カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

永遠より続くように――IZ*ONE(アイズワン)活動終了発表に寄せて

IZ*ONE SPECIAL SURPR*IZ PHOTO BOX (仮) ([バラエティ])

〇余談

去年と比べて自分が成長していると胸を張って言えるのは花粉症の症状くらいではないかというくらい今年も花粉症がひどい。ということで今までで一番強い薬を処方してもらったら今度はその影響で眠気がひどく集中力散漫になってしまっている。とにかく運転だけは気を付けなければ……。

ということでいつもにまして書きたい記事を書くことも出来ずに、日々を過ごしていた。それは週半ば、即ち本日発売の「ナゴヤVSシンジュク」CD、そして週末の「アイズワンオンラインコンサート」を道しるべとして、心の支えとして彷徨う旅でもあった。

仕事終わり。既に配信開始されていた「ナゴヤVSシンジュク」をプレイリストに追加しながら、妻に「今から帰りますLINE」を打たんとした筆者に、TLで信頼するオタク(尊称)のにわかに信じ難いつぶやきが飛び込んできた。

「IZ*ONE解散マジか…」

矢も楯もたまらず尋ねる筆者にソースを提示してくれたオタク氏。

そして筆者も複数先で調べ、どうやら間違いがないようだ、という結論に至った。

news.kstyle.com

終わる。IZ*ONE(以下文中アイズワン)が。

どうやって帰宅したのか、正直記憶にない。

〇本題

少し前から、WIZONE(以下文中ウィズワン)の間では、延長か、終了か、ということが議論されていた。

もちろん、筆者のTLには愛すべきWIZONEが多数いるということを割引いて考える必要があっても、延長の声が多かったように思う。

事実、Universeへの参画、メンバーの音楽番組MCの就任、ペプシCM、ブランドイメージ抜擢など「続き」を示唆するトピックは贔屓目なしに多かった。

筆者ならずとも、オンラインコンサート2日目の最後のMCで延長発表、というストーリーを浮かべていたウィズワン諸賢は多かったのではないだろうか。

他方で、宮脇咲良さんがまるで「まとめ」のようなプライベートメールを送る頻度が増えているように思えたのが、気になってもいたが……。

先述した山積している「書きたい記事」の中に、アイズワンの今後について思うところの記事もあった。

筆者は、「期間を再び設定しての活動延長」派であった。アイズワンが行くところ、どこであっても花たちは目覚め、花弁は舞い、最高潮が訪れる。それは煌々と照る太陽のように永遠性を感じさせ、「もうこのままずっと活動すればいいじゃん」という考えをごく自然に鑑賞者たちに生じさせる。

けれど彼女らはベテルギウスである。太陽の何倍も燦然と輝く代わりに、その「終わり」はずっと近くににじり寄っている。「だからこそ」の刹那性を孕んだ美しさ、儚さというのも間違いなく魅力の一つとしてあったはずだ。

悲しいけどこの世に永遠なんてないから

悔しいけど時は前にしか流れないから

かつて風味堂が「LAST SONG」でそう歌ったように、始まったことには必ず終わりがある。その終わりが見えているからこそ本人たちも、ファンもその情熱がうねりとなって立ち上るのだ。その「ゴール」を「やっぱり動かそう」としてしまうのは、人気が出たから引き延ばされる少年漫画のような愚ではないか、と。

ただし、あの冬が訪れ、そしてそれを超えたかと思った時に世界全体が未曽有の事態に叩き落された。それは当然考慮すべきだ、とも考える。

具体的には、4月以降も少なくとも2回分のカムバック期間の確保と、有人での解散コンサートの解散を筆者は願っていた。

 

kimotokanata.hatenablog.com

およそ半年前、筆者はこんな記事を書いた。

そうして最後、みんなのメッセージは毎度感動させられているので何とかこらえられたが、暗転してVRで満員のアリーナが再現されたときはさすがにジーンとさせられた。

どんな所にも行くことのできる、作り出すことが出来るVR。それを用いて上空や宇宙にまで飛び出したアイズワンが帰り着いた場所、歌いたかった場所が「そこ」であるという事実。前回のコンサートでは難なく実現できたことの困難さ。幾重もの感情が筆者の中で渦巻いた。

