップクラスにありながら、チーム自体は不思議と勝利を掴めず、コンセプト評価では国外にいる間に放出されるなど、自分の意志が介在しないところで翻弄されていた。

最終回直前の順位発表。宮脇さんはついに一位を獲得し、チェヨンさんもその姿勢が多くの人の胸を打ったのか、今までにない三位と言う高順位を獲得した。

最終回。チェヨンさんはついに、PRODUCE48内で最初で最後のセンターを獲得する。そして宮脇さんは候補になるも、惜しくも落選した。チェヨンさんは最後の最後でセンターを務め、宮脇さんは初めのセンター以外は候補にはことごとく上がるもののついにはセンターとなることはなかった(最終話のネッコヤを除いて)という対称性もまた、面白い偶然であると言える。

宮脇さんは、二位になった。日本人一位。述べられるスピーチは、総選挙の時のような焦燥にかられたものではなく、全てを出し切った後の爽やかなスピーチであった。お手本の様であったと言っていい。

イ・スンギ国民プロデューサー代表は、メフィストフェレスは囁く。「今、思い浮かぶ……気持ちを伝えたい人がいますか?」それは例えば一般的にはスピーチで一度伝えはしたけれど家族であったり、メンバーであったり、スタッフ、ファンであったりするはずである。普通はそうだ。アイドル的模範解答はそうだ。ついさっき、宮脇さん自身も出来たことだ。簡単なことだ。過去、宮脇さんは幾度もそうしてきた。優等生アイドルだ。今回もその一つのルーティンに過ぎない……。

 

チェヨン、いつも支えてくれてありがとう。一緒にデビューしたいです」

 

それはアイドルの言葉ではなかった。一人の、100日間異国で戦い抜いた女の子の、これからも2年半戦い続けなくてはいけない女の子の、等身大の本音だった。

自分がかつて、いの一番に選んだ女の子への意志表明だった。ある意味では国民プロデューサーへの宣戦布告だったとさえ言えるかもしれない。

「私の1Pickはずっと、あなただったよ」と。

優等生アイドルから脱皮できるのは、優等生アイドルだったものだけである。この期に及んで更に一段ギアを上げ、自らのアップデートを続ける宮脇咲良というアイドル――「等身大の少女・宮脇咲良」というパッケージングすらも意識的なのか無意識的なのか直ぐに行ってしまうその恐ろしさ(とはいえこれはやはり無作為の結果であることこそが美しいと思うが)――に大きく心を揺らされたのが懐かしい。

そして果たして、最終十二位、IZONE最後のメンバーはイ・チェヨンさんであった。

PRODUCE48を通貫する物語。それは選ばれ続けなかった少女を初めて選んだ少女が、その少女を信じ続けた結果、最後の最後で国民プロデューサーにも選ばれる、というものであった。

 

そしてIZONEではチェヨンさんはメインダンサーとして不可欠の存在となっている。韓国デビュー曲2番サビのセンターでの彼女の輝きと言ったらない。ビジュアル的にも個人的には練習生時代から最も「覚醒」したのは彼女だと考えており、特に韓国デビュー曲の縦縞衣装は選んだスタッフは表彰すべき案件であるとすら思える。Mカウントダウンでの一位獲得時、自分はなることが出来なかったTWICEのメンバーと喜びを分かち合うシーンを見て思わずグッときてしまった。

また、宮脇さんとの初期からの交流も手伝ってか、日本語が達者なため、メンバーのコミュニケーションの潤滑油ともなっている。IZONECHUでのドッキリでリーダーに宮脇さんがチェヨンさんを推薦したのは半ば本気であったろう。料理が出来るのもポイントが高い。

デビュー後に一番変わったのは、表情が柔らかくなり、軽口もよく聞けるようになったことだろうか。「宮脇チェヨンです」にはじまり、「胸キュン!」と叫んで倒れ伏すなど、意外なバラエティへの適性を見るに、そういった部分でも宮脇さんとの化学反応がいいように起こっているようで微笑ましい。

本日のMステもチェヨンさんど真ん中のフォーメーションから始まった。メインダンサーはもはや彼女以外に考えられない。その軽やかさで「羽」に例えられるチェヨンさん。その軽やかさでもって、IZONEをまだまだ高いステージへ導いてくれるはずである。

蛇足

そんな初回は勿論面白く、何度見ても新たな発見がある「PRODUCE48」及びIZONEデビュー特番が今ならアベマTVで全て無料で視聴できてしまう。2/17までと言うから期限は迫っている。是非一度、見ていただきたい。貴方の少女を応援しよう。

abema.tv

648円の「覚悟」が道を切り開く!! あるいはジョジョスマホことJOJO L-02Kを購入した話

ヨダレずびっ!余談

 以前こんな記事を書いた。

kimotokanata.hatenablog.com

継続して視聴したい、と書いたのだがスマンありゃウソだった、いや、その気持ちは本当だったのだが妻はますますゴールデンカムイにのめり込み、黄金の風視聴に回されるはずの時間はゴールデンカムイ二週目、三週目、尾形のシーンだけもう一度、ここで鯉登少尉のシーンをプレイバックしてみよう、といったことにあてられてしまった。また、そのタイミングで一時期Huluをお休みしたこと、ノートPCとTVをつなぐHDMIが不調であったことが重なり、FODで配信される諸々を夫婦で大画面で(と言っても32型に過ぎないが)見ることが出来なくなったことで視聴タイミングを逃していたのだ。

NGTの騒動があり、お蔵入りになるかもしれない、ということで「さしきた合戦」をもう一度見るために再びHuluに加入した。

さしきた合戦の視聴を終え、歳月をしみじみと感じていると、妻が「おすすめ動画」を見とがめた。

妻「これ、うちに結局来ていないブチャラティじゃん。視てみようかな?」

筆者「しょおがねえなああ~~~」

妻「えっいやだった? ごめん」

筆者「いやごめん、めっちゃ視たいよ。視ましょう。そのうち分かるから」

そして視聴開始。気づけば、日がとっぷり暮れていた。妻は一日のうちにブチャラティが人をベロベロ舐める変態から「覚悟」を決めた幹部に至るまでの過程を目撃し、情報過多で呆然としていた。

妻「面白い……いや面白いのは知っていたけどテンポが滅茶苦茶よくってどんどん視てしまった……」

筆者「妻よ、OPをもう一度視てみて」

妻「あのオシャレなOPを? ……あッ!」

シリーズ構成:小林 靖子(バァーーーン)

妻「本当に…夫……ううっそのとおりだったんだね『靖子にゃんを信じろ』と私に言った事は!!」

妻「わかったよ夫! 特撮勢の情熱が『言葉』ではなく『心』で理解できたッ!! 『小林靖子作品を視る』って思った時は夫! スデに『視聴』は終わっているんだね」

筆者「『栄光』はお前にあるぞ……妻」

筆者としてはいい感じに細部を忘れているので、時折挿入されるオリジナルもさほど違和感なく楽しむことが出来た。(ペッシ二年もマンモーニなのかよとは思ったが)妻はそのテンポと濃密さに圧倒されながらも、所々に出現するネットミームと化したワードのネタ元を発見したり(覚悟完了は違うマンガだよと教える必要があった)、刀剣乱舞と符合する声優さんを多数見つけて声優さんのプロっぷりに驚いたりしながらも楽しんでいるようであった。次回のにっかり青江メローネ戦が楽しみである。

