カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

今見ているこの映画いつか懐かしくなるだろう―私的テン年代映画ベストテン

余談

本来はこの企画に参加させて頂く予定であった。

washburn1975.hatenablog.com

が、豪快に締切日を間違えてしまった。わが人生の縮図である。

とはいえリストアップ自体はしたのでどこかで日の目を見せてあげたいというのが親心というものである。

本題

ということで2010年から2019年までに筆者の眼前を通り過ぎていた映画のうち、特に印象に残っている10作を挙げていきたい。

ベストテンと銘打ってみたものの、そこに優劣があるわけではないので時系列順に紹介することにする。どちらかというとクロニクルというのが正確であるのかもしれない。

 

 1.ゴールデンスランバー(2010年1月30日公開)

 

ゴールデンスランバー [Blu-ray]
 

 

Twitterやこのブログでも何度か言及しているが筆者は大学のころ文芸サークルに所属していて、小説を書いたり読んだりしていた。

当時特に傾倒していたのが伊坂幸太郎先生の作品だった。今読むと、自分の書いた作品のいくつかはその影響が強すぎて赤面してしまうレベルである。「SOSの猿」以降少し毛色が変わった感じがしまた就活もあって距離を置いてしまったけれども、高校三年生の春「重力ピエロ」に図書室で出会った時の衝撃、帯の文句通りの「小説、まだまだいけるじゃん!」という気持ちにまんまとさせられたことは今も鮮明に覚えている。

大学の入学式。「文芸サークル」が存在することを知った筆者はそのサークルが出している小冊子を手に入れた。巻末の部員紹介には好きな作家・作品を挙げる欄があり、そこにもやはり伊坂幸太郎先生の諸作品を挙げている部員の方が多くいた。

その門戸を叩き、新歓に参加することになった。必然、好きな本・作家の話になり、筆者も薩摩訛りで「伊坂幸太郎先生が好きだ」という話をした。

ゴールデンスランバーはもう読んだ?」

当時の最新刊を先輩は挙げた。とはいえ貧乏学生。当時は文庫本が中心であり、単行本はまだチェックできていなかった。そのことを伝えると、先輩は実家に帰った時に持ってきて貸してあげるよ、と言ってくださった。

それが筆者の大学生生活を大いに充実させてくださったS先輩との初邂逅であった。

S先輩は日本文学を専攻されていることもあって古今東西様々な小説を読破されていたがとりわけミステリ、わけても伊坂幸太郎先生の作品についてはもはや大家といってもいいほどであり、人の形をした伊坂幸太郎Wikiなのではなかろうかと思ったことも一度や二度ではなかった。伊坂幸太郎先生を好きなどと筆者風情が言ってしまってすみません、と思ったこともままあった。

新歓以降、学部もキャンパスも違うのに筆者はすっかりS先輩になつき、しばしば夜を徹してほかの先輩も交えて作品談義をしたり、鑑賞をしたり、無双のレア武器を取得したりした。先輩は拠点を残らずつぶすタイプのプレイスタイルであった。学生街には破格の安さのカラオケがあり、徹カラもしばしば行われた。先輩は普段は朴訥としていらしたがその言動にはそれこそ伊坂節めいたユーモアが常ににじんでおり、歌声は非常に涼やかで音域が広く、特にフジファブリックスピッツが絶品であった。

こうまでよくできた人にどうして女性の影がちらつかないのかと筆者は当時不思議で仕方がなかったのだが、今になって考えるとどう考えても謎の後輩が四六時中出入りしていたせいである。本当にすみませんでした。

それは表で蛙たちがゲコゲコとうるさい時分であったか、いつものように先輩宅のリビングに我がもの顔でくつろぎながら、筆者は本を読んでいた。それもまた先輩からお借りした本であった――というか先輩宅に遊びに来たら本棚から取り出してちょこちょこ読み進めていた本であった。ああ、打鍵しながらあの、先輩の本棚に新しい書影が追加されるたびに交わしていたなんのことはないやり取りが思い出されてなつかしい。

その本を読了し、良い本を読んだとき特有の茫然半ば朦朧とする心地よい喪失感を味わっていた。その呆けた顔に気が付いたのか先輩が声をかけた。

「それ、映画化してるんだよ」

その先輩の言葉に筆者はぼえっと今まであまり出したことのないタイプの声を出した。絶対に映像化不可能だと思ったからだ。恐らくは黒歴史になっているに違いない――。先輩が悪いことを考えているときの笑顔を見ながら筆者はそう思った。

