カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

第四回鹿児島ラーメン王決定戦に臨む

余談
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祖母宅で母と伯母の確定申告の手伝いをした。最近は国税の確定申告書作成コーナーがとても丁寧で(いつの間にかGooglechromeにも対応していた)わかりやすく、大体その通り入力すれば出来てしまう。二人とも源泉徴収票、雑所得、生命保険料控除、医療費控除の入力をするタイプの確定申告であった。医療費もエクセルシートを同コーナーからダウンロードし、それに沿って入力したあとそのシートを読み込ませることであっという間に処理が完了する。(例えば母の場合71件あった)

医療費控除関係まとめ

折角なので今回医療費控除を処理するにあたり来年こうしようと思ったことをまとめておく。どなたかのお役に立てば幸いである。何か不具合があった場合は責任はとれません。すみません。

「医療費通知」をとっておこう

大体年初めあたりに加入している健康保険から圧着式のはがきで「医療費のお知らせ」が届く。どこどこで誰が受診し、いくらかかったか、というものである。今回の確定申告から医療費控除の「かかった費用」についてこの数字を転記することが出来るようになった(原本の添付が必要)即ち、領収書を一枚一枚入力する手間がなくなったわけであるが、この場合も領収書の五年間の保存は必要であろう点に留意すべきだろう。

ちなみに、いわゆる不正請求はここから発覚することが結構ある。身に覚えのない診察がないかどうか確認してみるのもよいだろう。

領収書は時系列でなく家族ごと、医療機関ごとにまとめておこう

かかりつけ医院、歯科、薬局がある方は多いと思う。医療費通知がなく前述のように入力を行う場合、フォーマットは「誰が」「どの医療機関で」「いくら払ったのか」というようになっているので、家族のメンバーそれぞれごとに(医療費控除は本人だけでなく生計を一にする家族の分もまとめることが出来る)かつ医療機関ごとに分けておくと入力がスムーズである。定期的な診療の場合金額も似通ってくるので二重入力・入力漏れにご注意されたし。

「補てんされた金額」がないかどうか確認しよう

今年は赤ちゃんが生まれた! 出産費用は五十万円だった! 医療費控除でめっちゃ返ってきそう! ……というわけには、なかなかならないのである。医療費控除はかかった費用から補てんされた金額を引かねばならない。例えば出産の場合、多くの健康保険では出産一時金が三十万~四十万円前後支払われる(病院の方で相殺してくれることもままあるようである)。この分は医療費控除の額から差し引かれる。また、入院等の場合、保険会社から支払われた分も引かなくてはならない。要するに最終的に自分が負担した分しか医療費控除に申請は出来ないのである。

保険外のものが混ざっていないか確認しよう

医療費控除は「医療費」についての控除である。当たり前のことを言うなと思われるかもしれないが、即ち歯科医院に行って歯ブラシを買う。領収証は一枚であるとき、この歯ブラシ分は差し引いて医療費控除の入力は行わなくてはならない、ということである。他にも保険外のもの、時期的なもので言えばインフルエンザのワクチンなども含めることは出来ない。個人的には花粉症の人間の購入するボックスティッシュは医療費控除の対象にしてくれと常日頃思っている。

領収書は税務署に持っていてもらおう

今回から上記の明細書を作成していれば、領収書原本は送らずともよくなった。しかし五年間その領収書をしっかり保存していられる自信がある方、どれくらいいらっしゃいますか。ですよね。送ってしまいましょう、税務署に。送らずともよくなりましたが送るなとは言っていません。税務署にしっかり管理していただきましょう。

 

ちなみ伯母は丁寧にたくさんの領収書を保管していてくれたが、他の控除で源泉税を還付しきってしまい、医療費控除の必要がないというオチが付いた。

しかしマイナンバーのせいで工程が増えたのには参った。これほんと庶民には何の恩恵もないな。

 

本題
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余談が、らしくなく実用的になった。

さて鹿児島ラーメン王決定戦である。第一回より特集番組を録画し、行きたいという意欲を募らせながら、なかなかタイミングが合わず見送ってきた。今回、前述の確定申告を行った祖母宅が会場にアクセスが良いこともあり、いよいよ満を持して臨むこととなった。妻とは会場での合流である。道が思いのほか混んでおり、妻はまず単騎駆けでラーメン王を狙う猛者たちと対峙することになった。

サカノウエユニーク「いいとこ鶏」
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妻がアウェーの中単身ルール無用のデスマッチを挑んだのはサカノウエユニークさんの「いいとこ鶏」であった。

