カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

いけないいけないあの子の末路――MAD TRIGGER CREW「MAD TRIGGER CREW-Before The 2nd D.R.B-」Drama Track「All in the same boat」感想とか考察など。

Drama Track「All in the same boat」

題名の長さに思わず黄昏る三人。

余談

相変わらず夫婦でヒプマイをたしなんでいて、妻はどこかの連動特典のために予約も完了しているのだが地方ディヴィジョンの哀しさ、届く気配がないのでまずは配信にて聴くことになった。Drama Track「All in the same boat」が流れる食卓。毎回何かしらの方法で男が喘いでいるのは義務か何かなのだろうか?

ともあれ少しの謎が解け、多くの謎をばらまいた本作の感想を今のうちに書いておきたい。イケブクロの感想は書こう書こうと思って年が明けてしまったので……。

本題

ヒプノシスマイク全般の容赦ないネタバレがあります

かつて筆者がヒプマイのコンセプトを聞いた時、初めに抱いた感想が「面白そうだけど、『男たちのプライドをかけたラップバトル』ならフィメールラッパーは望めないのかな、もったいない」であった。それが錯覚であったことはヒプマイヘッズ諸賢なら既にご承知の通りであろうが、今回のドラマトラックを聞くに及んで筆者はさらなる推察を深めずにいられなかった。

勝手なあらすじ

碧棺左馬刻。自己紹介に定評のあるヤクザ。その甲斐あってか街の顔である彼は「妹を守ろうとする兄」のために街中でヒプノシスマイクを使ってしまう。

その結果呼び寄せてしまったのは言の葉党。そして――。

行政監察局副局長、碧棺合歓。彼の実の妹であった。

明らかに狼狽する碧棺左馬刻。カリスマブレイクも甚だしく、そのショックの甚大さが窺い知れる。大体警察官を辞めずにブチャラティと出会った場合のアバッキオみたいな入間銃兎がその上昇志向を投げうってまで擁護しようとするも拒否する始末(それじゃあただ上司に怒られるイルマティック入間銃兎a.k.a45rabbitsがバカみたいじゃあないですか)。

しかし意外とパソコンも軽やかに使いこなす、今のところクレイジー要素が料理しかない荒ぶる侍かと思えば英国紳士みたいな将太の寿司で言えば(なんで将太の寿司で言うのか)大年寺三郎太のような毒島メイソン理鶯に諭されつつ、「お守り」をめぐるやり取りによって合歓が通常の状態ではないと分かった碧棺左馬刻は一転攻勢に出る。

間違いなく「きょうだい」を感じさせる碧棺リリックバトルは兄が優勢の中、合歓はかつての彼女の片鱗を見せる。いびつな感情に葛藤する合歓。あとひと押し、と思われたが、勘解由小路無花果からの入電により独断専行を咎められた合歓と言の葉党はその場を退散するのだった……。

そして入れ違いに現れた飴村乱数は、合歓をあのように変えたのは彼の「真正ヒプノシスマイク」によるものだと碧棺左馬刻に告げるのだった…つづく。

 

本当にぶつっと終わるから最初我が家ではアレクサが叱られました。ごめんねアレクサ。

感想とか考察とか

www.youtube.com

下界に忍ぶ三体の菩薩が Neo Babyloniaの街を歩く

――Awitch「洗脳」より。以下引用すべて同じ。

一聴してまず頭をよぎったのが最近妻がヘビロテしていたこの曲。

勘解由小路無花果がアルバムで披露した時「まさか……」と思い、

画伯…いや東方天乙統女が登場した時「よもや……」と思ったが、

今回の碧棺合歓の登場により筆者はほとんど確信を抱いた。

中王区で三人そろったからチームができるな、と。

次回、もしくは次々回の最終決戦はディビジョンラップバトルで勝ち上がったディヴィジョンVSこの三人になるのではなかろうか。

サテンシャツ着たペテン師は踊る

毒島メイソン理鶯が調べたところ「ヒプノシスキャンセラー」は中王区外部で製作されているという。彼も言う通りわざわざリスクを冒してまで外部で製作する理由は何だろうか?