その本の名前は、「アヒルと鴨のコインロッカー」と言った。

翌週。筆者は滂沱の涙と共にその映像化の素晴らしさに敬服した。仮に劇場で鑑賞していてインタビューされてしまったら「アヒ鴨サイコー!」みたいなペラッペラの感想を吐いてしまっていた可能性がある。

監督・中村義洋、原作・伊坂幸太郎という黄金コンビが筆者の脳裏に深く刻み込まれたのだった。

2009年にこの黄金コンビは再び邂逅を果たす。そしてS先輩と筆者の凸凹コンビは今度は映画館でその映画に臨むことになるのである。

鑑賞した映画館は今は亡きシネツイン。ミニシアターの理想形のような映画館であった。

「フィッシュストーリー」は伊坂幸太郎先生の小説「終末のフール」と「フィッシュストーリー」を絶妙にマッシュアップしたようなこれまた大傑作映画で、プロデューサーの設定が改悪された以外は爽快感あふれる万人に勧められる映画だと思う。多部未華子さんにほれ込んだのはこの作品による。

アヒルと鴨のコインロッカー」においてボブ・ディランの「風に吹かれて」が重要なキーを握っていたように、「フィッシュストーリー」はそのまま「フィッシュストーリー」という楽曲がそのストーリーの軸となる。その曲を含めた劇中の音楽を担当したのが斉藤和義さんであり、ここに黄金コンビは黄金トリオへと進化を遂げたのである。

購入したレコード盤を模した洒落たパンフレットにはそのトリオが翌年、「ゴールデンスランバー」に挑むことが記されていた……。

ということでようやっと「ゴールデンスランバー」の話に入る。原作を筆者は大学一年時の冬休みに読んだ。夢中になるあまり背中が電気ストーブにより危うく焦げかけたのも懐かしい。泣いた。忘れがたい会話、ページをめくる手ももどかしいストーリー展開、収斂する伏線……。ゼロ年代ミステリーの一つの到達点であったろう。

果たして映画の方は……予告編ですでに一度泣いた。斉藤和義さんの「ゴールデンスランバー」、堺雅人さんの確かに思わず助けたくなってしまいそうなその人柄(同じ中村監督の「ジェネラルルージュの凱旋」との変わりようときたら!)、香川照之さんの権力の擬人化……。すでに名作保証のランプがきらめいていた。

そして年が明け、2010年、テン年代の幕が上がり、その最初の映画として「ゴールデンスランバー」を我々は鑑賞することになったのだった。

ゴールデンスランバー」は「フィッシュストーリー」とある意味で好対照な、大山鳴動してしかしその時鼠はどのように振舞ったかという物語である。筆者はこの映画化に大いにカタルシスを感じたが、しかし巨悪をバッシと打ちのめしてくれるような展開を期待している人にとっては期待外れだったという意見も聞いた。

ただ筆者個人としては冒頭から惜しげもなく流れる斉藤和義さんの歌声、ロック岩西の「どうせお前じゃねえんだろ?」というぶっきらぼうな信頼、伊東四朗さん演じる父の確信、そして花火と最後の一幕で十分に満足のいく映画であった。

作中、青柳たちはしばしば大学時代を懐かしく回想する。鑑賞した大学時代はそんなものだろうなと受け止めていたが、今、この記事を書くにあたり当時の腐れ大学生生活を回想するとやはり、そこにはどうしようもないが確かな愛おしさがあったようにも思う。震災前の仙台の風景を残しているという意味でも貴重な作品になった。時を経るということはこうして良くも悪くも映画に付加価値をもたらしていくものなのだろう。

2.ソラニン(2010年4月3日公開)

ソラニン

ソラニン

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既に3,000文字を超えてしまったのでこれからは映画1本につき原稿用紙1枚分くらいを目標に書いていきたい。

2009年、クリスマスの朝。腐れ大学生の特権、10時ごろにもそもそ起きた時に筆者は志村正彦さんの訃報を知った。前日、ワンピースの巨弾映画「ストロングワールド」を鑑賞して大満足してからのその知らせであったから、感情が迷子になってしまった記憶がある。

