カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

「とどまれにんげんは家」の現実だから――「あつまれどうぶつの森」プレイ雑感

今週のお題「オンライン」

余談

通勤が続く。

田舎の幸い、通勤は自家用車でのドアtoドアであるので他人との接触がないのは幸いだが、またしても県内での感染者が確認され、自分や周囲がどんどんと疲弊しているのを感じる。

この記事ももっと早くに書くつもりだったがそういった日々の生活にプラスαが出来なくなって、困難になって久しい。

そうなると「今日もブログを書けなかった」が心に澱のように沈んでいくようでそれもまたつらい。

はるか昔、自分の打鍵したものが形になるなんてすごいという感覚を思い出すために苦境にあるという妻贔屓の印刷屋さんにお願いして同人誌でも出してみようかと思う。

明日は少しでも何かが良くなっていますように。

本題

blog.hatenablog.com

ということではてな界隈では既に一度クライマックスが訪れた感もある「あつまれどうぶつの森」であるが筆者も絶賛プレイ中である。

最近生活のモチベーションはエイブルシスターズとたぬき商店の日替わり商品を確認する楽しみにあるといっても過言ではないくらいである。

とびだせどうぶつの森も妻(当時は彼女)と一つの3DSでプレイしたものだったが今回は同時プレイが出来るということも後押しとなり購入した。時系列的には100日後に死ぬワニ(そういや単行本を買わないといかんな)の流れにもんにゃりしていて癒しを求めていた、という状態であった。

まだ村長であったころを捨てきれない筆者である。

……満喫しているようである。

実はカブを一度も買えていない。おらが島はほとんど買取カブ価が三桁を超えないのでそういう意味では幸運であるのだが、「祭り」に参戦できていないような一抹の寂しさがある。

オンラインでフレンドの島にも何度か遊びに行かせていただいた。「同じソフトですよね?」といいたくなるような細部まで目が行き届いた島ばかりで、恥ずかしくなってしまってもてなしていただいてばかりで未だに一人もお迎えできていない。

出来やしないよ……そこらに脱ぎ捨てた服やプレゼントを拾うためにとりあえず置いた家具が散乱している島にお誘いなんて……。

妻に至っては「なぜ我々はフルーツに直接かぶりついているのにどうぶつの皆は缶ジュースや紅茶を飲んでいるのか……?」というタブー中のタブーに触れてしまい、いまだ家がない。(なので誕生日に手紙も送れなかった)(直接の交流だけでなく、手紙を送ることによる緩い交流が出来るのも本作の良いところであると思う。)

そんな中交流した人間の一人に、実弟がいた。現在四国在住であり、今年の正月は我々夫婦が揃って体調がすぐれず寝正月だったこともあり今年は未だ顔を合わせていない実弟とまさかの「あつ森」で2020初邂逅を果たすとは世の中何が起こるかわからないものである。

以前何かの余談で触れたが、実弟は本来今月結婚式の予定であった。しかし自分も医療業界に携わる人間でもあり、コロナ感染拡大を受けてひとまず今夏まで(中止・それ以上の延期は式費用の半分近いお金がかかるらしい)の延期を先月決断した。当時はまだ楽観視されていることもあり(なのでこの段階で卒業旅行に行っていた大学生諸賢などを無知暴虐の徒のように糾弾するのはおかしいと考える)、かなりの抵抗があったようだが結果から見れば英断であったといえよう。

実弟はあまりゲームをする人間ではない。恐らく幼少のみぎりに筆者が「真・三国無双」シリーズにおいて「この関羽ってやつ使って! ほんで敵が出たらこのボタン押して!」という風にユニーク武器人足として酷使したことと「ラチェット&クランク」で盛大に3D酔いしたことが影響していると思われるが、しかしなぜそんな実弟が「あつ森」で筆者と邂逅するに至ったのか。

それは彼の妻が「ぶつ森」ヘビーユーザーだったからによる。彼女もヘビーゲーマーではないが「ぶつ森」は別腹というタイプであり、彼女にとっても楽しみであった結婚式の延期を受け、実弟は八方手を尽くして同梱版こそ手に入らなかったものの、なんとか彼女の前にニンテンドーswitchと「あつ森」を正規の手段で調達することに成功したのである。愛……愛じゃよ……。

そしてぶつ森ヘビーユーザーの看板に偽りなく、二日目に筆者がお邪魔してみるとイースター家具はかなりそろっており、道もきれいに整備され、花はみずみずしく、商店と博物館も開業をほのめかしているこなれぶりであった。

余りのRTAぶりに実弟の分身を作成する時間すら惜しまれ、迎えてくれた弟は妻を模したポニーテールの女性であった。思わず弟がリモートワークの結果「バ美肉」に到達したのかと思ったがそうではなかったようである。

特産品はモモであり、くしくもわが「かごひろ島」と同じなのであった。それから我々はしばらくの間、島を駆け回り、棒で向こう岸へ渡り、ムシを挟み撃ちにし、レシピをシェアし、壁紙を交換し、釣果を見せびらかしあった。

幼き頃の筆者にとって、実弟は17時のチャイムが鳴ってもバイバイしなくてよく、趣味嗜好も合い、気を使わなくてもよい一番の「友達」であったことが懐かしく思い出される時間であった。

どうぶつの森」シリーズは本来、スローライフを売りとしたゲームだ。とはいえ、オンラインに対応し、3DS時代以上にSNSでのシェアが活発になったことでやはり先述した筆者のようにほかのプレイヤーと比べてしまったり、効率化を求めてしまう面があるようにも思う。

そうではなくただ気の置けない友達とぶらぶらするだけでいいんだよ、ということを学んだようにも思った。

筆者の考える「いいゲーム」の定義の一つに「プレイしているとき以外でそのゲームのことを考える」「次こうしよう、ああしようが脳内で止まらない」というものがあるが、「あつ森」はまさにそういったゲームである。

まずは今週末の釣り大会を楽しみに、引き続きゆっくり過ごしたい。できれば今の一番のパートナーである妻と。

あつまれ どうぶつの森|オンラインコード版