ぼくが歩き出す物語だ本題

余談が、ながくなった。船は「二隻」あったが、妻がジョジョを見とがめた理由はもう「一つ」あった。生活にジョジョが少し身近になっていたからである。(もともと妻も4部までは履修済みであるのだが)

何故か。何故かも何も今回の表題通りで、筆者がジョジョスマホを購入していたからである。

これは、筆者がジョジョスマホを愛機にするまでの物語だ。

ファントムスマッホ

ドコモユーザーが一月十八日のスマホ価格改定を眺めた。648円という誤植か何かを疑うような価格に二つのスマホが改定された。一人はMZ-01Kを見た。一人はJOJO L-02Kを見た。筆者はどっちであったか? 筆者はJOJO L-02Kを見ていた。

かつてファントムスマブラを経験した筆者は素早くカートにIN! その後いろいろと方策を練るつもりであった。

が、果たして帰宅後カートを見てみると、商品は消えてしまっていた。決済に制限時間があったようであるのだ。そしてすでに在庫は切れていた。

筆者は風呂に入り、二時間妻とスマブラをした。そして……switchの電源を落としてからジョジョスマホを購入できなかったことを思い出し……しょんぼりした。

だがこの物語は終わらない。人間賛歌が勇気の賛歌である限り。

検討購入

逆に考えてよりジョジョファンである他のユーザー諸賢にあげちゃってもいいさ……という思考に至ろうと努力するもののなかなか出来ず気持ちを引きずっていたところ、TL上に一つのツイートが回ってきた。なんとドコモオンラインショップで在庫が復活するというのだ。

一月二十三日早朝。早速アクセスした。売れ筋ランキング一位にある商品……我々はッ! この商品を知っている! いや! この美しい白いボディと銀のレリーフを知っている!JOJO L-02Kはそこにエイジャの赤石めいて燦然と輝いており、また在庫ありの表示がその横に蠱惑的にきらめいていた。っていうかポップアップの仕様をどうにかした方がいいと思う。

かつての過ちは繰り返したくない……今度こそ「あーん在庫様が死んだ!」してしまうことは避けたい。

オンラインショップで購入すれば事務手数料もかからず、元値の十二万円が反映されているのか送料無料でもあるということでウィンウィン(リサリサやカーズは関係ない)であるようであった。ハッピーかつうれピーであるともいえよう。

しかしオンラインショップでの購入は初めてである筆者は慎重に物事を勧めたいという気持ちもあった。何しろスマホはもはや体の一部と言っていいほど不可欠なもの。何かしらのトラブルは避けたい。

幸いドコモオンラインショップにはチャットサポートがついていたので相談させてもらうことにした。サポートのお姉さんは屠殺場の豚を見るような目をすることもなく優しく答えてくださった。SIMの開通は届いてから自分で行うので、それまでは現在使用しているスマホを全く通常通りに使用できることが分かり、一安心であった。

648円とはいえ生活必需品。次は妻に購入のお伺いを立てる必要があった。

 

いちいちもっともな心配であったが、無事購入の許可を得ることが出来た。(なお、実際には元台詞が差し替えられたからか筆者が例示しているようなサジェスチョンは行われない。この記事はジョジョスマホでたたき台を作成しているが、余談と本題のところの打消し線部分はジョジョスマホの予測変換である。)

ついに肚を決め、「注文」は「完了」した。配達予定は日曜日。

因みに翌々日ぐらいに見たら普通にまだ在庫があった。得てしてそういうものである。

未来への遺産(スデニアルトタスカリマース)

さて注文が済んだ! 第三部完! とはならないのが昨今のスマホ事情である。家を出れば七人の敵とアスワンツェツェバエがいると言われる現代、スマホを守るためには保護シートとケースはもはや必需品であろう。

であるならば「日曜日」までに「調達」が必要なのは当然であった。残念ながら大都会薩摩の某地方では発売から一年たったスマホのケースは見つけることが出来なかった。薩摩でおしゃれケースを手にしたくばiPhoneの軍門に下ることがほぼ必須――これはコーラを飲めばゲップが出るってのと同じくらい確実なのである。

地域経済を回転させる夢が潰えた筆者はしぶしぶAmazonにて保護シート及びケースを購入することにした。りょうほー買うのである。YES!YES!YES! 

ジョジョスマホのウリである美しい背面を見せつつ、しっかり保護してくれそうなケース(カラーは隠者の紫だ)と信頼と安心のラスタバナナの保護シートを購入することにした。田舎オタクの嗜み・Amazonprimeには当然加入しているので日曜日までには確実に届けてくれそうだ。ポストに投函してくれるサイズなのでもし外出していても問題ないのもいい。

「購入して使用する」それだけよ……それだけが満足感よ!

保護シールは剥がれない

日曜日。筆者は妻と外出していた。時刻は六時前。もしもの時は設定などしてもらおうとドコモショップ受け取りにしていたがオンラインショップからも実店舗からも応答はない。試しに実店舗にかけてみると、既に店着しているとのことであった。教えてくれよとも思うが(あたしのものなのにいーーッ)別に髪形を馬鹿にされたわけでもないしワクワク感の方が強かったので妻を先に家まで送り、そのまま受け取りに行く旨を伝えた。

家に着くと丁度注文した保護シートとスマホケースも届いていた。役者は揃った。高森朝雄の原作に対する ちばてつやの『あしたのジョー』と言って過言ではない。

ドコモショップでは三十分ほど待った。

そしてついにドコモショップではお馴染みのあの「赤いトレー」にジョジョスマホが乗せられてやってきた。グレートですよこいつは……。

開いて傷がないかを確認。お姉さんが親切心でSIMを開通してくれており、この時点で筆者のぺリアは大体板になった。(ジョジョスマホは綺麗な手で触りたかったので、妻に今から帰る旨を伝える手段がなくなって参った)

帰宅。胸の高鳴りを抑えつつ、スマホケースと保護シートを開封する。スマホケースは傷がつかないように保護シールが貼ってあって親切だ…が…常に紳士を志し若干深爪気味に切りそろえている筆者の爪ではなかなか剥がれない。表側はするっと剥がれたのに裏側のシールが剥がれない。もしかしてこういう柄? と思うくらい剥がれない。集合知に問いかけ、ガムテープを貼って祈るように引っ張る。三回目の挑戦で嘘のようにペリペリと剥がれた。スゲーッ爽やかな気分だぜ! 入院中の不良をわざわざ全快させてからボコボコにした時のようによォ~。

その後もSIMカードを入れるところが全然開かないと思ったら薄い保護カバーに包まれていただけだった、ということもありつつ、ついに保護シートを(充電ケーブルを使う貼り方は本当に綺麗に貼れて感動した)貼り、ケースも装備出来た。胸を張って言える。俺の「ジョジョスマホ」だぜ……。と。

通信の壁

さて保護シート・ケースを装備して外堀が埋まった状態。いよいよ本格的にジョジョスマホの内面もわが愛機にする作業に移らねばならない。生まれろ…新しい愛機よ!

