カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

THE GOLDEN MOON RISING(ザ・ゴールデンムーン・ライジング)

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木本仮名太/30歳

髪の色/ブラック

瞳の色/ブラック

職業/事務員

好物/妻の手料理、マクドナルド(特に月見バーガー

 

先週・今年の月見バーガーが解禁された。

が、筆者は絶賛絶食中であった。

既に記事にした二つの週末イベントに向けて、夫婦して断食していたのである。

 

kimotokanata.hatenablog.com

kimotokanata.hatenablog.com

 少しでも推しに恥ずかしくない体になりたい――その妻の志に打たれたのだった。

大体三日間ほど断食(水分は摂った)。その後、本調子に戻すためにだし汁と大根の煮物のみ、梅干し、野菜解禁、穀物解禁、肉解禁と本来の食事に戻ったのが丁度一週間前。

期間中、体重は3キロほど減った。現在も胃が少し小さくなったのか、以前より食べる量が少なくなったこと、コメの摂取量が減ったことを受けて、特に食事を我慢しなくてもほぼ減った状態で体重をキープできている。

 

月見バーガーはまだ、食べていなかった。

解禁日、信頼する「マック者」達が続々とそのレポを上げる様を見ながら歯を食いしばっていた筆者であったが、その波に乗り遅れてしまったという気持ちもあった。

月見バーガーの前に、ファストフードのライバルであるケンタッキーの創業者・カーネル・サンダース氏を祝ってしまったことの罪悪感のようなものもあった。

ち、ちがうのカーネル君とはたまたま帰る方向が同じで……。

 

 

 そうこうするうちに日々は流れ、また週末がやってきた。

妻と共にタスクを済ませると、気づけば一時が過ぎていた。

田舎の悲しさ、最寄りの定食店はラストオーダーの時間となり始めるだろうし、夜まで開いたままのチェーン店はその定食店から締め出された人々で混み始めるだろう。ショッピングモールのフードコートなどナウなヤングたちの社交場でとても近寄れる状態ではない。

それに、と筆者はある考えがよぎっていた。折角痩せたのだからリバウンドしたくない――と。

いっそ昼食は寝飛ばすのもありではないか、とさえ思った。

次の移動先を決めかね、駐車場でしばし逡巡していると、おもむろに妻が口を開いた。

 

マクドナルドでもいいよ? 月見バーガーを食べたがっていたでしょう」

 

――ちくしょう……!

どうしてウチの妻はいつもいつも……自分が空腹な時に俺の気遣いなんかしてんだよ……!

……自分のことでビビってる俺が……

――バカみたいじゃねえかよ!!

 

妻はその間にも手早くスマートニュースクーポンとマックアプリクーポンとの価格の比較をしたり、関東地方限定のポテトM二個目無料クーポンに憤慨したりしながらも、自分は月見バーガーとてりやきであることも決断していた。

そして筆者も……。

「クーポンの735番をお願いします」

「かしこまりました」

 

 

その手に黄金の月見バーガーを手にすることができたのである。

 

kimotokanata.hatenablog.com

 昨年の記事で「黄金」と言っていたが、実は昨年は「金」であったらしい。

去年の時点で既に黄金の風格を備えていたので果たして今年は……と食べてみるが、期待を裏切らず旨い。柔らかくどこか甘いバンズは寝起きでもおいしく食べられそうな優しさがあり、しかしチーズとベーコンが確実な満足を保証してくれる。

こうして筆者は今年も無事、月見を堪能することができたのだった。

 

堪能……?

そうだろうか?

おりしも満月(購入時)、そんなことでいいのだろうか?

自分を解き放っているだろうか?

 

挑戦者よ!

格安のクーポン・バンズ・噛み砕き

ヒトの名を称す者よ!

暴食と節制

底知らぬ欲の壁に遥かに波を立てよ!!

マ道の三十三 双華月見!

クーポンが一つにつき二個まで注文できるのならば、二個頼まなければ嘘である。

無論、マックに来てポテトを頼まないのは鹿児島に来て桜島を見ないようなものであるし、その日の店のコンディションを把握するための「お通し」としてチーズバーガーを頼むこともまた、ごく自然なことだ。

 

木本仮名太/30歳

髪の色/ブラック

瞳の色/ブラック

職業/事務員

好物/妻の手料理、マクドナルド(特に月見バーガー・黄金月見バーガー

 

吸血鬼の花嫁――IZ*ONE新曲「Vampire(ヴァンパイア)」MV考察、Mステ&Abema特番感想

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余談

昨日、IZ*ONE(以下アイズワンと表記する)新曲「Vampire(ヴァンパイア/バンパイア)」のMVが解禁、Mステにてパフォーマンスを披露、AbemaTVでは特番が放送された。


IZ*ONE (아이즈원) - 'Vampire' MV

 

abema.tv

前回、マリンメッセ福岡で十二人十二色の美で打ちのめされた後、暫くはその解像度に現実がついてこれずピンボケしたまま、早一週間が過ぎようとしている。

 

MVは休憩時間に見た。あまり音を立てるのもと思い、ミュートで聴いた。

その美しさはやはり圧倒的であり、重厚さに個々が負けていない。

特に最後のそれぞれの吸血鬼カットに筆者のハートはもうメロメロ、午後の業務は不可能かに思えた。

車内に移り、音声を出してみて正気に戻った。

決して悪い曲ではないのだが何だろうか、公演曲的というか、連なる曲たちの中にあれば非常に素晴らしいのだがこの部分だけ切り取ってシングルとするにはやはり少しパワー不足を感じてしまった。

多分、日本曲は狙ってチープに作っているとは思うが、それにしても、である。

令和にもなって「ヴァーンパイア(チャチャン♪)」なんてされても困るのである。

 


私立恵比寿中学 『禁断のカルマ』

大体似た様なテーマならエビ中諸賢が「禁断のカルマ」で大分昔に通過しているのである。

といっても「ブエノスアイレス」の時のように何度も聞くとメロディはやはり耳に残ってくるのだが歌詞は……秋元康氏に「好きになっちゃうだろう?」や「夢を見ている間」レベルの歌詞を求めるのは筆者は決して贅沢だとは思わない。次回を期待したい。

あと、日本曲は毎回カップリングが豊作なのでそこも楽しみである。

 

本題

アイズワンのMVはいつも、なかなか考察がはかどって楽しい。

AbemaTVの特番での宮脇咲良さんの発言によると、今回のMVは宮脇咲良さん扮する吸血鬼によってメンバーが次々吸血鬼となっていく……というストーリーのようである。

これを踏まえて考察と、気が早いが次の曲のセンター予想をしてみたい。

次々と……ということだが、少なくともMV開始時点でチャン・ウォニョンさんは宮脇咲良さん=吸血鬼側のようである。また、今回ずっとIZONECHUで梅干を食べさせられたときみたいな顔で気の毒だったチョ・ユリさんも冒頭から不安な顔なので、既に吸血鬼の浸食が始まっている可能性が高い。