オタクがやりがちムーブのタイトルに歌詞引用を用いてmixi日記であまりに突然すぎて感傷的にはなり切れない心境を書いたはずである。

筆者がフジファブリックを知ったのはやはりS先輩の影響であって、「桜の季節」におけるシャウトにもうメロメロだったものである。別の先輩の作品にもモチーフとして使われていて、なおさら印象に残っていた。そのあたりは過去記事に詳しい。

 

kimotokanata.hatenablog.com

 そのフジファブリックが「ソラニン」映画化を記念したソングブックに参加するという。いわばコンピレーションアルバムであって、収録曲「赤黄色の金木犀」はすでに何度も何度も聞いた曲であったけれども、他にも沢山、好きな曲、つまりは聞いたことのある曲が収録されていたけれども、筆者は思わず購入してしまった。Amazonで調べたら発売日が映画の公開日より後になっていたけれど、もっと前のうちに聞いていたような覚えがあり、この辺りよくわからない。

歌詞カードにはそれぞれのアーティストの紹介が記されていて、フジファブリックの欄には「フジフジ富士Qを開催予定」とさらっと書かれていて、それでようやく筆者はああ、志村さんは死んでしまったんだなあとしみじみ悲しくなったものだった。志村さんが生きていた時、フジフジ富士Qはどんなイベントになったのだろう。実際のイベントは志村さんが生きた証を様々なアーティストが教えてくれる素晴らしいものだったけれど、あの六畳一間でその一文を見た記憶を思い出すにつけ、そう考えずにはいられないのである。

ソラニン」もまた、あるバンドマンの生きざまを周囲が証明していくという物語だ。原作を「おやすみプンプン」の延長線上で読んで、ぐわ、となった。これも大学生というモラトリアムをちくちく刺す作品であったからだ。

この映画はバイト先の後輩君と見た。やっぱりシネツイン。後輩君はバンドマンであり、アジアンカンフージェネレーションのファンであった。むろん筆者もファンであった。「ソラニン」のCDも購入していた。今考えると眼鏡も後藤正文さんに寄せていた気がする。andymori毛皮のマリーズ…数々の良いアーティストを彼から教えられた。

劇中では「フィッシュストーリー」でも名ボーカルを見せた高良健吾さんと宮崎あおいさんがこの曲を披露する。「ソラニン」の曲の完成度の高さに、ボーカルのいい意味でのアマチュアっぽさがあいまってどちらもいい味を出している。

映画館を出た我々がいの一番に吐いた感想は「宮崎あおいと同棲したい……」であった。

基本的には忠実な映画化であって、特に文句を言うところがなかった。桐谷健太さんのビリーにはほろほろと泣かされたものである。

3.劇場版 銀魂 新訳紅桜篇(2010年4月24日公開)

劇場版 銀魂 新訳紅桜篇【完全生産限定版】 [DVD]

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普通に1,000字超えてしまった。今度こそサクサクと書いていきたい。バイト仲間6人くらいで見に行った映画で、言ってしまえば銀魂好きなある人と仲良くなりたいかの人が筆者を含むバイト仲間を巻き込んで映画デートを目論むという計画に加担した結果の鑑賞であった。当たり前だが自腹である。

「ストロングワールド」以降タガが外れた入場者特典を筆者も手に入れたはずであるがどうしたか記憶にないので、銀魂好きの人にその場であげてしまったのかもしれない。

広島は鹿児島に比べてきっと沢山深夜アニメとかやっているんだろうなあと思っていたが実はそんなことはなくて、ただ鹿児島と広島のはっきりした違いは「銀魂のアニメがやっている」ということであった。(当時/今はわからない)といっても筆者は大学生生活の間、家にテレビがなかったので「我が家で銀魂を見る」ということはなかったが、しかし地上波で放送されていることによる認知度の高さというものを改めて実感したように思う。

紅桜篇自体の話が良く出来ているし、アクションシーンも動きが良く、「バクチダンサー」もはまっていていい映画だったが、噂に聞く銀魂スタイルの突っ込みを劇場でするお姉さま方がいらっしゃり、なかなか集中できなかったこともまた思い出である。かの人の計画がどうなったかは記憶になく、つまりそういうことだったのだろう。合掌。

筆者個人としては、前述の「ソラニンソングブック」に収録されていたYUKIさんの「ハミングバード」という曲と、(「バクチダンサー」のDOESさんの曲も収録されている)この出来事から着想して「それじゃあねハミングバード」という掌編を書き、ページ数が少ないおかげで翌年の入学式に配布される部誌の試し読み作品に抜擢してもらったのでそういった意味でもありがたい体験であった。