早速ジョジョでテンションが上がる。

常日頃利用規約そんなに読まずに同意するマンと化している筆者はいつの間にかメガコーポ・グーグルのクラウドにデータを捧げていたらしく、復元を勧められた。無論同意するマンとしては了承するしかない。「再構成」したなッ!

引継ぎが完了し、ジョジョのおしゃれなテーマ背景が一面に広がると思ったら黒田家伝来の水牛兜に出迎えられる。愚かな筆者にとってそれはどんな困惑と驚愕なのだろう……おはようからお休みまで筆者の暮らしを見つめるメガコーポ・グーグルは以前設定していた壁紙まで完全再現してくれるのだった。

気を取り直してテーマを再設定するとディ・モールトいい感じである。因みにプレイヤーはなかなか使いにくいし最近はYouTubemusicなので縁がなくて残念。

しかし筆者宅は何と四か月もの間暗黒メガコーポ電話茸社によって光回線貸し渋りを受けており、ポケットWi-Fiで繋いでいたが、バックアップ復元で容量がパンクし、モールス信号の方が早いレベルで遅々としてかつて使っていた設定やアプリのダウンロードは進まなかった。取扱説明書を読みたくても更新が出来ないのである。

アプリダウンロードしたいのか? 34個か? 34個?……イヤしんぼめ! といった感じで渋滞しているのである。

これは無念ではあるが、夜も更けたため睡眠をとり、その間に更新されるのを祈るしかなかった。あえて「寝る」それが筆者の「覚悟」である。朝になれば登りゆくであろう朝日よりも明るい輝きで道を照らすに違いない。

スゴーイ・オシャンティー

 

朝になり、色々な機能を利用してみるが、いちいちオシャンティーでありジョジョナイズされている。スクリーンショットは取れないがdカードアプリもジョジョデザインを選べるようになるし、テーマは言わずもがなである。

手のひらにこの様に洗練された「ジョジョ」があるということがここまでニヤニヤできることだとは思っていなかった。明けた日は月曜日であったが、必ず「楽しい土曜日がやってくる」って思って生きていこうという気分にさせてくれる。

スピーク・トーク・ファン

また、カメラやスタンプもジョジョナイズされており、ついつい使いたくなってしまう。

持つべきものはノリの良い弟である。

ジャンプのレジェンド漫画が夢の競演を果たしたりもした。

勿論ジョジョ台詞のサジェスチョンもピザ・モッツァレラの歌並みの汎用性がある。上司に対して「おはようございます!」と入力したいときに「お話しされてもよォオ~おケツじゃ聞こえやしねえ~」と素早く提案してくれるので、テンプレートな受け答えの中に緊張感がみなぎって良い。筆者が求職したら察してほしい。

 

徐々に良く

十日ほどが経ち、段々とジョジョスマホが生活に「馴染んで」いくのを感じる。OSアップデートは行わない方針とのことだが、以前使っていたXperiaよりはバージョンが上であるし、少なくとも1年縛りの間は不便はないだろう。その間に普通通り買い替えていたら、648円などひと月で吹っ飛んでいたろうから非常に満足である。本体容量が100GB以上あるので、ジャンプ+をインストールして一年以上積んでいるジャンプを崩すのもいいかもしれない。また、バッテリーがかなり持つのも有り難いところ。一日以上持つのはかなり有り難い。ipv6対応のルーターが来たら、本格的にカスタマイズしたいと思う。

買ったのは…筆者です! 使い倒します! たっぷり!

刀剣男士の葛藤、その一つの帰結。あるいは映画刀剣乱舞でとうらぶに触れた人に「活撃刀剣乱舞 9話 元の主」を見てほしい話

余談

公開から二週間ほどたつが、未だに映画「刀剣乱舞」の熱冷めやらず、有り難いことに当ブログのもさすがに峠を越えた感があるが引き続き多くの方に見ていただいているようである。

前回筆者は映画「刀剣乱舞」を鑑賞し、小林靖子女史に興味を持たれた審神者諸賢に対して仮面ライダーオーズ劇場版をお勧めさせていただいた。その後鑑賞いただいた審神者諸賢もいるようで、こんなに嬉しいことはない。

翻って。筆者は特撮を愛し、小林靖子女史を敬愛する人間であるとともに、にわか審神者であることは何度か述べた。

であるならば。今度は特撮勢諸賢に刀剣乱舞の世界の一端に触れていただく案内をするのが筋というものであろう。

ということで、前回も予告させていただいたが「活撃刀剣乱舞 9話 元の主」をご紹介させていただこうと思う。

そうそう、前回ご案内した映画の刀剣男士8振無料配布キャンペーンも2/12まで延長されたので是非マイ本丸も持たれては如何だろうか。サバイブカードを配りまくっているようなものであるから見逃す手はない。

 

本題

ということでここからは段階的に「活撃刀剣乱舞 9話」のネタバレがあります。映画「刀剣乱舞」のネタバレはありません。

紹介を以下の段階に分けさせていただきたいと思う。即ち視聴前のお勧めする理由とあらすじ、視聴後の(筆者の主観が多分に含まれる)解説―というのはおこがましい蛇足――と感想の2段階に分けることで1粒で2度おいしくなればよいな、と思う。特撮勢以外の方に一気に読んでいただいたりとかしても嬉しい。

 

視聴前に―筆者の異常な早口による推薦、あるいは筆者はどの点において映画「刀剣乱舞」を観たとうらぶ未踏の諸賢に対して「活撃刀剣乱舞 9話」を勧める様になったか

舞台は幕末。また違う場所で展開される刀剣男士達のストーリー。

活撃刀剣乱舞」の主な舞台は幕末。ゴールデンカムイでもお馴染み新選組副長・土方歳三(映画の続編があるなら是非幕末を舞台にして副長を山本耕史さん、武田観柳斎八嶋智人さんにやってほしい)の愛刀である和泉守兼定を部隊長とする第二部隊を主として繰り広げられる物語である。他にも剣豪将軍・足利義輝の関わる永禄の変など、映画とはまた違う舞台で活躍する刀剣男士が見られるわけだ。

今回お勧めする9話でも第二部隊が登場する。構成は以下。

和泉守兼定…隊長。前述したとおりもとは土方歳三の愛刀。ちょっと短気なのが玉に瑕。

堀川国広…同様に土方歳三の愛刀。まだ顕現して日が浅く、元の主との関係に折り合いがつけられていない風がある。実は同じ愛刀でありながら兼定とは決定的に違う点がある。

陸奥守吉行…もとは坂本龍馬の愛刀。部隊のムードメーカー。9話の主役と言ってよい。ちなみに筆者の初期刀。

薬研藤四郎…映画にも登場、沈着な姿勢と立体的な殺陣が印象的。あと半ズボン。

蜻蛉切…家康に過ぎたるものと称された名将・本多忠勝が所持したという槍。映画に登場した日本号と並び、天下三名槍と称される。部隊の良心。

鶴丸国永…現在は皇室御物、かつて墓を暴いてまで欲されたという刀。ゲーム本編では未だ実力を隠しているともっぱらの噂。ちなみに妻が最も愛する刀。写しも見に行きました。

