余談
今から約五年前、一つのゲームが世に放たれた。素晴らしいPVは多くのファンを引き付け、筆者も予約した。仕事で遅くなる筆者の代わりに当時入籍前だった妻が引き取りに行ってくれた。何故かオランジーナも買ってくれていた。筆者もなるべく早く仕事を上がり、妻と、そして弟とともにゲームをプレイするべく自室から(実家の自室にはエアコンがなかったのである)居間へPS3を移動させた。起動、OP――ワクワクが我が家に満ちていた。
そして残念ながら、ワクワクは一日もたなかった。頑張って自分をだましてみたけれど、やはりどうしようもない物足りなさが残った。メーカー側も慌てたようで色々対策をしたようだけど、発売日当日に早く帰るために後回しにした仕事の片付けに追われる中、再び筆者がそれを起動することはなかった。健気な弟はその後もちょこちょこ遊んだようである。
ぼく(筆者)― を含む…ジョジョを愛する人々……「ジョジョファン」はとても深く傷ついた……。いや…、正確に言えば「筆者が予約してまで定価で発売日に購入したジョジョの奇妙な冒険ASBによって筆者自身は傷つけられた…」。各部のファンは追加キャラDLCをずっと待つのだろう…。「オンライン対戦」の人々は活気が戻るのをずっと待つのだろう……。ASBに殺された小売店は在庫の解消をずっと待つのだろう……。傷の痛みが深くあらわれてくるのはこれからなのだろう……。いったい…、この「痛み」はどうやって癒やせばいいのだろう? ぼくにはわからない…。ジョジョの未来にとって命取りになるのか、さもなくばいずれ消え去るのだろうか― ぼくにはわからない。
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 #1 黄金体験(ゴールドエクスペリエンス)感想
そういうことでその後のアニメや実写映画もなんとなく追う気にはなれずにいたのだが、たまたまFODでゴールデンカムイを視聴していたら続いてこちらを勧められた。
妻もジョジョは嗜んでいるのだが、5部に関しては原作は読んでおらず、「暗殺チームがすごいことはお姉さま方から受動喫煙している」「嘘をついている味がわかる人がいる」「なんか近寄ってほしくない人がいる」といううろジョジョでももうちょっと理解していそうな発言で面白かったので、視聴してみることにした。
妻「(ジョルノの服装を見て)胸元が開きすぎている」
筆者「まあほら…ハート形というのに意味があるから…ハートが前提にあって結果として胸元が開いてしまっただけだから……」
妻「3つのU? イタリア人なのにローマ字の話を……? いやイタリア人だからローマ字で言及するというギャグ? 実はイタリア語でも綴りがUから始まるとか……?」
筆者「ヤロウ……タブー中のタブーに触れやがった……」
妻「こいつ15歳かよ! 絶対15歳じゃないでしょ」
筆者「金髪になると大人っぽくなるから」
妻「あっこの人舐める人じゃん! また胸元が開いてるじゃん」
TV「次回 『ブチャラティが来る』」
妻「もう来てるじゃん」
なかなか忙しない視聴であったが、妻も続きが気になるようなので継続して視聴しようと思う。5部キャラの胸元について深く考えたことがなかったが確かに結構皆思い切っているな、という発見があった。ちょっと線が太くて固い印象があるが、やはり荒木先生の絵が動いているさまは面白い。でもタイトルがGIOGIOじゃなくてJOJOでいいのだろうか。
ゴールデンカムイ 第13話 江渡貝くん 感想
さてゴールデンカムイである。そういえば無事にDVD付特装版を手に入れたのだが、尾形への愛が振り切れてしまっている妻は帰りの車中で再生するという挙に出たため、運転中である筆者は音声のみでの観賞となり、まだ感想を書くに至っていない。今度の休みにでも改めて居間にて鑑賞したいと思う。音声のみの感想としては、「女将、声高くない?」「高木渉氏、最高に高木渉だな……」「『どんなもんだい』はやはり外せないよな……」といったところ。
13話公開に先立って、1期アニメの一番くじ(鹿児島では1店舗しかないというレア具合であった)を夫婦して引きにいった。妻としては尾形は引き当てられなかったが満足、といった様子であった。(筆者は二瓶と谷垣が出たので大満足)嫌いなキャラがいない作品というのはこういうとき本当に有難い。
その高揚を持ってちょっと夜遅かったのだけど向かいのとんかつの竹亭さんへと駆け込んだ。上ロース定食1,100円。安い、安すぎる。鹿児島においしいとんかつ屋さんは数あれど、竹亭は「安くてウマい」の大王道であり、基本的には他県からの方にはこのお店をおすすめするようにしている。県内に複数店舗あるのもポイント。いつか鹿屋店を訪れてみたい。(田上店が筆者の“ホーム”である。)
一挙にグッズが増えたのでしっかり陳列したいものである。
余談が長くなってしまった。まずは導入、さわやかで穏やかな道中から始まり、場面は変わって12話の引き通り、奇妙な剥製職人を訪ねるところから2期は幕を開ける。ということはエピソードが飛ばされてしまっているわけだが、再び特典DVDなどで補完があると信じたい。いつもあの恋を思い出してきっと泣いてしまうだろうから。
基本的にはいつもの通り、原作に声がついて動くというだけで大満足なのだが、中でも特A級にハマっていると思う大塚芳忠さんの鶴見中尉さんの声が前期に比べてちょっと熱が抑え気味に感じられたのが残念だった。江渡貝くんとの会話があくまでもうわべである、ということの証左なのかもしれないが……「ん猫ちゃん猫ちゃん!」はもっと早口で勢いよく言ってほしかったし、「江渡貝くうううううん」もより力強さがあってよかったのかな……とも思う。
次回のタイトルからして谷垣サイドはいったんお休みなのだろうか。カネモチの話は白眉だと思うので楽しみである。