鹿児島ラーメン王決定戦は過去三店舗の王者を輩出し、それはいずれも豚骨ラーメンであった。傾向と対策で考えれば、ラーメン王を目指すのであれば豚骨ラーメンにすべきであるように思われる。しかしサカノウエユニークさんはとりそばで挑んだ。その姿に豚骨ラーメンにあまりなじみのない本州からやってきて日々頑張っている自分を重ねたのかどうか、妻は挑戦することにしたのである。

「うまい、特にチャーシューが、めっちゃうまい……」

それを最後に妻からの通信は途絶えた。

麺屋ばってん親父「こく旨とんこつ極~オマールエビと甘エビの調和~」
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旨さの彼岸を漂っていた妻をどうにか会場で蘇生させるとそのまま筆者は「麺屋ばってん親父」さんのブースへ向かった。前述の通り毎回鹿児島ラーメン王決定戦の関連番組は録画してまで見ているのだが、その中でも麺やばってん親父さんは徳満さんご一家が中心となっていることもあり、何やら大家族ものめいたテイストで他のラーメン屋さんとは一線を画す密着感、没入感があり、どうにもなんだかずっと前から知っていたような親しみを勝手に感じてしまっていた。娘さんが元気に呼び込みをされており、「あ、テレビで見た人だ」と若干テンションが上がりつつ、粛々と並ぶ。食べ方の説明をスタッフさんが丁寧にしてくださる。いよいよどんぶりが運ばれるとき、スタッフさんがいう。おいしくいただけますように。まるで神への祈りじゃないか。荘厳な気持ちでラーメンを抱えウイニングランを決める筆者である。

食事エリアに入りスタッフさんに言われたとおり混ぜ、いざ実食。濃厚な二つのエビの風味がなるほどハーモニーを奏でている。確定申告作業で疲弊した体に染み入る。麺も滋味深い。食べ奨めるほどに豚骨とエビがなじみ、まろやかになる。濃厚だが、ぐいぐいいけてしまう。飲み干してしまう。(最終的に飲み干した)

らーめん食堂 元斗好軒「出汁の旨みのかごしま黒豚しゃぶ肉ラーメン」
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と、そこに妻が二杯目の器を持って現れた。元斗好軒さんの一杯である。これもまた豚骨ひしめく中昆布とアジの煮干しからとった出汁をベースにしたスープで挑む果敢な店舗だ。これには元ネタに敬意を表しつつ「やるじゃない(ニコリ…)」するのも仕方のないことである。お互いに器を交換し、食べさせてもらう。口の中にやさしさが広がる。複雑玄妙な旨みが、決して威張ることなくそれぞれが手を取り合ってそこにある。黒豚しゃぶ肉もやわらかく主張しすぎない。一方で筆者が食べ始めたのが少し時間が経っていたからか麺が個人的な好みとしてはだいぶ柔らかかったことと、その前に食べた麺屋ばってん親父さんのラーメンがお茶を挟んでもなお残る濃厚さであったため、筆者の舌では繊細な味わいをとらえきれず、真価を味わえたとは言えなかったのが残念である。

 

食べ終えて

どのラーメンもおいしく、中途半端な時間を狙っていったためそこまで待たずに食べられ、また天気も良かったため非常に有意義な時間を過ごせた。しかしどのラーメンもおいしかったからこそ、他のおいしいラーメンももっと食べたく、一杯当たりの価格を抑え、もう少し器のサイズも小さくして、よりたくさんのラーメンを食べやすいようにしてくれたら最高だなと思った。公式ガイドブックも無料で配っている割には非常に出来が良く、イベント終了後もラーメンガイドとして優秀である。

一方で「鹿児島ラーメン王決定戦」として考えた時、まずは県民投票が行われるわけだが、ここで投票者たちは「いつものあの店のあのラーメン」を想定して投票するわけであり、その結果を踏まえて行われる決定戦でその時のみの特別ラーメンを提供する、というのは正直どうなのだろうか……という気持ちはちょっとある。もちろんお祭りだから限定ラーメンという試みはすごく面白いと思うし、特に市内店舗であればいつもと同じならわざわざ混むところに食べに行かなくてもいいかな……と思われる可能性大であるからそういう意味でも仕方ないのかなと思うが、少なくともラーメン王となったらその後店舗でも定期的に提供する、ということになってくれればよいと思う。

結論としては天気のいい中日の中途半端な時間に行くのがエンジョイするコツであるということがわかった。来年もぜひ行きたい。