説明を見るだけでも凸凹な第二部隊が一体どのように展開していくのか。映画とはまた違う時代、違う刀剣男士の魅力を発掘できるはずである。

各々の本丸の振れ幅、ある種の自由さを楽しむことが出来る

活撃刀剣乱舞」においては、刀剣男士は刀身の状態で時間をさかのぼり、地面に突き刺さってその時代へ顕現する。ちょっと特撮怪獣の巨大化シーンを思い出してしまう演出だが、なかなか格好いい。また、「元の主になるべく会わないようにする」という本丸のルール(というか、気風)がある。いずれも(今のところは)活撃刀剣乱舞の世界独自のものであり、各々の本丸の多様性を認める刀剣乱舞と言うジャンルの懐の広さを実感できることだろう。

刀剣男士のあり方がぐっと凝縮されている

活撃刀剣乱舞は1クールの深夜アニメである。1話あたりは約30分。その中に刀剣男士はどうあるべきか、ということを刀剣男士自体が答えを出すという流れがきれいに収まっている。刀剣男士は基本的に元の主の記憶を持ちながら、今は審神者を主とすると言う意味でアンビバレンツな存在である。そのことに揺らいでいるらしい刀剣男士は散見される。思いの強さが付喪神を生んだのであればそれは宿命と言ってよいのかもしれない。その問題が一つの清々しい解決を生むということでも9話を是非お勧めしたいのである。

実質2期1話のようなもので、ここからでも見やすい

9話に至るまでは懸命な読者諸賢の御推察の通り、1話から8話までがあるわけだが、9話は1話完結の体裁をとっており、ここから入りやすいのも勧める理由である。第二部隊ということからも判るとおり、彼らは言ってしまえば2軍的なポジションにある。結成し、苦戦し、第一部隊に助けられ、衝突もしたりし、色々あったけどまた頑張っていこうぜ! というのが超はしょった8話までの展開である。ので9話はリスタートした、言ってしまえば2期1話のようなものであるから、ここから見ても特に問題はないのである。勿論、それまでを見ておくことによってより厚みが増すことは間違いないが、先に9話を見てから肌に合いそうであれば1~9話を再び通る、というルートが映画からとうらぶ世界に入った諸賢には特にお勧めできる流れである。

華麗なるアクションシーン

映画「刀剣乱舞」のアクションシーンも素晴らしいものがあったが、「活撃刀剣乱舞」のアクションも素晴らしい。二次元の強みを生かした動きは必見で、9話においても贅沢な映像美に目が奪われることであろう。

「元の主」あらすじ

以上のおすすめ理由で興味を持っていただいた諸賢の為に軽いあらすじを記載しておく。舞台は幕末……はもう3回くらい言ったのでより詳細に言うと慶応2年1月23日(1866年3月9日)。これでおお、と思う方はさすがであるが、寺田屋事件が今回の話の焦点である。「オイゴト刺せ」でお馴染み薩摩藩士同士討ちの悲劇を生んだ方の寺田屋事件ではなく(この4年前である)、坂本龍馬が襲撃された事件の方である。寺田屋も災難だ。

襲撃されるも辛くも材木置き場に逃げ込み、命をつないだ坂本龍馬……だが、その命を守り、ひいては歴史を守るためにはその経路が今一つ不明であるのが第二部隊の懸念要素であった。そこで陸奥守吉行は自分に任せろ、という。なにしろ陸奥守吉行は事件当時の坂本龍馬の佩刀。当然ルートが分かっている訳だ。

ところが時間遡行軍の奸計により、本来のルートは変更。部隊長である和泉守兼定に釘を刺されていた、元の主――坂本龍馬陸奥守吉行が邂逅してしまう……。

歴史改変は守られるのか。その「結末」を知っている元の主と出会った時、刀剣男士は何を思い、行うのか。是非自らの目で確かめていただきたい。

 

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視聴後――他でもない陸奥守吉行を起用した采配に感服、そして乾杯

活撃刀剣乱舞 9話 元の主」の情け容赦ないネタバレがあります

さて視聴後の方向けの言葉を綴っていきたい。

リフレインの構図が筆者は好きである。冒頭、あるいはごく初期に作品において使われたかつての言葉が再び視聴者に、読者に提示されたとき、世界がまるで色を変えることがある。そう言った感動を例えば「蒼天航路」で、例えば「仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦MEGA MAX」で筆者は味わってきた。

「土佐じゃあちょっとは知られた名刀ぜよ!」

始め龍馬が、続けて陸奥守吉行が放つこの言葉のリフレインこそが9話の屋台骨と言っていい。

坂本家の家宝として伝わり、坂本龍馬暗殺時の佩刀として知られる陸奥守吉行。

しかし坂本龍馬はその生涯において、1人も斬り殺したことはなかったという。ゲーム本編において、陸奥守吉行は銃を用いている描写がある。これは後述する理由と、自分が敵を打倒したことがないという遠慮、自分が武器として時代遅れと言う気持ちが作用しているのかもしれない。

暗殺時の佩刀。

それはそのまま、「最も主君の傍らにありながら、その命を守るという何よりも基本であり重要である役目」を果たせなかったことを意味する。普段の陸奥守吉行に、そういった暗い影はない。しかしやはり元の主を守ることが出来る作戦には心踊らされるし、運命のいたずらで坂本龍馬に会うことで奥底にあったものが顔をのぞかせる。

自分を救った恩人がまさか自分の佩刀とは知らぬ龍馬は陸奥守吉行本人に、その自慢をする。兄上に頼み込んで譲ってもらった名刀であると。

これからの時代は銃だ。龍馬が言う。陸奥守吉行も常日頃言っている台詞である。だが、龍馬は怪我によってこの刀が扱えないと思うと、半身が奪われてしまったように感じるとその言葉を継ぐ。

これは本来の歴史ではない。即ち佩刀でありながら、陸奥守吉行も知ることがなかった龍馬の気持ちをこのアクシデントによって皮肉にも聞くことが出来た。龍馬にとって自分は大切な刀であったということを。それは彼の気持ちをぐらつかせ、いつもの笑顔は消え、禁忌である歴史介入――坂本龍馬との逃避行を提案さえしてしまう。しかし龍馬が聞き逃したのを幸い、陸奥守吉行はすぐに自分を立て直す。

そして守り刀として刀剣男士としての陸奥守吉行は時間遡行軍の前に立ちはだかる。元の主の、そして自らの誇りである刀を構えて。

そしてあの台詞をリフレインさせる。それは敬愛する主人になりきるようでもあり、自らの価値をいとおしむようでもあった。

それでブーストがかかったかのように鬼神の働きを見せつける。

途中、窮地を過去の自分自身――坂本龍馬の佩刀である陸奥守吉行を龍馬から渡され、使うことで脱し、見事陸奥守吉行は歴史を守ることに成功するのである。(この時2振の陸奥守吉行の刀身の反りが違うのは現代の方は火災にあって刀身の反りが浅くなっているためで作画ミスではない)