4.トイ・ストーリー3(2010年7月10日公開)

トイ・ストーリー3(吹替版)

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ナランチャが「トリッシュは俺なんだ」と気付いた時のように、「100日後に死ぬワニ」の何気ない日常が自分にシンクロした時のように、 人というものは何かに同一性を見出した時、激しく揺さぶられるところがあるように思う。

kimotokanata.hatenablog.com

 以前書いたように、帰省の折、母と親友と見たこの映画で筆者は「アンディは俺なんだ」とほとんど叫びそうであった。しかし同時に自分はアンディほどおもちゃを大事にしてこれなかったことを知っていた。

だからこそ「あばよ相棒」は赦しであった。きっと彼らもそんな風に筆者の元から去っていてくれていったろうという思わせてくれるような。

別れはどんなモノにも人にもいつか必ず訪れる。その中でおもちゃとの別れは人が経験する中でも比較的早い。でも準備ができる類の別れである。

いつか子どもを授かることが会ったら、その時が来るまでに一緒に見たい映画である。

5.仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ(2010年8月7日公開)

 

S先輩は、特撮にも造詣が深かった。遊びに伺った時、いつの間にか寝落ちしてしまい、もぞもぞと起きだすとすでに先輩は起床されており、じっとテレビを見つめているということがしばしばあった。

スーパーヒーロータイム、世にいうニチアサである。

筆者も特撮は好きであったが、朝が弱く、リアルタイムで追いかけていたのは響鬼が最後であった。少年の目と批評家の目を同居させてニチアサを鑑賞するS先輩の姿は神聖にして不可侵であり、筆者は畏敬の念をもって見つめていた。

そうした中で先輩が仮面ライダーWの映画を見に行きたい、ということで筆者も同行することにした。たまさかラーメンズの片桐さんが出ていた回を見ていたくらいでほぼ未履修の状態で臨んだこの映画は、素晴らしかった。

秀逸な伏線とプロット、魅力的な悪役。そして「風都の仮面ライダー」という設定の活かし方……。

今でも仮面ライダーの危機に人々が祈り、そしてテーマ曲とともに風が吹いて形勢逆転するシーンは涙なしに見ることはできない。

TSUTAYAの会員向け冊子で伊坂幸太郎先生も絶賛されていたのもむべなるかなという作品である。

そしてこののち筆者は就活の合間を縫って秋葉原で特撮玩具を漁る沼へと落ちてしまうのだった……。

6.仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦MEGA MAX(2011年12月10日公開)

 

急に1年以上時間が飛んだが、これはS先輩の卒業、そして自身の就活が始まり時間も費用も掛かる贅沢な趣味である映画館での映画鑑賞をあきらめざるを得なかったせいである。どうにか就活を終え、期末テストも終わったところのこの映画に筆者は飛びついた。この時同伴してくれたのはサークルの後輩Y君である。彼もまた特撮を含めた様々なことに造詣が深く、近所に住んでいたこともあって快く不肖の先輩に付き合ってくれたのである。

坂本監督の足…いやアクションの撮り方はますます素晴らしく、冒頭から栄光の7人ライダーは出てくるし劇場限定ライダーも沢山出てくるしMEGA盛にもほどがある展開である。

各ライダーが主題歌に乗せて戦っているのを大画面で見ることの幸福感ときたらない。心の中でスタンディングオベーションである。その上で前述のAtoZ含めた映画でのやり取りをすくいあげるような脚本は痒い所に手が届くといった感じでただただ絶賛するしかない。惜しむらくはシャーマンキング15巻の表紙並みにゴージャス過ぎて筆者の中で仮面ライダー映画がここで一度完結してしまい、以降なかなか(この地では一緒に鑑賞してくれる友人もいないので)仮面ライダー映画を見られていないということくらいだろうか。

7.風立ちぬ(2013年7月20日公開)

風立ちぬ [Blu-ray]

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今のところ人生で2回劇場で見た映画というのは「風立ちぬ」だけである。絵コンテ集も買った。Blu-rayも買ったが好きすぎてまだ開封できていないくらいである。

初めに母と、弟(2号機)と見た。打ちのめされ、しかしまた見たいと思った。

続いて広島・八丁座で恋人と見た。のちの妻である。もちろん筆者は主人公・堀越二郎のように天才ではないが、しかし1人の人と一緒に歩んでいきたいという気持ちはあり、そして広島から鹿児島という果ての地に連れ去ろうともしている身勝手な人間でもあった。