MV中で第一に犠牲になるのは今回も16歳のする(お誕生日おめでとうございます)表情ではない妖艶な表情を冒頭から見せてくれるアン・ユジンさんである。複数の鏡に映る自分にうっとりするようなそぶりを見せる彼女は、しかし吸血鬼の鏡に映らないという特性によって魔の手が忍び寄ることに気が付かない。再びの接近の後、画面は暗転する。

ここを筆者は何度も確認するのだが(ちなみにYouTubeは歯車マークの設定ボタンを押すことにより再生速度を0.25倍にまで落とすことができる)、この影が誰なのか確認できない。宮脇咲良さんのマントのようにも見えるが、そうでないようにも思える。

次の犠牲者はセクシーキュートの代名詞であることを今回も証明してくれたチェ・イェナさんである。ダンス開始冒頭は完全にイェナさんが制圧したと言っていい。イェナさんを襲ったのは画面をスローにしてみると、髪型から判断してウォニョンさんか、後述するがチェヨンさんだと思われる。

今回ダンスブーストが控えめな煽りを完全に受けてしまっているイ・チェヨンさんは既に吸血鬼になっているものと思われる。というのもただそこにある完全なる美、カン・ヘウォンさんとチョ・イェナさんとの3ショットで一人だけ黒衣装だからで、これは「このメンバーは既に吸血鬼ですよ」という製作者からのメッセージだと筆者は考えるからである。

そう考えるとヘウォンさんとイェナさんはチェヨンさんに噛まれてしまったのかもしれない。

元々のかわいらしさに甘んじず、金髪が文句なしに似合うスタイルに自分を進化させた本田仁美さんがクラゲを弄んでいるとき、ヒトデを思わせるウォニョンさんの手袋がぬっと出現するシーンには肝を冷やされた。

そしてウォニョンさんの目…ぞっとする美しさだ。

先程のイェナさんの件からも基本的には咲良さんは手を下さず、ウォニョンさんやチェヨンさんなど、いわば配下が暗躍しているのでは、と推測ができる。そこから帰納法的に、ユジンさんを襲ったのもウォニョンさんではないか、とやや強引かもしれないが筆者は予想しておく。

続いては「loving」の時の笑顔が可愛すぎて心臓に悪いキム・ミンジュさんであるが、筆者はこのシーンが個人的には一番好きである。恐らくは何かの戯れ――窓の外の満月を映そうとしたのかもしれない――でコンパクトのミラーを向けるミンジュさんは、そこにダンス時に髪の毛まで自在に操る能力を得たクォン・ウンビさんが映っていない=彼女が吸血鬼であることに気づく。その間と表情の変化、ウンビさんのばれたら仕方ないわ、と言わんばかりの表情とその後の窓の外を見つめる視線。音声はないが濃密な緊張感のある描写が白眉である。

そうして相変わらずの妖精ぶりだがやはり分量が少なく思えてしまう矢吹奈子さんとユリさんが吸血鬼になりつつあり、自らも姿が映らなくなった=吸血鬼となったユジンさんが激昂して鏡を叩き割る。

そんな中、悪美女の頂点にとうとう立ったと思われるとんでもない表情を今回も見せてくれたキム・チェウォンさんはバスタブに水を満たし、そして身投げをするように沈んでいく。(これが比喩なのかイメージなのかはよくわからないが)

筆者はチェウォンさんは最初に噛まれ、最後に吸血鬼になったのではないか、と考える。

何故バスタブにいたのか。吸血鬼は流水に近づけないというルールがある(ただ、浴槽程度なら関係ないという話も聞くが)いわば結界としてバスタブを機能させていたのではないか。

しかし、MVの最初から既に吸血鬼化は進行しており、メイクで誤魔化すものの限界が来て、自ら死を選んだがその途中でついに吸血鬼として覚醒したのではないだろうか。

流水の中でも覚醒できるほど強力な吸血鬼。

即ち上位の吸血鬼(ヴァンパイア・ロード)と見られる咲良さんから直接吸血された、恐らくウォニョンさん以外で唯一のメンバーなのではないか?

そしてそれは、チェウォンさんが次回センターとして「覚醒」することの暗示なのではないか?

我ながら妄想が過ぎるかもしれないが、筆者はそのように考えるのである。

当たっていたら嬉しいし、そうでなくともただ美を愛でるだけで幸福指数が最大値になるのでやはりアイズワンは素晴らしい。

Mステ感想

柏木さんとウォニョンさんのやり取り、そして宮脇さんの名アシストが良かった。同郷として柏木さん・宮脇さんのトークがあればなおうれしかったが。

パフォーマンスにおいては終盤のチェウォンさんが凄まじかった。チェヨンさんはマイクを落としてしまったらしいが全く気付かなかった。さすがのプロフェッショナルである。

AbemaTV特番感想

時間が遅いからかフルメンバー(未成年が出演していない)でないのは残念だったが、移動まで生放送というのは新鮮でよかった。塚地さんが頑張って繋いでくれて有り難い。

アイズワンメールも半年ほどが経ち、それぞれが個性的に進化しているようで何よりである。

もとより仲がいいのもあるのだろうが、咲良さんが前述のマイクミスを気にしている様子のチェヨンさんのフォローにいろいろ話を振っていたのが印象的だった。

もう一度くらいフルメンバーでAbemaTV特番やって欲しい。

 

 

夢を見せてくれている間――IZ*ONE 1ST CONCERT [EYES ON ME] IN JAPAN:マリンメッセ福岡感想

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余談

福岡での外せない用事。それはIZ*ONE (以下文中アイズワン)のコンサートであった。去年の夏熱狂し、その後も画面越しにずっと追い続けてきたグループが、ついに近く(車で3時間)のところまでやってきてくれる。

この朗報に喜び、すぐさま申し込み、祈り、当選して更に喜び、なかなか発券準備がなされずやきもきし、男性は当たりにくいと言われるアリーナ席が当選して更に小躍りする、忙しい日々をこの1か月余り送ってきた。

当日。8時半に出発予定であったが、6時に起きた。いつもは1秒でも長く寝たがるのにまるで遠足の日の幼稚園児である。同伴者の妻は未だ夢の中にあり、しばしコール動画を見て予習をしていた。

この画面の向こうのミューズたちが今から自分たちと同じ空間に出現する? 本当に?