別れ際、この時代の陸奥守吉行を龍馬に返す際、その傍らに置き続けてほしいと願うのだった。

ゲーム本編でも明るいキャラクターである陸奥守吉行をこの葛藤劇の主役に据えたことがまず素晴らしい。「そんな彼でも、やはり」という思いがあり、効果的である。最後のシーンの彼の台詞、「わしの言うのはただの感傷じゃ」はゲーム本編のある回想を踏まえた後だとより味わい深い。

この9話の出来事を経て、陸奥守吉行は自らを「主人を守れなかった刀」から「主人を最後まで、本当に最期まで見守り続けた刀」へと昇華させることが出来た。死に様を見せつけられた刀から生き様を見届けた刀へと転身できたといってもいい。

先程筆者は龍馬は1人も斬り殺したことがない、と書いた。が、件の寺田屋事件では銃で2人ほど殺しているらしい。後に暗殺されることになる近江屋事件の発端の1つは、その殺人である(龍馬は殺害犯及び逃亡犯であり近江屋事件はその刑の執行である)と元京都見廻組今井信郎は供述している。ゲームで陸奥守吉行が銃を使う理由の1つは龍馬がその有効性を証明したからであると筆者は考えているが、その銃が龍馬の命を救ったことが、結果としてその命を奪われることに繋がるのであれば正しく歴史の大いなる皮肉と言うしかなく、最後の時にその鞘でもって刺客の剣を受けた陸奥守吉行こそがやはり最期まで龍馬を支え続けたというべきであろう。

しかしその陸奥守吉行、寺田屋事件当時に本当に坂本龍馬の佩刀だったかと言うとちょっと怪しい。というのはその年の後半になって龍馬は兄・権平に家宝である陸奥守吉行を譲ってほしいと手紙でねだっているからである。もちろん、我々の知っている歴史が真実とは限らず、寺田屋事件当時は陸奥守吉行が佩刀ではなかったと油断してやってくる時間遡行軍を誘い出すための大いなる偽計の可能性もあるが、この辺りはやはりウソのつき方が映画と比べるとちょっと残念な点ではある。

とはいえ陸奥守吉行にスポットライトを当て、単なる元気キャラ、ムードメーカーではなくしっかりとした陰影を映し出し、よりキャラクターとして深みを出してくれた脚本に乾杯したいし、万雷の拍手を送りたい。

前述の兄への手紙で、龍馬はこう書いて陸奥守吉行を求めている。

「死候時も猶御側ニ在之候思在之候」――死に瀕したときもこの刀が傍らにあれば心強く思えるのです。

刀冥利に尽きる言葉であろう。

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刀剣乱舞と東映特撮の間には暴れん坊将軍がサンバしている、あるいは審神者諸賢にオーズTV版が厳しいなら劇場版 仮面ライダーオーズ WONDERFUL 将軍と21のコアメダルを鑑賞してほしい話。

余談

前回の記事が余りに分不相応なアクセスを頂き大変驚いた。

筆者は前述したようにアラサーであり、その大半をモブとして過ごしてきた。これからもそうであろう。

日曜のやや遅い朝、おっ戦隊ものがやってる早起きしちゃったなあと思ったら既にそこそこいい時間という長年染み込んできたニチアサタイムの時間変更によるアリバイトリックを食らいながら何の気なしにツイートした。

いつも記事は深夜のテンションで書き上げることが多く、少しでも多くの人の目に留まってほしい筆者は翌日の朝、場合によっては昼、内容によっては夜まで宣伝ツイートをすることを自分に許していた。今回もそんないつものルーティンだった。

初めて自分のツイートが4桁行くことを体験し、有り難いことに今も鍛刀終了したかと思ったらRTやいいねの通知だということがあったりする。

拙い感想を晒されているのでは、と恥ずかしながら「エゴサ」をしてみたが、これまた汗顔の至りながら肯定的に捉えてくださっている方がほとんどであった。

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もう二度となさそうなので思わずしてしまったスクショ

妻に言われてみてみると、初めておすすめ記事の一番上に自分の記事があるのが確認出来た。

審神者諸賢の作品への愛、公開から初めての土日というタイミング、男性審神者という物珍しさ、特撮畑(というほど詳しくもないが)という別アプローチの新鮮味、ネタバレ配慮のためTwitterでは公に出来ない諸々の発散などいくつもの偶然が重なった少し遅いお年玉のようなものであった。

それは刀剣乱舞という巨大コンテンツの威を借りたに過ぎない結果ではあるけれど。それでも変な話、その方にとって何のメリットもないといっても過言ではないアラサーの世迷い言を読んでくださり、拡散してくれ、あまつさえ感想まで呟いてくださる方々が多数いたことは本当に、本当に嬉しいことであった。

件の記事は深夜に構成もへったくれもなく勢いだけで書いたため、(それは今この記事もまさにそうなのだが)誤字脱字や勘違いなどもあるけれども、暫くはそのままにしておこうと思う。(多分この記事のリンクは張るけれども)

それまでに書いてきた刀剣乱舞関連の記事が振り返って読まれているのも嬉しい。刀に神が宿るように、全ての記事は拙くとも筆者が丹精込めて書いた我が子の様に可愛い記事たちである。日の目が当たるとほくほくする。

刀剣乱舞が好きでよかった、審神者でよかったと心から思った。

刀剣乱舞以外の話も沢山しますけれど。

仮名太が語る故、カナタガタリ。よろしければ今後も御笑覧のほどをお願いいたします。

夢は「カナタガタリ」と入力したときに、

もしかして:「カタナガタリ」とサジェストされなくなることです。ちぇりお!

本題

余談が、ながくなった。

さてということで前回書いた記事で、映画「刀剣乱舞」が面白かった方には「仮面ライダーオーズ」をお勧めさせていただいた。その理由を詳しく言うとネタバレになってしまうので省くが、しかし110分の映画を見てもっと知りたいな…靖子にゃんのこと……となってくれた審神者諸賢に30分×48話を見てくれとお願いするのは「運転免許取ったの? じゃあF1出てみて」くらい無配慮であることに今更ながら気づき恥じ入る次第である。

なので今回、66分の映画「劇場版 仮面ライダーオーズ WONDERFUL 将軍と21のコアメダル」をお勧めさせていただきたいと思う。

以下、同映画の致命的なネタバレはありませんが予告編でなんとな~く察せられそうな感じの内容は紹介していきます。

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あらすじ

舞台と公開年は2011年。日本にとって大きな受難があった年、「ヒーローが日本を元気にする」をキャッチコピーに本編は封切られた。

予備知識としては冒頭でさらっと説明してくれるが、今作の仮面ライダー・オーズは三つのメダルによって変身すること。

そのメダルは800年前に作られたもので、それを集めようとする異形の者=グリード(今回影が薄い)がいること。

そして主人公・火野 映司と行動を共にする「アンク」と呼ばれるものはそのグリードの一味でありながらも主人公と奇妙な相棒関係にあること。

この三つがあればなんとかなる。三つあればメダルなら変身できるし、予備知識なら映画が見られるし、三つまでしか覚えられなくてもジェイル・ハウス・ロックには対抗できるのである。

冒頭。そのオーメダル発祥の地で古き良きニコニコ動画であれば「だいたいこいつのせい」タグがつけられてしかるべき鴻上会長の手によってオーメダルを作ったまさにその人、錬金術師ガラが復活してしまう。特撮でガラと言えばコットポトロがばったばたする人もいるかと思うが、特に関係はない。酒井美紀さんが演じていたりする。