もちろん中王区が一枚上手でダミーだったという可能性もあるが、「外部製作」が事実であったとして話を進めてみよう。

1.天谷奴零、あるいはその関係者が製作している

男性なので中王区外部での製作が基本になるよね、という。「飴村乱数」の「完成品」及び監視システムの構築にかかわっているらしき天谷奴零。ヒプノシスキャンセラーにも関わっているとしてもおかしくないだろう。その場合、暗躍ぶりからしてただ単に無効化できるだけではないトロイの木馬としての役割がありそうだが……?

2.言の葉党の身内にヒプノシスキャンセラーを使われるとまずい人物がいる

「真正ヒプノシスマイクによる洗脳もヒプノシスキャンセラーは解除できるのか」はヒプマイでの謎の一つになっているが仮にそれが真であるとすれば、ヒプノシスマイクで政権を得た言の葉党はその内部においても洗脳でもって掌握した人材が少なからずいるのではないか。今回の碧棺合歓などまさしくその証左であろう。

とすれば中王区内でうかつに操作することでそれらの人々が正気に戻ってしまうのを防ぐために外部での製作を行っているのかもしれない。

思考回路に巧みに絡みつき

根を張られたが運の尽き

それは想像力に影響して

我々の思考パターンさえも設定

今回のコトの発端は碧棺合歓が碧棺左馬刻の街中でのヒプノシスマイク使用を見咎めたからであった。

合歓の前任者はまさしくヒプノシスキャンセラーを巡る事件によって失脚しており、その就任から日が浅いとはいえそれまでに同様に使用していたことも恐らく、あったのではないかと思うのである。碧棺左馬刻だし。

なぜ今回に限って合歓が反応したのか。どこからかの報告で碧棺左馬刻が「きょうだい」を助けようとしたこと知ったからではないか。彼女の深層心理が「妹を大切にする兄」を思い起こさせ、そこに向かわせたのではないか?

兄に会いたいという深層心理を補完する言い訳が「兄を逮捕する」だなんて何とも切なすぎる兄妹ではないか。

で、さらに踏み込むと飴村乱数があの場にいたということは、それを合歓の耳に入れたのは彼の仕業ではないか、とも筆者は勘ぐってしまうのである。彼なりに「真正ヒプノシスマイク」で洗脳してしまった合歓を解放しようとしているのではないかと。それは言の葉党への復讐心が大きいとしても。

「真正ヒプノシスマイク」の設定がコミカライズと同様であれば、それは彼以外の「彼」が犠牲になってまで手に入れた「洗脳」でもあるのだが。同じくコミカライズで語られた神宮寺寂雷との訣別のきっかけであった「ある少女に行った許されないこと」がこの洗脳であるとするのなら、訣別前に戻りたいという気持ちもあるのだろうか。あってほしい。

三角 立場 力 競争

勝敗 商売 になっちゃってる戦争

恐らくはシブヤのドラマトラックはあの衝撃の告白の直後から、あるいは何もなかったかのように進んで最後に実は…という感じだと思われるが、そうなるとイケブクロで急にヘイトを稼ぐ損な役回りと謎の酒盛りを行ったオオサカを踏まえ、神宮寺寂雷と天国獄の因縁を鑑みるに、

イケブクロVSオオサカ

ヨコハマVSシブヤ

シンジュクVSナゴヤ

が次回のバトルシーズン初戦(設定としては決勝リーグ?)となるのだろうか。

できればたくさんバトルを見たいので総当たりにしてほしいのだが……。

また来月を楽しみに待ちたい。というかこんだけヒプノシスキャンセラーの話をしたけど今んとこ本編だと一番効果的なのは肉親のヒプノシスマイクなのだがそれでいいのだろうか。

全ては同じ船の上。いつか言の葉党に向けて各ディヴィジョンが呉越同舟するさまを見てみたいものだと思う。

odaibako.net