にわかには信じがたい。実はCGでしたと言われた方がかえって安心する美しさを持つ彼女らを肉眼でとらえることができる機会が来るとは。

暫くして起きてきた妻もそのままコール動画に見入ってしまい、出発時間ぎりぎりに慌てて家を出た。

車内にアイズワンメドレーを流しながら、高速で九州を縦に突き破っていく。

マリンメッセ福岡は高速から近いのでありがたい。13時前に到着し、駐車場もまだ余裕があった。

WIZONE(以下ウィズワン)たちがそこここで交流しており、熱気を感じるが物販の流れは緩やかで、タオルとTシャツ、生写真各タイプ1つずつを購入。

着替えようと思ったが、妻も会場の熱気に触れボルテージが上がったようで、妻に服の上から着てもらうことにした。筆者は博多座Tシャツである。

その後の開演までの時間つぶしは別記事に譲るとして、厳重な確認を突破し、我々は席に着いた。近い。全速力であれば、あるいは5秒もかからずにステージまで辿り着けてしまいそうだ。

この日の為に購入した応援棒の点灯を2人で確認し、BGMとして流れているアイズワンの曲をハミングしながら益々気分が盛り上がっていると、会場が暗くなり、重低音が轟き始めた。

開場である。

本題

スモークの中から続々と、メンバーが現れる。ステージで、ポーズをとる。ステージそばの大スクリーンにも映し出される。

本物だ。

筆者は、もっと見ようとした。スクリーンはともかく、ステージ上の彼女たちは筆者の視力のせいか滲んで見えてしまう。こういう時のための、双眼鏡である。目に当てる。やはり滲んで見える。長く使っているから壊れてしまったか。

そうではなかった。

何のことはない、筆者は泣いていたのである。彼女らがステージへ並んでいる、ただそれだけのことでもう、無意識に、じんわりと涙が滲んでいたのである。

それは「ただそれだけのこと」ではないということを同時に理解していたからなのであろう。

昨年、素晴らしい原石が揃い、そして文字通り切磋琢磨し、アイズワンが誕生した。

そうして世界的な展開を行い、成功をおさめ、今回の凱旋なのである。

彼女らがここに屹立している、ただそれだけでもう偉業なのである。

とはいえこの機会を逃すわけにはいかない。目に焼き付けねば――。

意を決して涙をぬぐい、再びステージ上を見る。

が、上手くいかない。長い間見ることができない。オーラが強すぎるのである。1日に摂取できる美しさのキャパシティを超えているのである。

月並みな言い方になるが、実物はテレビ他で見るのよりも何十倍も可愛いし、美しかった。正直なところ、現代のあたりまえの工程として我々が見る写真は加工されており、それが更に美しさの底上げの役目を果たしているのだと思っていた。

が、今回の経験を踏まえると逆にデチューンしているのではないかと思うくらいであった。

そして細い。皆細い。全員あと12キロくらい増やしてほしい。誰それが太っただの劣化しただのという心無い声も一部にあるが、実際に見たらそんな懸念は吹き飛ぶだろう。

結局ちょいちょい左右のスクリーンに目をやり、幾らかオーラをやわらげた状態で鑑賞することが多かった。

大画面に映る彼女らは汗だくで、ああ、生きているのだと思った。

公演前はメモ帳と筆記具を用意し、セットリストと一言でも感想を記して後でブログを書くときの材料にしようと考えていたのだが、そんな余裕は一切ない。

ただただ、美が殴ってくる。12通りの美で殴ってくる。もうグロッキーである。

高度に発達した美は、それを見せつけられた人間から語彙力を奪っていく。

今筆者が何か言えるとしたら「なんかとんでもないものを見せてもらった」である。

大体、2~4曲で一休みといった構成で、MCや映像も充実していた。日本語しりとりからさりげなくクォン・ウンビさんが外されていて笑ってしまう。

重低音が喉に響き、音に支配されながらもくもくと応援棒を振う機械となっていた筆者が特に心に残っているのは「好きになっちゃうだろう?」であった。

西野カナ女史がなぜ圧倒的に支持されたかというと、あらゆる人に代入しうる最大公約数的な歌詞を作成することに非常に長けていたからだと筆者は考えるのだが、この「好きになっちゃうだろう?」はまさにアイドルソング西野カナだと言っていい。

歌詞を読めば思いのほか「推し」に当てはまる要素があるのではないかと思う。

筆者は個人的にはこの曲の歌詞を聞くとクォン・ウンビさんが思い浮かぶ。リアルタイムでPRODUCE48の最終回を視聴しているときも、今回も彼女の最後のシャウト? で泣いてしまった。ずっとこんな仲間とファンが欲しかったんだもんな……。

最後のお茶目ポーズの所でミンジュさんが懐かしの猿のポーズをしているのも良かった。新体感ライブで改めて見て他のメンバーは何のポーズをしていたかを確認したい。

また、ゴンドラ曲も2つあった。映像作品で見るときは、踊らないのか~とちょっと残念なシーンであったりもしたのだが、すみません、ゴンドラ、最高です。

筆者の記憶では朝ドラ女優路線で行くのかと思いきや金髪もめちゃくちゃカッコいい本田仁美さんや人柄の良さがにじみ出ているキム・ミンジュさん、胃袋と瞳にブラックホールがあるとしか思えない深遠さを称えるカン・ヘウォンさん、世界最大の妖精と名高い矢吹奈子さんが我々の方に手を振ってくれた。(筆者がそちらを向いているので確認できていないことももちろんある。)

そしてもう一人。

最後の曲の宣言がなされ、ゴンドラが動き出す。ゴンドラは会場を一周し、戻ろうとしている。

筆者はクライマックスのクライマックスということもあり、半ば放心していた。

と、彼女は筆者の応援棒を指さす。それは彼女のパーソナルカラーである。彼女から見えたかどうかは分からないが、ストラップもそうだ。

彼女はそれまで以上の笑顔で――というのは完全な主観であり妄想である――筆者と目を合わせ、手を振ってくれた。

一推しであるチャン・ウォニョンさんからレスを頂いたので、帰りにゲリラ豪雨に巻き込まれるくらいは幸運の揺り戻しとしてまあ手加減してもらった方だろうなと思った。(妻は災難である)

さてこの楽しい楽しい公演を語るにあたって外せないのはやはり、最後の宮脇咲良さんのスピーチであろう。

以前記事を書いたが、彼女の素晴らしいことはセルフメンテナンス、セルフアップデート、セルフプロデュースといった自己管理能力が凄まじいところである、と筆者は考える。

非常に極論を述べることをご容赦願いたいが、チャン・ウォニョンさんは先天的なアイドルの天才であり、宮脇咲良さんは後天的なアイドルの天才であると思う。もちろん、ウォニョンさんも大変な努力をしているし、宮脇さんが天性の美しさを持っているのは諸君もご承知の通りである。

賢い彼女はアイドルとして何度も脱皮を果たし、そのたびに大きく成長してきた。さくらたん、さくらさん、クラオンニ。若手のホープ、HKTのエース、AKBの主力、PRODUCE48の人気日本人練習生……。

それらを彼女は今回、まとめて肯定して見せた。即ち自分のオタ(あえて敬意をもってこう表現する)を、過去現在未来すべて愛して見せたのである。

これは並大抵のアイドルにできることではなく、去年の宮脇咲良さん自身にもできなかったことであった。

去年の総選挙、ささやかながら投票した人間の1人として、筆者は悔しかった。彼女の努力を知っているから、謝らないでほしかったからだ。彼女自身の頑張りを彼女に貶めてほしくなかったし、またそれは彼女を支えているオタも傷つけているように感じてしまった。

彼女が凄まじいのはその後そのことにすぐ気づき、メールでフォローするところなのであるが。

ともあれそのようなパッケージをいくつも使い、結果今がベストです、ではなく、過去も肯定することはそれだけ自らに対する「覚悟」が決まったということでもあり、とても頼もしく思う。

スピーチで言及したように、今のメールでは本当に嬉しい報告をたくさんしてくれる。それが何よりもうれしい。

こんな風に気が付いたら宮脇さんの話になってしまうのが彼女の恐ろしいところである。どんどんはまってしまうので、HKTの時もアイズワンでも「二推し……二推しなんだ……」と自分に言い聞かせているが、いつかタガが外れそうで怖い。