復活したガラは人々の欲望を基にメダルの表裏の様に世界を裏返し、過去の世界と入れ替えてしまう。(何を言っているかよくわからねーと思うが考えるな。感じるんだ。錬金術はすごいのである。突然大量の札束が出現したのも多分錬金術の力である)

そして入れ替わった「過去の世界」の一つ、江戸時代に主人公たちは迷い込む。

そこにやってきた怪物。苦戦する主人公たちの前に明らかに貫禄が違うあの人が表れ……

と言った次第である。

なぜおすすめするのか

66分と短いながらも詰まったオーズらしさ

繰り返しになるが、理想としてはオーズ本編を是非見てほしい。1年というスパンだからこそ紡げた物語、得られる感動がそこには必ずあるからである。しかし映画刀剣乱舞刀剣乱舞世界にとってそうであるように、本劇場版はオーズ本編の圧縮版としての側面を持つ。

無欲な主人公の秘められた欲望とは。

異形のモノとヒトは、そしてヒトどうしはどう関わっていくべきなのか。

メダルコンボを始めとしたアクションの爽快感。

この三つがコアとなって多少お祭りならではのとっちらかりや尺的な勿体なさはあるものの、おおむねすっきり見ることが出来る。

そこに映画ならではのエッセンスとして盛り込まれた暴れん坊将軍登場シーンはカタルシスに満ちている。仮面ライダー暴れん坊将軍という絵面は当時からあまりにもネタ的で話題になったが、事態好転のきっかけになる観察眼は鋭く、生身で怪人に立ち向かう暴れん坊将軍はやはりそれだけのカリスマ性に満ちているし、剣劇はすさまじい。シノギからのバッサリは爽快。シリーズ終了は2003年だから子どもは何のことか判らないのでは? とは言わない約束である。(一応、テレビスペシャルが2008年にはあった)

多少のSF展開もかつてすい星を向こうに回した将軍ならどうってことなかったであろう。

映画の日本号役・岩永洋昭さん演じる伊達さんが大体日本号

映画刀剣乱舞で豪放磊落かつ細かい気づかいが光る日本号を演じた岩永洋昭さんは本映画に伊達明役として登場しており、後藤慎太郎という真面目で必死なんだけれどもどこかずれている大体へし切り長谷部な人物と名コンビを組んでいる。若き日の岩永さんを見ることで、映画刀剣乱舞日本号に一層愛着がわくことは自明である。

ちなみに本映画にはミュージカルテニスの王子様不二周助役や直近では薄桜鬼の土方歳三役でお馴染みの橋本汰斗さんも出演されている。

暴れん坊将軍徳川吉宗と刀剣の深い関わり

因みにゲストである暴れん坊将軍こと徳川吉宗にも刀剣乱舞とは浅からぬ縁があることも本映画を勧める理由の一つである。

徳川吉宗と言えば米将軍の異名を持ち、質素倹約に勤めた江戸三大改革の一つ「享保の改革」でも知られる。

享保……?

アンテナ高き審神者諸賢はピンと来られたかもしれない。

そう、「享保名物帳」として知られる、本阿弥家の第13代当主本阿弥光忠や本阿弥一族が作成した名刀250口の一覧。その編纂を命じたのが時の将軍・徳川吉宗公だったのである。ハハーッ(平伏)。

要するに幕府と本阿弥家お墨付きの名刀リストであり、現在でも刀剣界で「名物」と言うとき、狭義ではこの享保名物帳に載っているものを指すというほどの刀剣の格を決定づけたものであると言える。

原本は現存しないが写本が存在し、主として「厚藤四郎」から始まるものと「平野藤四郎」から始まるものの二種類が存在する、というこの情報だけで一部の審神者諸賢は悶絶ものであろう。

その写本のうちに註を付けた「詳註刀剣名物帳 : 附・名物刀剣押形」が大正年間に出版され、現在は国立国会図書館のデジタルコレクションで無料で見ることが出来る。いい時代である。

dl.ndl.go.jp

いきなり小烏丸の押形から始まるのだからたまらない。未実装の刀では童子切安綱、實休光忠など垂涎である。

当時の本をスキャンしたものであるので、読みにくい部分などもあるが、概ね判読は出来ると思われる。掲載された逸話は資料として非常に価値の高いものではあるが、あくまで当時の解釈・説であり、現在の定説とは異なる記載がある可能性があることにはご留意されたい。

ちなみにビューアがしっくりこないという方はkindleにて有料だが配信されている。

 

詳註刀剣名物帳 附・名物刀剣押形

詳註刀剣名物帳 附・名物刀剣押形

 

 

詳註刀剣名物帳 附・名物刀剣押形

刀剣の秩序をただしたという点では正しく審神者の父と言っていい側面のある人物である。平伏するために本映画を見てみるのもいいだろう。

観終えた後に

以下はネタバレ感想を書き綴っていきたかったのだが、遅筆の悲しさ、二時前になってしまったので寝ることにする。

審神者諸賢ほか、ご興味がわいた方は是非ともご鑑賞いただきたい。そしてオーズ本編にも手を伸ばしていただきたい。ノブナガの欲望は別に見なくていいです。

↓邦画プレゼン女子高生漫画にも取り上げられている。こちらもまた必見である。

 

 次回があれば特撮勢に活劇刀剣乱舞9話をお勧めする記事を書きたいと思う。

おやすみなさい。

「とうらぶ」というコンテンツ及び小林靖子氏と同じ時代を生きる喜びについて、あるいは映画「刀剣乱舞」感想

余談

筆者はアラサー男性である。人並みに特撮を嗜み、ソシャゲを摘まんで暮らしてきた。

刀剣乱舞は薩摩サーバー開設の折からちびちびと参加しており、後発ながら筆者より大いに愛を誇る妻とともに遠方に刀を愛でたりイベントに参加したりなど新たな趣味も開拓してくれた大変感謝すべきコンテンツである。

昨年、刀剣乱舞が実写映画化すると聞いたとき筆者は特に驚かなかった。天晴れコンテンツの隆盛ぶりいよいよ極まれり、そういうこともあろうと思った。

が、脚本:小林靖子の文字に瞠目させられた。我々の世代は井上敏樹小林靖子に人生の某かをコークスクリューでねじ込まれた者が多く、筆者もまたその一人であった。

刀剣乱舞のことごとくを愛しながらも2.5次元を「最後の砦」としてきた妻(マイナージャンルを渡り歩いてきた妻はオタクHDDのパーテーションが出来ていないので刀剣乱舞という精強なるコンテンツの前に日々いっぱいいっぱいであり幸福な苦悩を味わっていた)を「タイムレンジャーの人だよ」という誘い文句でたぶらかし、公開後初の休日に鑑賞することにした。

家での予約時、座席はゆとりがあり油断しきっていたのだが、映画館に登場した我々を迎えたのはパンフレット完売の貼り紙であった。昨日公開なのに。

何かが起こっている。同時刻に開催されるAKBグループのリクエストアワーも気になりつつ、我々夫婦は震えながらスクリーンへと足を踏み入れた。

ということでここからは映画「刀剣乱舞」のネタバレの嵐です

本題

信長の「二つの謎」を刀剣乱舞に落とし込む見事さ

久しぶりに展開にビビって変な笑いを浮かべるしかない状態を味わった。

創作において面白くなるか否かという要素の一つはどれだけデカい嘘を綺麗につけるか、ということだと筆者は考えるが、正しくこの映画はそれをやってくれた。

天正十年六月二日、織田信長は家臣・明智光秀の謀反に遭い、紅蓮の炎に消えた。数多の創作で出現するシーンであり、戦国無双2においては何度そのムービーを見せられるのかと思ったことが懐かしい。例えば仮面ライダーオーズにおいても「ノブナガの欲望」なるエピソードが存在するわけだが知らない人は別に見なくていいです。でも「仮面ライダースカル メッセージforダブル」は絶対見てくれよな!

