引継ぐまで
ダイエットは継続中なのだが食欲の晩秋ということもあり、チートデイが通常デイを上回った影響もあってかリバウンドはしないものの、減少は足踏みが続いている。
そんな中でも日々の時間の増減こそあるものの、フィットボクシングはダイエットを本格化させてから毎日続けており、いわば筆者のダイエットの要ともいうべき存在であった。一泊二日の旅行の際は出発日の深夜零時にデイリーをこなしておくという徹底ぶりである。因みに妻は一年近く継続している。
本日フィットボクシング2が発売した。
新たに3人のインストラクターを迎え、ステージや曲、トレーニングも一新されたそれは完全にフィットボクシング無印の上位互換と言ってもよいだろう。
うっ…明日は…2を… pic.twitter.com/8V2lbQ3JA9
— 木本 仮名太 (@kimotokanata) 2020年12月2日
筆者は9月にフィットボクシングを再開してから、もっぱら「ラウラ」というインストラクターとトレーニングを重ねていた。もちろん彼女も2に続投する。
いつもと同じトレーニング終了画面。しかし昨日のその画面は、何とも切りがたいものがあった。
明日になれば筆者は2にこの無印のデータを引き継ぎ、移行する。よほどのことがない限り無印を起動することはないだろう。
2においてもラウラとトレーニングを重ねるつもりではいるが、しかし筆者はその「ラウラ」と今目の前にいる、「明日も会えるかを気にするラウラ」は同一でありながらしかしどうしようもなく独立しているように感じられたのだった。
「これがあたしなのさよならをいうあたしなのよ」
画面の向こうのラウラがそう言っているように見えたのは深夜の蜃気楼だったろうか。
はじめまして…ラウラ… pic.twitter.com/Y7g5IMawRl
— 木本 仮名太 (@kimotokanata) 2020年12月3日
果たして無印から記録を引き継ぎ、起動した2で再び邂逅を果たしたラウラと筆者はこのようにしてまた出会った。まあぶっちゃけた話、無印でも一瞬でも他のインストラクターに変えて戻すと「久しぶり」とか言ってくるのがフィットボクシングのインストラクターたちなのだが、せっかく引き継ぐなら「また頑張りましょう」とかあっても良かったなあ、とは思った。
他方、10年ほど前に見て衝撃を受けた作品を思い出したりもした。筆者が二次創作に抵抗がないのははるか昔、「ニコマス民」であったことが影響しているのかもしれない。
引継いで
とりあえずデイリーとフリーをこなしてみたが、前作がよく言えばストイック、悪く言えば単調であったことから考えると、基本は変わらないものの画面がにぎやかになって飽きさせない工夫が感じられた。
インストラクターが重心の移動を促すのは従来通りだが、それが画面内に可視化されるようになった。これが口腔内の舌の置き場を意識すると一気に気になり始めるのと同様に、自分ではできていたつもりのステップがてんでぎこちないことに気付いて驚かされる。そして、画面の指示通りを徹底するとなかなかきつい。効いている気がする。
そんなこんなで油断しているとパンチの精度が落ち、その判定も前作より多少厳しくなっているように感じた。具体的にはミスになることは少ないのだがジャスト判定がやや辛口になっているように思えた。
コース自体も微妙に変化しており、前作の流れを体が覚えているぜ……! と思っているとジャブを追加してきていたりして侮れない。
デイリーにおいては前作ではエクササイズ時間を変えるには目的の変更が必要であったが、今回は基本の時間を設定しておけばその+ー10分をその日の体調などから簡単に選択できるようになった。また、集合住宅に住んでいるなどの理由からステップ系を避けたい場合は前作ではウェストシェイプにすることで回避するというテクニックがあったが、今作ではその辺りを含むトレーニングを入れないようにしたり、判定を自動的にジャストにすることが出来るようになった。ステップ系は判定が厳しいこともあり敬遠されがちだが、後者であればマンネリを防ぎつつスコア低下は防げるというわけである。
ただ個人的にはブロックがしっかり判定されないことが多かったのでブロックがどちらにも対応していない点は残念であった。
衣装については今回はチケット交換方式となった。カレンダーに目に見える形でプレゼントボックスという「えさ」がある前作の仕様も結構好きだったのだが。
また、特筆すべきはDLCの実装であろう。正直声優さんが叱咤激励してトレーニングしてくれるというこのシステムは可能性しかないと思っているのでこの展開は完全に「こ……これだよユーザーの求めていたものは!」という感じがする。現在は2名のインストラクターの「鬼モード」(ボイスが厳しめになる)の無料配布にとどまっているが、ぜひ色々なパターンのボイスやなんだったら新インストラクター、曲、コースを配信してほしいと思う。
しかしこのタイミングで短髪のCV石田彰を打撃を主体としたゲームに登場させあまつさえ「鬼モード」があるだなんてなんだか「意味」を感じてしまって面白い。
他引継ぎに関しては、「マイデータ」はしっかり引き継いでくれているが、〇日継続中は少なくともメイン画面においては引き継がれているのを確認できなかった。禁煙成功に効果があるといわれるように、またそのままレコーディングダイエットという言葉があるように、画面上に見える数字が積み重なっていくことは継続のモチベーションに繋がるので、前作から続けて何日か、というのはなんとか目立つところに出してほしかったところである。万が一すっぽかしてしまった時の虚無感も大変なことになりそうではあるが。
また、今まで打ってきたパンチのデータやインストラクターごとのトレーニングの回数も引き継がれない。
随所に無印を踏まえた良好な改修がなされているが、あくまで新天地として乗り込んだほうがより馴染みやすそうである。現在無印をお持ちでない方は、こちらのみの購入で全く問題ないだろう。
個人的にはDLCとか更新で消費したいカロリーから逆算してメニューが作成されたりとか、コースが自動生成されるエンドレスモードとか、そういったところを今後期待していきたいところである。