本当に白昼夢だったのではないかというくらい現実味の無い、桃源郷の時間であったが、しかし確かに実在し、時間を共有できたということを今後の糧にしたい。

二時近くになってしまったので一度区切りたいと思う。睡眠時の夢にも見そうではある。

揃った1ダース+α――ヒプノシスマイク-Division Rap Battle- 4th LIVE@オオサカ《Welcome to our Hood》Day1:Playgroundライブビューイング感想

余談

ダメもとで申し込んだライブビューイングが当たったので参戦してきた。

どころか、明日のBATTLEgroundも一般分があったと聞いて衝撃だった。

明日は明日で福岡に用があり、それもまた2度とないイベントであったので断腸の思いで本日に全力を注ぐことにしたが。

ライブビューイングも会場16時半だと前日まで勘違いしていたので、到着してから大分時間の余裕があった。

物販のおこぼれをちょっと期待していたのでなかったのは残念。

待ち時間でそばのゲームコーナーでひっぱりフィギュアの夢野幻太郎先生をお迎えしたりした。

妻は「ジュクの女」を意識してシックな格好とつよそうなメイクにしており、コンタクトまで装備していた。本気である。

筆者もせっかくなので礼服に革靴、観音坂独歩君と似た柄のシャツと持っている中では割と麻天狼ぽいだろう色のネクタイを装備していくことにした。というか普通にサラリマンである。眼鏡が入間銃兎巡査部長と同じ黒縁なのでハンパなコスプレとみなされハマの女たちに囲んで棒で殴られるおそれがあり、コンタクトで行くことにした。

こうして配偶者とのデートより3倍気合が入っている妻と、単に疲れたサラリマンである筆者とのライブビューイング参戦が始まった。

妻は直前にリングライトを注文、本日午前中にぎりぎりで届いていたが我々は初参戦であるためライブビューイングの「作法」がわからず、直前までつけるのを逡巡していたが、隣の方が両指にがっつり装備されているのを見て安心して(妻は3個)装備した。

スクリーンに大阪の様子が映りだされ、祭りが始まった。

本題

素晴らしかった。正直なところ、感情がぐちゃぐちゃであり、まだ整理しきれていないというのが本音であるが、そう言ったところまで含めてライブ感として記しておきたい。

ということで以下ネタバレしかありませんのでご注意ください。そういえば、はてなの新規約のネタバレについても思うことがあるのだが、それはまたいずれ。

 

結論から言うと、2.5次元沼にとうとう夫婦して2.5次元沼に入ってしまうしかないのでは……というくらいのインパクトを受けた。

演じるキャラクターと最終的にシンクロするというか現時点でシンクロしつつあり、特に駒田さんは完全に入間銃兎巡査部長だった。赤手袋って3次元に存在するんだな。

それまでも幾度となくアルバム特典のライブを家で見て来たが、やはり大画面では迫力が違う。そして皆さん、大画面でも破綻しないしないくらい顔がいい。単純にイケメンとかそういうのではなく、いや、イケメンなのだが、「デキる」男たちという感じで格好いい。サツマ・ディビジョンのライビュは大人しいのか……? とはじめ思ったが、入場の際送られる歓声はすさまじく、我々も遠慮なく雄叫ぶことができた。

各曲感想

HoodStar

さっそくの全員曲でテンションが上がる。全員参加の恩恵を早速感じる。全員にまんべんなく声援が上がっており、人気の確かさを思い知らされる。後半は切り替えが忙しいだろうにカメラさんも頑張っておられた。やっぱり伊弉冉一二三のパートはライブ映えするなあ、と思う。

Alternative Rap Battle

まさか2曲目にくるとは! 観客の嬉しい悲鳴が地鳴りのように響いた。生「まちゅねえ」で尊いハマの女の人命がいくつ失われたことだろうか。妻も「ギョアー!」みたいなよくわからない声を出していた。皆コールをスッとできているのがすごい。

ヨコハマ・ディビジョン(Whats my name?~ベイサイドスモーキングブルース~G anthem of Y-CITY~シノギ(Dead Pools)

「リ・オー!」の声が揃う快感、シガーキスと再現度、仲間を得た碧棺左馬刻様の笑顔と注意対象のアロハからスカジャンへの変遷、「シマ」への執着と威厳。まさしく浜風にも錆びぬスキルが燦然とぎらついていた。

イケブクロ・ディビジョン(おはようイケブクロ~センセンフコク~New star~俺が一郎~BB’s City~Nausa de Zuiqu)

こちらも川柳の後のケンカや絶対言わない一言などライブらしいアレンジがあって嬉しい。センセンフコクはいかにもライブ向けのノリノリになれる曲。その後のNewstarはまさしく好対照でしっとり聞かせてくれる。からのガンガン煽ってくる兄貴!最高!

聞き逃していた2曲をライブでやってくれたのもめちゃくちゃに嬉しかった。動きが着くとよりコミカルになって面白い。

ゲスト1.口ロロ

イケブクロ・ディビジョンに楽曲提供をしている口ロロさんがゲスト。ああ懐かしい。筆者がかつてロキノン男子だった時、聞いていたなあ。今も第一線というのだから恐れ入る。あの時は「ヒップホップの初期衝動」をこんな感じで聞くとは思っていなかった。やっぱり名曲。

シブヤ・ディビジョン(3$EVEN~シナリオライアー~drops~stella)

やっぱり有栖川帝統君の曲はノっていて楽しい。今回、個人曲はShortversionなのだがそのせいで夢野幻太郎先生がより怒涛の人生になってしまったのはちょっと面白かった。全体的に飴村乱数君の運動量がエグい。Stellaのとき顔が死んでいるのは突然幻太郎先生の謎小説劇に巻き込まれたからではなく老いを止めた科学者の演技だというのはわかっていても表情の振れ幅に改めてドキッとさせられた。妻は今度は斉藤壮馬さんに忙しい。というかStellaで普通に泣いていた。

シンジュク・ディビジョン(シャンパンゴールド~チグリジア~迷宮壁~Wrap&rap〜3分バイブスクッキング〜パピヨン

\プリンセス!/\プリンセス!/\最高~~!!/めちゃめちゃに楽しい。からのチグリジアは高低差がすごい。個人的には2番の方の歌詞が好きなのでちょっと残念。立て続けの迷宮壁。速水さんの歌声は本当にヒプノシスマイクを使っているんじゃないかっていうくらい刺さる。からのバイブスクッキングは本当にもう観客をどこへ連れていきたいんだよという緩急。(楽しい)パピヨンではわちゃわちゃしている3人がひたすらに可愛い。3次元の成人男性にこんな感情を抱く日が来るなんて……。

ゲスト2.GADORO

別項にて後述する。

T.D.D.LEGEND

これもこのタイミングで見られるとは思っていなかったのでうれしい。お色直しの為にGADOROさんは話を引っ張っていたのかもしれない。本当に若返って見えるので不思議だ。個人的には神宮寺寂雷先生のパートの時に碧棺左馬刻様が完全にヤンキーの座り方で煽っているのが好きである。

