カナタガタリ

すごくダメな人がダメなすごい人になることを目指す軌跡

ヒプノシスマイク -D. R. B- 5th LIVE@AbemaTV感想

余談

もう毎回コロナの話題で申し訳ないのだが、とうとう当県も陥落した。

行動範囲内であるので大変動揺している。今までも危機感があったが、それまでの既に罹患者が出ていた県での人々の心に自分は結局より添えていなかったのかもしれないと少し暗い気持ちにもなった。

またしても自分が嫌になるのは自分や自分の身内が「第一号」にならなくて良かったと安堵した気持ちがなかったとは言い切れないからだ。罹患された方の回復を祈り、また一層の予防に努めていきたい。

弟の結婚式も延期になった。本来は延期でも何百万円もかかるところを式場の好意で半年までなら無料にしていただけたという。ただ、半年後にどうなっているか……人々の理性と政府の対応を信じたいところである。

というか自分の新居への移行がスムーズにできるのかもちょっと不安になってきた。

そして本日。本来ならば妻と筆者は関東にいるはずであった。しかし既にその目的であったヒプノシスマイクのライブ、「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 5th LIVE@サイタマ《SIX SHOTS TO THE DOME》」は中止が発表されていた。我々も既に飛行機のチケットの払い戻しとホテルのキャンセルを終えていたが、宿泊するはずだった池袋が火の消えたように、時の止まったように静まり返っていたのを液晶の向こうに見て不思議な気持ちになった。

その一助となれたなら、筆者にとって妻にとって不要でも不急でもなくとてもとても大切なイベントではあったけれどそんな風に感染拡大を防ぐための協力ができたのなら、意味があったのだと思いたい。もしカメラが映し出したのが乱痴気騒ぎであったら筆者も怒り狂っていたところであった。

そしてヒプノシスマイクの運営はAbemaTVでの代替ライブを準備してくれており、我々は早めの夕食を済ませてPCを接続したテレビの前にて待機するのだった……。

本題

最高だった。

前回のライブでもそうだったが幕が上がった瞬間迎えてくれた演者諸賢は言霊を纏うことによってそれぞれの演じるキャラクターそのものが乗り移ったようであり、完全に「ご本人登場」といった趣であった。

二次元の壁を突破してきた彼らを代表して山田一郎=木村昴さんがいう「画面越しなんて関係ない」という言葉には説得力があり、我々は一瞬にして遠く離れたリビングで鑑賞する人間からこの最高のライブを最前線で鑑賞できるライブ参戦者へとそのポジションを昇格することを許されたのである。

開幕は先日中止の発表と共に我々の前に現れた「ヒプノシスマイク -Division Battle Anthem-+」。本当は満員大入りの会場でサプライズ発表したかったのかなあ……きっと筆者もイケブクロ→ヨコハマ→ナゴヤ!?と大いに驚いていたことであろう。新ディビジョンの面々は既存のディビジョンよりさらにアレンジが極まったバースを見事にこなしていた。

 


ヒプノシスマイク Division All Stars「ヒプノシスマイク -Division Battle Anthem-+」

イケブクロ・ディビジョン

IKEBUKURO WEST GAME PARKからイケブクロの進撃がはじまる。「おはようイケブクロ」ではないのはバトルシーズン前夜ということでより攻撃力の高いほうを選んだのだろうか。(シンジュクも「笑わすな」だったし)この時、カメラの後ろでは他のディビジョンの面々が見守っていたらしく、Oh…マイメン……といった感じである。先ほど画面の壁をぶっ壊した一郎が新たな壁を打ち砕こうとする決意、敗けたことを糧にして文字通り一回りでかくなった二郎に比べ、その圧の強さが不穏に感じる三郎はやっぱり心配である。気のせいか一郎も心配そうな顔をしていたような……。CDで聞いた時から思っているんだけど三郎は真正ヒプノシスマイクのために一郎をいじって作られたデザインベビーだったりしませんよね?

ヨコハマ・ディビジョン

ヤクザというかマフィアのゴッドファーザーのような左馬刻様の威厳たっぷりのライムに切れ味鋭い入間巡査部長のバースが乗り、理鶯現無職はその重低音にセクシーなアレンジを加えて見せる。流血でつながるファミリー、それがヨコハマ・ディビジョンだと言わんばかりのアンダーグラウンドな格好良さ。それぞれの個人曲はヨコハマの今、過去、未来を俯瞰しているようで、自分たちのシマを護り、拡大するという覚悟を感じる。そういえばテリトリーバトルでどこを手に入れたのだろう。町田?

オオサカ・ディビジョン

クリーピーナッツがいちゃいちゃしてからのオオサカ・ディビジョン。半年前、1ダースがライブの場で初めて全員揃い、12人最高! ウチら……ズッ友だよ? みたいな雰囲気を醸し出している中、中王区による「テコ入れ」として出てきた彼らに対して実に賛否両論が巻き起こったものだ。それをねじ伏せて見せたのはひとつに彼らのキャラクター性、そして楽曲とそれをモノにしているとこから感じられる演者の方々の「本気度」であったと思う。

 

kimotokanata.hatenablog.com

 クリーピーナッツが楽曲を提供してくれたから勝利なのか。そんな訳はなく、この曲の手ごわさはカラオケで挑戦した方ならば嫌ほど感じたことであろう。それが今回、liveでも彼らは見事にこなして見せた。特に後半の寸劇めいた展開などはライブだと非常に映えた。個人曲も振付が愉快であったり、しっとり聞かせてくれたり、おっさんが歌うのにガチガチの最新トレンドだったりと飽きさせない。