ともあれエンチャントファイアしたと思しき信長の死体は見つからず、首級を晒せなかったことが光秀の信長討伐に不信感を抱かせ、天下餅で喉を詰まらせ横死する結果となった遠因の一つともいわれる。「信長は死んだのか・死体はどこに行ったのか」は信長を巡る所謂歴史ミステリーの中でも有名であろう。

また、安土城天主は山崎の戦後焼失しているが、これも原因がはっきりしていない。「へうげもの」においては千利休明智光秀の「わび」に対する紅蓮の挙句として燃やさせたとされており、千利休の「業」を表すエピソードとして効果的に機能している。

この二つの信長晩年にまつわる謎を刀剣乱舞と絡めて腑に落とさせる力量には恐れ入った。

物を書いていると、ある時会心の瞬間、打鍵し終わって渾身のドヤ顔にてッターン! と高らかにエンターキーを押したくなる時があると思うが、筆者が小林靖子女史であったとしたら薬研・三日月二人の「安土城……」のシーンこそがまさにそうであったろう、と思う。勿論それは鑑賞者にも怒涛のカタルシスを与えてくれる。

しかもカタルシスは続く。エンドルフィンが忙しい。何故それを知っているのかと尋ねる信長に対して三日月宗近が答える。秀吉が後生大事に抱えている刀袋の中身。

それこそは先の山崎の戦いの功にて将軍足利義昭より下賜された天下五剣筆頭――

「三日月、宗近……!」

信長が欲しながらついぞ手に入らなかった刀の名を現実に直面しその口から漏れ出させるこの場面こそはミステリードラマとしての映画:刀剣乱舞のキラーショットである。

本能寺の変では織田信長は死なず、安土城にて天主とともに葬られた。黒幕は秀吉」

というミステリーの真相を「三日月宗近はその時、秀吉の手にあってその場にいたので全て知っている」という刀剣乱舞ならではの理由で納得させてしまうのが素晴らしい。

ミステリーと言えば三日月宗近の来歴としてはっきりしているのは高台院(秀吉の妻・ねね)から徳川秀忠に伝わった、ということからである。それ以前は基本的には伝承の域を出ない。その中に、秀吉が将軍から下賜された、という俗説もあるにはあるが、確かな証拠はないし、時期さえはっきりしない。その史実の隙間を巧妙に突いてくる脚本には前述したがただ笑うしかなかった。

薬研の「炎の中にあったため信長切腹の時の記憶がはっきりしない」という設定の活用方法も見事で、なるほど先入観を捨てて考えれば「本能寺」も「安土城」も信長ゆかりのもので炎上しているのであるから言われてみれば目からうろこであった。ここは特に映像による種明かしの爽快感が抜群だ。ミステリーでは「殺害場所の誤認」はメジャーなトリックの一つだが、その扱い方がうまい。

骨喰のフォローという形で上記の設定をさりげなく話させるなど、映画内での伏線の貼り方としても巧妙だった。

正直このネタだけで筆者なら三か月はニヤニヤして過ごすことが出来るだろう。

人・その儚さと強かさ

山本耕史さんの織田信長八嶋智人さんの羽柴秀吉、それぞれの役の厚みがまたこの映画を傑作に押し上げるのに一役買っている。

序盤、信長が森蘭丸に投げかける「大儀であった」の言葉のさりげなさにしみこむそれまでの忠義へのねぎらいは「あれ? 大河ドラマ織田信長』最終話を見てたんだっけ?」と錯覚させられるくらいその背景に様々があったことを予感させてくれて、開幕から山本信長最高だな……という気分になった。上等なスープは一口含んだだけで豊かな材料を想像させるという……とグラップラー刃牙で言っていたがまさにそのような感じであった。三日月宗近との会話もまさに信長。人外である時間遡行軍もスッと受け入れるあたりさすが信長。しかし安土城に入るとその信長も人としての儚さ、脆さを見せ始める。「真実の歴史」を知り、腹心に裏切られたことを悟り、慟哭する。人でありながら魔王と称した男は骨喰を人質に取り「人なのだから自分を助けろ」と要求する。カリスマブレイク……がっかりだよと肩を落とす筆者に対して三日月宗近は告げる。「『真実の歴史』の信長はそうではなかった」と。最高の発破である。果たして信長は信長らしく散っていく。人質を取るところで視聴者にがっかりさせるところまでコントロールしてくるのだから完全に小林靖子氏の手のひらの上である。くやしい…でもカタルシス……。

他方、八嶋さんの秀吉も恐ろしい。秀吉という人は毀誉褒貶の激しい人物であるが、筆者はもともと恐ろしく酷薄な人がしかし人情深いという二面性があり、晩年はその酷薄さを道化の仮面で覆うことが出来なくなっただけであると考えているが、正しくそのような秀吉でよかった。信長の欲しかったものをすべて手に入れたと狂喜する秀吉も、形見の薬研を拾って人知れず鼻をすする秀吉も、どちらも本来の秀吉なのである。しかし赤尻を出した後なのにあんなに怖い秀吉なんて後にも先にもおるまい。

追加戦士・倶利伽羅

登場からどう見ても訳ありな素振りを見せる時間遡行軍の先兵・無銘。二回目に同行させない不動、または薬研の成れの果て? 実は今本丸にいる二人は二振り目で初代は闇落ち? 他の本丸の不動、または薬研か――? 様々な予想を立てたが刀身が違うという根本的な謎がある。終盤、とうとう割れた仮面の中から現れたのはまさかの新刀剣男士、倶利伽羅江であった。本映画が刀剣乱舞初体験の諸賢はポカンとしたかもしれないがそうではない審神者諸賢も同様にポカンとしたので安心して欲しい。

文脈としては悪の組織側のメンバーが終盤に洗脳が解け仲間になる……といった特撮追加戦士の黄金パターンであり、劇場版限定or先行登場戦士というこれまた黄金パターンを同時に達成するわがまま展開である。やはり今後追加されるという原作ゲーム8面のボスドロップとして輸入されるのだろうか?