Division Battle Anthem~Division Rap Battle

重ねて12人+ゲスト見られることのありがたさを感じる。最後ということでちぎれんばかりに腕を振る。声を出す。ずっとこの時が続けばいいのにと思った。

総じて、「口からCD音源出てんのかい!」とコールしたくなるほどクォリティの高い歌声とパフォーマンスばかりで、30曲近い歌を聴いたとは思えないほど圧縮された濃密な時間を過ごさせてもらった。

ラッパー・GADOROの一つのゴールを見た。

筆者が「フリースタイルダンジョン」の熱心なヘッズであることは前に述べた。

その中でも強敵として印象に残っているのが今回ゲストで登場したGADOROさんである。多くが都会―東京、神奈川、大阪、名古屋、福岡―から参戦する中、宮崎県児湯郡から参戦したGADOROさん。挑戦VTRはたいていが町中の雑踏や室内なのにGADOROさんは森の中。

ダークな色彩のファッションとダークな、しかし確かなテクニックでGADOROさんはフリースタイルダンジョンを勝ち進んだ。そこに立ちはだかったのは「隠れモンスター」Mr.Qさん。「Shinjyuku style~笑わすな~」を作詞した山田マンさんが属する「ラッパ我リヤ」のクルーでレジェンドであり、前回ライブにも出演している。その威厳に呑まれたのか、フルセットで惜しくも敗北してしまう。

リベンジでも順調に勝ち進むが、大阪の生んだMCバトルの、フリースタイルの最高到達点で現ラスボスであるR-指定さんとの対戦で惜しくも敗れる。

しかしその後も年末特番に呼ばれるなど、番組に確実な爪痕を残した。

そして最強のMCを決める「KOK」を連覇。HIPHOP史に名を残したと言ってもいい。

そんな彼が、迷宮壁を提供した時も驚いたが、今回ゲスト出演することも驚かされた。

彼のイメージは「孤高のMC」だったからだ。

そんな彼が今回、派手派手な格好でゲスト出演し、金時計を巻き、言ってしまえばアウェーの場(とはいえヒプマイのライブの観客諸賢のノリの良さはどのゲストも絶賛しているが)でオーディエンスを盛り上げようとし、あまつさえ、言葉を紡ぐ。

ああ、今筆者はGADOROというラッパーの一つの節目を、一種のゴールを見ているのだな、と思った。いつしか目頭が熱くなっていた。GADOROさん自身も、目を潤ませているようだ。

地方出身者の悲哀。かつて鹿児島の長渕剛も言っていた。「死にたいくらいに憧れた東京のバカヤロー」と。都会への憧れと憎悪が田舎者には表裏一体で存在する。口ロロが都会に寄り添うHIPHOPだとしたら、GADOROさんは都会に牙を剥け続けたHIPHOPである。

だが、それが「あった」になろうとしている、と感じた。何かもっと大きいものを掴んで、彼が次のステージに進もうとしているように。

だから彼は大観衆の前で思わず口を開いたのだろう。自分が死んではいないが生きていなかったことを語ったのだろう。イヤホンから自分の音源を流させてみせると宣戦布告したのだろう。自分が友達が少ないことを、夜景が残業で出来ていることを、相対化して、冗談めかして言うことができたのだろう。

誰かの背中を押したかったのだろう。あの時、HIPHOPは自分にそうしてくれたように。

そうして、循環するようだが、口を開かせたのは間違いなく目の前の大観衆である。大阪城ホール参戦者のゲストへの歓迎姿勢である。

かつて「フリースタイルダンジョン」でCHICO CARLITOさんは言った。「HIPHOPはルールを変える為の音楽」だと。GADOROさんはそれを体現している。

だから、大観衆に彼なりのエールを送ったのだろう。

その後、最後の最後で彼が「宮崎」をレペゼンして完全即興の九州南部訛りでのフリースタイルにとうとう筆者は泣いてしまった。彼は「地元」と「都会」の折り合いをこうしてつけたのだ。地元のやぼったさの象徴である訛りが、フロウとしてトラックに乗る格好良さはどうだ。これこそが都会育ちのMCが真似できない地方MCの強さだ。そこには間違いなく宮崎への愛がある。都会への赦しがある。

なんて格好いいんだ。

同じ田舎者の呪縛を少し緩めてくれたことの感謝とともに、彼の今後の活躍を祈りたい。

もっとGADOROさんが気になる方は「WAR WAR WAR」の作曲者であるYuto.comさん作曲の「真っ黒い太陽」がおすすめです。


GADORO/真っ黒い太陽 feat.輪入道 (Prod by Yuto.com™)【Official MV】

中央区の発表――オオサカ・ディビジョン誕生

朗々としたいい声で「どついたれ本舗」って言われるとシリアスな笑いの空間になるな……と思った。「DTH」とかで良かったんじゃないかと思うが、この名前でなければトレンド入りはしなかったような気もするあたりいい名前なのかもしれない。

しかしこの名前誰がつけたんだろう……内閣のテコ入れらしいから閣僚会議で決まってたらどうしよう……「では全会一致で大阪に設置するチームは『どついたれ本舗』で」とかやっていたら面白すぎる。

正直新ディビジョンの発表もオオサカにできるというのも予想の範囲内ではあったのだが、2日目だと思っていたので驚いた。

明日は何があるのだろう。バトルシーズンの発表? 更なる新ディビジョン?

発表の前後のリアクションもそれぞれの個性が出ていて面白かった。

既に完成されたコミュニティに新しく参入するというのはなかなか難しいし、筆者も正直なところ今はまだ不思議な気持ちでいるが、(いやとかではない)今までの素晴らしい全員曲とかは何とかリミックスとかする形でまだ使ってほしいな……と思う。

 

観終えて

やはり終了後はヘッズたちはその衝撃の咀嚼に時間がかかっているようであったが、ライブ自体は非常に満足のいくものであった。筆者も次回は光る何かを装備して参戦したい。

たのC~~!!

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ヒプノシスマイクがまたアニメ化を達成してしまった件――アラサー男子ヒプマイにハマる。②あるいは「ヒプノシスマイク-Alternative Rap Battle-」感想

余談

平成の世にこんな記事を書いた。

 

kimotokanata.hatenablog.com

 まだ妻が「ヒプノシスマイク」の一端に触れたところまでで止まっており、そのうち筆者自身がハマる過程を②として書くつもりだったのだが、その間に令和になり、ライブの先行抽選があり、外れ、先着購入があり、外れ、ライブビューイングがあり、夫婦して参戦が決定した。日曜日は別の用事があり、土曜日のみの参戦となる。こんな時に限って日曜日のライブビューイング席が余っていたりして、臍を噛む思いである。

ともあれその間に筆者は30才になり、妻の一推しである観音坂独歩君が永遠に29才である中(彼もまた作品が長期になるにつれて生まれが平成から昭和にスライドしてしまったと聞く)中で順調に老いさらばえていく一歩を踏み出したが、しかしどっこい生きている。とはいえこのヒプマイ界隈においては妻という導き手がいなくては一寸先は奈落である。