劇中、堀越二郎の上司が彼に言う。「それは君のエゴイズムではないのか」その言葉が澱のように心に沈んでいった。だけれどやはり筆者としては堀越二郎のように日々を一生懸命生きていきますと答えるしかないのだった。

そういう意味でこの映画を一緒に見るということは筆者にとってほとんどプロポーズのようなものであったが、実際に籍を入れるまではここからおよそ3年を要するのであった。

筆者も妻も創作者であり、そういった意味でも触れることが出来てよかった作品である。

8.清須会議(2013年11月9日公開)

清須会議

清須会議

  • 発売日: 2014/05/14
  • メディア: Prime Video
 

 

真田丸前夜の三谷幸喜先生の戦国時代劇である。相変わらずキャストの妙が凄まじく、これ以外のキャストは考えられない……と思いながらも「真田丸」では今作で豊臣秀吉を演じた大泉洋さんを苦労人・真田信之に差配などするから心憎いのである。

原作を読んだ時点では正直なところ絵も浮かばず、語りもユーモアがあったものの展開は平板でありどうしたものか、と思っていたが映像になると途端に面白みが増すから不思議である。

これは両親と妻(まだ恋人)と見に行った。我々の数少ない共通点は歴史好きであるところで、そういった意味で気楽にみられる歴史ものとしてうってつけであった。両親とも我々実子が3兄弟であったこともあり、妻への愛情はものすごく、それ故に妻を胸焼けさせてしまって今は少し実家とは距離を取らせてもらっているが、この間の「戦国武将総選挙」を見ていた母からこの時のことについて懐かしむ連絡があり、両親にとって大切な思い出になってくれているのだなと思った。

未だに剛力彩芽さんをもっとも正しく起用・活用した作品であると筆者は考えている。

9.ワンダーウーマン(2017年8月25日公開)

ワンダーウーマン(字幕版)

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  • 発売日: 2017/10/27
  • メディア: Prime Video
 

 

誕生日祝いに4DXのペア鑑賞券を頂き、夫婦で4DX初挑戦となった映画。4DXならなんでもいい、ということでそれまでのDCユニバースを未見で選んだ本作であったが、全編気持ちよく見させてもらったし、ヒロインのワンダーウーマンは非常に魅力的であった。

島を出たときはてっきり「戦争の神なんてわかりやすい『悪』はいない……人の心こそが最も恐ろしいもの……」みたいな展開になると思ったら普通にわかりやすく具体的に戦争の神がいたのはちょっとびっくりしたが。その神がつぶらな瞳で2度びっくりであった。

4DXの体験としてもバラエティに富んでいて初挑戦にふさわしい内容であったと思う。

10.映画 刀剣乱舞(2019年1月18日公開)

映画刀剣乱舞-継承-

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  • 発売日: 2019/06/10
  • メディア: Prime Video
 

 

当ブログにとっても契機となった映画である。

kimotokanata.hatenablog.com

 はてなブログトップ、多くのコメントやブックマークや言及を頂き、それまで一年間のPV数とほぼ同等の数字を1日にして叩き出すという貴重な体験をさせていただいた。

内容・感想については上記記事をご参照いただきたいが、一言で言うならば歴史SFミステリとして白眉の作品であった。

番外.Eyes On Me: The Movie(2019年11月15日公開予定/現在中止)

 

本日15時のCJの会見によってIZ*ONE、そしてX1の活動再開が決定したことは誠に喜ばしい。しかしここに至るまでに失ったものもまた多い。CJには貸していたのだよ…多くの人が…貸していたのだ……。

その一つがIZ*ONEのコンサートフィルムであった本作である。地方である筆者の最寄りの映画館でも上映がされると分かった時どんなにうれしかったか。PD拘束で暗雲が垂れ込める中、しかしこの映画をヒットさせれば光明になるのではと考えていたのに公開中止になった時どんなにくやしかったか。

どうか何らかの形で公開してほしい。

 

おわりに

筆者の生活の中にはいつも映画があった、とはとても言えない10年間であった。

しかしこうして振り返ってみると、節目節目に現れては、コミュニケーション能力かけた筆者と誰かの橋渡しをしてくれていたようで感謝することしきりである。

次の10年は誰とどんな風に映画を見て、どのように感じるだろうか。

それを記録するツールとしてこのブログが今後も機能してくれたらと願う。