何度か記事にした「PRODUCE48」がAbemaTVで無料放送されている。もう何度見たかもわからないが、コメント付きで見るとまた新鮮である。
本日は21時より4話目が放送される。
「えっもうそんなになの…じゃあもういいかな……」と思ったあなた、それは早計である。むしろこの第4話目からの視聴開始こそが一番おいしいとさえ言えるのである。
1話目、2話目を見て期待よりフラストレーションが大きくなり視聴をやめてしまったあなた、ここにはカタルシスがある。是非見ていただきたい。突然秋元康プロデューサーグルメ旅に変わることもないのでご安心だ。
なぜ4話目からでも安心なのか。第4回はグループバトル。即ちパフォーマンスが主軸としてある。よくわからなくても、そのパフォーマンスを見るだけで楽しめるのである。
それだけでなく、そのパフォーマンス本番に至るまでの過程もがっつり見ることが出来る。グループバトルは同じ曲を1班・2班の2チームでパフォーマンスし、観客(現場の国民プロデューサー)がそれぞれのチームの誰か1人に投票する。そしてチームの得点合計が多い(人数が違う場合は平均点が高い)方のチームが勝利し、特典をもらえる、という仕組みだ。
なので例えば1人が多く票を取りすぎて他がとれないとチーム全体としては負けることもあるし、逆に他がボロボロでも1人で相手チーム全員分の票を獲得して勝つこともありうる、全員の票数が明かされるまで安心できないシステムとなっている。
そしてチームの勝敗のほかに、それぞれ個人で獲得した票数が今後のサバイバルに反映される。
グループバトルからの視聴を勧める理由はパフォーマンスの素晴らしさだけではない。「PRODUCE48」は「アイドルグループ」を生み出すためのサバイバル番組である。「アイドル」を生み出す番組ではない。というこの番組のコンセプトの真骨頂が味わえるからである。
単体のアイドルではなくアイドルグループの面白さは相乗効果であり、群像劇である。それまで日本であったり韓国であったり、所属チームであったり所属事務所であったりはありつつもあくまで個として、せいぜいユニットとしてパフォーマンス、クラス分けを行ってきた彼女らはここではじめて即席の「アイドルグループ」としてサバイバルに挑むことになる。参加者たちの間には通訳もいない中、コミュニケーションに苦労しつつ、ポジション決めがあり、センター争いがあり、トレーナーによる指導がある。
1人言語が違うチームへ入ったことの戸惑い。チームメンバー選択から曲選択、対戦相手選択に至るまで全てが術中にはまったことへの驕り。日本では踏み出せなかったセンターへの挑戦。過剰なまでの勝負事への嫌悪。誰からも選ばれなかった者たちの諦念。常勝を宿命づけられた者たちのプレッシャー。リーダーであるがゆえに狭まった視野。幼く才気あふれるゆえに悪気なく放たれるダメ出し。
これら全てが絡み合い、増幅され、そしてパフォーマンスへ昇華していく過程こそは正しくアイドル錬金術であり、アイドルグループであるからこそのエンターテインメントである。
番組構成としては次はこのチーム→その練習風景はこんな感じ→では本番のパフォーマンスをご覧ください
という流れが1組ごとに繰り返されるので、この回から見てもある程度把握できる親切な造りになっているのも視聴をお勧め出来る理由の一つだ。
そして太っ腹なことに今なら過去話もAbemaTVで無料配信中なので、興味を持たれたら遡ってみるのもよい。実はグループバトルは1曲は3話で既に対決が終了しており、この対決もまた確実にこの番組とターニングポイントであるからである。
百聞は一見に如かず。是非PRODUCE48を鑑賞いただきたい。
そして語り合いたい。矢吹奈子さんの高音の伸び、ワン・イーレンさんのただそこにある美しさ、松井珠理奈さんの面倒見の良さ。村瀬紗英さんがさえぴいから紗英様になった瞬間、下尾さんが世界のみうへと変貌を遂げる様、ShortHair(タンバルモリ)赤チームの溌剌としたかわいらしさ、青チームのインモラルなセクシーさ。チャン・ウォニョンさんのアイドルの天才ぶり、ハイテンションの原曲超え振りを。