本日。ライブビューイングを含めた土日のイベントに備え、「果たして我々の状態は推しに見せて恥ずかしくない状況だろうか? 否である」という考えの下、我々はファスティング――プチ断食を行っていた。(9/3~9/5まで)月見バーガーの解禁日。しかし筆者は耐えた。体重は1.5kg減っていた。常日頃の妻の料理がおいしいのがいけない。

丸1日以上たつと、空腹の向こう側というべきところに行きつくのだが、ふとした食べ物の情報でグッと食欲が沸き起こる、その高低差に筆者がタービンであれば発電ができるほどであった。「夜マック」――蠱惑的な響き。しかも、マックナゲットが安いのは今日までだ。とうとう、安い期間にマックに行くことがなかった。マック者として恥ずかしくはないのか――自責の念がよぎった。

いいじゃないか。闇・筆者がささやく。

「断食に挑戦したけどマックの魅力には逆らえず月見バーガーとマックナゲットにおぼれました」

これでいいじゃないか。二重の意味でオイシイじゃないか。食べればいい。ブログ記事をエントリすればいい。

なるほど魅力的な提案に思えた。しかし。筆者は横を見た。

妻がいる。リビングでは、番組やCMで魅力的な食べ物が次から次に出てくるテレビは消していた。それぞれのPCからの打鍵音やクリック音、時々妻が巡回先の「尊み」の過供給に「ヌォッフ」と謎の音声を漏らす以外は静寂が横たわっていた。

妻は耐えている。料理を作るのが好き、食べるのはもっと好きな妻が。

筆者は通勤し、妻は在宅で主に業務を行う。通勤ルートには誘惑が多いが、一度出勤してしまえばあれやこれやの業務で気がまぎれることも少なくない。

妻は筆者のいない間、1人で耐えていたのだ。

ああ、筆者も妻と推しには嘘はつきたくないのだ。戦うしかないのだ。空腹と。筆者の脳内では夢野幻太郎先生が坂口安吾先生の「不良少年とキリスト」を高らかに朗読していた。

戦いぬく、言うは易く、疲れるね。然し、度胸は、きめている。是が非でも、生きる時間を、生きぬくよ。そして、戦うよ。決して、負けぬ。負けぬとは、戦う、ということです。それ以外に、勝負など、ありやせぬ。戦っていれば、負けないのです。決して、勝てないのです。人間は、決して、勝ちません。たゞ、負けないのだ。

 ――坂口安吾不良少年とキリスト」より

 そうして2人で戦っていると、妻が今日一番の「ヌオッフ」を放った。「ンヌンヌオッフ」であったかもしれない。

妻は静かに、しかし手早く幾らかのウィンドウを閉じた後、自らのPCの画面を筆者に見せた。

 


ヒプノシスマイク Division All Stars 「ヒプノシスマイク -Alternative Rap Battle-」

このタイミングで新曲が叩き込まれるとは。

我々はそのまま妻のPCで一度視聴し、おもむろにTVにHDMI接続し、今8再生目位である。

空腹を忘れることは簡単である。

より夢中になれるものを見つければよいのだ。

それが食物の代わりに大いなる昂ぶりを胃の腑に放り込んでくれるものであればなおさらである。

本題

余談が、長くなった。

MVを一見して、新規絵の多さに慄いた。これまで少ない既存絵をなだめすかし使いこなしてきたことを比べれば恐ろしいまでの大盤振る舞いである。っていうか皆着替えないんだな。

驚いたのは、動くのである。いや、今までのMVも動いていたがもはや拡大・縮小・スライド・色調整にとどまらずキャラクターが動く。

ヒプノシスマイクにおいてアニメ化は山田一郎君の手首くらいだった時代はもはや終わりを告げたのである。表情差分といえばたったの4文字だけれどそこには年単位のヘッズたちの思いが乗っているのである。

おめでとうアニメ化。君たち、そんな表情するんだね。知らなかったよ。

ビート自体も今までとは少し毛色の違う静かだが有無を言わせない迫力がある、嵐の前の静けさを感じさせるような感じでとても良かった。

以下、それぞれのverseの簡単な感想。

山田一郎君

ゲームの主題歌ということで「PLAY the gameだぜ」で開幕させるのはさすがのラップ巧者。坂本龍馬アーサー王を並列に語る器のデカさ、スケールのデカさがさすが長男の魅力だ。キャラクター的に考えたら英霊が集うソシャゲの影響だったりするのかもしれない。「パイセン」は直後の彼のことだろうか?

碧棺左馬刻様

一郎君の煽りを「まちゅねぇ」と一刀両断というかワンパンの力強さ。多分全国の「ハマの女」はここで一度輪廻転生を経験したと思われる。左馬刻様のライムで吐かれる英単語はエッジの効いたカタカナに聞こえるところが魅力だと思うのだがカタカナがいっぱいで嬉しい。「まだやるか」の駄目押しオーバーキル具合もいい。

飴村乱数君

可愛い声とフローに惑わされそうになるけれど言っていることは順調に相手の意識改革というか洗脳というかまさしく「ヒプノシスマイク」していてビビる。今後の展開で間違いなくキーキャラとなるであろう彼の展開のヒントがここにも散りばめられているのかもしれない。

神宮寺寂雷先生

「涙目のクランケ」のラインをセルフで引用していてお気に入りなのかなと考えるとちょっとかわいい。ルイ17世に関してはWikipediaによると人の悪意を煮しめたようなものを見ることができてさめざめ悲しくなるが、創作もあるらしくこちらの記事がとても参考になる。

www.netlorechase.net

しかしこうなるとドラマCDで独身男性の家からスッとこどもが好きそうなジュースが出て来たことが意味を持ってくるような……。

山田二郎くん

相変わらず攻撃力が高くかつ兄への愛をにじませるライム。こんなに舌を出してるのにハーレムを築いていないどころか彼女もいないなんてそんなことあります?

入間銃兎巡査部長

ちょっと落ち着いたかと思ったが依然せっかちさんであるようである。その弾丸のごとき押韻から一度あえて間延びするフロウで外してからの再びの長めに踏む絨毯爆撃ライムはとても気持ちがいい。

夢野幻太郎先生

流れるような元号ライミング。諸君はH歴では? とかそういうことは些細な問題である。あまりラップに使わないようなボキャブラリーを躊躇なく投入してきてそれがまたキャラクター通りトリッキーに幻惑させながらも面白く作用している。

伊弉冉一二三君

よくとおる歯切れのいい声でえげつないことを言う。観客は絶対に盛り上がる。もし実際にオーディエンスがいるバトルで勝ち負けを決めるなら、彼が一番強いのではないかとさえ思う。

山田三郎クン

多分ロールモデルはLick-Gベースの高ラのいいとこどりだと思うのだが、それが更にいかんなくブラッシュアップされている。小憎らしさがラップとしてのうまさにつながっているのが素晴らしい。

毒島メイソン理鶯元軍曹

いきなりの元ネイビーアピールが可愛い。三郎クンの法律の話題に対して弁証法で切り返してくるのが面白い。アウフヘーベンは声に出したい単語。今までと比べて熱さがよりラップに乗ってきて火力が上がっている感じがする。