ゴヤ・ディビジョン

kimotokanata.hatenablog.com

 今回のライブの素晴らしさのうち少なくない部分を占めているDJ、そしてダンサーのパフォーマンスとnobodyknows+のコメントの後現れたのはナゴヤ・ディビジョン。オオサカ・ディビジョンの楽曲の素晴らしさは後続のナゴヤ・ディビジョンに対して相当なプレッシャーになったはずである。筆者もオオサカに比べて楽曲のちら見せも遅いことから運営も苦戦しているのかと思っていたが、お出しされたものはオオサカと毛色が違いながらやはり一級品のものであった。そして個人的にはオオサカ以上に難しい。完全に波羅夷 空却な葉山さんが「後半戦」という単語を口にした時、あっという間に一時間が経っていることに気付き驚きながら、しかし「家族」たる彼らのグルーヴにあっという間に引きずり込まれるのであった。少年から大人に変わろうとしている二人の該当のバース部分の動きが特に印象に残った。絶対にライブで無理だろうと思った「そうぎゃらんBAM」が完全に再現されていたのは声のプロ恐るべし、といったところであるしトレンドにスタンドマイクを、ヒプマイ楽曲に新風をぶち込んだ四十物十四は素晴らしき異端であって、天国獄の楽曲はコール&レスポンスを大勢でしたかったなあ……としみじみ思いながらもダンスに夢中であった。

シブヤ・ディビジョン

kimotokanata.hatenablog.com

 もちろん単独でも素晴らしいのだが、もしまだシブヤのドラマパートを聴いていないのであればぜひ聴いてから再度鑑賞してほしい。感涙必至である。CD音源ではなんとか抑えていた感情がライブで爆発している科学者=飴村乱数などヤバい(語彙力の喪失)その生の渇望が刺さるのである。「ピンク色の愛」でもポッセぶりを確認できてよい。「萼」の春の日差しのような温かさ、「SCRAMBLE GAMBLE」の「この仲間に全て賭けるぜ」などいちいち沁みる。

シンジュク・ディビジョン

箱推しであるのだが、あえて言うならシンジュク推しである我々。いよいよ待望の推しディビジョン。まさか再び自分より年上の男性に対して「かわいい」という感想を抱く日がくるとは思わなかった……「パーティを止めないで」を流し続けていれば世界から争いはなくなるかもしれない。そういえばシンジュクのドラパ感想を書けていないのでそのうちに書きたい。

中王区からのお知らせ

kimotokanata.hatenablog.com

以前していた予想が当たり、中王区での楽曲&ドラパがリリースされるようである。筆者はもともとプロデューサーを本業としていた時期があり、無花果女史の歌唱力についてはその間違いなさをよく知っているつもりであるので楽しみである。左馬刻様も複雑な気持ちになりながらも三冊予約することだろう。各店舗の特典発表が待たれる。

Survival of the Illest& ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-+

アプリにサプライズで現れた新曲(YouTubeにも早くMVが欲しい……)をさっそく披露してくれた。ちなみに筆者は乱数のSSRが運よく出たので主力で頑張ってもらっている感じである。この曲で言えば夢野幻太郎先生パートが難しくてムキーっとなっている。判定に違和感のある読者諸賢においては設定から調整ができるので是非お試しあれ。筆者はそれで万年Dの曲がSSをとれるようになりました。恐ろしいのは早くもオオサカ・ナゴヤが参加していないと物足りなさを感じてしまうところである。アニメ放映終了辺りでアップグレードをアプリともども望みたい。

そこからの満を持しての全員曲は万感迫るものがあった。

アニメPVお披露目

kimotokanata.hatenablog.com

この記事が「ヒプマイ アニメ」で来訪されるたび申し訳なさを感じる筆者である。しかし夏アニメとは思ったより早く驚いてしまった。今回の挿入歌のようにアニメオリジナルの曲も登場するのだろうか?個人的には今回の挿入歌はあまりにも「アニメのOP」過ぎてちょっと違和感があったが、実際のOPと一緒に見ればそれも吹き飛ぶかもしれない。

「リリックでダメージを受ける」という描写をアニメでどうシュールにならずに展開してくれるかが楽しみである。決勝戦を描く感じなのだろうか。

アフタートーク

本当に18人一人も欠けることなくライブが出来てよかった。そしてそれをこういった形で見せてくれた各所に感謝がいっぱいになる思いであった。黒田さんに「殺すぞ」と言われてしまったら筆者であれば以降貝のように口を閉ざすだろうが天丼してくるのが浅沼さんの凄いところである。それぞれのリラックスした状態が見れてほっこりさせられた。

終わりに

こんなものを現地で見たら失神のち介抱を必要としていたかもしれないので今回が自分にとっては正解だったのかもしれない。とはいえもちろん、今後の参戦を諦めたわけではない。木村さんが言ったように、いつか彼らの視界に自分のハンドサインを掲げる日まであきらめずに日々を送っていきたい。本当に得難い時間をありがとうございました。

【Amazon.co.jp限定】ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-4th LIVE@オオサカ《Welcome to our Hood》 Blu-ray(B2布ポスター付き)