もう一度、肉眼で彼女たちを捉えたいものだと思う。

お前は俺かってまあ筆者なのだが、「ほんとそれ」でしかないのである。

万雷の拍手を浴び、地鳴りのような声援を受け、一体になり盛り上がる。

同じ空間で喜怒哀楽を共にし、ひとつの物語を作る。

それがアイズワンとウィズワンではなかったか。

【Mnet 公式コメント全文】

こんにちは。Mnetです。

MnetとSWINGエンターテインメント、OFF THE RECORDはIZ*ONEのプロジェクト終了を控え、12人のメンバーの最善の活動のために、各所属会社の意見を継続的に聴取し、協議をしてきました。

2018年、アルバム「COLOR*IZ」でデビューし、韓国はもちろん、世界を舞台に大きく愛され、アジアを代表するガールズグループに成長したIZ*ONEの活動は、予定通り4月に終了することになりました。

IZ*ONEを愛するファンの皆さんと一緒に過ごすオンライン単独コンサート「ONE, THE STORY」が3月13日、14日の両日行われる予定です。

MnetとSWINGエンターテインメント、OFF THE RECORDは、これまで素敵な姿を見せてくれたIZ*ONE12人のメンバー全員に感謝の気持ちを伝え、一緒に作ってきた素晴らしい物語が続けられるよう、今後もアーティストとしての成長を支持していきます。

これからも彼女たちが見せる新しい姿に、期待と応援をお願いします。

ここから読み取れるのはまず「所属会社の意向によって活動終了することになったこと」である。彼女たちの願いが延長なのか活動終了なのかは全く明らかにされていない。

そもそもアイズワンに長い冬が訪れたのはその「所属会社」のせいなのだが、その辺りの総括はしっかりしてくれたのだろうか。今回の活動終了だって「所属会社」のいくつかが不祥事を出しているからアイズワンメンバーを引き戻して収拾を図りたいのではないか、とうがった見方をしてしまう。

加えて「予定通り」というけれど、活動当初の「二年半」と実際にアイズワンとウィズワンが過ごした二年半は大きな隔たりがあったことが既に述べた通りで、それを補う腐心はこの文面からは感じられない。ただ機械的に楽な方法――契約その他の変更なしに――を選んだようにしか思えない。

「素晴らしい物語が続けられるよう」と言い繕ってはいるものの、その第一幕である「PRODUCE48」にて醜態を晒し、今また第二幕で黒子がせかせかと動き回っての幕引きを図っているような動きをする連中がする「支持」とはなんだろうか。

ウィズワンたちの願いを、「魔法」を踏みにじって語られる物語をそれでも、「彼女たちに応援を」と締め括るのはエンタメ業界の悪癖、演者を盾にする手法で文字通り反吐が出る。

彼女たちは今頃何を思っているだろう。今日の発表だと知らされていたのだろうか。

プライベートメールをどのようにすべきか、頭を悩ませたりしていないだろうか。本当ならば「オンラインコンサート楽しみにしていてね♪」で済むところを、無駄に心を砕き、頭を痛めているかもしれない。

いよいよ練習も佳境、雑念が怪我を引き寄せてしまったりしないだろうか。

MCもただわちゃわちゃとはいかないだろう。

「大人」か。

また「大人」なのか。「大人」の都合で始めされられ、中断させられ、終わらせられるのか。こんなに素晴らしいグループが。そうして彼らは顔を持って出てこない。生贄にさせられたアンPD以外。槍玉としていつもアイズワンがその先頭に立たせられる。

本当はもっと建設的なことが書きたかったのだけれど、Mnetの発表を読み返すたび腹が立ってしまっていろいろな要因で視界がにじむ。今日はこの辺りにしておこうかと思う。

アイズワンは永遠ではなくなった。ならばウィズワンが出来るのは限られた期間が永遠より続くように日々を噛み締め、密度を濃く過ごすほかない。

うつくしいところだけを我々に見せて去っていこうとする彼女ら、我々の星に対してそれがせめてものエールであり、餞であり、手向けであろう。

 

IZ*ONE SPECIAL SURPR*IZ PHOTO BOX (仮) ([バラエティ])

IZ*ONE SPECIAL SURPR*IZ PHOTO BOX (仮) ([バラエティ])