有栖川帝統君

いつ聞いても完全に本職な音の波の乗り方が凄い。急にションベンとか出てきてキャッと思ってしまった紳士淑女諸賢もいるかもしれないが、これはチンチロリンにおいて無条件で負けになる器からこぼしてしまうことであることをいうので安心して欲しい。それはそれとして12人の中で一番立小便しそうな彼ではあるが。他方、その歌詞の端々からやはり「没落した名家」出身の予感がしてならない。

観音坂独歩君

「食えてるならいいか」というポジティブさが意外だがよく考えてるとこれをポジティブに感じるくらい今までがやばかっただけのような気もしてきた。差分の恩恵をとても感じる後世になっているように思えた。サラリーマンは、勤め人は歯を食いしばって頑張っているんです。

 

書き終えて

以上、聞き込むうちに日付が変わってしまったが、解禁日の印象として残しておく。一発書きなのでいつも以上に拙い点はご容赦願いたい。

ゲームの解禁もとても楽しみだし、週末のライブで「あの曲もう聞いてくれたかなーー?」からのこの曲をやってくれるととてもうれしい。

あとみんなの名前がとても難しい。次の機会までにIME辞書に登録しておきたい。

 

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腹筋崩壊太郎に花束を――仮面ライダーゼロワン初回感想

新シリーズをリアルタイムで見られる機会というのは一度しかない。

という訳でせっかくなので、感想もリアルタイムで投稿してみたいと思う。

いつも以上に勢いで行くしかないので許してほしい。

なお、筆者は本編視聴までは努めて仮面ライダーゼロワンのビジュアル、主人公が社長であるということ、なかやまきんに君が登場するということ以外の知識を取り入れないようにした。

 

開幕、正しく近未来の情景が映し出される。山寺宏一氏のナレーションの説得力。が、その創業者は既に亡い。この辺り、角川版「犬神家の一族」を思わせ、デジタライズされた世界でなお息づく家族の物語を提示していくのか、と予感させてくれる。

遊園地。主人公が登壇する。社長ではないらしい。滑る。解雇される。恐ろしいテンポの良さ、スピード感である。これが令和のスピードか。

他方、腹筋崩壊太郎は自らの腹筋を崩壊させるというヒューマギアならではのテクニックで老若男女の観客を抱腹絶倒の渦に叩き込んでいく。

主人公は夢破れた。仮面ライダーゼロワン完。

飛電インテリジェンス、崩壊した街、再び遊園地――目まぐるしく場面が変わっていく。

遊園地、腹筋崩壊太郎は他の芸人の研究に余念がない。自らのメモリーから先程の観客たちの笑顔を思い浮かべ、自らも笑みを浮かべる腹筋崩壊太郎。

と、そこに滅亡迅雷net.の迅が現れる。この場の破壊を「友達」として腹筋崩壊太郎にお願いする迅。

自分の使命は人を笑わせることだと必死に抵抗する腹筋崩壊太郎だが、ついにその使命はハックされ、上書きされてしまう……最後に彼の脳裏によぎったのはやはり無数の観客の笑顔――。

どことなく龍騎のライダーベルトを思い起こさせるデザインのベルトによって腹筋崩壊太郎はもはや人類滅亡太郎となり、昆虫の絶滅種「クジベローサ・テルユキイ」をモチーフとしたベローサマギアと変貌を遂げ、愛する場所の破壊に手を染めてしまうのだった……。

いわゆる戦闘員が闊歩し始め、人間サイドが対抗を始める。そして夢を笑われた主人公はついに夢を守るために変身を決意する――。

仮面ライダーゼロワンは見た目もカッコよかったが、動くとますます格好いい。オトモのバッタが更に被害を拡大しているように見えたが地面は陥没していないので大丈夫だ。安心して欲しい。CGと現実の地面を合わせるのが面倒だとかそういう話は今していないのだ。

父に言われたのとはちょっと違って物理的に高く飛ぶことができるようになった主人公はそれでもってベローサマギアを翻弄、見事「ライジングインパクト」により爆発・破壊。

遊園地を守り、みんなの笑顔を守った。

新たな「人を笑顔にする方法」を得た彼は、社長を受け入れるのだった……。

テンポが良く、あっという間の30分間であった。随所に今後の伏線も敷かれ、素晴らしい初回であったと思う。少なくとも筆者は次回が気になって仕方ない。

だからこそ、腹筋崩壊太郎が気になるのである。

劇中、主人公は「人工知能にお笑いは判らない」といい、しかし腹筋崩壊太郎は見事爆笑をかっさらっていく。

腹筋崩壊太郎がスタンダードなヒューマギアであれば、あるいはそうだったのかもしれない。しかし彼はシンギュラリティに達したヒューマギアであった。

腹筋崩壊太郎が見て研究している芸人も生身であるから、ヒューマギアであそこまで笑いを理解しているということが特異点であるということがやはりわかる。

かつて京極夏彦が「笑わせるのが一番難しい」というようなことを言っていて、確かに彼がギャグ小説を目指した「どすこい」はビックリするくらいつまらなかったのであるが、(フォローしておくと「百器徒然袋」シリーズはギャグ小説としてかなり素晴らしいできであると思う)しかし「笑い」が例えば他の感情と比べてかなり高度な次元であることは読者諸賢も納得いただけるのではないか。

その高度に発達した彼であったからこそ、狙われ、怪物と化してしまう。

そして散っていく。彼がシンギュラリティに達したヒューマギアであることは敵方以外誰も知ることはない。彼が観客の笑顔を何度も取り出しては自らも笑顔を浮かべていたことも、その笑顔をまた得る為に他芸人の舞台を熱心に鑑賞していたことも、その笑顔を楔にどうにかハッキングに耐えようとしていたことも。

このようにデータが改ざんされ、ヘッドセットのレッドアラートが点灯した状態のヒューマギアは原状回復を果たすことは技術的にほぼ不可能であり、破壊する以外の対処方法はない。

マギア|仮面ライダーゼロワン|テレビ朝日 より引用。

悲し過ぎるではないか。敵方がいうように、マギア適性のあるヒューマギアが即ちシンギュラリティに達したヒューマギアであるというなら、毎回このような悲劇が繰り返されてしまうというのか。

オタク特有の「そういう目」で見てしまうからというのもあるが、ゼロワンには先輩ライダーを感じさせる諸々を感じ取ってしまう。笑顔が見たい主人公、異形の可能性がある主人公、アタッシュケースの武器、ベルトに四角いものを挿入、変身モチーフのデザインが円形のレリーフ、衛星が変身に関わる、人外の相棒……。そして「データ(記憶)」を用いて行われる怪人化。

仮面ライダーダブルにおいてメモリブレイクは即ち死ではなかった。しかしマギアを排除するには破壊するしかないという。

人の笑顔を欲し、守ろうとした。

それは主人公も腹筋崩壊太郎も同じである。

しかし前者はヒーローとなり、後者は破壊される。

いや、破壊とは言うものの、「自我の芽生えた人工知能」というものはもはや、人間とどう違うのかを考えた時、それは「殺人」ではないのか?

