カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

書くことの喜びを思い出す

猛暑がいつまでも続くこともあって季節の様々はいつの間にか通り過ぎ10月になった。

 

創作の手が止まって半年ほどが過ぎてしまった。

書こうという気持ちがないわけではない。むしろ日に日に強まっていると言っても良いが、形になっていかない。

これではいけないと奮い立ち、公募サイトを見て公募を見繕い、ブクマする。そしてそこから1日2日はそのテーマについて腹案を練ったりするけれども様々なことに押し流され、気づけば締め切りがすぎ、失意のうちにブックマークを削除するーーそういったことを幾度も繰り返し、もはや趣味は創作というより創作の公募をブクマしそして腐らせることなのではないかと自分でも錯覚しそうになるほどである。

それに伴ってブログを閲覧することも書くことも減ってしまった。

何か、きっかけが欲しかった。

 

アイアス タイプライター風レトロキーボードPENNA Olive Green

で、買っちゃった。

前々からタイプライター風キーボードには憧れがあったのだが立派なお値段でそれがあれば妻や娘と様々なことができるな…と二の足を踏んでいたのだが、今回別件でフリマアプリを彷徨っていたら定価よりかなり安く出品されており、他の類似品と比べてもそう金額に変わりがなかったので意を決して購入ボタンを押した。

何かと言われるフリマアプリであるが筆者は今のところクレイジーな方には当たったことがない。配送時のトラブルか機器の相性か、大正琴用のスピーカーが使えなかった時も快く返金していただいたし評価でのトラブルなどもない。

今回も迅速にご対応いただいたが一日千秋の思いで待てど着く気配がない。実際の運行状況とサイト上での状況が全然違うのは某飛脚便で散々やられた手であるが最近は某黒猫もそういう傾向があり、流通業界の大変さを思い知るが、それにしてもそろそろ届いてもおかしくないはず……。

何十回目のステータス画面。そこには最寄の営業所止まりで10月9日まで保管となっている待ち望んでいるキーボードの姿があった。

急ぎ営業所に電話し、本日帰宅時に無事回収となった次第である。

食事をし、娘と風呂に入り、すっかり1人遊びが上手になった娘を尻目に書斎に向かう。

前のオーナーさんは数ヶ月の利用だったということでほとんど新品、Bluetooth接続がうまくいかないのでやってしまったかと思ったが裏のスイッチでWindowsiOSのキーボードの仕様が変わる仕組みであり、わかってみるとことなきを得た。

そして今、iPhoneに接続してこの記事を早速書いてみているというわけだ。社用のノートPCや私用のsurfaceのキーボードでは味わえない確かな打鍵感に創作それ以前の自分が打ち込んだものがデジタルな文章として目の前に現れるという原初の喜びを思い出させてくれたように思う。

それくらいしっかりと打ち込んでいる感触があり、また音もするので図書館などで使ったら顰蹙の嵐であろう。少なくとも今がそうであるように寝室とは2フロアは間を開けたほうがよさそうだ。

一方で筆者の出した金額では大満足ではあるが定価を考えると底面やキートップは思っていたよりはチープに感じる。そこも含めてレトロ仕様なのかもしれないが。以前Kindleでブログ更新を目論んでいた頃に気になったBluetoothゆえの接続の途切れもここまで打って一切起きていない。これはKindleiPhoneの違いによるところやBluetoothのバージョンの違いもあるのかもしれないが。

キータッチは満足感がある分、手への負荷は高そうである。今はちょっと母音のミスタッチが多いがここはそのうち自分が慣れていくと信じたい。

私用PCを娘の悪戯防止のためにしまっている机の引き出しから机上へ出し、アダプターをコンセントに挿し、起動させ、セキュリティソフトや突然来る様々な通知にイライラさせられながら作業が終わるとまた同様の手順でしまうという流れが面倒になっていたのも最近の停滞の理由の一つだろうが、このキーボード単体ならカバーでもかけて机上に置いておけばPCそのものを放置するよりずっとイタズラや万が一それが起きた場合のリスクも少ないし、iPhoneを集中モードにして使えば打鍵に専念できる。

日中、車内で過ごす昼休みの際に推敲できるというのもポイントが高い。iPhone用のいいテキストエディタがあったら教えてください。

こうやってまた少しずつ、文章を打鍵する時間というのを自分の日々に組み込んでいきたい。

「キーボードの練習用に打鍵した作品でまさか受賞なんて……」というコメントの準備だけはすでに万端である。