カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

THE GOLDEN MOON RISING(ザ・ゴールデンムーン・ライジング)

f:id:kimotokanata:20190915182202p:plain

f:id:kimotokanata:20190915182231p:plain

木本仮名太/30歳

髪の色/ブラック

瞳の色/ブラック

職業/事務員

好物/妻の手料理、マクドナルド(特に月見バーガー

 

先週・今年の月見バーガーが解禁された。

が、筆者は絶賛絶食中であった。

既に記事にした二つの週末イベントに向けて、夫婦して断食していたのである。

 

kimotokanata.hatenablog.com

kimotokanata.hatenablog.com

 少しでも推しに恥ずかしくない体になりたい――その妻の志に打たれたのだった。

大体三日間ほど断食(水分は摂った)。その後、本調子に戻すためにだし汁と大根の煮物のみ、梅干し、野菜解禁、穀物解禁、肉解禁と本来の食事に戻ったのが丁度一週間前。

期間中、体重は3キロほど減った。現在も胃が少し小さくなったのか、以前より食べる量が少なくなったこと、コメの摂取量が減ったことを受けて、特に食事を我慢しなくてもほぼ減った状態で体重をキープできている。

 

月見バーガーはまだ、食べていなかった。

解禁日、信頼する「マック者」達が続々とそのレポを上げる様を見ながら歯を食いしばっていた筆者であったが、その波に乗り遅れてしまったという気持ちもあった。

月見バーガーの前に、ファストフードのライバルであるケンタッキーの創業者・カーネル・サンダース氏を祝ってしまったことの罪悪感のようなものもあった。

ち、ちがうのカーネル君とはたまたま帰る方向が同じで……。

 

 

 そうこうするうちに日々は流れ、また週末がやってきた。

妻と共にタスクを済ませると、気づけば一時が過ぎていた。

田舎の悲しさ、最寄りの定食店はラストオーダーの時間となり始めるだろうし、夜まで開いたままのチェーン店はその定食店から締め出された人々で混み始めるだろう。ショッピングモールのフードコートなどナウなヤングたちの社交場でとても近寄れる状態ではない。

それに、と筆者はある考えがよぎっていた。折角痩せたのだからリバウンドしたくない――と。

いっそ昼食は寝飛ばすのもありではないか、とさえ思った。

次の移動先を決めかね、駐車場でしばし逡巡していると、おもむろに妻が口を開いた。

 

マクドナルドでもいいよ? 月見バーガーを食べたがっていたでしょう」

 

――ちくしょう……!

どうしてウチの妻はいつもいつも……自分が空腹な時に俺の気遣いなんかしてんだよ……!

……自分のことでビビってる俺が……

――バカみたいじゃねえかよ!!

 

妻はその間にも手早くスマートニュースクーポンとマックアプリクーポンとの価格の比較をしたり、関東地方限定のポテトM二個目無料クーポンに憤慨したりしながらも、自分は月見バーガーとてりやきであることも決断していた。

そして筆者も……。

「クーポンの735番をお願いします」

「かしこまりました」

 

 

その手に黄金の月見バーガーを手にすることができたのである。

 

kimotokanata.hatenablog.com

 昨年の記事で「黄金」と言っていたが、実は昨年は「金」であったらしい。

去年の時点で既に黄金の風格を備えていたので果たして今年は……と食べてみるが、期待を裏切らず旨い。柔らかくどこか甘いバンズは寝起きでもおいしく食べられそうな優しさがあり、しかしチーズとベーコンが確実な満足を保証してくれる。

こうして筆者は今年も無事、月見を堪能することができたのだった。

 

堪能……?

そうだろうか?

おりしも満月(購入時)、そんなことでいいのだろうか?

自分を解き放っているだろうか?

 

挑戦者よ!

格安のクーポン・バンズ・噛み砕き

ヒトの名を称す者よ!

暴食と節制

底知らぬ欲の壁に遥かに波を立てよ!!

マ道の三十三 双華月見!

クーポンが一つにつき二個まで注文できるのならば、二個頼まなければ嘘である。

無論、マックに来てポテトを頼まないのは鹿児島に来て桜島を見ないようなものであるし、その日の店のコンディションを把握するための「お通し」としてチーズバーガーを頼むこともまた、ごく自然なことだ。

 

木本仮名太/30歳

髪の色/ブラック

瞳の色/ブラック

職業/事務員

好物/妻の手料理、マクドナルド(特に月見バーガー・黄金月見バーガー