今週のお題「今月の目標」
我が家が三人家族になって二カ月が過ぎた。
とはいえ入院や出産後ケアハウスに妻子が入院していたこともあり(この辺りはいずれまたまとめたい)、実際に過ごしたのはそのうち一月程度になろうか。
土曜日に生まれ、お盆休みに退院と父が職場にできる限り迷惑をかけないようにしてくれる早速親孝行な娘である。
八月は、通常通り勤務した。一応医療従事者の端くれである筆者はますます拡大するコロナ禍にあってパッと休みを取ることは難しい。それでもボスの尽力とお盆休みの間の筆者の暗躍、同僚諸賢の理解によって九月からこっちは二週間の育休、後短時間勤務&自宅勤務という形で働かせていただいている。
正直めちゃくちゃ性に合っている。元来業務の半分はデスクワークなのでどこでもできるのである。何とか週二日くらいこのまま自宅勤務にならないだろうか……と思ったりもする。(実際は敷地掃除などボスがフォローしてくれている部分があるので難しいのだが)
とはいえ出勤日に頼られると悪い気はしないのも人間である。一応は中間管理職でもあるので、自分の不在でスタッフの危機感をいい感じに煽ってヘイトを自分にそらしつつ、全体が底上げできればいいなあと思っている。ヘイトもらわないのが一番だが。
肝心の育児について。
九月半ばまでは主に担当しているのは帰宅してからのミルク・おむつ・寝かしつけだった。例えば20時・23時・2時・5時を担当した。また各種買い出しや洗濯など(ほとんど洗濯機がやる)。基本的にはタイマーのように規則正しく起きて泣き、不調を訴えてくれていた時代の娘だったので我々初心者夫婦としては大変助けてもらった。
九月後半になると成長によって声自体も大きくなり、「背中スイッチ」「ギャン泣き」が扶養者の同意なくインストールされてしまった。糞アプデである。もどして……。
しかしありがたいのは妻も回復したとはいえ腹切り後の体を押して面倒を見る時間が増えたこと、前述の通り時短勤務となったことで負担としてはだいぶ減った。なにより、娘がどんどん成長し日々かわいくなる、(もぎたての親バカ)それがなによりのモチベーションとなっている。初期は完全に「無垢」という感じであったのが最近は表情が豊かになってみているだけで楽しく、時間が溶ける。困ったことに深夜にかけて目がぱっちりなり手足がワキワキ動きますます可愛いのである。
それはいいのだが時間がぶつ切りになるのでどうしても今はゲームやブログ更新、読書が難しいのがもどかしいところである。完全ではないとはいえ電話から解放されたかと思ったらこういった形で集中力を裁断される形になるとは……。
毎日目まぐるしく変化する娘を育てるのは大変だがとても楽しい。
「さみしくても思い出が温めてくれるさ」という、その思い出を今作っている時間なのだろう。
一か月半前に撮ったこの写真すらも随分懐かしい。一秒前の娘には二度と会えない。生まれてから一万日をとうに過ぎた人間がまだ生まれて六十日の人間に何が出来るか、毎日考えている。一生考え続けるのだろう、きっと。
吉田戦車先生の作品に「まんが親」という作品があって、冒頭で娘さんが誕生する。
その時、吉田戦車先生は自問する。
本当にこの世に生まれたことはおめでたいのか?
この世は、我々という親は「おめでとう」に値するものなのか?
これは独身時代、筆者もふとした時に考えてしまうことであったが、やがて吉田戦車先生は自答する。(脳内に自分1号と2号がいる)
2号「ばかやろう、すべての生物は生まれて増やしてそして死んでいくんだよ、カエルも犬も何も悩まねえよ。人間も、そういうふうにできてるんだよ」
1号「そうか……そうだよな」
迷うことなくひとこと、「おめでとう!」それでいいのだった。
――吉田戦車先生「まんが親」一巻より
このやり取りが筆者をずいぶん楽にしてくれた。極端な話、妻と結婚する、人と縁を結ぶ決断ができたのはこの漫画を読んだことが理由の1つと言ってもいいかもしれない。
そういうことで今月の目標は昨日よりも明日よりも今日の娘に全力で向き合い、そして成長を見守り、祝うことにしたいと思う。