余談
1人暮らしの1K、敷きっぱなしの布団から目覚めてガラケーを開く。時刻は既に午後だ。腐れ大学生としては珍しくもなく、淡々と「起きたー」とつぶやく。食事の算段をするうちに、何人かから「おはよー」のリプライが来る。その中にうすトン君――富士口勇生さんもいた。お互いフォロー・フォロワー共に2桁のころからの付き合いで、今回の企画に寄稿してくれた中でTwitterでの繋がりということで考えれば最古の知り合いと言っていいだろう。
富士口さんとは同学年で、震災不況による就活難に共に呻きながら、何とかお互い就職にこぎつけたものの、その環境はなかなか困難であり、2人ともほどなく転職することになる。2人ともいわゆるツイ廃気質があったが就職によってツイートはめっきり減少し、たまのツイートもネガティブ味が増し、双方相手のささくれで自らを傷つけないとしようとしているかのように、交流も減っていった。
6年ほど前には一度富士口さんはTwitterの休眠を宣言し、実行した。その後見事に再度の転職を成功させ、以降のツイートでは清く正しきオタクライフを満喫している気配が感じられ、ツイートに色がついたようで本当に良かったなあと他人事ながら思っていた。
我々世代であればだれもが知っている漫画家であろう雷句誠先生のまさかのギブアップ連載終了、「VECTOR BALL」の全話解説という骨太記事の他、休眠を挟んでサクッと書いてススッと読める感じの日記連載が主体であった。
(たぶん世界でただガッシュ完全版の知らせを受けてこのことを考えたのは世界で富士口さんただ1人)
(マリオRPGが出るからなあで締めるのも含めてあまりに「お前は俺か」過ぎる)
(猿先生を単なるネットミームとしての消費ではなく作品として向き合っているの立派だな……と思う)
ただ、それも1年前から途絶えており、ツイートもタイミングが合わずになかなか追えず、寂しい思いをしていたところに今回参加表明をしてくれたことはとても嬉しかった。枯れ木も山の賑わいなんてことを参加時にツイートされたが、筆者にとっては1つの山が丸ごと押し寄せたような気持であった。
富士口さんを紹介するときに欠かせないのが「空木あんぐ」先生というクリエイターの存在である。
— 富士口勇生 (@usuton) 2023年7月4日
動作が極度に不安定になりいよいよTwitterの「沈没」が囁かれ出した頃のこのツイートに彼の「覚悟」がよく表れていると思う。
そのあんぐ先生の作品が打ち切りになったときの記事は悲痛だった。筆者も「タベルナ」を氏の勧めによって拝読していた時もあったが、それ以降熱心には追えておらず、故に確信は持てないがほぼ確実にあんぐ先生の最大のファンであろうと思っている。
以前は自身で同人誌を出し、交換を行い、本当に長い紆余曲折を経て直近のコミケでも交流されているようで本当に良かったなと個人的には思っている。富士口さんもあんぐ先生も、本年益々の飛躍を勝手ながら期待してしまうところである。
本題
余談が、ながくなった。
MCUについては筆者はほとんど門外漢である。この企画においてもたびたび言及されてきた、あの「東京エンドゲーム」の内容を理解しようと思い、その段階まではある程度見た。
しかしそれ以降、ドラマなども折り重なり、配信限定なども混ざってきて、妻があまりアメコミ的世界観に興味を示さないのもあって(そして夫婦の共有時間以外の筆者単独の余暇だけで消化するにはMCUはあまりに広大過ぎて)いつしか追わなくなってしまった。エンドゲーム以降、TL諸賢が観ては「うーーん……」という感じになっていることが多かったのも視聴意欲の減退に拍車をかけた。
そこに、今回の記事である。
なるほど……と思い、本来寄稿してくれているのだから「マーベルズ」を鑑賞した上で記事を拝読するのが礼儀ではあるのだが、マーベルということは……とざっと調べてみるとやはり配信はディズニープラス一択。筆者は現在、ガザの虐殺を遺憾ながら「支援している」と筆者の判断でもって考えている企業に関しては積極的な利用を避けていて、ディズニーはそれに該当していた。従って利用は難しい。あれだけ敬愛していたマクドナルドですら1年近く利用していないのだから。(念のため言っておくが、これは筆者の判断であって、それらを利用する人にとって筆者が何かしらの感情を抱くということはない)
そこで筆者としては、1つの提案として、富士口さんが現在暫定公開であるこの記事を見事完成させた暁には、レンタルほかの手段で持って物理円盤を入手し、「マーベルズ」本編の感想も踏まえてこの記事を更新したい。すなわち、この記事もまた「暫定公開」ということになる。
富士口さんのnoteは今回の記事が約1年ぶりの更新。前回はこの「マーベルズ」記事更新を仄めかしていたので、まさに1年越しの更新となる。こういう風にブログが動き出すきっかけに本企画がなれていたとしたらとても嬉しい。
完全版公開が本年末にならないことを信じて、筆者は待ち続ける。(バリエーション豊かな「本日の更新はお休みです」をちょっと期待しているのは内緒である)
あと…「テネ僕」フォーマットで語られる映画のために1,000円近い料金を払う覚悟は……筆者にはちょっと……なかった……。