展開的には非常に熱かったのだが、経緯がわかりにくかったのが気になった。パンフレットなどで補完されていたら確認したい。(現状では驚きはあったが無銘になるまでは元々刀剣男士だったのか? それはこの本丸でなのか別の本丸でなのか? 時間遡行軍に取り込まれたのは出陣にて折れたからなのか? その場合他の刀剣男士もそうなる可能性があるのか? 大倶利伽羅と呼び分けはどうするのか? など沢山の? の方が大きくなってしまった)

敵と自軍が同根である、というのは別の同メーカーの有名ソシャゲでも仄めかし後劇場版にて確定、という流れがあったようであるが、刀剣乱舞にてはどうであるのか(舞台版など筆者が未確認の媒体で既にそのようなことがあったのか、今回が示唆されるの初めてなのか)が筆者はよく把握していないのでそちらに気を取られてしまい、集中できず申し訳ない気持ちになった。

なお、史実での倶利伽羅江は明智秀満(映画にも登場。通商左馬助、そう、鬼武者である。最近switchでまた出ましたね)により焼失。主君・明智光秀の後を追っている。その上であの奮戦を考えると、なお感慨深いものがある。

完全に実写だこれ、となった刀剣男士たち

数々の二次元原作の実写映画を経てある種の諦念を以て鑑賞したが、目の前にいるのは紛れもなく刀剣男士であったのでしゃっくりが止まってしまうほどであった。声も違うはずなのに。三日月宗近の静と動の緩急、山姥切国広のはためく布と煌めく剣先、薬研藤四郎のグリップの効いたしなやかさ、へし切り長谷部の典雅ながら刀の重さを感じさせる動きと主への(あえてこう書くが)執着、日本号の歩く豪放磊落ぶり、骨喰藤四郎の初陣のぎこちなさと素早さ、不動行光の回転の速さと何かを既に乗り越えた瞳、鶯丸の抜け目のなさと省エネ気味の殺陣。「命が惜しいなら退け!」の声の響きよう。圧巻であった。

全てを自分で背負い込んで何とかしようとするザ・小林靖子的主人公:三日月宗近の前に現れる誤解が解けた刀剣男士達……筆者の中のゴローちゃんが(この流れだと紛らわしいが弁護士のお付きではなく個人輸入雑貨商の方である)こういうのでいいんだよ、こういうのでと力強く頷いていた。

最後に登場した遠征組では博多藤四郎の後ろ姿が「ぴっ!」と音がしそうに背筋が伸びていたのが印象に残った。

刀剣乱舞というのは付喪神の物語であるが、舞台を経て俳優諸賢の思いが正しくそれぞれの役柄に宿ることで物語にとって幸福な効果を果たしているように思えた。

審神者、その別れと出会い

刀剣乱舞ソーシャルゲームであり、いつかサービスが終わるときがくるだろう。

筆者も前述したように審神者であり、自分の本丸を持つ。が、熱心であるとはいいがたく、しばしば久しぶりの御帰還ですねとこんのすけに嫌味を(そう思うのは自分に後ろめたさがあるからであるが/映画ではそのまんま狛犬ナイズドされていてかわいかったですね)言われる。

映画での山姥切国広は恐らくあの本丸の初期刀だと思うのだが、写しだからと自分を卑下しない。

ああ、ここはいい本丸なのだなとそれだけで察するし、事実、審神者三日月宗近の会話からも、他の刀剣男士の様子からも窺い知ることが出来る。

それは所詮データかもしれないけれど。自分の本丸をもっと大事にしよう、と改めて思わせくれる映画でもあった。

あえての、残念な点

非常に濃密かつ満足度の高い映画であり、そのままショップにて売っている限りの参考書籍を妻とともに購入し、「よかったね……」「うん……よかった……」と三分で飽きられたRPGツクールの世界の住人のような会話しか出来ないほどであったが、それだけにあと、これがあれば……という点が二点ほどあったので蛇足として書いておきたい。

黒田官兵衛の不在

秀吉の中国大返しがあり、その秀吉と日本号・へし切り長谷部が絡む……という最高のシチュエーションであるのに黒田官兵衛はこの映画に登場しない。

秀吉が自分で「気付いて」しまうのがこの作品のキーの一つだからと言われてしまえばそれまでなのだが、「御運が開けましたな」は是非聞きたかったので残念。

それがなかったのはあえてのハズシで、安土城攻防戦で日本号・へし切り長谷部がピンチに陥ったところをなぞのお椀兜マンが颯爽と駆けつけ助ける……というパターンも期待していたのだが残念ながらそちらもなかった。信長・秀吉どちらともに絡みがある貴重な人材だったと思うのだが。

1/25追記:黒田官兵衛に愛着を持ったきっかけ・福岡市博物館訪問の過去記事です

 

kimotokanata.hatenablog.com

 

遠征部隊にもう一花

終盤その姿を見せてくれる遠征部隊は舞台に出演した刀剣たちであり、舞台を支えてくれた審神者諸賢は感涙必至であるらしい。筆者も一目見て第一部隊たちと遜色ない刀剣男士ぶりにたじろいだものであるが、やはり特撮物の王道としては結界が破られそうなときに颯爽と遠征組が現れる……という展開を期待していたのでアクションがなかったのはいささか残念であった。「特別出演」の限界だったのかもしれないが……。

観終えて

繰り返しになるが大変面白く圧倒された映画だった。刀剣乱舞小林靖子氏それぞれの持ち味が幸福なケミストリーを起こした作品である。

本映画で刀剣乱舞に興味を持った方にお勧め

「活劇 刀剣乱舞」の視聴をお勧めしたい。Huluならば見放題である。作画は安定しており、特に殺陣は見事の一言。幕末を軸に話が展開される。是非順番に見ていってほしいが、お急ぎの方は第九話「元の主」だけでも是非ご視聴いただきたい。刀剣男士のあり方について一つの回答を提示した回である。

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2/2追記:9話のおすすめ記事を書きました

 

kimotokanata.hatenablog.com

 

本映画で小林靖子氏脚本に興味を持った方にお勧め

仮面ライダーオーズ」の視聴をお勧めしたい。本作品にて審神者と刀剣男士という言ってしまえばヒトと異形のもののあり方の一つの理想を提示した小林靖子氏が一年というスパンでもってその問いに答えた作品といっても過言ではないだろう。日本号こと岩永洋昭さんも出演されている。

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1/25追記:劇場版のおすすめ記事を書きました

 

kimotokanata.hatenablog.com

 

自分の本丸を持ってみませんか。

映画を見て、ソーシャルゲームの「刀剣乱舞」に興味を持った諸賢は幸いである。八振りは彼らのものである。

そう、原作ゲームは1/18より1/31まで、映画「刀剣乱舞」にて主要な役割を果たした八振り、即ち三日月宗近・山姥切国広・薬研藤四郎・へし切り長谷部・日本号・骨喰藤四郎・不動行光・鶯丸の八振りをログインした審神者に一回に限り配布してくれるのである。

これはあまりにも大盤振る舞い、盆と正月とゴールデンウィークとクリスマスと文化の日時の記念日が一度にやってきたようなものであり、恐らくは二度とないであろう出血どころか失血死が心配されるサービスである。

三日月宗近も今まで生きてきて一度あったかどうかというこの破格のキャンペーンが行われている今こそ、自分の本丸を持つ好機である。審神者着任、お待ちしています。

games.dmm.com

ひとまず明日は買いこんだ諸々を引きこもって堪能する予定である。

映画刀剣乱舞 公式シナリオブック