これがゼロワンの大きなテーマになってくるのではないかと思っている。

というか、なってほしい。

他には、我が家で名作請負人(大河ドラマ3作、朝ドラ2作、他リーガルハイなどヒットドラマ多数出演)しているアンジャッシュ児嶋一哉さんが出演ということで安心して見られそうであるし、敵方2人が耳を映さないのはやはりそういうことなのかなと思ったり、主人公の出生の秘密が冬映画かな……と思ったりもした。機械音声の使い方「迷子のお知らせです」や「次、止まります」が演出に効果的で、繰り返しになるが次回以降の放送も楽しみである。

 

ついしん。どーかついでがあったらあなたのこころのなかのふっきんほうかいたろうのおなかに花束をそなえてやってください。

 

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空(くう)になりたい、自由な空へ――九年間使い続けたTwitterアイコンからの卒業

余談

十年前、筆者はプロデューサーであった。いや平々凡々な大学生であったのだが。

アイドルマスターのファンであった。今考えてみると、もちろんコンテンツとしての「アイマス」はもちろん、この頃のコミュニティとしての「ニコマス」界隈が特にとても好きだったのだな、と思うのだが――。

ともあれ間もなく十年選手となるTwitterも、ニコマスPと交流が出来る、(というかP同士ががやいのやいのしているのを見ることが出来る)更新情報がいち早く手に入る、という理由で始めた。

その過程で、同世代ながらエッジの効いた作風で魅了されていたPにアイコンを――今回変更にあたって「プロフィール画像」とUIから言われたが本記事では呼称を「アイコン」に統一する――描いていただくという幸運を得た。とても好きなキャラクターが、とても好きなPの絵柄で描かれ、それが自分の分身となるのである。こんな嬉しいことはなかった。

彼女の名前がまた、Twitterというツールにとてもマッチしていたのも運命的に感じた――小鳥はさえずるものだから。

以来昨日まで、そのアイコンを使用してきた。それは自分の帰属意識の確認であったかもしれない。交流の途絶えてしまったPに「私はここにいます」というサインであったかもしれない。落ち込んだ時、全てを消去して片眉を剃り落として山に籠りたいと思った時、自らのアイコンを見ることで「あっカワいっ」となって踏みとどまったこともある。

このアイコンが可愛いからリフォローしてくださった方もいることだろう。同じキャラクターのアイコンを集めたリストに入れてくださった方もいらした。

いわば筆者のTwitterライフはアイコンによって支えられていたと言っても過言ではない。

そのアイコンを変えることにした。

本題

どうして変えるのか。

それは筆者が三十路に突入したからである。三十である。アラウンドなんて生ぬるい、どこに出しても恥ずかしくないサーティである。サーである。女王陛下の三十路である。

アイコンに使用していたキャラクターは年齢が2×(チョメチョメ)才であり、即ち生まれ年がアイドルマスターが長寿コンテンツとなった結果昭和から平成にスライドしたわけであるがそれは置いておいて、読者諸賢が繰り上がりという算数の秘奥義を修めていた場合、

三十路=2×

とするとき、Xに入る正の整数は存在しないことが理解できるはずである。

ここに至って筆者はこのアイコンからの卒業を決意したのだった。(一応言っておくが三十路以上の方が同キャラクターのアイコンを使用されることについて筆者は一切の感情を持たない。これはただ筆者個人においての契機である。本当に念のためだが注記しておく)

さてアイコンをどうするか。

自撮りにしてしまえばフォロワーの大量減少、やもすればアカウントの凍結が懸念される。

ブログ、LINEなど他ツールのアイコンとは別にしたい(特にブログについては統一した方が何かと便利だとは思うのだが、今回はこのようにした)。

版権キャラクターの画像の利用では何か舌禍を引き起こした場合、界隈に迷惑がかかる。

折角であるからなにか妻を喚起させるものを用いて、今まで同様辛い時のセーフティネットとして活用したい。

これらの件を総合し、手元にあるものということで、筆者はキーケースを使おうと思った。妻が以前、筆者への誕生日プレゼントとして下賜したものである。数年たち、今やとても手に馴染んでくれている。

これをただ撮るのも味気ないので、「Paper Camera」を使って漫画チックに加工する。これをセール10円で買った時の愛機、初代メディアス君ではカックカックだったなあ……ていうか最初Twitterガラケーでやってたな……と一瞬この10年の諸々が濁流のように押し寄せかけたが、何とか辛抱し、写真を撮る。設定する。

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鍵アカウントでもないのに鍵アイコン、というのもいいじゃないか、と思っていたが、やはり履き立ての革靴のように窮屈な感じは否めない。

深夜、誕生日を過ぎ筆者は再びアイコンの試行錯誤を始めた。妻は筆者の体のパーツで手が好きだという。それをアイコンにしてはどうか。

が、よくよく考えれば「手がアイコン」の有名ツイッタラ―の方は今すぐ思いつくだけでも2人はいらっしゃり、別にそこに並ぼうとかは全然思ってはいないものの、しかしわざわざかぶりに行く必要もなかろうと却下になった。不敵なキツネ・サイン!

煮詰まった筆者に、妻が一枚の紙を差し入れた。何だろうか。

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……何だろうか?

えっホントにマジで何?これ?

妻「肉塊だよ」

筆者「えっこれはなんか私の似顔絵とかなんかそういうたぐいのやつ?」

妻「いや、それは肉塊だよ」

筆者「そう……」

とはいえ筆者の中ではサイコジェニー以来の眼力に衝撃は冷めやらず、もうこれをアイコンにしよう、と思った。この短絡さが深夜である。寝ろ。

が、深夜筆者は止まらない。待ってろよ肉塊……お前を最高に格好良くしてやるからな!

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駄目だ……なかなか格好良くならない……何だこの地獄みたいなカメラロールは……。

やればやるほど正解が分からなくなり、そもそもこの中に正解があるということを疑うべきであったのかもしれないが、ともあれ妻の託宣を得ることにした。

妻「4つ並んでるやつの右下が良い。令和っぽい」

令和っぽさとは……?という疑問は一度胸にしまい、トリミングをする。

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完全に悪夢のカラーリングである。ガロとか好きそうである。

が、ここでアクシデントが発生した。スマホプロフィール画像を設定しようとすると、この状態では上手く範囲に入らない。「肉塊」部分が切れてしまうのである。

毒を食らわば皿まで。もはや妥協は許されなかった。まってろ「肉塊」の文字部分……お前も絶対にツイッタランドに連れて行くからな……!

結局「スマホを横画面にし、その状態のスクショを撮る」という荒業によって横の辺が長い画像を錬成することに成功し、無事に枠内にすべてが収まった。

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ただし、やはり元が長方形であるので左右に黒枠となってしまったのは遺憾であった。

何かの間違いでツイッターを経由してインタビューを受けた場合、この画像が使われることになると考えるとちょっと面白い。

ともあれ久しぶりにアイコンを変えて、まるで下駄で歩き回った後の裸足みたいに頼りない感覚でまたツイッターを継続していくことになった。

暫くは、アイコン変更前のツイートとアイコンのギャップを楽しみたい。

めっちゃ目を見開いとるのに。